六回目のコロナ摂取の封書が届いた。
世間ではかなりといか、もう大丈夫みたいな感じだけど、外に出たら皆、マスクしている、高齢者が多いということも関係しているのかもしれない。
今回、中の通知にはいつから予約開始とは書いてなくて病院によって変わるみたいなこと書いてあるので市のホームページを調べたら五月の頭から受付は始まっているみたいだ。
無料だし、自分は糖尿持病もある、受けるつもりなのよ。
朝の一仕事と言わんばかりにズボンで爪をとぐ、やめろといってもききやしない。
まあ、猫だからね、駄目と行ったらますますするのよ。
今日から六月に入って梅雨入りと同時に台風も接近中、先月から歯医者の予約を取ろうと思いつつ、一ヶ月近くが過ぎてしまった、あっというまだわ。
虫歯の日はバースデーなのでケーキでも食べたいところだけど、その前に台風と雨が無事に過ぎてくれるのを祈るわ。
物干し台とか、吹き飛ばされないように片付けておかないといけないと思ったわ。
今日は木曜日、六角さんのラジオを聞きながら書いているのよ。
ぽつぽつと降っているので外出、買いものはコンビニでカット、冷凍野菜、ラーメン、食パンを買ったわ。
昨日は久しぶりに一本、即興という位のスピードで書き上げてUpしたけど、他のも色々と書きたいと思っているのよね。
台風のせいで気象病、体調が変わる人もいるみたいだけど、もしかしてせいりになるかもとちょっと不安なのよね。
昨日は溝掃除して、雨戸も一部分は閉めたのよね。
今日は夕方からの天気が心配だわ。
台風が来るたびに不安になる、正直、心臓に悪いわ、災害だと、どれだけ準備しても完璧なんてことはないからね。
とりあえず二階の部屋の雨戸を閉めることにした、一部、古くて雨戸がしませない部分があるけど仕方ないわ。
去年もそうだったよなーと思いながら。
今日は記念日だけど、毎年祝うことなんてなかったし、普段の生活がおくれるだけでいいのよ。
朝方、ラジオを聞いていたら、いきなり音が出ない、ああ、電池切れ、予備を買っておいてよかったわ。
天気予報、政治のニュース、やっぱり息子は、そうなったかと思ったり。
今日は一本書くつもり。
もし何かあって、避難、自宅を空けるとか考えたくないけど、朝から家の電話に非通知でかかってきてびっくり。
すぐに切れたので何か、怪しい電話じゃないかって思ったわ。
災害前とか、何かありそうだなあ。
牢獄の生活に不便はなかった、必要なものはフィリップが用意したからだ。
だが、それでも足りないものがある。
「伯爵様は頻繁に尋ねてくるそうじゃないか」
「貴族といっても俺たちとかわらねぇな」
使われている身でありながら内心は快く思ってはいないのだろう、男達二人の会話は最初の頃とは違い随分と砕けた調子だ。
「おまえ達、薬はやめたほうがいいぞ」
「ああ、伯爵に貰ったやつか」
賃金の代わりに男、二人はフィリップから麻薬を貰っていた、体調はよくなるし数日、眠らなくても平気なので二人は薬欲しさにフィリップの命令には従順なくらいに従っていた。
だが、その日、行為の後、おまえ達、以前よりよくないなと言われて二人はいぶかしげな表情をした。
「これに価値があると思っているのか、本気で」
自分たちがフィリップから賃金の代わりとして貰っている薬を試してみないかと男に渡すと、それの匂いをかぎ、わずかに舌先で嘗め田後、なんともいえない表情で男は、それを蝋燭の火にかざした。
「おい、そいつが幾らすると」
「金貨一枚の価値もないな」
そういって男は燃え尽きた蝋燭を二人の目の前に突き出した。
「なんだ、この匂いは」
「香草で香りを誤魔化しているんだろう」
「俺たちは騙されているということか」
全て承知の上であの男に使われているんじゃないのかと言われて二人は顔を見合わせた。
「薬は理解してこそだ」
そういって男は履いていた靴底の裏から取り出した小さな包みを二人の目の前にかざした。
これを使ってみろ、と。
最近、頻繁に牢屋を訪れるのをフィリップはやめられずにいた。
昔は、お気に入りの女優と仲良くなるため、いや、娼館通いをしていたときも熱心に通っていた。
花束やプレゼントを持ってだ、女達は気のないふりをしていたが、それは最初のうちだけだ。
一度体の関係ができてしまうと後はなし崩しに自分を繋ぎとめようと必死になる。
金は勿論だが、貴族という自分の立場が引きつけているのだ。
だが、この男、エリックに対しては、それが通用しない。
最初は自分の愛人、クリスティーヌの為に作曲、オペラを作らせる為に監禁していた。
男二人に自分の命令に従うように暴力だろうが、どんなことでも、
何をしても構わないからと伝えていた。
その夜、牢屋を訪ねると男は珍しく机に向かってペンを走らせていた。
入ってきたことに気づいていないのか、振り向きもしない。
足音を鳴らしてみたが、それでもだ。
声をかけたが、それでもだ、気づいていないことにフィリップは、むっとしながら近づいた。
「おい、化けも」
化け物と呼ぶつもりだった、だが、言葉は最後まで続かなかった。
自分の首が片手で締め付けられている、苦しいっと思った瞬間、名前を呼ばれた。
「クリスティーヌっっっ」
それは歌姫の名前だ、だが、その呼びかけは到底、愛していた相手に対してとは思えない声だ。
自分の体が床に放り出され、いや、投げつけられた。
「邪魔をするな、作曲中だ」
それは怒りの声だ、だが、それと同時に右腕に痛みが走った。
目つきが普通ではない、どういうことだ、フィリップは混乱した
邪魔を、作曲の最中は静にしろと言っただろう。
男の言葉は自分ではない、歌姫に向けられたものだ。
逃げるように牢屋から出たフィリップは、ふらつくように壁に寄りかかりながら歩いていたが、このとき自分の右腕がだらんと下がっていることに気づいた。
まともでは、普通ではない、そのときはっとした。
歌姫、クリスティーヌ・ダーエが自分の愛人になったのは、まさかと思ってしまう。
いや、そんなことはあり得ないと思う自分が彼女に。
騙されていたなんて、考えたくない。
そう思ったとき、突然、体が壁際に押しつけられた。
「な、何をする、やめろっっ」
だが、体は自由にならない、聞こえてくるのは笑い声には聞き覚えがあった。
化け物にいうことをきかせるようにしろと命令した二人の男だ、それが何故と思ってしまう。
「やろめ、私を誰だと」
「おいおい、誘ってんのか」
「尻を振って、貴族様も変わんねぇな」
自分は雇い主だ、叫ぼうとしても声が出ないのは口を塞がれたからだ。
こんなことが自分の身に起こるとは信じられない。
フィリップは怖くなった、逃げられないのだ。
どうすればいいのか分からないまま、彼は現実を見たくないと目を閉じた。