|
|
|
|
|
以前から定期的に刊行されている福音館の絵本復刊。2012年5月刊行。
今回はなかなか久しぶりの復刊も含まれている。
まず「シンデレラ」。コールデコット賞受賞のマーシャ・ブラウンの名作。版権が別の出版社に?という噂を聞いたことがあったが、これはうれしい!なんと1998年以来。
また、「はしれちいさいきかんしゃ」「あめのひ」「マルチンとナイフ」も1999年以来の復刊。これもうれしい。この4冊は2000年代には新刊で出なかったことになる。
それだけに喜ばしい限り。
また、それ以外にも約10年出ていなかった絵本も含まれており、ラインナップとしては、福音館が誇る名作中の名作といえる。
全11冊は以下のとおり
しあわせなふくろう(前回2006年)
くさはらのこびと(前回2009年)
あめのひ(前回1999年)
ひよこのかずはかぞえるな(前回2003年)
マルチンとナイフ(前回1999年)
ぶかぶかティッチ(前回2007年)
シンデレラ(前回1998年)
ふゆのはなし(前回2009年)
わたしのおふねマギーB(前回2002年)
はしれちいさいきかんしゃ(前回1999年)
ママ、ママ、おなかがいたいよ(前回2003年)
そういえば「ねこのオーランドー」とか「オーラのたび」とか、しばらく見てないなあ。。。
でも最近の福音館の復刊は、とても頑張っていると思うし、これからも期待したい。
去年もフェリクス・ホフマンの復刊本もまだ入手できそうだし、こんな機会逃したら、もうないかもしれない?
ちなみに前回の版数を持っているのに、何冊か今回買ってしまいました・・・新刊見たら、ついつい。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
福音館で発行している絵本には、名作が多いが、逆に品切れ期間が長い。版権の問題等、いろいろな課題があると思われる。それだけに、復刊されたときの喜びは大きい。
この5月に復刊するのが、フェリクス・ホフマンの名作4冊。すべて、前回の出版から10年以上振り。
「ながいかみのラプンツェル」⇒前回1999年
「しあわせハンス」⇒前回1999年
「うできき四人きょうだい」⇒前回1997年
「七わのからす」⇒前回2003年
ホフマンの絵については、このようなグリム童話、特に「七わのからす」「ながいかみのラプンツェル」の実は残酷な話に、非常にマッチしていて、何度読んでも素晴らしいと思える。また、残りの2冊についても、割とポップな話にもホフマンの絵の軽快さが生きていると思う。
今回も限定出版らしいので、未入手ならぜひ購入すべき!間違いなく損はないでしょう。「ねむりひめ」「おおかみと七ひきのこやぎ」のファンの方で興味があれば、必ず満足できる絵本。
私も上記版数を持っているが、今回も買おうかと思わずにはいられない、大きな復刊ニュースでした。また福音館から出ることもうれしかったりする。
福音館では5月11日(水)出版開始となってる。フェリクス・ホフマン生誕100年企画。もうすぐ店頭に並ぶと思われる。楽しみ。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
今日10月31日はハロウィン。
我が家にハロウィンの絵本って無かったか?と探すと、「魔女たちのハロウィーン」という絵本が出てきた。
1993年佑学社刊。エイドリアン・アダムス作。
エイドリアン・アダムスの絵は好きで買ってあったが、久しぶりに読むと、魔女たちが子どもをハロウィンパーティに招待するというシンプルすぎるストーリーに少しびっくりした。
