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ねぐら(進化する弁護士ブログ)

(-. -)zzz...  
 
その都度、興味のあるネタを書いて行きます。最近は、投資話が熱いです。。

霞ヶ関 PM4

2008-09-13 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
去年の9月13日。朝、泥田の中から巨大なナマズを立て続けに二匹釣り上げる夢で目を覚ました。田んぼの中には、さらに大きなナマズがいる。・・・・なんという不吉な夢。案の定、その年の合格者リストの中に、僕の名前はなかった。

* * * *

今年の9月11日。どこか広い神社みたいなところに、襤褸をまとった髪ぼさぼさで怪しい小柄な修験者のような者がいて、なんかブツクサ言って座っていたので、かれのおみくじみたいなのを92円で購入し、祈祷してもらったところ、「合格する」という。
これは大変良い夢を見た、と思い、朝早めに起きてご飯を食べて、それからパソコンの前に座ってウダウダとし、ちょっと昼寝して、二時半に起きて、電車で霞ヶ関へ向かった。


JR荻窪駅で地下鉄に乗り換えた時点で、すでに四時をまわっていた。合格者のリストが張り出される時間である。
だれか、先に見た人が僕の名前を見つけて、「おめでとー」というメールをくれないかな~という淡い期待をいだいて何度もケータイを確認したが、そういうメールは最後まで来なかった。(なお、現場ではだれも知り合いに会わなかった。ま、小規模ローだしね)

やっぱり、嫌でも自分の目で見なけりゃいかんのね。

で、五時過ぎに法務省へ到着。そこには阿鼻叫喚の騒ぎが待ち受けていた・・・・!







総合得点940以上で合格、というのは予想していた点数よりも、低い。

今年は、択一の平均点が、通過者ベースで約20点上昇していたので、昨年の925点よりも最低20点アップ。受験者数が増えて倍率が上昇したことから、さらに10点は上がると見て、予想される合格ライン955点、安全パイで960~970点ぐらいを予想していた人が多かったはずである。

さてそうすると、僕の場合は、択一が270点台なので、940-270=670
 670÷1.75=382 (※論文は択一に比べて、1.75倍される)

なんと、論文8科目の合計382点で合格できることになる。“ごちバトル方式”で400点をとりあえず目指していたことからすると、これは意外な低さであるといえよう。


他方で、合格者数は2065名と予想以上に少なかった。今年2100-2500といわれていたので、法曹大増員計画は、ここではじめて現実に数字の上で裏切られたことになる。去年は1800-2200ぐらいといわれていて、1850人ぐらい合格したので、まだ計画の範囲内だった。

今年の合格率33パーセント。出願はしたが、受けるのをやめた、という人まで数に入れると、20パーセント台まで下降する。
法科大学院に2年ないし3年を費やし、高い学費を払ったあげく、「5年以内に3回まで」という制限つきで受ける試験としては、ちょっと合理的な制度とは、もう、いえないんじゃないかな。
これでは、各法科大学院に、「受験対策をするな」という方が無茶である。





運よく自分の名前を見つけられたので、ちょっとの間、発表会場の余韻にひたったあと、近くの公園に移動。(何公園だっけ?)
そのはずれた所にある噴水で、一息つく。

ここは僕の中では「リベンジの泉」である。

昨年落ちたとき、この場所から直ちに、数多くの友人・知人にメールを送り、敗戦報告と再起を誓ったものだった。「I shall return」---かならずここへ戻ってくる。一年後に、この場所から合格報告をするのだ~~と、密かに決めたのが、つい先日のように感じられた。

で、みんなにメールしようと思ったら・・・・

なんか今年は「蚊」が多くて、とてもじゃないがいられない。即座に撤収~~~。★

ま、人生なんてそんなものである。

帰りの電車のなかで、そんなに満員でもないのに、妙にからだを密着させてくる若い女性を避けつつ(こんな日にチカンと間違われてたまるかい)帰路に着いた。


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【参考リンク】

平成20年新司法試験の結果

準備講義

2008-08-05 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
夜・・・なにげなく法科大学院のウェブサイトをのぞいたら(※普段は滅多に見ることはない)なんと『卒業生を対象に、司法修習に向けた準備講義を開講します』というお知らせが出ていた。

それも、司法研修所元教官のM先生と、司法試験考査委員のG先生が連名で出しておられる。(※お二人は、うちのローで最もためになる授業をしてくれる実務家教員)

こ、これは・・・!と思い、日付を見ると、第一回目は「昨日」とあるではないか。

ぐふっ。。あと一日、気づくのが早ければ・・・orz
それにしても、卒業生で、ローのホームページを定期的にチェックしてる人なんて、いるのか?
大学の自習室で勉強を続けている少数の人以外、だれも知らないんじゃないの。
やるなら、事務局で一斉メールして知らせてくれればいいのに・・・。と、思ったのも後の祭り、尊敬するM先生の第一回目には参加することができなかった。

しかし、考えてみると、これはやっぱり「自分が悪い」のである。

今までの僕だったら、こういうことにはちゃんとアンテナが張ってあるので、絶対に見逃すことはなかったと思う。
もちろん、以前から、大学のホームページなど、そうそう見るものではない。
しかし、本人が研ぎ澄まされておれば、気づくべきものには、ちゃんと気づくものである。

「たまたま」「タイミングよく」「なんとなく閃いて」「どっからか聞こえてきて」「シンクロして」「偶然見たら」ちょうど、明日かあさってぐらいに講義があることをキャッチし、「運よく間に合うことができた」というのが、間違いなく、これまでの僕の人生のパターンだったはずである。(ちょっと大げさかもしれないが、そうなのである)

それが、今回こういう形で「第一回」を逃し、逃したその日に「たまたま」気づく・・・・というのは、今までにはあまり無いパターンだったが、ある意味では、これもまた絶妙である。

さっそく次回の釣りをキャンセルして、「第二回」からの参加を表明した。


うちのローの場合、はっきり言って短答式試験(マークシート)の合格発表後の、最終的な合格率(論文合格率)は、そんなに高いものではない。
だから、マークシートでそれなりの点を取った人でも、今年の秋から司法研修所へ本当のところ何割進めるかは、未知数であり、だからこの時期に「準備講義」を開催しても、それが本来の意味で役立つという保証はない、というのが関係者の偽らざる心境だろう。

それを、この時期あえて開催してくれるのは、ひとえに両先生の「おやごころ」であると理解できる。
言いかえれば、ローを卒業して以来、野に放たれたまま行方が分からなくなっている僕たちを再度召集し、「喝」を入れてやろうということである。

とってもありがたい話なのである。

各自六法持参、とあるから、いきなり起案をやらされる、ということもあり得る。(本当にある)
本試験から二ヶ月以上たち、すっかりおとろえた頭脳で変なことを書いて、「君には失望しました」とか、「研修所のレベルにはまだまだです」とか、「センスは悪くないんだけど・・・」などと言われてしまわないようにしなければ・・・と思う。★


影富士

※画像は話題とはまるで何の関係もありません。。

内閣改造!

2008-08-02 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
・・・・といっても、個人的に関心があるのは、だれが法務大臣になるか?という点に尽きるのだが、保岡興治氏に決まったことは、僕の立場では喜んで・・・・・・いいのかな。(?_?)

