5月10日、行ってしまいました大阪へ(笑)
いえ、だってこれを逃したら後悔しそうだったし。
沼尾さんファンとしてはいつクリスティーヌ引退しても可笑しくない状況にこれを逃すかと。
しかし、何故沼尾さんがこの時期(李香蘭上演中、グリンダお休み中)にクリスティーヌとして登場したのかさっぱりでした。
その訳が分かったのは翌週。新人クリスティーヌのデビューです。
韓国人の方で、物凄く背が高いらしく、ココリコの田中さんに似ているらしい(笑)
その新人さんの稽古にオペラ座日本公演20周年ほっぽらかして佐野さん、北澤さん、沼尾さんが教育していたのでしょうか。
新人さんお稽古という予想外の出来事のお陰で沼尾さんもクリスティーヌとして数回ご出演(新人さんに舞台のバランスを観て貰うためでしょうか)。ファンも観る事ができました
沼尾さんだけならまだしも、佐野ファントム、北澤ラウルと私の好きな3人が揃ってしまいこれは行かない訳にはいかないなと(笑)
そんな訳で3時間かけて大阪へ行き、3時間でオペラ座を観て、3時間かけて帰ってきました。
良いんです、ゴールデンウィークどこも行かなかったし。
あいにくの雨模様でしたが、久しぶりに充実した観劇が出来ましたよ。ありがとう沼尾さん。
さて、東京公演からオペラ座の怪人を観始めた私は、オペラ座=生オーケストラという図式だったのですが、生オケというのが賛否両論で、凄く良いシーンでオケを外されるほど悲しいものはないという経験をしてきました。
今回初めてテープのオケでオペラ座を観たわけですが。
不思議な感じです。
いつもとは違う演奏部分がしっかり聞こえているような・・・楽器の違いなんですかね。音もダイナミックで音響の近くだったせいか歌以外五月蝿かったかも。
オケで慣れている役者さんも歌いづらそうだったりしたし。
しかし、オーバーチュアの迫力には涙が出ました。
なんだか・・・・久しぶりオペラ座~って感じで。
そんな音楽も物にしていて驚いたのは佐野ファントム。
この佐野、沼尾、北澤3トリオの記憶は1年半以上前の東京公演で止まっていて、その時は勿論感動をしていましたが、今回はさらに熟成された感動を味わいました。深みが増してましたよ。
沼尾さんはウィキッドのオリジナルキャストとしてグリンダの壁を乗り越え、佐野さんはエビータのペロンやチェ等新役をこなし(李香蘭のお兄様稽古もあったのかな?)、北澤さんも色々な波に揉まれながらもラウルをずっと続けていて(笑)
3人がそれぞれ引き出しを増やしながら新鮮さを持って舞台に生きていました。
♪本日の出演者♪
オペラ座の怪人 佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 北澤裕輔
カルロッタ・ジュディチェルリ 諸英希
メグ・ジリー 西田ゆりあ
マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュー・アンドレ 寺田真実
ムッシュー・フィルマン 小泉正紀
ウバルド・ピアンジ゛ 半場俊一郎
●佐野ファントム
安定した歌唱力に驚きました。
東京公演での歌声より太く、しっかりした物になり完全にオペラ座を支配されていました。
演技も言う事はありません。やっぱり演技面ではどうしても佐野ファントムがしっくり来るんですよね。
以前は哀れみの部分が多く切ない感情の方が強かったのですが、今回はハッキリとした狂気が伝わってきました。なんだかパワーアップした感じです。
クリスへの愛情の伝え方が分からずもどかしかった怪人から、感情をコントロール出来ない怪人になっていてかなり恐かったです

暴走しまくってました(笑)
やっぱり佐野さんは沼尾さんとしっくり来るなぁと感じました。
長年ラウルとクリスで、出身大学も同じで、通い合う物があるのでしょうか。
(沼尾クリスと佐野ラウルの組み合せは未見なんですよね)
●沼尾クリスティーヌ
すご~く演技面に深みがありました。
特に台詞はとても丁寧で、歌にも感情がたっぷりで情感のあるクリスティーヌでした。
歌に関してはグリンダを経験したせいか、地声で歌う部分とのコントロールにまだ手探り状態・・・。
それとやっぱり音を出す時のカスッとした感じが残っていて・・・。
かつての透明度100%の高音には戻れないのかなぁと若干悲しくなりましたが・・・。でも沼尾さんの歌声がとても好きです。
あの歌声にゾクッとするというか・・・。
華やかさもあり、陽だまりの様に温かい・・・かと言って油断しているとあの切れ味にやられるというか(笑)本当に心地よい声なんです。
それでも補って余るぐらいの良い演技を観て、感動も一入でした。
以前はその高音を武器に強気で闘っていた感じが、守りに入ったというか。
「守りこそ最大の攻撃なり」といった感じでした(どんなんだ)。
一番違うなぁと思ったのは「リトルロッテ」のやりとり。
本当に台詞が上達しましたよね~。
流石にはお年を感じましたが(ダンサーさんがお若いですからねぇ)、だんだんとクリスティーヌとして存在して行く姿が素敵でした。
墓場にてでは、これが沼尾クリスの集大成だなぁと聞き惚れてしまいました。
歌い方が本当に変わったんですよ。
本当、つい最近まで「アナタの人生がすっかり変わるのよ~~!!あたしのお陰でっ!」と言っていた女の子とは思えません(笑)
クリスとしてはファントムにもラウルにもフラフラしていて・・ラウルの愛に安心したかと思えば、ファントムの強い思いに無意識に共鳴してしまう。
これ、これだよこれ~みたいな思いがこみ上げて、オペラ座の原点に戻った気がします。
カーテンコールで3人が並んでる姿を観て、涙が溢れました。
一丸となって作品を創りあげるその姿に感動してしまったというか・・・。
オペラ座の感覚が戻らず、後数回は観たいキャストだったのに、日程が上手く行かないのと遠征という状況が悲しい・・・。
でも本当に観に行って良かった~と実感するキャストでした。
沼尾さんがクリスを演じられるのも中々無いかもしれませんが、やっぱりまだまだ演じ続け魅了させて頂きたいものです。
次に沼尾さんの歌声が聴けるのは来月のウィキッドか、ウィキッドのCDですかね~。
CD楽しみ!!!!!!