ストーリーはともかく、エイドリアン・アダムスの絵本は、絵がかわいいので、どこかで復刊してくれないだろうか。
今はなき佑学社の絵本って、掘り出しものが多いので、ぜひ。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
この前、夜会社から車で帰宅していたとき、一面が霧で覆われたところがあった。
運転中なので正直危なかったのだが、不思議とその危なっかしい霧の中の運転が
次第に心地よくなってきた。
どこまで続くんだろう?と思うと、なんだかワクワクした。
しばらくすると霧が晴れて、運転しやすくなって、すごく残念だった。
普段何気に暮らしていると、あのような幻想的な雰囲気を味わえることって、
案外少ない。
そのままの勢いで、久しぶりに「きりのなかのサーカス」を引っ張り出してきた。
ブルーノ・ムナーリの名作。
彼は「霧の中」というのを表現するために、トレーシングペーパーという離れ技を
使った。
全体としては「サーカスへの道のり」「サーカス」「帰り道」の3部構成となっている。
霧の中の表現は、1部と3部で描いていて、サーカスが始まるワクワク感と、
サーカスの後の余韻がよく表現されている。
トレーシングペーパーなので、裏の絵が表に映って、見づらかったりもするのだが、
これが逆に霧を連想してしまうのが不思議。
また、ひとつひとつの描写がシュールだが、とてもおしゃれ。
この絵本、以前レオ・レオニ「スイミー」などで知られる好学社から出版されていた。
しばらく品切れ状態で翻訳版の入手ができなかったが、去年フレーベル館から復刊した。
訳は八木田宜子さんから谷川俊太郎さんに。
値段は少し高めなのが難だが。
(私が持っている1986年第2版は1800円。最新版は2415円。)
・・・霧のおかげで、久しぶりに読んだが、40年前の作品なのに、まったく古くならない
この作品の魅力に改めて脱帽だ。
【タイトル】「きりのなかのサーカス」
【出版社】フレーベル館
【文・絵】ブルーノ・ムナーリ【訳】谷川俊太郎
【定価】2,415円 2009年9月復刊
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「ねずみのウーうん」
【出版社】冨山房
【文・絵】マリー・ホール・エッツ【訳】たなべいすず
【定価】1,470円 2009年4月復刊
【ストーリー】ある町で、くつやのおじさんが靴直しの仕事をしています。ねこのミーオラ、いぬのロディオ、ねずみのアンソニー・ウーくんがいっしょに住んでいました。しかしねこといぬはお互い仲が悪く、ねずみをいじめたりしています。あるとき、くつやのおじさんが用事で家を留守にしたとき、ねこといぬが大ケンカをし、家じゅうがめちゃくちゃになってしまいました。そこに、おじさんのおねえさんがやってきますが、めちゃくちゃな家の状態を見て、おじさんがいない間にねこといぬを家から追い出し、自分がおじさんの家に住むことを決めてしまいます・・・。
【感想】ついに出た「ねずみのウーくん」。冨山房は一時、数ある絵本が品切れ状態になっていたが、その中の1冊がこれだった。もはや中古品、もしくは他社からの復刊でしか入手できないのかと思いきや、今年奇跡の冨山房からの復刊。1983年11月1日初版で、2009年4月16日第4版。
ほのぼのとした話と、柔らかいのに迫力もある版画絵。まさにエッツの真骨頂。
絵本としては文が多いが、読み応えがあり、素晴らしい絵本なのだが、1470円は少し高いかも。
最近、全体的に絵本の価格が本当に高い・・・。
まあ、このクオリティ、物量からいえば、まずまずの価格なのかもしれないが。
とにかく、この復刊は喜ばしい!