この人は、司法制度改革の旗手であり、法曹人口の増加にも積極派で、LEC(東京リーガルマインド)の反町代表と対談したりしていたはずである。いわく、「司法試験の合格者数1000人ではとても足りない」(※1999年の時点で)

逆に、現役弁護士であるという立場から、日弁連が「法曹人口拡大見直し提言」を出した今となっては、3000人合格を推進することについて、慎重な態度に転じるということも十分考えられる。

いずれにしても、現に自分が受けている資格試験の合格者数が、この先どうなるか予想が立たないというのは、当の本人にしてみれば「えらいこっちゃ」なのである。
(※その反面、過渡期だから、ある程度仕方ないという気もしている。僕などは、今のような混乱期だからこそ出てきた人で、旧来の司法試験がそのまま続いていたら、この世界に足を踏み入れることもなかっただろう。
歴史をふり返ると、過渡期の混乱ゆえに没落する者もいれば、混沌をチャンスと見て飛翔する者もいる。ここでは、自分は後者であると信じたい)



法務大臣の交代ということで、もう一つ気になるのは、「死刑」の問題である。

前の鳩山さんは、何かと問題発言が多く、政治家としても人間的な部分においても、決して「支持できる」というタイプではなかったが、法務大臣の責務として断固死刑執行する、という態度については、まあ、評価してよいのではないかと思っている。

後を継いだ保岡さんは、この態度を受け継ぐだろうか。
誰が法務大臣になるかによって、死刑が立て続けに執行されたり、急にされなくなったりするのは、かえって残酷である。

鳩山元法相のやりかたは、いささか極端であるとしても、刑事訴訟法に規定されるように原則として「6ヶ月以内」の執行をすべての法相が心がけるべきだろうと思う。

(※判決確定から6ヶ月という規定は、日本国憲法制定後に、「今までのように死刑執行まで時間がかかりすぎるのは、死刑執行を待つ恐怖が長く続くことになって残酷であり、新憲法の趣旨にも反する」という理由で作られたもの、だそうである)

以上、私見★

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【参考リンク】

保岡興治氏の 司法改革 のページ


奨学金の話

2008-07-30 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
JASSO(独立行政法人 日本学生支援機構)から、「そろそろ貸した金を返せ」と言ってきた。

第一種・第二種の奨学金を合わせて、毎月約27,000円という、なかなかの返済額である。ちょうど、昔クルマのローンを組んだときと、同じような金額。

これを高いと考えるか、安いと考えるかは、各人の人生観に任せられるところであるが、「借金をしてまで法科大学院に行きたくない」という人の気持ちは、僕には分からないので、まあ、仕方のない金額(自分の人生を切り開くのに必要なコスト)だろうと考えている。

ちなみに、クルマのローンであれば、せいぜい二年とか五年計画で返し終わるのが普通だが、奨学金はもっとずっと時間がかかる。何年計画かは、ここでは教えない・・・・・・フフフフフ・・・・・・(遠い目)

(※ただし、クルマと違うのは、利息がつかない、または極めて安いこと。僕の場合、第一種奨学金については、借りたうちの半額が、返済免除になっている。さらに各法科大学院ごとに、授業料免除などの措置があり、いったん払い込んだ授業料が戻ったりしているので、JASSOから実際に借りた金額の全部をそのまま返すわけではない。
※なお、免除措置で戻ってきた授業料というのは“くせ者”であって、一時的に金持ちになったような錯誤に陥り、池袋あたりでぱーっと呑んじゃったりする)


もちろん、今は返せないので、「返還猶予願」を書いて、ただちに提出した。
(※これは、新司法試験受験中・結果待ちという理由で、簡単に認めてもらえる)


それにしても、思うのである。
法科大学院の在学生は、希望すれば、毎月30万円を越える奨学金を受け取ることができる。具体的には、第一種奨学金が88,000円。第二種奨学金は、50,000円・80,000円・100,000円・130,000円・150,000円の中から選ぶことになっているが、 法科大学院生だけは、さらに19万・22万の貸与額を選ぶことができる。(※両者は併用可能)

月額30万円を、仮に法学既習者が二年間借りたとすると、合計720万円となり、未習者が三年借りると、1千万を越える。そんなフルに借りる人はいないだろう・・・と思うかもしれないが、実際にいるのである。年間100万とか150万円の授業料を払い、学習に専念できるように仕事もやめ、二年ないし三年間の生活費用をまかなおうとすれば、それぐらいの費用はすぐにかかる。(貯金だって、すぐになくなる)

まあ、これについては、弁護士になった将来の自分が、若くて希望に満ちた今の自分に貸してくれているのだ、と僕は考えることにしたし、ようは多くの人が、「弁護士になれば返せる」と思って借りているのである。

貸すほうにしても、将来弁護士になって、それなりに稼ぐ蓋然性のある連中だから、という理由で、月額30万円という高額設定を実現しているように思える。

そうすると、いうまでもなく問題になるのは、「高額の奨学金を借りた人は、本当に弁護士になって、奨学金を返還できるのか?」という点である。

法科大学院生にある程度高額の奨学金を貸与する、という制度は、新司法試験の合格率七、八割といわれていた当初に設計されたシステムであり、「合格率せいぜい三割」が現実のものとなった今において、妥当といえるのか。

あまり考えたくない話だが、「三振」して受験を断念した人たちが、1千万近い借金を背負ったまま、再スタートを切るというのは、いかがなものか。
当初3000人合格とうたわれ、それならと、仕事を辞めて借金をしてまで法曹を目指すようになった人が、「3000人は多すぎる」「2000人でもまだ多い」「いっそ、法科大学院制度を改めれば」となって、合格できず、莫大な借金だけ残った場合に、素直に返還に応じるだろうか。

この辺も、その人の人生観に左右される部分だと思うが、「誰が返すか!」(あるいは、返したくても、返せない)という人が出てもおかしくはない気がする。
そういう人が多ければ、JASSOの奨学金制度そのものがダメージを受けかねない。

あるいは、今後は法科大学院に進学しても、法曹になれる保証はないし、そもそも弁護士自体がそんなに稼げる職種ではなくなるから、「借金をしてまで」自分のやりたいことにチャレンジしようという人は、出てこなくなり、ローに進学するのは四年制大学を出たあと、さらに親から数百万円の授業料と生活費等を出してもらえる富裕層の子弟だけ、ということになってしまうだろう。

それは、社会人経験者など多様な人材を法曹界へ送り込む、というロースクールの理念には反すると思われる。

それだったら、いっそ法科大学院などなくしてしまい、だれでも受験できる旧司法試験に類似の制度にした方が、よほど公平で、多様な人材という理念にかなう、という気がする。


○追記  もちろん僕は返します。べつに倫理とかではなく、いちおう自分自身のけじめの問題として・・・(*u_u)

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【参考リンク】

日本学生支援機構 のページ

「時間は夢を裏切らない」

2008-07-09 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
「・・・・だから、僕の夢もまた、時間を裏切ってはならない。義務がある!!」(※ゴダイゴの曲を口ずさみながら)

うーん、熱いですな。真性の松本零士ファンなら、だれでも一度は口にしたことのある名ゼリフでしょう。いま読むと、なんだか司法試験受験生のためにある言葉のような気がしなくもない(!?)けれど、まさか、この言葉をめぐって訴訟になっていたとは。これだから、知的財産法(著作権)はやめられない。

まず面白いな、と思うのは、著作権者である松本零士が原告となり、槙原敬之に対して差止めを求めるなり、損害賠償を請求するのが通常であるところ、本件では原告と被告が逆転している。つまり、マッキーの方が積極的に原告となり、「著作権侵害の不存在」を確認する訴訟および、名誉侵害を理由とした二千二百万円の損害賠償請求訴訟を提起した、ということである。

