まえのりちゃん、読み聞かせとかもろもろ。

田んぼのことや、小学校での読み聞かせ、たまに仕事の事など書いています。

2022年お盆、柿渋を作る(仕込み編)

2022年08月28日 | 手作りv

お盆の渋柿から渋柿を作る。

それを知ったのが昨年の9月でした。
なので、待っていたお盆!
うちの裏庭に、2本の渋柿の木があります。一本は大きな木で丸い実がつきます。
もう一本はやや小さくて、長細い実がつきます。
少し離れたところに、富有柿の木もあります。

今回主に使ったのは丸い柿の方です。義母がこれは間違いなく渋柿というので信じます(笑)

1.青柿の収穫

あちこち蚊に刺されながら、80個あまり、4キロちょっとの青柿をとりました。

2.青柿の下処理

そして山水で洗った後、ステンレスの包丁でヘタを取りました。
金属に長時間触れると、渋の成分であるタンニンが反応して黒に変色するとか。

米袋があったので、そこに入れて大きな木槌で叩いて割りました。
袋が紙製なので、端を叩くと水分で袋が弱くなり、飛び出すようになりましたが
何度か位置を変えて砕いていきます。頑張りましたが、木槌が大きいので
体力を消耗しました。半分にしか割れていないものもありますが、
ほとんどの柿に亀裂が入っているので良しとしました。

3.バケツに仕込んで発酵(10日間前後)

これをバケツに全て入れ、水をヒタヒタに注ぎます。
水も重要です。ウチは幸い、農業用の山水が専用蛇口から出てくるので、
それを使いました。川の水や井戸水も良いそうです。

ここに、さきほど使っていた米袋を被せました。
虫よけ、日光が当たらない様にという意味です。

毎日底から混ぜます。
私は料理用竹べらを使いました。
しっかりと空気を送り込むという表現の資料もありましたので、
好気性発酵の様です。
蓋はせず、布を被せたりするのが多いですので、
発酵している間は攪拌が重要ということだと思います。

次の日、柿の空気に触れているところは赤く変色しています。
タンニンが空気と反応したようです。水の表面には大きな泡が出ています。
臭いは、フレッシュな果物のような臭いです。いやな臭いはありません。

毎日1回は混ぜます。
場所は、より風通しのよい涼しい屋外の小屋に移動しました。
文献によると、発酵の期間、28度が適当だそうです。
しかも、1日通して温度変化が少ない場所。
これは昔の田舎だと、そう困らなかったと思います。
万が一液がこぼれても困らないとなると、屋内はだめです。
かといって、屋外では温度変化がありすぎます。
土間や納戸のような所が適当なのでしょうね。
幸い、保管場所に決めた所は割合に涼しく、外気もよく通り、
下はコンクリートで汚れても大丈夫です。

こうして12日が経過しました。
その間に、たまたま柿の木の剪定をしてもらったので、
枝を落としてもらったところから、またおよそ10キロの柿をとり、
新たに仕込みました。
米袋がなかったので、肥料用石灰の空袋(厚手のビニール)をよく洗って
木槌で破砕する時に使いました。成分も多少残っているでしょうが、
これがどう出るのか??さらに細かく破砕したのもあり発酵の具合は、
先に仕込んだものより激しい気がします。臭いも強い。。。

4.濾過・圧搾

さあ、圧搾です。

ここが問題。仕込んでから濾過までの日数は諸説ありです。
柿の品種や気候によるといいますから、到底経験のない素人に正確な判断が
できるわけがありません。
早いものは1日、長いもので年末までなんていうのもありましたから
やはり文献を調べます。しかし、ここにも明確な答えはなく、
1週間あたりからスケジュールやお天気のタイミングを図り、
12日目に圧搾をしました。

この圧搾に準備したものは
手作りした布袋(目は細かい方がよいかも。バケツの直径程度の幅と柿が入り切るくらいの大きさ)、
袋を縛る紐、バケツ2つ(搾りかす置き場として1つ)、保存用容器(5リットルのお酒のペットボトル)、
ビニールコートされたワイヤーメッシュ、ビニール手袋、はさみ、じょうご、
汚れても良い場所と服。作業場所は直射日光が当たらない方が良いそうです。
液が飛んで日光があたると発色して落ちません。数日前に、段ボールに竹へらを使って「柿渋」と書いてみたら
日光にはあてていませんが、見事に発色しています。

