■ 2018.2.3 国立オリンピック記念青少年総合センター日本チョウ類保全協会のイベントに参加してきました。毎年行きたいなと思い続けて?年、やっと参加できました。
午前中はゴマシジミ特集。坂本洋典先生から「アリの巣で暮らすチョウ~ゴマシジミ類の不思議な暮らし~」というタイトルで講演があり、続けて事務局長の中村氏からゴマシジミ保全の難しさの解説がありました。
・日本のアリは300種類弱
・ゴマシジミの幼虫はアリの巣に9ヶ月もいる
・9ヶ月もいるのに脱皮はしない
・1匹のゴマシジミの幼虫で、アリの巣の中の幼虫をほとんど食べつくす(女王アリの幼虫になりすます)
・クロシジミはクロオオアリの存在を確認してから産卵するが、ゴマシジミはハラクシケアリの存在に無関係に産卵する。
・幼虫はハラクシケアリの巣の中に運び込まれないと死んでしまう
・飼育が困難で、人為的な個体数増加が難しい
・ハラクシケアリのライバルのトビイロケアリはアサマシジミの幼虫と仲が良い(アリがいつもそばにいることで、幼虫はハチの捕食やハエの寄生などから守られている?)
うーん。昔は沢山いたゴマシジミ、それだけハラクシケアリの巣も沢山あったということですね。ゴマシジミを守るためにはハラクシケアリを守ることが重要であることがよく分かりました。とはいえ、ハラクシケアリだけ増やすような対策は自然のバランス的にNGですね。うっかりゴマシジミを増やし過ぎるてもハラクシケアリが激減しちゃうので長い目では逆効果です。。。結局、昔のような豊かな自然に戻すことを考えるしかないようです。また、再生可能エネルギーとして期待されているメガソーラーや風力発電施設も、その建設が自然破壊となっているそうです。あと、ヒアリの話も興味深かったです。
最後、岩見氏からのヒョウモンモドキの保護活動の話と事務局長からのチョウ類保全状況の詳細報告があり、各地の保全活動に頭が下がると同時に、継続的な活動の難しさを理解しました。私はアースウオッチ主催の絶滅危惧のチョウの調査に参加したことがありますが、こういった自然保護団体間の連携ができると、相乗効果が得られないのかな?とも思いました。(情報交換くらいはしているとは思いますが)
ゴマシジミ 2019.8.13 長野県(在庫写真から)
■今回の危険度ランキング(毎年変動する)
1.オガサワラシジミ ※関連→小笠原保全講演会
2.ツシマウラボシシジミ
3.ウスイロヒョウモンモドキ ※関連→岡山&広島遠征
4.ヒメチャマダラセセリ
5.アサマシジミ(北海道亜種)
6.ヒョウモンモドキ ※関連→岡山&広島遠征
昨年は、ヒョウモンモドキが1位だったとのこと。保全活動がうまく行き、それぞれ数が増えるといいですね。私はなかなか草刈等に参加できていませんが、機会があれば参加せねば、と思いました。参加できなければ小額でもいいから寄付とか?
その他全体プログラムはこちら:第14回 チョウ類の保全を考える集い
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
・関連ブログ:第16回 チョウ類の保全を考える集い
企画展:チョウが消えていく(2018)
企画展:チョウが消えていく (2017)
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小笠原保全講演会
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