歌詞に盗用がある、と言われたことが、よほど心外だったのか、あるいは、訴えられる前に自分から訴え出た方が、証拠の採取などの面で有利と考えたのか、それは分からないけれど、個人的にはどっちも好きなので、頑張ってもらいたいと思う。(※われながら、しょーもない感想である)


・・・著作権法的には、けっこう注目すべき論点が含まれているように感じる。

まず、「時間は夢を裏切らない。夢も、時間を裏切ってはならない」・・・という比較的短いフレーズが、法によって保護されるべき「著作物」に該当するのか。

ここに「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」をいう(著作権法2条1項1号)。
たとえば、短いフレーズで、誰でも似たものを比較的簡単に思いつくような“交通標語”は、著作物性(著作権法上、保護に値する創作性)そのものが認められない場合も多い、というのが裁判所の考え方であったはずだが、「時間は夢を裏切らない」はそれに近いのではないか。

仮に著作物性がないとなれば、「誰でも利用可能」になるので、マッキーの言い分が正しいことになる。しかし、著作権侵害かどうかが裁判で争われるほど微妙な事案であるから、松本零士が「盗作である」旨発言していたとしても、二千二百万円もの高額な賠償が認められることはないだろうと予想する。

また、仮に著作物性そのものは認められても、他人が偶然似たものを考えつく可能性があるとすれば、マッキーが松本零士作品に「依拠して」同一性のあるものを創り上げた(=盗用した)とは、なかなか言いづらいだろう。
歌謡曲の中には、ある一部を取って見れば、似たようなフレーズの歌詞が山ほどあると思うが、それらがいちいち他人の真似をしたという話にはならず、ようは、ある程度一般受けする歌詞というのは、似たような表現になり得るものである、ということである。

ただし、マッキー側の主張、「問題の歌詞は、仏教の『因果応報』の教えに基づき、あきらめずに時間をかければ、夢はきっとかなう・・・というメッセージを込めて自分で考えた」という部分は、やや無理があるような気もする。仏教のいう『因果応報』に、そういう意味が含まれていただろうか。僕にはよく分からないのだが。(※当事者の言い分を聞いて、当否を判断する裁判官も大変である)


あるいはまた別の論点として、「時間は夢を裏切らない」は、キャッチコピーや標語のような「言語の著作物」ではなく、たとえば「銀河鉄道999」のワンシーンであると構成することは可能か。その場合、「美術の著作物」である漫画の一場面を、マッキーが自作の歌に無断で借用したことになるが、これはやや強引な解釈かもしれない。


僕個人としては、ファンの間で評価の高い名ゼリフである以上、言葉そのものに著作物性を認めてもらいたいと思う。その上で、今回のマッキーに関しては、盗用の事実は認められない。こうして裁判沙汰になり、世間に知られた以上、今後他の人が同じフレーズ使ったら、それは盗用になる・・という結論が、妥当であると感じるが、さてどうなるか。

次回期日は、8月下旬に東京地裁で開かれるそうなので、可能なら傍聴してみたいところである。でも、ニュースになった以上は、大勢並ぶんだろうなあ・・・・。




槙原敬之vs松本零士氏が法廷で対決(日刊スポーツ) - goo ニュース

解説講義(その2)

2008-07-08 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
I 塾の解説講義、第二弾。今回は刑事系である。例によって、択一の部分はスルーし、論文のところだけ重点的に聴いていく。

担当のN講師は、公法・民事を受け持ったT講師に比べると、「受験生が欲しがっている情報を提供する」という面で、若干落ちる(と、僕は思う)。刑法の問題文ごとに、どんなことを書けば正解か、などは、本試験から一月もすれば、とうぜんこっちは研究済みであり、いちいち説明されなくても分かっている。

それよりも知りたいのは、ある論点で、多くの受験生がどのようなレベルの答案を書いているか。たとえば、「乙の罪責」で、共同正犯ではなく幇助犯を認定した人が(提出された再現答案ベースで)どれぐらいいるか。刑訴設問2で、時間ぎりぎりになり、枚数を書けなかった人はどれぐらいいるか。そういった、実際の自分の答案と比較することで、安心したり、落ち込んだり、来年に向けて勉強を開始したりするための情報が欲しいのである。

もちろん、無料公開講座であり、それを自宅でネット受講している身では、文句のつけようがないし、あくまで僕個人のニーズからは、やや外れるというだけのことである。


刑法は、以上の通りで、僕が欲しい情報はあまり手に入らなかった。
書くべき論点、具体的事実の拾い方など、ほぼ間違いなし。ここで他人よりも少し浮いていると、合格が近づくのだが。


刑訴設問1は、難問。設問2は、誰でも書ける問題であるとのこと。N講師がこれまでに指導した限りでは、多くの受験生が「伝聞法則」を苦手としており、とくに「再伝聞」は初見ではなかなか書きにくいだろうとのこと。
再伝聞に気づいた人でも、三つある立証趣旨のうち、二番目と三番目を同じ再伝聞として処理してしまった人が多く(僕もそのクチである)、三番目をいわゆる精神状態の供述として、意識して論じた人は少ないようだ。(※こういう情報が欲しいのである)


講師によれば、再伝聞に気づいて書けただけでも大きく跳ねる、とのことだが、そこまで甘くはないだろうと思う。(※自分の答案に都合のよい情報ほど、疑ってかかる癖がついている。受験生心理で、少しでも自分の答案が“浮く”情報を信じたがる傾向が、だれにでもあると知っているからである)


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【追記】
後に発表された「出題趣旨」によると、『立証趣旨から想定される要証事実は、いずれもWが知覚・記憶してノートに記載した事実の真実性を前提とするものである』とあり、だとすると、立証趣旨を三つに分けて、それぞれ別の論点を論じる、というような難解な(?)ことは、求められていなかったのかもしれない。

解説講義(その1)

2008-06-30 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
司法試験予備校 I 塾(バレバレ)の、平成二十年度新司法試験の解説講義を聴いてみた。

僕の場合、インターネットクラスで三万円以内の安い講座をちょこちょこ利用していたので、そのおまけとして、各種「オープンスクール」を現地予備校まで行かなくても、ネットで無料視聴できるのだ。(※これは、けっこうお得な感じである)

公法と民事の択一・論文の解説を受ける。
担当のT講師は、弁護士として経験豊富なだけでなく、多くの受験生と接触する中で感得した知見、資料を基に、新司法試験というものを実に合理的に分析しておられるので、ローを卒業して以降、わりと頼りにしている。(※おっと、僕はI塾のまわし者ではないので念のため)


憲法は、やはりどの論点を挙げたか、ではなく、中身をどう書いたかが大事ということで、解説を受けても、自分の答案がどのぐらいの位置にいるかさっぱり分からない。被告人の無罪を勝ち取るために、当該犯罪構成要件である××条の違憲無効を主張する、という“流れ”だけは、T講師の教え通り実によく書けたと思うが、逆に安心材料はそれだけ。返ってくるまで、予測不可能である。

行政法は、やはり勧告の取消+執行停止と、公表の差止め+仮の差止めを比べるのがメインで、申し訳程度に実質的当事者訴訟を検討するのが正解だったようだ。設問2の違法事由については、すべてを完璧に拾えている人は少なそうである。
相対的にやや浮いたか。

