Mercy's Cafe

R&Bが好きなMJKのエンターテインメント日記

グラビアの夜

2012-07-21 07:07:19 | 書籍



著者は林真理子さん。
グラビアのつくり方みたいな描写が懐かしくて読んでみました。
主人公は編集者だけど。
というか、ブロックごとに主観の主が変わっていく仕組み。
編集者→スタイリスト→メイク→タレントという風に。
最後にはまた編集者に戻ります。
昔、グラビアを作っていた側から読むと、ごく当たり前の内容ですが、著者の描写の仕方が上手いです。
印象的なのは、編集者が仕事で付き合う、作家という人種の生態についての描写。
主に食事や酒の席でのことですが、同業者を観察する著者の感性が、やはり生々しかったです。

一流の男、二流の男

2012-07-03 15:35:54 | 書籍


一流の男、二流の男
~必ず頭角を表す男の条件~

ネーミングに誘われて、手にとって読んでみました。
著者は里中李生氏。

男の復権、粗食のススメ、超プラス思考・・・それらによって男はより逞しくなり、そして成功もする。

面白いというか、興味深い発想ですね。
いや、それらの発想事体はとくに目新しいものでもないですが、最近それを主張する人がいなくなってきたということで、希少価値があるような気もします。
正直、その大胆な提唱にちょっとビックリしました。
でも、納得させられる記事もたくさんあります。

MISSING

2012-06-29 16:10:02 | 書籍


『MISSING』。
本多孝好著です。

入浴しながら読み終えてしまいました。

この人の小説って、基本的には恋愛系だと思うけど、主人公やその周囲の人たちが何かしらの闇の部分を抱えていて、でもだからって暗い話にはならないところが好きですね。『真夜中の5分前』もそうでしたけど。

今度は『ALONE TOGETHER』を読んでみます。

離愁/多島斗志之

2011-03-17 17:00:41 | 書籍
何度も読んだ「症例A」の作者が書いた純愛小説。

今のわたしたちが交わす言葉は 恋人たちの甘い台詞の交換などではありませんよね。そんな気楽なものではありませんよね。だから 深い覚悟から出た言葉だけをお伝へします。

そんな言葉で始まる小説。
少年時代にそれほどの関わりを持たなかった叔母の生前の秘密を紐解いていく内容は、ややもすると単調になりがちな第三者の手記をも交えつつ、なかなかの読み応えだった。
そして描かれていたのは、主人公ではなく、叔母の純愛だった。
第二次世界大戦の前後の話。
やはり、純愛とはもはや過去の遺産なのかな。
これだけ物に溢れ、情報も氾濫している現代では、純情もままならないのかもしれない、と思わずにはいられない。




恋愛中毒/山本文緒

2011-03-17 16:51:51 | 書籍
1998年の作品。
吉川英治文学新人賞を受賞した小説ということで、タイトルと相まって気になったので読んでみた。
はじめは、若い青年の恋模様かと思って読んだら、あっというまに30代女性の手記風になって、これはもしやオムニバスかと思ったら、それも違って、結局は最後まで30代女性の手記だった。
なんだか、裏切られたのか何なのかよくわからないけれど、結果的にはすごく面白かった。
最後の最後に、青年の話とリンクするところが、さらに興味深かった。
なるほど、男の視点と女の視点では、根本的に異なるのかもしれない。
心に残る小説だった。




東京タワー

2009-11-25 23:46:40 | 書籍
岡田准一版のほうの「東京タワー」。
かなり昔に原作は読んでいたけど、映画はなんとなく観ていなかったけど、TSUTAYAが100円レンタルをしているのを機にDVDを借りてみた。
うーん、黒木瞳さんがちと違う。
もう少し中性的なイメージだったな。セクシー過ぎるかもしれない。
だから、彼女の非日常的な感覚がいまいち伝わってこなくて、よって、彼女に恋する青年の居心地の良さと不安の狭間というものが曖昧だった気がするな。
けっこう、そこがポイントだったはずだけど。
まぁ、小説と映画は違うわけで。
ドライな不倫をする松本潤くん、よかったです。




宮部みゆき 魔術はささやく

2009-02-26 18:49:18 | 書籍


 おととし、WOWOWドラマで『長い長い殺人』という2時間ドラマの制作に参加したり、友人に薦められて『レベル7』を読んでみたり、最近また宮部みゆきさんの本を何冊か読んでいて、ときどき短編集も読んでみたけど、やはり長編のほうがじっくり読めて面白いと思い、今回読んでみた本が平成元年に出版された『魔術はささやく』。
 いやはや、傑作だった。どうしたらこんな面白いストーリーを思いつくのだろう?なんて陳腐なことは言わないけども。


それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。