シリーズで日本各地の病院を取材する仕事で、千葉県の安房鴨川へ行ってきました。
鴨川・・・隣の千葉なのに、東京から遠かったー。まず「わかしお」という京葉線に乗るために、東京駅の中を乗り場まで、急ぎ足で15分以上かかる。途中の丸ビル6Fに鎌倉の一茶庵丸山があるので、「ぶっかけそば」で腹ごしらえしていくことに。このぶっかけ、カニの爪の天ぷら、自家製さつま揚げ(これ美味しい)、蒸し鳥、などなど豪華な具がぶっかけてある。昼メシ夜メシ抜きになるかもしれない、きつい一日になりそうだったので、高かったけど、自分におごることにした。
「特急わかしお」で約2時間。しだいに車窓風景が、緑ムンムンでわくわくしてきた。到着して安房鴨川の駅舎をでると、そこは海の匂いの世界だった。何度も深呼吸。
タクシーで、鴨川シーワールドのそばにある亀田病院へ。ここはテレビでも紹介されたことがあるらしいが、私ははじめて。とてもモダンなデザインの建物なのに、亀田病院って、ローカルな名前なのがいい。土地の財産家が作った病院なので、その家名がそのまま名前になっているらしい。 http://www.kameda.com/index.html
ゆるく弧を描く海岸線にそってそびえている。新館の病室はすべて海に向いているという。病院のどこにいても海が視界に入ってくる。インタビューの仕事が終わるともう暗くなっていたが、13階のレストランで食事。入院患者らしき人々も食事をしているが、病院の食堂とは全く違う、まさにレストラン。メニューも充実しているし、味もいい。
もし入院、っていうことにでもなったら、ここにしたい!と思ってしまうようなところだった。もちろん施設や環境だけでなく、診療の内容も充実している。個人病院なので、患者さんへのサービス精神も行き届いているのが、よくわかる。
ああ、やっぱり1泊することにしておけば良かったなあ。病院のすぐそばには、シーワールドも鴨川グランドホテルもあるし。すぐ隣の県だからって、甘くみていた。
悔やみつつ、19時半の電車に乗るために急いで駅へ。すると駅脇のコンビニで、なつかしいおミヤゲを見つけた。それは・・・・「カマタの鯛せんべい」。病院がカメダで、おセンベイがカマタ・・・間違いそう。
目に染みるような真っ赤な、力強いパッケージも昔と変わっていない。どういうわけか、子供のころ、よくこの千葉ミヤゲが家にあった。千葉に親戚がいたからか。で、この瓦センベイ系のお菓子が私は大好きなのだ。
ふつうの瓦センベイと違うところは、片面が白いこと。これは卵白の層かと思っていたが、こんど初めて、じっくりお菓子の栞とHPを読んでみて、そうではないことがわかった。白い色と風味を残すために、この面は生のままなので、型にいれて焼く時にすごくくっつきやすい。なので最後にセンベイを型からはがす工程は、今だに一枚一枚手でやっているのだという、こだわりの「白」なのだった。
ふーん、ちゃんと作っているおセンベイなんだ。だから美味しいのね。鯛っていうより、ふぐみたいに見えなくもないけれど、ぴんぴんした活きのいい魚の感じが伝わってくる形も好き。
裏側に散らばっている芥子粒が、けっこう味のポイント。
ところでこの鯛せんべいには、日蓮上人誕生にちなむ深ーいバックストーリーがあると知って、さらにびっくり。「鯛せんべいの栞」に曰く、 1222年に日蓮上人が小湊片海に誕生した時、不思議な出来事が3つ起きた。
① 庭先から泉が湧きだしたので産湯に使った。
② 季節でもないのに浜辺に青蓮華が咲いた。そして、
③ 小湊の海面に大小の鯛がぞくぞくと集まってきた!
これらの異変にびっくりした村人たちは、以来、鯛を聖人の生き姿と考えて、ここを殺傷禁断の聖地とし、数百年間にわたってエサを与え続け、今では国の特別天然記念物になった。その鯛にちなんで、大正時代にその形を残そうと思案の結果生まれたのが、・・・・この「鯛せんべい」なのだそう。こんな壮大な歴史が、この「鯛せんべい」にあったとは。 ぽりぽり・・・。
こちらは、ついいっしょに買ってしまった落花生羊羹。千葉、って言えば落花生。ちょっと甘さが強いけどけっこういける味だった。
オミヤゲお菓子といえば、これも美味しかったのが、葉山に住んでいる妹からもらった永楽家の「ヨットサブレー」。
まるっこくデザインされたヨットが心なごむ形。コクのあるミルクの香りが後を引き、葉山の海岸に打ち寄せられる貝殻を載せた図鑑ページ風の栞も渋かわいい。
長崎、広島、高知、山梨、盛岡、札幌と、南からはじめて北上し、7都道府県をまわって、最後が千葉県で終わり。今年行った中で、観光、食、オミヤゲの各力がいちばん充実していて楽しかったのは、広島かな。各地で買い集めている目玉おやじストラップは、今年は札幌の「うに丼オヤジ」がmyグランプリ。4年目の来年は、沖縄からスタートするとか。楽しみだー。