民法設問1は、基本的な出題だからこそ、大きく差がついたとのこと。545条1項但書の「第三者」を、あたりまえの理由付けで、あたりまえに書けていない人が意外と多いのだという。また2の(2)で間接占有を書いた人が(提出された再現答案ベースで)半分ぐらいいて、その部分は0点になると言われる。僕は該当しないが、ショッキングである。
設問2の家族法は、多くの人が枚数を書いていないとのことで、やや安心する。私見だが、民法の勝負は設問1で決せられ、設問2は加点事由になるのではないか。

会社法は、「難しくてみんな出来なかった」というコメントを期待したが、そういう分析はなかった。確かに、あとでふり返ると、超難問というわけではない。現場の限られた時間で、あの長文を読ませられるから、難しく感じるだけである。
設問1で、主債務に触れずに保証債務だけを検討した人が約半数、設問2で戦略的に法人格否認一本しか書いてない人もいる(※つまり429条落とし。ちなみに僕も似たようなもの)という話が聞けた。僕が今年落ちるとしたら、会社法の失敗による民事系の点数不足であろうと予想する。胸が苦しい・・・。キュ(>_<;

民訴設問3は、掲載判例のおかげで、みんなそれなりのことを書いているようだ。だから、自分がちょっとできたと思うぐらいでは、浮いてないとのこと。逆に設問4は差がついたらしい。例の四つの学説を検討し、その結論を前提にあてはめる段階で答案がグチャグチャになっている人もけっこういたようだ。僕はそれなりに書いたと思うが、会社法をカバーできるほど浮いてはいないだろう。


なお、この稿はあくまでも自分の学習の便宜のために書いているので、受験生の方は、これを鵜呑みにせず、疑義があれば、ご自分で受講されることをお勧めします。

まぼろしの抗弁(苦笑)

2008-06-27 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
以下は、規制改革会議の法務省に対するヒアリングからの引用。(※新司法試験の合格者数を、平成22年までに、3000人程度に増やすということについて論議している。研修所元教官の佐々木参事官は、増員に慎重派)

○佐々木参事官 まず1つ目の話でございますけれども、知識がどの程度あるのかというところにかなり問題があると思います。ちょっと難しい話で恐縮なんでございますが、私、ここに来る前に司法研修所の民事裁判の教官をやってございました。そして、弁護士になるにしても、何になるにしても、イロハであるものに要件事実の否認と抗弁の違いというものがございます。これについてのあってはならない間違いとして、無権代理の抗弁というものがございます。
これは昔でありましたら、1つの期を通じて間違いを冒すのが数名出るか出ないかであって、幻の抗弁と呼ばれていたのですが、最近になりましたら、それがクラスでちらほら見かけられるようになった。新60期のときには、いくつかのクラスに2桁出てしまっており,相当大変な事態になっているのではないかと思います。

○中条主査 それは知識を重んじるからですよ。

○佐々木参事官 それは最低限の基本的知識です。

(引用ここまで)


「無権代理の抗弁」というのは、法科大学院の一年目(既習者)にはじめて要件事実を習ったとき、恥ずかしながら僕も期末試験で書いた覚えがある。(※佐々木参事官が問題にしているのは、司法試験に合格した後の人たちである。念のため★)

Xが、Yの代理人と称するAから、Yの所有物である甲不動産を1000万円で購入した、という事案で、XがYに対し、売買契約に基づく甲不動産の引き渡し請求をした場合に、Yの側において、「俺はAになんか、代理権を与えた覚えはない。彼は無権代理人だよ」という反論を、つい、抗弁として構成してしまったのだ。

正解は、Xの請求原因は
(1)XA間で、甲不動産を1000万円で売買する合意
(2)(1)の契約時に、AがYの代理人として顕名したこと
(3)(1)の契約に先立つ代理権授与
であるから、Xの側において、有権代理の証明をしなければならず、Yは単に(3)の事実を否認すればよい。つまり、「無権代理」ということは、Yにおいて主張・立証責任を負うべき抗弁にはならないということである。
(※考えてみれば当たり前のことで、Yの側において「代理権を与えた事実はない」ことを証明しなければならないとしたら、“悪魔の証明”になってしまう)

この間違いは、たとえば「要件事実マニュアル」などを読んで、代理行為に関する要件事実を覚えていなくても、民法の条文構造や証明責任に関する法律要件分類説を理解していれば、ありえないミスということで、だから佐々木参事官も問題視されるのだろう。僕がローの期末試験でミスったときの、担当教授のコメントは、「君はまだ民法の理解が浅い」というものだった。
(※このような“幻の抗弁”が司法研修所にまで出現する理由は、「紛争類型別の要件事実」を丸暗記して試験に対応しようとした人がいるせいではないか。「類型別」には、応用類型としての代理は、載ってないからである)


たまたま、司法試験関連のウェブサイトを見ていて、この話題が出ていたので軽く復習をかねて書いてみたものである。年3000人合格というのは、一受験生の立場では、もちろん望ましいことであるが、たとえば合格者の下何割かが民法の基礎もよく理解せぬまま法曹になるとしたら、やはりまずいだろうなあ・・・と思う。


【追記】

なんで「無権代理の抗弁」を間違って書いてしまうのか、昔の自分の答案が出てきたので分析を重ねてみた。

その結果、民法109条、110条の「表見代理」をよく分かっていない人が、つい、流れで「無権代理の抗弁」を書いてしまうのではないかという仮説に思い至ったのである。

つまり、
(1)原告が有権代理による契約の効果帰属を主張する。
(2)被告は、代理権授与の事実を否認する。
(3)原告は、代理権授与の事実を証明できないので、(1)の請求原因に替えて、民法109条の表見代理(授与“表示”があった事実)を主張する。この時点で、請求原因の二番目が出てきたことになる。

以上の理解で正しいはずだが、この、請求原因の二番目が出てくる、ということがよく分かっていないと、つい、「表見代理」を再抗弁として位置づけてしまい、その結果、ごく自然な流れで、「無権代理」を抗弁として書いてしまう、というトラップである。すなわち、

(1)原告が有権代理を主張
(2)被告が無権代理を抗弁として主張
(3)原告が表見代理を再抗弁として主張
・・・・という流れである。

これは、ぱっと見エレガントな気がするが、嘘なのでご注意を。★


要件事実マニュアル 第5版 第1巻 総論・民法1
岡口 基一
ぎょうせい


要件事実の考え方と実務
加藤 新太郎,細野 敦
民事法研究会


紛争類型別の要件事実―民事訴訟における攻撃防御の構造
司法研修所
法曹会




2008-06-26 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
僕の勉強机(といっても、ちゃぶ台)には、鏡が一つ置いてある。100円均一で売ってる安いやつだが、これでよく自分の顔を眺めている。・・・と、こう書くと、とんだナルシストのように聞こえるが、そーいう意味ではなくて。
以前、妹が、僕の大学浪人時代をふり返って、「あのころのお兄さんは、とてもこわい顔をしていた」というので、なるほどと思い、司法試験を目指すに当たって、自分の人相チェックのために、鏡を設置することにしたのだ。

