goo blog サービス終了のお知らせ 

ドイツ語練習帖

マルと亀のドイツ語学習メモ帳

慣用表現いろいろ

2015-03-26 10:15:18 | ドイツ語いろいろ

ドイツ語の講読では詩と並行して戯曲も読んでいる。
先日読んだのが、テキストにして19行ほどを一人の男が一気にしゃべるセリフ。
その中に5,6個もの慣用表現があった。
忘れないうちに記録しておこう。

その男はよその会社に押しかけて、そこの秘書にウサギの着ぐるみを用意してほしいと要求する。
こういうふうなのがいい、こんなふうに見えるのがいいのだ、と言った後で
Aber wie auch immer, besorgen Sie mir ein Hasenkostüm!
という。
(……、ウサギの着ぐるみを頼む!)
この初めの言い方wie auch immer が分からない。
wie immer だったらよく使う。「いつものように」という意味だが
そうだすると内容が合わない。
何しろこの男は初めてこの秘書にものを頼むのだから。
先生に聞いたら、ここにたった一つauch が入っているだけで、
「まあともかく」とか「いずれにせよ」とか「まあ何でもいいから」
という意味になることが分かった。

この男は、何でもいいからウサギの着ぐるみを用意して、と言う。
そして数行喋った後
Und ich verspreche es Ihnen: Es bleibt bei diesem Hasenkostüm, machen Sie sich keine Sorgen.
というセリフになる。
三つに分かれている表現の前後はこうだ。
(約束するよ、…………を、だから心配しなくていい)
何を約束するんだろう、何を心配しなくていいのだろう。
Es bleibt bei というのは 「変化させない」という意味だと辞書にはある。
しかし「着ぐるみを変化させない」というのは妙だ。
先生によると Es bleibt bei et3 で「~に変わりはない」という意味に使うらしい。
Es bleibt bei unsrer Freundschaft. (僕らの友情に変わりはない)みたいに。
しかしそれでも「着ぐるみに変わりはない」というのは変ですよ。
ここではつまり、「あなたに頼むのは着ぐるみだけだよ」ということになる。
へえ~、そこまで変わる? そう、よく使う言葉だ、との説明。

次の1行では、「あなたの夢はかなえられる」(彼女の夢は経営者になること)と言い、
Denn ich werde mich wieder davon machen.
のセリフになる。sich davon machen てなんだ? 辞書だと「よくなる」「変化する」だけど。
正解は「なぜって私はまたここから出ていくからね」だそうだ。
それなら話は分かる。でもなんで sich davon gehen にしなかったのだろうか。
それだったらよく知っていたのに。

この19行には他にも慣用的な使い方が目立った。
hinaus sein über (克服している)
gefragt sein (引く手あまた)
keine Frage (まったくそうだ) これは挿入句として
vor einem Durchbruch stehen  (突破している)
nichts mehr im Weg stehen (拒む障害がない)

どれも簡単な言葉の組み合わせで、意味がちょっと変わる。
または動詞の使い方。stehen はある言葉と合わせることで意味が成り立つ。

やれやれ、ドイツ語はどこまで行っても初心者だ。
ある日は命が間に合わないからもういいよ、と思うし、
ある日は命が尽きるまで楽しめるぞと思う。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Ueber den Storch | トップ | 「とっちゃん」 »
最新の画像もっと見る

ドイツ語いろいろ」カテゴリの最新記事