●北澤ラウル
今回やっと佐野ファントムとの組み合せで、クリスがラウルの元に戻るのが分かる気がしました(今更ですが)
それぐらい素敵なラウルだったって事ですよ。
やっぱり北澤さんはラウルがしっくり来ます。
以前はベテランラウルに囲まれていたのが、今やメインのラウル役者ですものね。
北澤さんの声質は穏やかな歌が一番似合っている様な気がします。
ウィキッドでフィエロの歌を聴いた時には歌のお兄さん風になっていたので、ポップスよりもやっぱりテノール系の方が良いのかな。
勿論シンバの歌声も大好きですが。
歌も演技も安定して、特に歌の面ではかなり聴き応えがありました。
北澤さんの歌声はブレ無いのが本当に綺麗だなぁと思います。
なので♪オールアイアスクオブユーは北澤ラウルが一番好きです。
沼尾さんと仲良しなのか、かなりラブラブっぷしにニンマリ(笑)
箇所箇所細やかな仕草にドキッとしたり、私の目線がオバちゃんですヨ(笑)
ただ、マスカレードのリフトは相変わらずヨロヨロでしたが、やっぱりキマルと華やかでした~。
クリスを思う気持ちも今までで一番感じました。
それも沼尾さんとの相互作用なのか、私の色眼鏡なのか。
佐野さん、沼尾さん、北澤さんがそれぞれの新しい引き出しを探りあって、新鮮にかつ熟練した演技をぶつけ合い、本当に熱い舞台でした。
なんだかんだでオペラ座はやっぱりイイ!!大好きです!
また大阪行きたいよぉぉぉぉ~~~!!
さて、メイン3人に気を取られて他キャストを忘れてしまいましたが、人によっては東京公演でちょくちょく観ていた時にはきっと暴言はいてたな、と思う人も居ましたが・・・それは舞台のまとまりという雰囲気に飲み込まれ消されてました(苦笑)
西田メグは記憶に無いぐらい。
歌のレベルの低くさにびっくりして、きっと記憶から抹消したぐらい。
あ、伝説の今在家メグよりちょっと良いぐらいでしょうか・・・・。
バレエもあんまり覚えていないし、ダンサーに紛れるとどれがメグか分からないし(苦笑)
秋本ジリーは歌声が戻ってよかった(涙)
本当、東京公演の時は心配したんですよ。あのガラガラな歌に。
休養を取って本来の歌声、マダムジリーと化してました。
寺田アンドレと小泉フィルマンは胡散臭そうですね~。
ただ、フィルマンを観ると故、小林フィルマンさんを思い出します。お元気に楽しくフィルマンを演じられていた姿が重なって・・そこで涙ぐんでみたり。
東京公演の時にいらした小林さん、そして立岡さんが今はもう観られないのは残念です。お二人とも何度も観たキャストだったので。;
退団という意味では石丸さんのラウルも観れないんですよね・・・はぁ。
諸カーラは相変わらず可愛らしいお嬢様カーラでしたし、半場ピアンジはお疲れなものの、やはり安定したいつものピアンジを演じられていました。
沼尾さんは新人クリスを育てて翌週からまたグリンダに復活です。
来週のウィキッドのチケットを持っているので久々に沼尾グリンダに会いたいです♪
もうウィキッドも1周年なんですね。あっという間です。
CDも出る事だし、久々に濱田エルファバ、沼尾グリンダで観れたら良いな。
あ、樋口エルファバも観たいのは勿論です。