くだらないという人もいるかもしれないが、自分が今どんな顔をして勉強しているかは、わりと大事なんじゃないかと密かに思っている。

刑法の択一過去問が意外と正解するようになり、ふと鏡を見て、「うん、充実したいい顔してるな」とか、
会社法の組織再編を半年ぶりに読んだらすっかりちんぷんかんぷんになってしまい、「苦悩に満ちたひどい顔してる」とか、
試験まであと二週間、論文対策もまだまだなのに、最近択一の勉強してないぞ商法総則・手形・家族・憲法統治・刑法各論みんな忘れたぜ知財に関してはほとんど何もやってない状態だけどどうしよ困った時間ないよ間に合わないよ、で鏡を見て、「お前、あせるなよ。今の時期、苦しんでるのは全員いっしょ。あきらめた人から、勝手に落ちる試験だぞ」と言い聞かせてみたり。
好きなセリーヌ・ディオンのCDを聞いてそのパワフルな歌いっぷりに勇気づけられ、「うん、よし!いける」とか。
ここんとこ寝不足のせいか、年取ったせいか、にきびが治りにくくなった、とか。
しばらく眉毛の手入れをしてない。ぼさぼさになって来たな、とか。

それが具体的にどう役立つのといわれると答えに窮してしまうが、いまでは鏡が机の上にないと、なんとなく落ち着かない人になってしまった。

新司法試験が終わってから早一ヶ月以上。いまどんな顔してるかというと、直前期に比べたら、ふぬけたようになっていると思うが、そうしたことを自分でちゃんと把握して、「そろそろいかんな・・」と思えるのは、まあ悪いことではないだろう。

オフ・シーズン

2008-06-12 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
サーフィンをやっている知り合いによると、「冬にも夏と同じペースで海に入るかどうかで、実力が大きく変わる」そうである。

当然といえば当然の話だが、ようはオフ・シーズンなど作っているようでは、その道の高みに到達することはできないということだろう。

新司法試験の世界は、いまオフ・シーズンである。
受け控えした人、択一で合格ラインの230点をとれなかった人は、来年に向けて今から猛勉強していると思うが、話を聞くと、意外とそうでもなかったりする。

これまで頭に叩き込んだ法律の知識を、オフ・シーズンの間に忘れてしまうことはない(少なくとも、本を読めばすぐ思い出す)にしても、この時期に、ある程度の密度で勉強を継続し、脳みそを“司法試験モード”に保つことは、大切なことだろう。
時間的余裕のある今でなければできないことも、たくさんあるのである。

以下、自分の弱点をふまえた上での勉強計画。


○憲法 判例の正確な知識が足りない。昔から、百選を読むのが辛くて仕方がないので、むしろ第一審から全文をじっくり読みすべきか。三十選でもいいから、この方法でやれば、もう少し実力が安定するかもしれない。
それと、目に見えない“憲法センス”を磨くこと。これについては、著名な学者の書いた本で、憲法の知識そのものではないが、関係の深い分野の本などを楽しんで読むことで、多少の効果があると考えている。

○行政法 「ケースブック行政法」一冊つぶしたら十分な感じだったので、同じことをくり返すだけ。あと、伊藤塾の「個別行政法徹底解析講座」のインターネット視聴期限が9月までなので、もう一回ぐらい聞いてみてもいいか。
ただし、行政法は、研修所では必要ないと思うので、この時期の勉強としては優先度が下がる。

○民法 家族法が足りない。判例百選を読み、そこから論点を把握する。憲法と違って辛く感じないのは、話題が内縁とか離婚とか慰謝料とか遺産相続だからか。性格の問題である。
それと、民法は一生使う根本科目なので、この時期にもう一度、じっくり全体を読んで回すことも有益かもしれない。ちなみに、僕の民法の“基本書”は、LECのプロビデンス・テキストである。これに、我妻・近江・加藤雅信・山本敬三などから、節操なくひらめいたことを書き加えていく。

○民法・要件事実 研修所をにらむなら、「紛争類型別の要件事実」をもう一回読むべきだろう。新司法試験にも役立つし。

○民事訴訟法 同じく研修所をにらむなら、法曹界が出している「四訂」や「10訂」を読むべきだろう。ただし、ローの実務家教員に薦められた「民事訴訟実務の基礎」が、個人的には気に入っている。

○民事執行、保全 上記「民事訴訟実務の基礎」に最低限の知識が出てくるが、日本弁護士連合会が出している民事弁護教材の民事保全・民事執行をあわせ読む。執行・保全は、今後必ず必要になるが、新司ではほぼ出題されそうにないのが、悩ましいところではある。

○商法総則・商行為・手形 基本的な知識不足。本当は、択一の問題を大量に解いて、条文にあたるのが正解だが、今の時期それをやる気にはならない。なので、初心に帰ってプロビを読む。

○会社法 「ケースブック会社法」一冊だけ。もう少し判例の事案を覚えたほうが、本試験の論文で、書くことを見失わずに済むかと思う。現時点での優先度はやや低い。

○刑法 今やるべきことは、あまりない。民法と同じで、全体をじっくり読みするのは有益かもしれない。

○刑事訴訟法 刑訴は「分かる」印象があるため、いつも直前期には後回しになるが、本当は民訴よりも難しい科目である(と、思う)。なので、余裕のある時期に、時間をかけて基礎固めをする。自分の“基本書”を読む他、Bookoffで安く手に入れた、土本武司「刑事訴訟法要義」などを無節操に読む。

○特許・著作 選択科目は本試験のレベルがさほど高くないので、今は何もやらなくても、直前期にやれば十分である。ただ、逆に言うと、今から勉強して、人よりも得意になっておけば、それなりにアドバンテージになるかとも思う。優先度は低い。

○労働法・倒産法など ローで選択しなかったので、ほとんどノー知識である。そんな弁護士はいないと思うので、できの良い概説書を探して、今から少しずつ読んでみようかと思う。

あとは、伊藤塾や辰巳の無料講座を利用して、今年の本試験の傾向や出題意図を把握するように努める。気が向いたら、ぶらりとローに顔を出し、情報の収集に努める。このあたり、特にこだわりはなく、良いものは何でも受け入れる姿勢である。


今年(2008年)の新司法試験(10)

2008-06-06 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
《6月5日》

新・旧司法試験の択一(マークシート)の結果が発表される。

午後4時になると、法務省のサイトが一気に重くなる。全国の受験生がアクセスしている証拠である。今年は、新司の合格ラインは350点満点中の210~245点ぐらい。旧司の方は、60点満点中の46~47点ぐらいというのが、大方の予想である。(※この二つは、もはやまったく別の試験・別の制度である)

旧司のことはさておき、夕方5時に何気なくサイトをのぞいたら、新司の結果がPDFファイルになって発表されていた。

【足きりライン】 各科目の合計得点が230点以上の成績を得たもの。平均年齢30.36歳。最高年齢71歳(!)。最低年齢24歳。

やっぱり230点か~。去年までの足きりラインが210点だから、いきなり20点アップか・・・。今年も210点だと思って希望をつないでいた人たちは、落胆してしまうだろう・・・。ローの仲間たちの結果が気にかかるが、まずは自分の点数を確定してしまわねばならない。大本営発表の正解を見ながら、答え合わせをしていく。


○民法 財産と不法行為は、ほとんど取れていた。直前期に判例六法をしつこく読んだのが奏功した感じである。手薄の家族法は半分近く落としたが、やむなし。

○商法 「匿名組合」が正解していた。最低限の知識で現場思考できたのが良かったようだ。「為替手形」を落とした他、「監査役」「会計参与」などを落とす。詰めの甘さを感じる。

