「法曹人口と法曹養成制度の日弁連全会員アンケート」というのが僕のところにもFAXで届いた。
この種の「アンケート」のうち、特定の思想に偏ったものには基本的に答えず、ただちにシュレッダーするのが常なのだが、これはまあ、答えてみてもいいだろう。
アンケートの内容に関して、思ったことを二つばかり。
問5 弁護士需要を上回って弁護士が供給されることは、国民にとって良いことだと思いますか、悪いことだと思いますか
イ 良い
ロ 悪い
ハ どちらとも言えない
・・・これだけでは、いささか荒っぽい選択肢という気もするが、あえて、僕は、ロに丸をつけた。
必要以上に弁護士が増えると、これまで泣き寝入りしていた正当な利益を有する原告が救済される割合よりも、言いがかり的・不当訴訟が増えることによる被告側の弊害の方がはるかに大きい、と僕は感じています。
そして、
問13 法科大学院の志願者の激減は、何が、根本的な原因だと思いますか(複数回答可)
イ 法科大学院に時間と金がかかる
ロ 法科大学院の教育が評価できない
ハ 司法試験の合格率が低い
二 司法修習生の就職難
ホ 弁護士過剰のために職業的魅力が低下
へ わからない
ト その他
・・・とあるが、全部、微妙に該当しそうではある。僕は、特に、イ、二、ホだと思って丸をつけたが、「根本的な原因」をあげるならば、「法科大学院にお金がかかる上に、修習は貸与制でさらにお金がかかり、そして就職できるかもわからず、弁護士になっても安定した収入が得られる見込みが立たない」という、少し長いものになるだろうな・・・というのが僕の実感である。
ようは、「お金」の問題、ということである。
追記:
僕は、ローでは600万円くらい奨学金を借りたクチだが、そのような"大借金"に果敢にチャレンジできたのは、自分は受かるし就職もできるだろうという根拠のない自信もさることながら、「修習まで進めば、お給料が頂けるので、とりあえず一息つける」という思いがあったことは、非常に重要な事実である。
もし、あのとき、「修習に行っても貸与制で、さらに借金が膨らむ」という前提だったとすれば、僕はローの段階で、巨額の借金をかかえてまで、法曹を目指そうとは思わなかっただろう。
このことは、力いっぱい述べておきたい。