エドルネ日記

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2013春の鎌倉散策!その3化粧坂

2013-04-07 | 鎌倉・藤沢

 

 

 

 

 

 

 あわただしく今年は桜の季節がすぎ、

昨夜からこれで何度目かの春の嵐・・みなさんのところは大丈夫でしたか?

各地で被害の報告がされているようですので、お気をつけくださいね。^^

3月の鎌倉散策、書きかけを続けます。

 

化粧坂について、以下、2つ引用します。

『「化粧」を「ケショウ」と読むとそれは現在の意味の通りに「白粉でお化粧」の意味であるが、

古くは「ケワイ」とも読み、その場合は「身だしなみを整える」と言う意味に使われる。

その意味からは「都市」=「ハレの場」に入る境で「身だしなみを整える」と言う意味で

「ケワイ(化粧)坂」、つまりは「鎌倉中」への境界である坂との意味と考えるのが

自然であると言う説がある。(「中世都市鎌倉の実像と境界」p178 五味文彦)

鎌倉以外にも「化粧坂」という地名は各地にみられ、多くは中世の国府や守護所などの

近辺に見られる。その伝承の中にも境界で「身だしなみを整える」と解釈出来るものがあり、

「境界の場の呼称」として「化粧坂」と通称されていたそのひとつとも考えられる。』

 引用:Wikipedeia

 

ちくま学芸文庫の「江戸の坂 東京の坂(全) 横関英一著では

『化粧坂(けわいざか)と呼ぶ坂があった。江戸時代に少なく地方に多い坂名である。」

江戸では、浅草の千束町から吉原土手に上がる坂を化粧坂と行った。これ一つだけである。

しかも、吉原土手がなくなったとき、同時にこの坂も消えてしまった。

化粧坂の意味は化粧(けしょう)に関係する坂を言ったのである。化粧は仮粧とも

書き「けわい」と読む。化粧(けわい)は「けしょう」の古語である。』引用:(186頁)

全国の化粧坂をいくつかをピックアップして解説(引用:188~191頁)

A-1 宮城県名取郡岩切

 -2 宮城県宮城群利府村神谷沢

 -3 毛利坂とも書く。新潟県中頸城郡妙高原町(旧称名香山村字毛祝坂新田)

B-1 神奈川県鎌倉市扇ヶ谷4丁目

 -2 神奈川県大磯町

C  粧坂(けわいざか)・・・岩手県平泉中尊寺八幡社跡西方の坂

D  神奈川県足柄上郡南足柄村弘西寺

各々検証の後に

『・・・おざっぱに分けると次の3つに集約される。

1、人が化粧したところの坂

2、人がなにかに化粧したところの坂

3、遊女やのそばの坂(集団化粧)』

と結んでいる。

 

鏡のない時代に水鏡など自然のものを鏡として

化粧したことからその名がついたという事例として

Aの解説があり、美しい坂景色が目にうかぶ。

鎌倉の化粧坂は、B-1でとりあげられているが

『化粧坂、気生坂、形勢坂とも書く。発音はケワヒざか(気和飛坂)

である。昔、ここは鎌倉の傾城町のあったところ、そして曽我の

五郎致の愛娼「化粧坂の少将」のいたところであるという。一説には

昔、平家の大将の首級に、化粧を施して実検に供えたところ

であるとも言われる。もちろん、等しく化粧に関係のあることである。』

とあり、五味文彦氏の

「都市」=「ハレの場」に入る境で「身だしなみを整える」と言う意味で

「ケワイ(化粧)坂」、つまりは「鎌倉中」への境界である坂という説と

異なる。

ちなみに、参照したちくま学芸文庫の

「江戸の坂 東京の坂(全)」(2010年発行)だが

あとがきに

「1981年6月に刊行された『江戸の坂 東京の坂』と1982年2月に

刊行された『続江戸の坂 東京の坂』を併せて一冊にしたものである。

・・・本書に江戸の地図や地史などに数々の発見があり、坂の由来をはじめ

新たな説が出てきたのもあるが、著者が故人であることと、歴史的意義に

鑑みてそのままとした」とあり、30年前に書かれたものとのこと。

五味文彦氏の本をまだ読んではないが

「境界の場の呼称」として「化粧坂」という説に魅かれる。

石造物めぐりなどのときも感じるが、境界に対して独特の世界観が

あるように思う。

カシミール3D使用 関東平野迅速測図

場所は歴史的農業環境閲覧システムだと↓のあたり・・

http://habs.dc.affrc.go.jp/habs_map.html?zoom=15&lat=35.326125&lon=139.544746&layers=B0

 

 

yahooルートラボ利用

http://yahoo.jp/m745ca

矢印のあたりが化粧坂の始まり。

あらためてみると恐ろしい高低差ですね。

散策日は道がぬかるんでいて、かなり怖かったのですが

距離も短いですし、運動靴なら大丈夫な坂道です。

(とかいって、すべりそうになって叫んでしまいましたが。汗

 

足腰よわっているのか、坂では転びそうになりで必死の形相でしたが^^;

ウグイスの鳴き声をききながら、リスと遭遇したり、楽しい散策でした。

それにしても、源氏山に限らずトンビが多いのにはうんざりですね。

この日は扇川沿いに鶴岡八幡宮まで出て参拝し、ぼたん庭園で

牡丹の鑑賞をしてきました。

時間があれば、また写真をアップします。

 

※わからないことがあると手にとってみる本。

かなりの坂が網羅されており、おすすめです!

江戸の坂 東京の坂 (ちくま学芸文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房

 


 

※2013/11/09追記:kanageohis1964さんのブログに詳しい検証記事を見つけました。

【旧東海道】その10余録:「化粧坂」について

 →http://kanageohis1964.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

・・・深いですねぇ。勉強になります。(^-^)

 


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