○民訴 「再審」と「管轄」「専門委員」を落とした他、特に問題なし。

○憲法 「121問題」は、一つ正解するごとに1点もらえるという、大甘な採点に変更された。これだと、0点になるほうが珍しく、相対的に差がつかないのではないか。おかげで、こっちも恩恵を受ける。「天皇の国事行為」と「政党」をケアレスミスしたのが無念。

○行政法 現場で苦しんだ「1212問題」が意外と正解していた。「住民訴訟」「情報公開法の判例」「伊方原発の判例」を落とした他、特に問題なし。

○刑法 「考える問題」をぽろぽろ落とす。やはり疲れが出ていたのかもしれない。「不能犯」の学説を問う問題、なぜかよく間違う。「危険運転致死傷罪」を5時のニュースでやっていた知識で正解できたのは良かった良かった。

○刑訴 「再審」の他に、「緊急逮捕」「告訴の効力」を落とした。いずれも落としてはならない知識である。他は特に問題なし。


ざっと計算すると、民事系125/150 公法系75/100 刑事系75/100 で270点台なので、とりあえず一安心である。(※論文と合わせて、1750点満点中の270点なので、最終的な合否はまだまだ分からない)

この結果をふまえて、明日からは、自分の弱点を詰めるための勉強を再開する。


※追記

足きりラインが210点だったら、まず落選はありえないので、自己採点はせずにハガキの到達を待つつもりだった。
それが230点といわれ、「よもや・・」という気持ちで採点したが、これは精神衛生上あまりよろしい作業ではない。

こんな気分を味わうぐらいなら、最初から、もっと択一の勉強をしっかりやって、300点ぐらい当然とれる自分になった方が楽だなあと思った。
新司択一は年々出題が基本的になっているので、時間をかけて弱点をつぶしていけば、誰でも280~300点ぐらいまでは伸びるのではないだろうか。(※それでも300点とれば、上から6パーセント以内である)

今年(2008年)の新司法試験(9)

2008-05-23 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
その他、思いついた雑多なことを、ここに書き記しておこう。

《ボールペン》
最初、パイロット製の0.7ミリを四本用意していたのだが、本試験用の答案用紙は紙質が良すぎて滑ってしまい、妙に軽い感じでかえって書きにくかった。しかも、インクを吸収しないため、書いた直後に手を乗せると一瞬ですれて真っ黒になってしまう。

知的財産法の答案が、べたべたになってしまい、模様の付き具合によっては“特定答案”になりはしないかと心配になったぐらいである。そこで、公法系以降は予備的に用意していたuniの0.5ミリに変えて書いた。(※試験中、ずっとこれ一本で足りた)

実際、あの紙質なら、五本入って200円とかで売っているいちばん安いボールペンでもすらすら書けるのではないかと思われる。


《座席指定》
たまたまだと思うが、二人がけの机で、隣の人が最初から欠席しており、さらに前後の椅子にも人がいなかったので、周囲に気を使う必要があまりなく、大変やりやすかった。
私見だが、知的財産法は、理系出身者など純粋未習でローに入学した人が多く選択しているため、他の選択科目に比べて、“受け控え率”が高かったのではないかと思う。


《トイレのタイミング》
本試験の四日間を通じて腹を下し気味であり、常にトイレに行く可能性をうかがっていたが、結局一度も行かなかった。余裕がなかったというのが正しい。が、切羽詰ると、意外と生理現象すら意志の力に従っておとなしくしてくれるものである。
「TOC有明」は試験場としての環境は良い方だと思うが、やはりあれだけの人数が集まると、トイレの絶対数が不足しているな、と思った。


《マスクとのど飴》
気管支を保護するために、ずっとマスクをしていた。試験時間中は取るように言われるかと思ったが、なにも言われなかった。あれだと、写真で本人確認できないんじゃないかと思うが、それでも一切の注文なし。(※しかし、新司法試験で“替え玉”をするのは、あまりにもリスクが大きく、まずあり得る話ではないと思うが)

水分補給のためのペットボトル以外飲食禁止、耳せん禁止、ケータイ電話の電源を切るなどのルールは徹底されていたが、マスクについてはあらかじめ予測しておらず、マニュアル化されていなかったのではないかと想像する。

ちょっとした裏技として、試験監督が説明している最中に、のど飴を一つ口に放り込み、試験が開始するぎりぎりの時間に食べ終わるというのを毎回実践していた。多少のリラックス効果はあったのではないかと思う。


《途中退散》
初日のマークシートを終えて、二日目から来なくなるという人が、わずかにいたが、もったいないことだと思う。(※不慮の事故や病気だとしたら可哀想だが)

本試験の四日間は、これを戦い抜くことにすさまじい意義がある。これだけは、体験した者にしか分からないだろう。

「バガボンド」で伊藤一刀斎が、弟子の佐々木小次郎を戦場に投げ込み、「今夜一晩を生き抜くことが、平時での修行の何年分にも相当する」というのと同じ。
司法試験委員の先生方が練りに練った良問を、限られた時間内で解答し、実戦の臨場感と能力・知力の限界を味わうことは、ローの自習室で一年間だらだら勉強することよりも、はるかに得るものが大きいと感じる。


《体力勝負・精神勝負》
旧試験に比べると、マークシート式試験の後に、つづけて論文を書かなければならない点が、体力的にしんどい点だと思う。僕などは健康であり、体力的にも精神的にも今もっとも充実している(はずの)男子なので、まだ大丈夫だが、年配の受験者や体力に自信のない女子などは、それだけで大幅なハンディだろうと思う。
(※マークシートと論文を一度にやる合理性はあまりないと思う。たとえば、ローを卒業した直後にマークシートをやって、合格した者だけが六月ごろに論文を受けるという方式でも、一向に構わないと思うのだが・・)

試験期間を通じて、ずっと貧血気味で、肩からタオルをかぶって震えている女子がいたが、他人事ながら可哀想だった。

その反面、ローの仲間たちと話した限りでは、精神的には男子よりも女子の方が圧倒的にたくましいと感じた。
試験直前の一週間前に、青い顔をして「最近不安で眠れないんだよね~」とか「睡眠薬を飲んだら、今度は起きられなくて」などと話しているのは、ほとんど男子。一方の女子は、「もう開き直った。もしダメでも、翌年もう一回受ければいい」と潔い人が多かった。

意外とそれでバランスがとれているのかもしれない。あくまでも、僕の周りという限られたデータの話であるが。


《論文の難易度と出来具合》
【科目】  【難易度】  【出来具合】
特許法     普通     いい感じ
著作権法    普通     人並み
憲法      やや難    あてはめ薄い
行政法     やや易    いい感じ
民法      やや易    人並み
商法       難     苦戦
民事訴訟法   普通     人並み
刑法      普通     いい感じ
刑事訴訟法   普通     苦戦

※あくまでも、主観的な感想なので、ふたを開けてみるとぜんぜん違う結果ということもあり得る。これは、そういう試験である。

今年(2008年)の新司法試験(8)

2008-05-22 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
《四日目》5月18日

09時起床。10時に家を出る。最終日は午後からの刑事系論文だけなので、ちょっと気持ちが楽である。

京葉線の中で刑訴のあらかじめ作っておいた「これはきっと出るぞレジュメ」を、くり返し読んでいたら、うっかり新木場を乗り過ごしてしまった。
あわてず騒がず舞浜駅でおり返す。(※ネズミの耳をつけたミニスカ女子が集団で乗り込んできたので、なんとなく勉強終了。とりあえず、「自白」と「伝聞」だけは読めたのでよしとする)