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「おばけのジョージー」
【出版社】福音館書店
【作・絵】ロバート・ブライト 【訳】光吉夏弥
【定価】1,155円 2009.03限定復刊
【ストーリー】ニューイングランドの小さな村に、ホイッティカーさんの家がありました。この家の屋根裏に、ジョージーという小さなおばけがすんでいました。ジョージーが動きまわるのは毎日規則正しく、ジョージーが階段を降りる物音や、ドアをあけるギーという物音のおかげで、主人は寝る時間だと分かり、ネコはネズミを探す時間だと分かったりして、みんなの行動が万事うまくいっていました。ある日、ホイッティカーさんは、ふと、ゆるんだ階段の板の修理をし、ドアに油をさしました。そのために、ジョージーが動いても、階段がミシミシといわなくなり、また、ドアがギーと音をたてなくなりました・・・。
【感想】ほのぼのとした「おばけ」の絵本。おばけにも、住みやすい家とそうでない家があるのかな?・・・と、単純な話なのに、とても愉快になる絵本。
こんな名作が久々の復刊。10年以上は出てなかったのでは。
最近は著作権の関係で、以前より思うように名作絵本を簡単に出せない事情があるように思うが、がんばって出版してくれた福音館には感謝したい。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「ユゴーの不思議な発明」
【出版社】アスペクト
【作・絵】ブライアン・セルズニック 【訳】金原瑞人
【定価】2,940円 発売中
【ストーリー】1931年のパリ。ユゴーという男の子は、駅構内のおもちゃ屋で、おもちゃを盗もうとして、店の老人に見つかり、持っていた大事なノートを取られました。ユゴーは仕方なく帰りますが、ノートを返してもらうため、再度おもちゃ屋に行き、老人にノートを返してもらうよう頼みますが、老人は聞いてくれません・・・。
【感想】いままで読んだことのない絵本。絵本というか、挿絵の多い童話というべきか。
本の構成はなんと540ページに及ぶ単行本サイズ。分厚い。さらに中には160枚ほどの挿絵(1枚が2ページにわたっているので、300ページ以上が挿絵)。モノクロの鉛筆画で重厚。さらに往年の映画のワンシーン(本物の写真)が何枚か含まれているが、これが実はこの本のテーマに沿ったものになっている。
さらに文章が書かれているページには、びっしり物語が描かれていて、最初は謎だらけの話だが、いろいろなものがだんだんとつながっていき、どんどん引き込まれるストーリーで、とても面白い。本の帯にも書かれているが、まさに「映画を観るように読む」本である。
映画を見るような本である以上に、作者の映画に対する愛情をすごく感じる作品。
2008年コールデコット賞受賞。すごく質の高いファンタジー。画期的な作品に出会えた喜びを感じることができる素晴らしい本だ。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「レッド・ブック」
【出版社】評論社
【作・絵】バーバラ・レーマン
【定価】1,375円 発売中
【ストーリー】女の子は学校へ行く途中、1冊の赤い絵本を拾いました。学校で赤い絵本を読むと、中にどこかの島の少年が描かれていました。絵本の中では、島の少年も同じように浜辺で、赤い絵本を拾うのでした・・・。文のない絵本。
【感想】これは素晴らしい。夢のあるストーリー展開(ある意味ラブストーリー)、かわいらしいイラスト、絵本としての構成、すべてにおいて、最近の中では間違いなく秀作だと思う。最近よくありがちな感じではあるが、うまく練られていて、とても感心した。
この作者の作品は、これが初めてだったが、他の作品がどれくらい出ていて、どういう内容なのか、ひじょうに気になる。最近こういう作者との出会いがなかったので、こちらもうれしい気分。
日本版は今年10月に出たばかりだが、2005年度のコールデコット・オナー賞を受賞している。表紙も素晴らしく、飾っておきたくなる。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
| クリスマスのうさぎさん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)ウィル,ニコラス,わたなべ しげお福音館書店このアイテムの詳細を見る |
【タイトル】「クリスマスのうさぎさん」
【出版社】福音館書店
【作・絵】ウィルとニコラス 【訳】わたなべしげお
【定価】絶版
