「ドラゴン荒野の猛殺」を観た

原題：死穴拳 / 怒漢猛牛
監督：徐天榮
出演：陳信一、龍天翔、魯平
製作：１９７６年　台湾映画
時間：８９分
種類：ＤＶＤ－Ｒ
画質：★☆☆☆☆

今回は、日本ではＴＶ公開された台湾製功夫映画「ドラゴン荒野の猛殺」を紹介します。
７０年代前半「燃えよドラゴン」の大ヒットをきっかけに多くの香港や台湾の功夫映画が日本に流れ込んできて、劇場だけにとどまらずＴＶ公開された作品も多々ありました。

　　浮浪者マー（魯平）は、腹ペコだ

私の地方では見ることの出来なかった”東京１２ｃｈ”のテレビ欄には、面白そうなタイトルの功夫映画がいっぱいで、その中でも私の気を引いたのが、この「ドラゴン荒野の猛殺」のタイトルでした。
なんと素晴らしいタイトルでしょう。（笑）
”猛殺”ですよ”猛殺”！（どんな殺し方なんじゃ）
あれから３０年あまり・・・どんな作品なんだろうか、ずぅ～っと思っていましたが、このインターネットの発達のおかげでようやく海外のオークションで本作のＤＶＤ－Ｒを入手することが出来ました。
正規版ＤＶＤのリリースは確認できず、今回入手したのも”OCEAN SHORES”が出したビデオをＤＶＤ－Ｒに焼いた物で、画質は良くありませんが、それでも十分です。
思いは叶うものですね。（笑）

腹ペコのマー・チャイ・クン（魯平）は、ようやく辿り着いた町の食堂に入るが、まったく相手にされない。
見るに見兼ねて、ここで働くチン・リー（陳信一）とター・チュー（龍天翔）の兄弟が食べ物を持って行こうとするが止められてしまう。
頭にきたマーは、食堂の用心棒を相手に大暴れをするが追い出されてしまい、町外れで偶然知り合った少女ショウ・リン（陳莎莉）の家でたらふくのご馳走をしてもらうのであった。

左：チン・リー（陳信一）　右：ター・チュー（龍天翔）

実は、チン・リーとター・チューとショウ・リンは兄妹で、マーはこの親切に感謝しこの三兄妹と義兄弟の契りを結ぶのであります。
傷も癒えいつか恩返しをするといい旅立つマー。
数年後、町に政府の武官が赴任してくる。

　左端：武官となったマー・チャイ・クン

町民と共に武官を迎えるチン・リーは、その武官が義兄弟の契りを結んだマーだとわかり驚き喜んだ。
マーに近づくも冷たくあしらわれるチン・リー。
マーは、町民の中に以前痛めつけられた食堂の主人、Ｍｒ・カン（王菲）を見つけるなり殺してしまう。
それでもチン・リーは、マーを兄弟と慕っていくが次第にマーの行動に疑問を感じていくのであった。
ある日、食堂で男に嫌がらせを受けている少女を助けたター・チュー。
その少女が、革命分子のリーダー（江南）の妹であった事からチン・リーとター・チューの兄弟は、革命軍に入りマーと対決することになっていく。

　”猛殺技”を練習するチン・リーとター・チュー


　　　　　マーに止めを刺すター・チュー

チン・リーは、マーが兄弟の家にいる時に習得した猛殺技で殺されてしまう。
死ぬ寸前に兄チン・リーは、弟ター・チューに猛殺技の秘密を伝える。
それを聞いてター・チューは、マーとの対決に向かうのであった。

マーのキャラクターは、同情する価値もないひどい人間で、又マーを兄弟と慕う三兄妹もこれまた人の良すぎる極端なキャラクターであります。

　　　ショウ・リン（陳莎莉）　綺麗です！

これに合わせたキャスティングもピッタリだ。
（魯平）はとても改心するようにない悪役俳優だし、まるっきり人のよさそうな（陳信一）、常に猜疑心を持ったような表情を見せる（龍天翔）、めちゃ綺麗でやさしそうな（陳莎莉）と違和感がなく観ることができる作品でした。
タイトルの”猛殺技”は、それ程のものではありませんでしたが、カメラアングルなどなかなか迫力のあるアクションシーンを観ることができます。
この頃の香港・台湾映画は、なんと言うか泥臭い迫力があると思います。
また、キャスティングで言えば食堂の主人Ｍｒ・カンの側近役で、ジャッキー/サモ・ハン映画で活躍していた（狄威/ディック・ウェイ）の若き日の姿を見ることが出来ます。
この頃は、まだ体も華奢ですが良い動きを見せています。

　　　　　　　左：若き日の狄威

ようやく観ることができた「ドラゴン荒野の猛殺」ですが、製作年度が７６年という事は、ＴＶ放映時は出来立ての新作映画だったという事。
もう３６年が経ってしまったんです・・・。

うん！よ～し次は「荒野のドラゴン兄弟」をいつか観てやるぞ～っと。（笑）