13時着席。13時30分試験開始。

刑事系にもなにかとんでもないサプライズがあるかと思い構えていたが、例年通り、第1問が刑法、第2問が刑事訴訟法。両方の問題にざっと目を通してから、刑法にとりかかる。(※2時間経過してからはじめて次の問題を読むやり方だと、万が一、サプライズが仕込まれていた場合に、精神的打撃が大きいので、あらかじめ把握しておこうという趣旨である)

刑法は、甲と乙の罪責を論じよというオーソドックスなもので、問題となる罪も、窃盗、住居侵入、強盗予備、強盗、強盗致傷・・・・と、だれでも気づく内容。
ただし、甲と乙の共犯関係をどの範囲に認めるかが難しく、書き方に工夫がいる。「なんか書きにくいな」と感じたら、そこは出題者が受験生に考えてもらいたがっているポイントだと思うので、じっくりと考えていく。

最初の山場は、乙が単なる幇助犯ではなく、共同正犯になる(※住居侵入と窃盗の範囲で)ことを、具体的事実関係から認定していくことだが、これはローで実務家教員の指導の下で、ばっちり経験済なので、それなりのものが書けたのではないかと思う。

A宅に侵入した甲が、Aの家族Bに対して強盗致傷を行った場合に、先にAに対して行った窃盗(被害額300万円)が吸収されるかという問題があり、住居侵入を“かすがい”にして、一罪と評価されるのが正解という気がするが、書けず。単純に強盗致傷で一罪として包括評価、と書いてしまった。(※われながら詰めが甘いと感じる)

一方の乙は、甲との共謀関係により「窃盗」の身分を得ているので、逮捕を免れるために暴行をすれば、事後強盗となり、これによってBが死亡しているので、強盗致死罪が成立する。

最終的な両者の共犯関係は、一部実行全部責任の法理により、甲乙ともに強盗致死の罪責を負うとしたが、後になってよく考えてみると、これは無茶な結論かもしれない。甲:強盗致傷、乙:強盗致死で、両者は住居侵入窃盗の範囲で共同正犯になる、とするのが無難だったかもしれない。

答案構成25分。答案作成100分。7枚しっかり書く。

罪数の誤りが気になるが、規範をしっかり立ててかなり事実も拾えていると思うので、相対評価でそんなに低くはならないと願いたい。


つづいて、刑事訴訟法。

刑法でかなり集中力を使い果たしていたせいか、これからあと二時間、あと五枚程度書かなくてはいけないと思うと、一気に気力が萎えるのを感じた。
海で遠泳しているときに、ふっと先を見てしまい、「まだあんなに泳がなくてはならないのか」と思った途端、たちまち恐怖に襲われておぼれそうになるのと似ている。(※僕は水泳はやらないけど)

ヘルシア緑茶を口に含んで、30秒休憩。まあ、あまり力が入ってない方が、かえっていいものが書けると思い直し、ゆるい気持ちになって問題文を読んでいく。(※後から考えると、これは失敗だった。やはり、最後まで緊張感をとぎれさせてはいけなかったのである)

設問1は予想したとおり伝聞証拠の問題。しかも、参考人の女性が事件とは無関係に作成したノートの中に、被告人の供述が含まれているので、その供述内容の真実性が問題になる場合には、二重の伝聞(再伝聞)になる。

そこで、セオリー通り①自然的関連性、②法律的関連性・・・と書いていき、②が特に問題となることを述べ、あとは伝聞法則の説明、いつもの知覚→記憶→表現の各過程に誤りが混入する恐れ、とか、そういう風な話を書いていく。(※ここは、もっとあっさり書いて、問題の核心に早く迫る方がよかった)

伝聞例外の要件として、まず甲の供述部分は324条1項、322条1項でクリアーになる(※たぶん)とした。
次に、ノートに書き留めたWについても、反対尋問できない(※Wは事件後に急死。暴力団に消されたのか)ため、別途伝聞例外の要件を満たす必要があり、答案構成の段階では321条1項3号としていたが、時間がものすごくおしてきたので、急遽323条3号に変更した。その方が、要件の数が少ないため早く書けるし、具体的事実から、特信情況を認定することには代わりがないからいいと思ったのだが、愚かな選択であった。(※現場では、こういう変な判断ミスも起こり得るという教訓)

設問2を書き始めた時点で、残り20分。あとちょっとで、試験から開放されるなどと、白昼夢に取り憑かれそうになる。

設問2は、答案構成の段階では、逮捕の適法性や、現場での検証の適法性なども、いちいち条文をあげて確認していくのかと思っていたが、もはやそんな暇はない。ものすごい字で、「甲方の捜索の適法性」だけを論じていく。

事実はたっぷり拾ったが、捜査官が窓ガラスを破壊して侵入したことが、222条1項、111条1項の「必要な処分」として許される、ということしか書けなかった。(※書くべきことがもう一つある)

答案構成30分。答案作成85分。5枚。

設問1の答案の流れがよくないこと、323条書面を書いたこと、設問2の中身が足りないこと、あとで気づいた漢字の間違いなどにより、みんなの出来がよければ相対的にけっこう沈むかもしれない。希望的観測で45点。刑法と合わせて、105~110点ぐらい頂けると幸せである。m(_ _)m

ちなみに、ここで書いている数字は、かなりこじつけというか、言うならば、“ごちバトル”の出演者が、無理やり設定金額に合わせて数字を述べているのと似ている。よって、最終的には予測不可能である。

* * * *

今年の試験はこれでおしまい。

飲み会のお誘いを丁重にお断りしつつ(※国際展示場から新宿とか池袋まで、多人数で電車で移動するというのは、なんとなく苦痛な感じがしたのだ)、一人帰路につく。


今年(2008年)の新司法試験(7)

2008-05-21 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
《三日目つづき》

午後から民事系大大問。同一の事案で、設問1と2が会社法、設問3と4が民事訴訟法となっている。実務を意識したいわゆる融合問題というやつだが、融合している必然性はほとんどなし。

後半の民訴は、これだけ独立させて、2時間の問題として出題したほうが、はるかにいい問題になると思う。
会社もまたしかり。ぜんぶで4時間あるせいか、いろんな要素を詰め込みすぎだと思う。同じような事案で、もっとすっきりさせれば、はるかに良問になるのに。作るほうも、文句たらたらで作問していそうなので、これは来年から、大大問はなくなるかな。

とにかく、テキストが長いので、途中何度も心がくじけそうになるが、丹念に注意深く問題文を読んでいく。
(※こんなときに下痢気味である。試験スタート直後に、手を上げてトイレに行かせてもらおうかと思ったが、テキストのボリュームがあり、これはトイレどころではないと思い定めたら、ピタッ!と下痢は止まった。人の精神力には、それぐらいの力はある)

設問の中身自体は、そんなに難しいことを聞かれていないと感じるが、問題は4時間の中で、なにをどう論じていくかである。
試験開始から1時間経過して、おおよそのストーリーと問題になりそうな論点は、各設問について、つかんだものの、もうひとつ書くべき内容が定まらない。

とりあえず、民訴の設問4にラスト1時間はぜったいに必要である、設問3は30分で書いて、と、逆算していく。15時近くになって、ようやく会社法の設問1を書き出す。(※せめてあと15分早く書き始めるべきだった。悩んだところで、間違えるときは間違えるのだ)