【ストーリー】明日はクリスマス、デービーという男の子は夜になるのを待ち切れず、そわそわした気持を落ち着けるため、動物たちに会うため森に行くことにしました。雪の上に足跡を見つけ、その足跡のほうに向かうと、罠にかかったキツネがいました。キツネから罠を外してあげると、キツネはパーティが始まる時間だと言って、デービーを案内しました・・・。
【感想】ユニークな絵とともに、ストーリーもなかなか面白いし、この作品から醸し出される素朴さが、個人的には一番気に入っている。クリスマスが待ち遠しいという男の子の姿、動物とのふれあい、サンタとの出会い、どれを取っても、ストーリーは考えすぎなくても、このようないい作品に仕上がることがわかる。やっぱりウィルとニコラスの素朴な絵もポイントかな。
最後にデービーがクリスマスの朝にプレゼントを見つけるシーンがあるが、さりげなく自分たちの絵本「みつけたものとさわったもの」が描かれている。そういうふうに細かく絵を見ているだけでも楽しめる。
この作品は1985年に福音館から出版されたが、その後は復刊された記憶なし。もう一度、復刊してはくれないだろうか。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「まりーちゃんとおおあめ」
【出版社】福音館書店
【作・絵】フランソワーズ 【訳】きじまはじめ
【定価】1,260円 発売中
【ストーリー】雨がふって、まりーちゃんは学校にいけません。小川があふれ、どんどん雨がひどくなってきました。とうとう辺り一面水びたしになり、もうすぐ水が家に迫っています。1階が浸水し始めたので、まりーちゃんはおばあちゃんを2階に避難させました。それから生き物たちをみんな山のほうへ連れていき、避難さえます・・・。
【感想】一言でいえば洪水という一大事の様子を描いているのだが、すごく明るい作品。とにかくフランソワーズの絵がかわいい。まりーちゃんは雨がきらい、とはっきり文に書いてありながら、どこか楽しそうなまりーちゃんや動物たちに、読み手もいっしょになって楽しい気分になってしまう。雨、しかも洪水なのに、この気分。カエルの気持ちってこんな気持ち?
この絵本、2003年を最後に品切れ状態になっていたが、このたび復刊。しかも限定ではなく、通常の絵本と同様に、定期的に重版するという!なんと素晴らしい。「ベンジーのふねのたび」とこの本の2冊がそうらしい。この名作がいつでも読める絵本になった。福音館に感謝、感謝である。ただし、前回の復刊時は1,050円だったので、価格は若干上がっている。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「おおきいツリー ちいさいツリー」
【出版社】大日本図書
【文・絵】ロバート・バリー 【訳】光吉夏弥
【定価】1,365円 発売中
【ストーリー】ウィロビーさんの大きな家に、注文していたクリスマスツリーが届きました。喜んで屋敷の中にツリーを入れると、クリスマスツリーがさらに大きすぎて、天井がつっかえてしまいました。困ったウィロビーさんは執事に相談すると、執事はツリーの先を切りました。ウィロビーさんはこれでツリーの飾りつけができると喜びました。執事はその切ったツリーの先を、小間使いにあげました。喜んだ小間使いは自分の住み込んでいる部屋にツリーをかざりますが、ツリーの先が上につっかえてしまいます。仕方なく先を切り、切った部分は翌朝のゴミに出してしまいますが・・・。
【感想】とても楽しいクリスマス絵本。展開が無理やりという気がしないでもないが、実に微笑ましい。みんなクリスマスツリーって好きなんだ、と改めて教えてくれる。昨今のクリスマスのイルミネーションもいいが、クリスマスツリー1本だけあれば、それだけで心躍るのかもしれない。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「こうさぎたちのクリスマス」
【出版社】佑学社
【文・絵】エイドリアン・アダムス 【訳】乾侑美子
【定価】絶版
【ストーリー】うさぎのアボットさんと奥さんは、たまごにきれいな模様を書く名人でした。その息子のオーソンも上手で、すっかり一人前の気分でいました。クリスマスにはそのたまごを、村のうさぎたちがみんな買いに来ていました。次の朝、オーソンが目を覚ますと、こうさぎたちが集まっていました。こうさぎは、自分たちでクリスマスパーティを準備して開き、大人たちを呼びたい、だから協力してほしいというのです。オーソンはこうさぎが何もできそうにないのに頼まれたので、全部自分がやらないといけない気がして、約束しなければよかった、と後悔します・・・。
