YMOはかって坂本さんが活動していたグループ名だが、YMOと聞くと心の封印が緩んでしまいそうになる。
学生時代に、ワンゲルの後輩にエンヤがいた。
エンヤはYMOを好んで聞いていたのだ。
こんなことがあった。あれは酒を飲んだ後だったのだろうか、私の部屋に来たエンヤが、彼はいつも陽気なのだが、あの日はことのほか陽気で、私を相手に一人ギャグを連発しだした。
「パンダなに食ってんだろうね」
「パンだ…」
「警察だ、空けろ! 警察だ、空けろ」
「ここは警察じゃないよ」
実に楽しそうに一人芝居を続けるのである。
「それは何?」と私が尋ねると
YMOのLPレコード(今は「アルバム」という)に挿入されているギャグだそうだった。
そして熱く、熱くYMOの良さを私に語ってくれた。
そのYMOの坂本龍一さんが先日亡くなり、立て続けにテレビで追悼番組があった。
YMO時代の曲を、坂本さんがピアノソロにアレンジし演奏したのが流された。
「東風(Tong Poo)」だった。
遠い昔、学生時代に聞いていたのと似ているようで違う。
当時はYMOはシンセサイザーやコンピュータを駆使したデジタルサウンドを売りにしていたのだが、番組での「東風」はやさしいピアノの音色に変わって流れていた。
そして、その音色は私の心にどんどんしみ込んでくる。
懐かしい旋律
エンヤの笑顔
私の部屋でおどけていたエンヤの声
「エンヤー エンヤー エンヤー … (唐津くんちのかけ声)」一人で踊りまくって場を盛り上げるエンヤの姿
夏合宿をともに過ごした日々
きつい合宿中であっても絶やすことのなかったエンヤの笑顔
ついに涙腺が…
エンヤが死んだことは記憶の彼方に封じ込めていたのに…
思い出さないようにしていたのに…
エンヤが病気で入院し、かなり深刻な状況だということはエンヤの同期のDから連絡をもらって知っていた。
手術をする前も連絡をもらっていたが、まさかそんなことはあるまいと思っていたのだが…
エンヤは帰らぬ人となってしまった。
「エンヤー エンヤー エンヤー エンヤー … 」
ピアノ曲にアレンジされた「東風」がジワッと心にしみ込む。
追憶の波紋はどんどんと振幅を増す。
あの追悼番組は、坂本龍一さんへは勿論のことだが、エンヤへの追悼番組のようにも思え、
番組で流れた「東風」はエンヤへのレクイエムに聞こえた。
在りし日のエンヤ
ありがとうエンヤ。
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