設問1は、甲株式会社の債権者である丙銀行が、乙会社から保証債務の履行を受けるのに、どのような法的手段があるかという問題と、株式交換の無効原因が問われている。

銀行なので「連帯保証」になるのが一般的なはずだが、なぜか問題文がふつうの「保証」になっていたので、これは商法511条を書けというサインかな、と思い(※よく分からない)、そこから書き始める。

メイン論点は、会社法362条4項2号「多額の借財」だと思うがよく分からない。
確信が持てないままに、事実を拾って書く。

・内部的行為を知りえない相手方保護のために、決議がなくても原則有効→ でも、相手方を保護する必要がないような特段の事情があれば、無効。右特段の事情があるかを、当該事案から詳しく拾っていく。(※民法93条但書類推という構成は、時間がないので捨てた。いずれにせよ、特段の事情を検討するときに、銀行側の融資担当者の過失を認定することに変わりはない)

設問2。ますます頭こんがらかる。甲会社から手形の振り出しを受けた丁は、債権回収の手段として、なにができるか。甲会社の取締役Aと、乙会社の取締役Bが、互いに価格の不自然な取引をくり返し、甲の財産が乙に渡るようにしたとあるので、利益相反行為ゆえに無効と書いた。(※これは、しょーもない記述である可能性が高い)

そして法人格否認の法理。これは、子会社である甲の債権者が、親会社である乙に対して履行請求できるというものだが、最後の手段的要素が強いので、あまり評価されないのではないかと思う。

心を痛めながら、民訴の設問3へなだれ込む。
だれでも知っている判例が掲載されており、それをふまえた上で、本件での被告の追加的併合の可否が問われている。ようやく、実力を発揮できる問題。判例が、追加的併合を認めない理由を述べた上で、本件の具体的事情の下では、その趣旨が妥当しないこと、固有必要的共同訴訟であることなどを論拠に、被告の追加が認められるべきことを述べていく。

民訴設問4。小問(1)。比較的マイナー条文であるはずの224条3項について、「転換説」「軽減説」「心証説」「擬制説」と四つも学説が並べられており、それらを対比しつつ、自分なりの結論を出すことが求められている。
そして、そこで選んだ「自説」が、小問(2)(3)でなにを論じるかに影響をあたえるという、これは良問。

知らない知識であり、一瞬面食らったが、この学説の違いをあらかじめ知識として押さえている人は少数のはず。ここは、民訴の基礎理論から、現場で考える力を試されているのだと思い、安心して書く。筋が通っていれば、どれを選んでもよいはずだ。小問(2)(3)を書きやすくするために、いちばん結論のはっきりしている「擬制説」を選ぶ。

予想されたことだが、時間がおしており、17時をまわった時点で、小問(2)(3)が丸ごと残ってしまった。でも自分は最後まで書けると言い聞かせ、かつてない速さでボールペンを走らせる。

(3)で共同被告間の「証拠共通」というキィワードを使って書いたが、試験終了まぎわに「証拠共通」とは少し違うのではないかと気づいてしまった。が、考えがまとまらないし、直している暇はないので、そのまま提出した。

答案構成90分。答案作成150分。10枚弱。

会社法はみんなできなかったらしいので、相対評価で50点もらえれば、大変喜ばしいことである。民訴がんばったので、60点。民事系三科目合わせて、150点を切らないことを祈る。

今年(2008年)の新司法試験(6)

2008-05-21 | 合格するまで(2008年の新司法試験)
《中休み日》5月16日

09時30分起床。前の晩に、睡眠薬代わりに缶ビールを二本飲んで寝たら、下痢になった。これは大変と思い、パブロンを三錠飲んで安静にする。しかし、体調が悪くても昼寝をするわけにはいかない。そのせいで夜眠れなくなると、翌日の試験に大打撃となりかねないからである。

無理やり身体を起こして、日中だらだら過ごす。
もはや知識の量では決まらない試験だということはよく分かっているので、これ以上あせって勉強はしない。
明日の民事系論文式試験にそなえて、最低限の復習のみをやる。

ロー時代に友達とゼミを組んで作り上げた「ケースブック会社法ノート」をざっと読み、民訴の定義・基本概念を確認し、あとロー入学前からコツコツ作っていた民法の苦手論点ノートをじっくり読み込む。

これで知識的には知らないことはなにも出ないはず、と思えるが、知識だけでは勝負が決まらないところが、この試験の怖さでもある。

22時就寝。簡単に寝付けないが、24時には眠っていた気がする。



《三日目》5月17日

05時30分起床。なんとなく風邪ぽいが、そんなこと言ってる場合ではないので、東京駅でパブロンを三錠飲んで、忘れてしまうことにする。
(※実は初日の昼休みに、「TOC有明」内の薬局でパブロンを購入していたのだった。あと、成分が強いせいか、ヘルシア緑茶が体調維持に役立った気がする。まあ、思い込みかもしれないが・・)

この日は09時30分着席。10時試験開始。

ここで驚愕の事態が起こる。
例年民事系第1問は、「会社法」と決まっていて、今年もそうに違いないと頭から決め付けていたのだが、配られた問題文を読んでみると、なんと「民法」である。しかも、設問の後半は親族・相続みたいな話題になっているではないか。

最初はぜったいに得意の会社法。これは、なにを聞かれても自分のノートに書いてある範囲しか出ないから、大丈夫。ここで相対的に他人よりも点数をかせぐ。・・・と思っていただけに、精神的ダメージは大きかった。

が、ということは午後からの大大問(※4時間で答えるもっともハードで配点が大きい問題)で、会社と民訴の融合問題が出題される可能性が高く、それならばむしろ自分に有利であると思い直す。(※これは、とんでもない間違いだったことに、あとで気づかされることになる)

気が動転していたせいか、民法第1問は異様に難しいことを問われている気がしたが、落ち着いて考えてみると、単に545条1項但書の「第三者」に当たるかが問われている。これは、司法試験の勉強を開始して三ヶ月の初学者でも知っている論点。

だから、簡単だーと喜んではいけないのである。簡単で基本的なことが問われているときに、周りの人と比較して、外れたこと(※採点者に、基本的知識を疑われかねないこと)を書いてしまうのが、いちばんダメージになる。

そこで、解除の法的性質から、「第三者」の意義、保護資格要件としての登記(またはそれに変わる対抗要件)、特段の事情がない限り主観的要素は問題とならないこと、などを順番に丁寧に論じていく。

他に、設問1の論点は、賃貸人の地位の移転、賃借人が現に使用していなくても目的物の返還義務を負うこと、信頼関係不破壊の評価根拠事実を提示するなど。
いずれも、法科大学院の授業で重点的にやったものばかり。尊敬する指導弁護士のM先生の声が聞こえた気がした。(※たいていは、叱責の声である)

第2問は、残り時間20分で殴り書く。掲載されている判例の考え方を論評しつつ、相続財産の範囲や、遺産分割の性質にも言及し、BがCに90万円請求できるかを論じよとあり、時間があればたいした問題ではないと思うが、残り20分ではかなり厳しい。

まあ、最低限求められていることは書いたと思うが、本件特有の事実関係を拾う暇がほとんどなかった。(※BとCが血のつながった母子ではないという事実、遺産分割まで6ヶ月という事実など、わざわざ問題文に挙がっている以上は、ほんとうはうまく組み込んで論じなければいけないと思うのだが、能力が及ばず)

答案構成30分、答案作成90分。5枚強。

簡単な設問1を失敗したら大打撃だが、それはないと思うので、全体として平均点(100点中50点)がとれていればよいな、と思う。