【感想】見所はやっぱりエイドリアン・アダムスの絵だと思う。派手さはないが、淡く落ち着いた配色で、クリスマスの楽しい話を演出している。昼間にクリスマスツリーに模様を書いたたまごを飾り付けるシーンもそうだが、夜のクリスマスパーティの場面は特に素晴らしく、暗い中でうさぎたちの楽しそうな表情や、焚き火の微妙な明るさなどすべてが融合し、本当にキレイ。エイドリアン・アダムスは佑学社から「魔女たちのハロウィーン」「魔女たちのパーティ」などが出ていた。最近翻訳本ではお目にかかれないが、繊細な絵を書く素晴らしい作家だと思うので、この状況なんとかならないものかと思う。
【備考】アメリカ創作絵本シリーズ11
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「クリスマスはサンタ・クロースのひげだらけ」
【出版社】佑学社
【文・絵】ロジャー・デュボアザン 【訳】岸田 衿子
【定価】絶版
【ストーリー】サンタクロースはとても怒っていました。クリスマスが近づくと、自分のまねをした偽者のサンタクロースがたくさん現れることが気に食わなかったからでした。クリスマスの日、サンタクロースはプレゼントを配りにいくと、町中にサンタがいました。それを見てサンタはまた、カンカンになって怒り、にせサンタをやっつけることに決めました。にせサンタがいないか探し、見つけるとすぐにそのにせサンタからひげをつかみとっていったのでした・・・。
【感想】この絵本、実は個人的には大好きな絵本。なんて楽しい話と絵だろう。サンタがにせサンタを気に食わないという設定も面白いし、サンタが奥さんに説得される最後のオチも素晴らしい。こういう絵本こそ是非復刊してほしいと思うし、図書館等で見かけたら、ぜひ読んで欲しい素晴らしい絵本だと思う。デュボアザンの絵本にハズレなし!
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「マドレーヌのクリスマス」
【出版社】BL出版
【文・絵】ルドウィッヒ・ベーメルマンス【訳】江國香織
【定価】1,260円 発売中
【ストーリー】パリの寄宿学校に12人の女の子がいました。クリスマスの夜、寄宿学校では風邪が流行っていて、みんなベッドで寝ていました。でもマドレーヌだけがみんなのために働いて、ごはんを作ったりしていました。突然ドアのノックの音が聞こえたので、サンタクロースかしら?と思い、開けてみると、そこに絨毯を売りの商人が立っていました・・・。
【感想】福音館から出ているマドレーヌシリーズとは少し趣きが違うように感じるが、マドレーヌらしさはそれなりかな、という感じ。他の作品よりはマドレーヌが活躍していないように思えるが、あの絨毯売りの商人が登場するせいで、マドレーヌのクリスマス自体も結構変わった感じになっていたりする。もう少しマドレーヌが中心となって、いいクリスマスが描かれていればもっとよかったかも。決してこの絵本がどうだ、ということではないが。
この絵本は今、江國香織さんの訳でBL出版から出ているが、昔は佑学社から「サラダ記念日」の俵万智さんの訳で出ていたことがある。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
【タイトル】「ロンドン橋がおちまする!」
【出版社】冨山房
【文・絵】ピーター・スピア【訳】渡辺茂男
【定価】絶版
【ストーリー】ロンドン橋は度重なる破壊で、何度もかけなおそうとしました。どうやって架けなおすか。まず木と粘土を使いましたが、流されてしまいました。次に鉄を使いましたが、曲がってしまい、これもダメでした。さらに砂利と石で組み立てようとしますが、これも失敗に終わります・・・。
【感想】"London Bridge Is Falling Down"のマザーグースの歌詞を元に、1ページずつ丹念にロンドン橋の建築の歴史を、なんともユニークに描いている。「マイ・フェア・レディー」という調子とともに、何度読んでも飽きずに楽しむことができる。さらに緻密な絵はどうだろう。驚きである。まさにピーター・スピアーだからこそ、生み出した傑作ともいえる。
絵本の最後に、ロンドン橋の歴史がとても詳しく記載されていて、これについても非常に興味を持って読むことができる。その点を考えても非常に貴重な作品ではないだろうか。ただしなぜか絶版状態が続いており、こんな面白い絵本が図書館でしか読めないのはとても残念に思う。
| Trackback ( 0 )
|
|
|
|
|
|
|