リョウの近況

筆不精のリョウが親・子・兄弟・親戚・友人・知人・幼なじみ達と彼らの友人達にお届けする究極のエコ便りです。

夏の祭典パートⅡ

2014-07-31 12:53:20 | モンゴル国
こんにちは!

毎日、毎日本当に暑いですね。
チェコもモンゴルも海に接していないので夏に30℃、40℃になっても汗をかくということはほとんどありませんでした。バッグにハンカチを入れて出かけてもほとんど使うことがなかったのですが今は毎日2枚は必ず持って出かけます。フル活用しています。

最近、モンゴルの夏はよかったな~と時々恋しく思います。
モンゴルの夏はコスモスがあちこちにいっぱい咲いています。モンシロチョウもエーデルワイスも赤とんぼもみんな夏です。菜の花までも。

夏と言えばナーダム(お祭り)です。
毎年6月下旬から7月下旬頃まで全国各地でナーダムが開かれます。

そして7月11日・12日・13日は独立記念日を祝してウランバートルのナショナルスタジアムで全国規模の盛大なナーダムが開かれます。
大統領や政府要人、各国の大使なども招待されます。
軍や警察の訓練のデモンストレーションや生徒や学生の代表が歌やダンスを披露したり、民族舞踊や馬頭琴の演奏などもあります。
また各県の代表者たちがプラカードを持ってパレードをします。(私にはこのパレードで各県の貧富の差を感じましたが拍手はみな同じように盛大でした)
県のパレードの後にはこのナーダムのスポンサー企業のパレードも続きました。まるでオリンピックの開会式のようなものです。
この国家ナーダムはモンゴル全土にテレビ中継され国中が熱気に包まれます。

開会式が終わるとモンゴル伝統の「三種の競技」が始まります。「弓射」「相撲」「競馬」です。
「弓射」と「相撲」は「夏の祭典パート1」(2013年8月13日)で少し触れましたので今日は「競馬」について書いてみます。

モンゴル競馬はまずスケールの大きさに圧倒されます。2才馬(約15km)・3才馬(約20km・4才馬(約25km)・5才馬(約28km)・6才馬(約30km)を走ります。約というのはスタート地点とゴールははっきり決まっていますがコースは決まっていません。 えっ!? コースが決まっていないとはどういうこと? と思いますよね。
馬は草原を駆け抜けていきます。スタート地点からゴールまで一直線で走れば最短距離で有利なように思いますが草原は穴ぼこだらけで走りにくいのです。人も車もそうですが草が生えているところは無数に穴があり(小動物の巣や雨上がりに家畜が歩いた後がそのまま乾燥しデコボコ)とても走りにくいのです。
そのため騎手は車が通った後のいくつも残っている轍(わだち)を選んで走ります。

そして騎手は6才から12才までの男女です。これは馬にあまり負担を書けないようにと体重の軽い子供たちなのです。少しでも軽くと鞍を付けないで乗っている子もいます。片手で手綱を握り片手に鞭を持ちますが鞭を打つのは馬の片側だけではなく腕を8の字を書くように振って馬の両サイドに鞭を当てます。

全国から選ばれた500頭以上の馬が横一列に並んで合図とともに走り出します。
私は30kmを走る競馬をゴール地点で見ていましたがもちろんいつスタートしたのか分かりませんでした。ジュースを飲みながらしばらく待っていると一斉に拍手が沸き起こりみんなの見ている方を見ましたが馬の姿なんて全く見えません。でも周りは「来た、来た」と叫んでいます。運転手の指さす方をよ~く見るとはるか彼方10数㎞はあると思える先の山の頂上にかすかに砂煙が舞っているのが見えました。その砂煙がだんだん近づいて数分後に馬の姿を確認することができました。

各年齢馬の5着までが翌日ナショナルスタジアムで表彰されます。これだけ過酷な(私にはそう思えます)レースなのに賞金なんてありません。賞状と記念の楯だけです。一番大事なのは何年のナーダムで1位になった馬の騎手、1位になった馬を調教したという肩書なのだそうです。これは相撲の横綱と同じで一生名乗れる(履歴書に書ける)ほどの名誉なだそうです。







苗字と名前

2014-07-13 02:26:43 | 異文化
こんにちは!

今日は苗字と名前について少し書いてみます。
日本では家族の苗字は全員同じ苗字で名前はそれぞれ個々につけられていますよね。

しかしモンゴルでは苗字はないのです。自己紹介などをするときは「タロウです」「ハナコです」などと言うので当然のことですが同じ名前の人がとても多く最初は覚えるのが大変でした。

身分証明書を持つようになってから苗字は父親の名前を使うと決められたそうです。正式な書類などを提出する時だけ便宜上苗字としてお父さんの名前を使うのです。
モンゴルでは一生名前は変わらないので夫婦でも苗字は違います。母親と子供の苗字が違うのが一般的です。たまに偶然同じだったという人もいますがあくまで偶然です。この時は家族全員が同じ苗字になるので珍しいとなるのです。

日本では結婚するとほとんどの女の人は夫の苗字に変わるので家族はみんな同じ苗字だと教えるとみんな驚きます。モンゴル人からみると名前は一生変わらないものなのになぜ?と不思議に思う人がたくさんいるのです。

父親の名前を苗字に使うのはモンゴルだけではありません。アラブやアフリカでもそんな国はたくさんあります。
以前私が仕事をしていた時アラブの某国の人たちが訪日しました。御一行様のリストを作ろうとしたときみんな名前が長いのです。本当にこんなに長い名前なのか聞いてみるとその国では由緒正しい家柄の人ほど名前(苗字)が長いとのことでした。先祖代々さかのぼってお父さんの名前が連なるのです。一番長い人は13代前までさかのぼったお父さんの名前(苗字ですが)書かれていました。それもそのはず彼は某国の皇太子でした。

チェコでは女性は結婚すると男性の苗字に変わるそうです(法的には女性だけが変わるのかどうかはわかりません)が離婚しても元の苗字には戻れません。あくまで結婚した時に変わるのです。当然子供たちの苗字は変わりません。再婚した時の連れ子は名前が変わらないので親子でも苗字が違うことになります。

私の友人は幼いころ両親が離婚しその後母親が再婚しました。そして弟と妹が生まれました。弟、妹は新しい家族の苗字です。彼女は小さい時家族の中で自分だけなぜ苗字が違うのかと疑問に思っていたそうです。でもそれを両親に聞くことはできなかった、聞いてはいけないと思っていたそうです。しかしだんだん大きくなって周りにもそんな人がたくさんいるのであまり気にしなくなったと言っていました。