大阪近代建築BLOG

消えていく近代建築に異議申し立て
-大オオサカまち基盤(大バン)-

大バン報告(ま)

2005-11-20 20:24:25 | 大バン活動記録
昨日、心斎橋大丸を10名くらいで回遊し、その後18名ほどで大バンを開催しました。初参加の方も数名。
大丸、外観はやっぱり素敵。威風堂々としていて、百貨店のキラキラした華やかさを感じさせる数少ない建物だと思います。・・・が。内部はやはり手を入れたくなる気持ちはわかる・・・という印象を受けました。
わたしをはじめ、デパートというものに足を踏み入れるのはひさびさだった人が多かったです。みんなで話していると小さい頃家族で百貨店へ行くのは『おでかけ』だったという人と、そもそもそういう経験はあんまり無いという郊外派の人とに分かれ、ただ、今では百貨店にはデパ地下以外ほとんど行かないというところはほぼ全員一致しました。

なぜ百貨店には行かなくなったんだろう?デパートではないファッションビルとどこが違うのだろう?どう違っていて欲しいだろう?デパートの価値ってどんなところにあればいいのだろう?そもそも百貨店という従来の概念はもう役割を終えているのではないか?呉服屋さんが百貨店に変わったような劇的な変化が、百貨店には必要なのではないだろうか?床を増やすばかりではなく・・・。

そんな感じで話は盛り上がりました。結論めいたものはまだ出ていませんが、自分にとってとか、街にとって、百貨店ってかつてどうだったのか、今どうなのか、これからどうであればよいか、ってことを考えてみるイイ機会になりました。

あんなにデパートの中をジロジロ熱心に見たのは初めて。例えば1階の天井や柱・梁の装飾、エレベーターホール、エスカレーター脇の壁のレリーフなど、ぜひとも残していただきたい素敵な部分は限られています。うまく活かした改装方法、あるいは、今すでに天井や壁に覆われていて見えなくなっているところにある(かもしれない)装飾なんかに光を当てた演出、などなど、外観を残した大改装には注文がいっぱいありそうです。

みなさん、ぜひこれをきっかけにして、大丸のディテールを眺めに行ってください。鮮烈なデザインは、今なお他の商業施設の追随を許してないかもしれません。

紀泉にも。使えるローカル近代建築&古民家(空)

2005-11-17 18:55:11 | ニュース&トピック
大阪は泉州、そして和歌山にも近代建築や、特に古民家がぽつぽつありまして、小さな田尻町には大きすぎる?存在感の田尻歴史館「愛らんどハウス」があります。
藤森さん著の「日本の洋館」にも登場する、’綿王’紡績業を築いた谷口房蔵が大正12年に郷里に建てた別邸で府指定文化財。
設計は、大阪ガスビルを設計した片岡建築事務所。多彩なステンドグラスをもつ洋館、加えて別棟の和館など、見所いっぱいで、隠れた?名建築で、だんじり祭や関空、そして間近の田尻漁港日曜朝市に行かれた際は是非予約して見学しませう。

ここで、19・20日と、作陶展と音楽・アート・クラフト作家さんの、建物全体を贅沢に使った作品展示イベントがあります。19日の大丸前にでも、是非~。

また、来年4月より、経費削減のため、指定管理者制度を導入し、名乗りをあげた民間業者による文化・工芸教室と、そして洋館ハウスウェディング事業などがなされる予定です(議決されたら)。すこし外観など補修(改修?)して、その翌年オープンとなるようですが、この提案どおり、すべてかなえられたらとってもうれしいですね~。

あと、27日まで、‘紀泉古民家ネットワーク’さんが、愛らんどハウスを含む8つの建物のスタンプラリーをしています。なかでも和歌山の「あナリ」さんは、蕎麦→カフェ→音楽→マッサージ(これが本業)までしてくれる独自路線で必訪・脱力です。(ほかには、熊取町―中家住宅、泉佐野市―旧向井家住宅(私、夏に一泊しました。。)、新井家住宅泉佐野ふるさと町屋館、阪南市―成子家住宅、泉南市―山田家住宅


【ニュース】家賃2万5千円!改修できる賃貸住宅(ま)

2005-11-17 00:22:56 | ニュース&トピック
もちろん、近代建築じゃないのですが。
実は、大阪市住宅供給公社が 「改装できる賃貸住宅」 の入居者募集を開始!!申込みは 11/19(土)・20(日)・21(月)の3日間 現地受付のみ!

昭和30年代に建てられた、決して名建築とは言えない集合住宅ですが、クロスや木目柄のシートなどの汚れはしても古びることのない建材に辟易した目と肌に、温かく感じられる住まいです。光の入り方がやわらかく、年月を経た建物ならではの佇まいが魅力。
賃貸住宅としては非常に珍しく、自分で手を加えることができることが最大のポイント。

少しでも興味を持たれた方は、ぜひ今週末の3日間に足を運んでくださるよう、お願い申し上げます。(ごくシンプルなモデルルームを、Arts & Craftsがお手伝いしました。)

詳しい場所などは、こちらをご覧ください。

11月の定例大バン テーマは『大丸 心斎橋』(ま)

2005-11-12 00:22:17 | 大バン活動記録
今月の大バンでは、「解体が決定」と報道されて話題になったコトから『大丸のこと、心斎橋のこと』をテーマに話してみようという事になりました。「解体の具体的な計画はありません」と大丸が発表されていましたが、あの記事はどういうことだったのでしょう。

ともかく、大丸心斎橋店という建築を改めて見ながら、また新しいそごうも見てみて、心斎橋の華やかだった頃や、あるいはこれからに思いを馳せてみませんか?

