片腕ガンマンvs盲目ドラゴン

C級映画鑑賞記やら日々の出来事をつらつらと・・・。

「座頭市 対 白狼」を観た

2012年07月02日 22時08分32秒 | 功夫映画
原題:盲侠闘白狼
監督:李影
出演:勝龍、田野、雷鳴
製作:1972年 台湾映画
時間:83分
種類:DVD-R
画質:★☆☆☆☆

今回紹介する作品は「座頭市 対 白狼」
ようやく観る事ができました・・・この作品。
思い続けていれば、いつか願いは叶うものなのですネ!
これで”ニセ座頭市三部作”、「完食!」であります。

今回視聴したDVD-Rも、ご多聞にもれず状態の非常に悪いものでしたが、とりあえずオープニングタイトルが有り、10分程の物語の導入部、その後キャストクレジットが始まりました・・・が主役級のクレジットは、残念ながら全てカットされておりました(涙)
途中、画面が止まったり、真っ暗になったりしながらラストの対決へ。
また、次の村に旅立つ座頭市に”終劇”の文字がかぶさるという物。 レアな作品だけに一応許される(笑)DVD-Rとなっています。

さぁ~てお話ですが・・・こんな感じであります。
ある村に悪名を轟かす”白狼”がやってくるという知らせが入る。
李長老(韓甦)は、美人の娘・秀蘭(陳雲卿)を守る為に楊村長(古軍)に相談。
村長は、地下室に秀蘭を隠し、”3匹の用心棒”(ビッグナイフChin、アゴヒゲChang、飛びますChang)を雇い入れる事にする。(弱そぉ~!)

     第一子分(趙強)と白狼(田野)

早速、用心棒たちを接待している最中”白狼”率いる悪党軍団が村に現れる。
対応する村長に「金と秀蘭」を要求し引き上げる”白狼”に対し「待て~ぃ!」と声をかける”3匹の用心棒”であったが、案の定ボコボコにされ悪党軍団は村を壊しまくり引き上げていった。
李長老は、秀蘭の代わりに接待宿一番の美人・菊花(江青霞)を買い受けて”白狼”の要求に応える事を村長に提案、村長は接待宿の女主人と何とか話をまとめるのであった。
そこに武術の達人・Mr Huang(雷鳴)が村に帰ってくる。
村長たちは、ここぞとばかりMr Huangに”白狼”退治を頼むも、無類の女好きのMr Huangは、要求を受ける代わりに秀蘭にも手を出そうとするのであった。

    Mr Huang(雷鳴)と闘う座頭市(勝龍)

  
前夜からこの村の少年・小豆子(湯志偉)の家に泊めてもらっていた座頭市(勝龍)は、秀蘭の悲鳴を聞き助けに入る。
なんとかMr Huangとの闘いに勝利した座頭市であったが、そこに現れる”白狼”。
ヘトヘトになりながらも”市”は”白狼”との対決に望むのであった・・・。

”ニセ座頭市三部作”の内、今回の作品の一番の特徴は座頭市が功夫を使って相手と闘うことに有ります。
そう!本ブログのタイトルでもある”盲目ドラゴン”になるのであります。(笑)
まぁ”酒巻ニセ座頭市”だからこそ出来る事。
仕込み杖を相手に投げつけてしまうといった荒技に出る為に功夫で闘わざるを得なくなる訳だが、間違っても本家座頭市は、こんな事はしません。だって目の見えない座頭市にとって仕込み杖は、命の綱なんですから。

しかし、これはこれでニセモノ映画の面白いところでもありますね。
”白狼”に扮するのは、「座頭市vs空飛ぶギロチン」にも出演していた田野/Tin Yauです。
キャラクター的には白い毛皮の帽子と服を着た着ぐるみ人形のようで迫力を感じられないのが残念。
闘う前に、殺した相手から奪った懐中時計を開けてオルゴールを聴き”Lucky Charm”などと言っているのも「夕陽のガンマン」から頂いたキャラだろうがストーリーにはなんの関係も有りません。
もうひとつこの作品に登場する棺桶屋の親父、これもマカロニウエスタンによく登場するキャラクターで、本作でも”白狼”が村にやって来る事を知ると従業員にハッパをかけては棺桶を作らせています。

  左:「地獄から来た女ドラゴン」の李影
  右:本作で棺桶屋に扮する李影

この親父に扮するのが、あの「地獄から来た女ドラゴン」のラストで嘉凌に斧を叩き込まれ両目をくり抜かれた悪徳ボスに扮していた李影/Lee Yingで、本作では監督も務めております。ちなみに李影には4本の監督作が有り、本作が最後の作品のようであります。

これで”ニセ座頭市三部作”をすべて見たわけですが、「座頭市vs空飛ぶギロチン」は、本家座頭市お決まりの仕草を全て見せたまさに”ソックリショー”的な作品。「座頭市と傴僂男」は、意外とまともな作品(笑)。そして今回の「座頭市 対 白狼」は、まさに”酒巻座頭市”として昇華した作品になっていると思います。

それにしても「座頭市」という作品・キャラクターの魅力が、国を超えてまでこのように映像化されたという事、これは作品の出来不出来にかかわらず凄い事だと思います。
最近では、映画・TV共に時代劇が作られなくなっていますが、いつか「座頭市」に匹敵するようなキャラクターを持ったヒーローが出現して欲しいものです。






最新の画像もっと見る