バケツで仕込んでいる時は混ぜていても酷い臭いはそれほど感じず
発酵が進んでいないのでは?と心配しましたが、
濾過用の布袋をかぶせたバケツに移した瞬間から、
すごい異臭。。。というか発酵臭。
臭いに甘味はなく、ほとんどが酸味と腐敗に近いような臭いです。
本には「酪酸菌」とありましたが、なるほど乳酸菌発酵のかなり進んだ臭いです。
乳酸菌飲料や、糠漬けがいたんだような臭いです。
口にはいってはないですが、多くの菌を吸い込むはずで、
口の中はずっとピル●ルが腐ったような、とんでもない数の乳酸菌を感じます。

初めはどこかに袋ごとつるして自重で搾汁できないかと思い
試しましたが、大した事がないです。
結局は、文献でみるように圧搾をしないといけない。。。
手を汚すことは避けられないのですね。
簡単ですが、バケツの上に100円ショップで売っているワイヤーメッシュ
(ビニールコーティングがされているので大丈夫)を置き、
布袋に柿を入れて口をしっかり縛ったのを置きました。
なんでも良いと思いますが、体重をかけられるような平な板をその上に置いて、
上から押さえつけました。

自重で搾汁できたのは2リットル程度でしたが、
圧搾後に見ると、4リットルほどの柿渋液が溜まっていました。
かかった時間は、1時間くらいです。もっとシビアに圧搾できる方が良いと思いますが
初めからやり方が決まっていれば、30分かからないかも。

↑写真左が5リットルのウイスキーのペットボトルに1番渋を入れたもの。
搾汁した柿を袋ごとさらに水に浸して圧搾をかけた2番渋は、一番渋が腐敗しそうになった時
応急処置に使えるそうですので、1.5リットル取っておく事にしました。

蓋はきっちり閉めると発酵して爆発すると困るのでゆるめに。
ひと月ほどは発酵が続いているので、毎日かくはんするそうです。
本には、毎日様子をみないと、突然粘度が増して「こんにゃく状」に塊ができて液と分離し、
柿渋としての価値が全くなくなるとの事。。。

5.さらなる発酵、保管

次の日には、オリが容器の底に溜まっていたので
再度布で濾過しましたが、あまり効果はないかもしれません。
すごく目詰まりして、意外に時間がかかりました。

後で仕込んだ10キロの柿は、まだタルの中です。
臭いも強い事がわかったので、濾過するのは相当気合いがいります。。。
いつ作業しようかな(^^;

6.注意
色々と、作り方を調べた結果、小さなボトルに入れたものは失敗が多いそうです。
小さくて一升瓶程度のボトルは必要なようです。
日陰で涼しい場所で半年以上保管する事で、発酵が終わり色も茶褐色の透明な液になり
柿渋と呼ばれるようになります。

ただし、圧搾時点で液に布を浸して絞り、日光に当てると発色をし始めます。
臭いが強いので、あまりおすすめはしませんが。。。^^;
(日光に数時間さらすと、臭いはほとんど消えます)

昔の柿渋の使用例に、塗料や染料以外に「止血」というのがあるそうです。
タンパク質が凝固するのを利用した作用です。
ただ、注意点もあり、飲むと(まぁ飲めたもんじゃないでしょうが)
便秘になるとかいう記述がありました。

と、濾過の次の日悲劇が起こりました。。。。
便秘知らずの私が、なんと半日ほど苦しみました;口には入れてないですが、
やはり乳酸菌の影響かなと思います。おそるべし、柿渋;;

あと、私の持ってる薬草の本には、柿渋を1日3回、
牛乳と一緒に杯1杯飲むと高血圧の薬になるとか。

柿渋を初めて仕込んでみましたが、
ちゃんとした柿渋になるかわかるのに、最低半年かかります。
その頃に、また続編を追記したいと思います。



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