■11月19日第三土曜日 17:00~大丸見学 19:00~大バン
■17:00集合場所→大丸心斎橋店 御堂筋側の中央玄関の案内所
 (ここで、写真のフロアガイドがいただけるそうです)
■19:00大バン会場(ここからの参加もOK)
 →伏見甲陽ビル地階 ムードダイニング(地図はこちら

当日参加もモチロンOKですが、お店の予約などもあるので、できれば事前に連絡くださいませ。→daiosaka1925@yahoo.co.jp

かつての川べりでぼやく・・・(まさきち)

2005-11-11 01:54:53 | Weblog
細野ビルヂングの前を通りかかり、ダイビルに似た角の丸い形をぼんやり眺めていました。ダイビルと同じように、船を模したものなのかなぁ。そういえば長堀通りはかつて長堀川でした。
広い通りが川だった頃のことをしばしイメージ。

韓国で道路を川に戻すプロジェクトがあったらしいけど、大阪でもやればいいのにな。だけど莫大な費用がかかるんだろうなぁ。・・・でも、大阪市が次々に破綻させた第3セクターその他にかけた費用があれば、できるんじゃないの?

そもそもあんな巨大プロジェクトが、幾つも幾つもコケるなんてどうなってるの。行政の偉いサンの<ビッグプロジェクトに『GO』を出すという英断をする快感>と、プロジェクトXなゼネコンさんの<無理な発注、無茶な工事を請けて立ち、かつやり遂げる快感>の二種類のオジサン達の喜びのために、この街は無茶苦茶になってきたんじゃないのかしらん。

大人なんだからちょっと冷静にちょっと長い目で見れば、計画変更もできたんでしょうに。家に帰って奥さんや娘にそんな仕事の話をしたら「そんなん、ちょっとやり過ぎちゃうー?」と冷静な批評を得ただろうに、そんな時間も惜しんで邁進しちゃったんだろうなー・・・。そんなんで過ごしてきたにしちゃ、ツケが大き過ぎるんじゃないのー?
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秋の青空の下、自転車で街を走りながら、やけにボヤキ気分の今日でした。

今橋消防署のゆくえ(ま)

2005-11-10 01:09:49 | ニュース&トピック
大バンが始まったときから気になっていたこの建物長年使われていなかった小さな消防署が気になって気になって、大バンは勝手に提案をまとめて消防署に提出しに行ったのでした。(担当の方は熱心にわたし達の提案を聞いてくださいました)

サードプレイスをテーマとしたカフェやギャラリーが複合的に混在するスペース。専属のプロデューサーがトータルに演出するサロン的な場所こそが、この淀屋橋WESTの一角にふさわしいのでは?という提案で、消防車用車庫のシャッターはスクリーンに替え、中のカフェで上映している映画や映像が外にも光と共にこぼれる・・・という風景を想定しました。

その中央消防署今橋出張所が、去る10月に大阪市財政局によって公売入札で売却され、個人の方が落札されたそうです。入札の参加者も多く、かなり高額での落札ということですが、どのように使われるのかがタイヘン気になるところですね。

大阪市は「建物を取り壊さず使用すること」などの条件を付けずに売却されたのですが、素敵な活用を心から期待しています。(報告、たいへん遅くなりました)

続々オープン(ま)

2005-11-08 22:35:22 | ニュース&トピック
近代建築に続々と素敵なお店がオープンするようです。

少し前にもうすぐらしいとお知らせした山内ビルは、1階にこれまでのお店の系列店『里山cafe』が11/7(月)グランドオープン、2階はこれまで1階にあった『chezSOLVIVA』がリニューアルオープンされるとのこと。

さらに、オーナーサミットにご出席いただいた伏見ビルさんには、素敵な女性オーナー自らがされていた『とんかつ もず』に替わり、フレンチの名店『ラ・クロッシュ』(淀屋橋)のシェフが、もっとカジュアルにフレンチを食べられるお店を11/8(火)にオープンするそうです。

お菓子の『五感』がフレンチレストランに替わって新井ビルに居を構えられたのも記憶に新しいところ。中に入って建物を味わうことのできるお店が増えるのは喜ばしいことですね。

三休橋筋にガス燈(ま)

2005-11-02 22:54:37 | ニュース&トピック
三休橋筋の土佐堀通り~中央大通り間にこれから4年間で50基のガス燈が整備されることになったそうです。大阪ガスが創業100周年を記念して、希望団体にガス燈を寄贈する事業をされているそうで、それに三休橋筋商業協同組合さんが名乗りを上げた、と産経新聞夕刊に掲載されていました。三休橋筋愛好会の方々のご尽力もあったことと思います。

三休橋筋と言えば、八木通商高麗橋シェ・ワダ浪花教会綿業会館(写真)など、近代建築が数多く残るよい通りです。中央公会堂から栴檀(せんだん)の木橋を渡って三休橋筋を自転車で通るのが気分よくてわたしはとても好きな道です。心斎橋の東急ハンズの東側の道、と言えばわかりやすい人もいるかも。だんだん増えていくガス燈を数えながらの散歩も楽しいかもしれませんね。

※今月号の大阪人も北船場の特集です。都市協会は閉鎖されるそうですが、この雑誌は存続することを祈ります。(最近とっても表紙がステキになりましたよね!)