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北朝鮮のミサイル発射

2009-03-11 17:05:36 | 政治(海外)

〔テポドンとは?〕
現在、北朝鮮が開発したテポドンには2種類あり、
中距離弾道ミサイル (IRBM)のテポドン1号大陸間弾道ミサイル(ICBM)と思われるテポドン2号がある。今回、発射されようとしているのは後者のテポドン2号の改良型となる。テポドン2の射程は約8000~10000kmといわれており、その射程はアメリカにまで達する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090227-00000075-san-pol(産経新聞)

このテポドン2には核弾頭が搭載できるといわれてる為、最悪の場合は日本を含めた各国への核攻撃となることが想定される。既に北朝鮮は数年前からこの為の核実験を繰り返しており、核兵器の保有を宣言している。

〔発射する目的〕
おもに今年発足したオバマ政権への牽制が目的と思われる。昨年から韓国が
李明博大統領になって北朝鮮への支援をやめるようになり、北朝鮮と韓国との間で軍事的・政治的衝突が相次ぐようになった。具体的には、今月の9日から始まる米韓合同軍事演習を牽制するのが狙いだろう。
現在、まだ北朝鮮は明確な名指をしていないが、日本の上空を通過し太平洋に落下することが予想される。もし、仮に日本を標的とした場合は東京を狙うと考えられるが、日本を標的とする場合はノドンで十分事足りる為、今回はおもに米国への牽制が狙いと考えられる(むろん、完全に否定はできないが…)。

〔本当にミサイルなのか?〕
北朝鮮が人工衛星と発表しようが基本構造が同じ以上、両者の違いは弾頭が搭載されているか否かの違いだけで外見からは見分けがつかない。この為、仮に人工衛星だったとしても、発射すれば
国連安保理決議に違反するとの見方で日・米・韓は一致している。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009030900792(時事ドットコム)

むしろ、精巧なミサイルが資金面・技術面から作れないのと、あとで国際社会にうまく「言い訳」する為に人工衛星と言い張ってるに等しい。

〔慌てふためく北朝鮮〕
しかし、日本政府はこのまま北朝鮮がミサイルを発射した場合、日本に飛来するようなら、
自衛隊法に基づき迎撃する構えがあるとはっきり述べている。
http://www.asahi.com/politics/update/0310/TKY200903100362.html(朝日新聞)

これをうけて北朝鮮はもし迎撃すれば宣戦布告とみなし、報復として戦争するとさらに強気の姿勢を見せている。
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090309/30919.html(ibtimes)

しかし、自分はミサイルを撃っておきながら、「衛星かもしれないから迎撃するな」とは相手の主権と安全を無視したふざけた話だ(偽装ミサイル)。むしろ、戦争をしようと挑発しているのは北朝鮮の方になる。
何故ここまで強気の姿勢をみせてるのかというと、ろくな軍備を持たない北朝鮮は米・日・韓に対する脅しとして核ミサイルだけで瀬戸際外交を繰り返している。もし、これが迎撃され無力化ようものなら、北朝鮮は唯一の外交カードである軍事を失うことになる。これは軍事独裁政権の
キム・ジョンイル政権にとっては何よりも恐ろしいことになる。
ヘタをすれば配下の軍部に対して示しがつかなくなり、キム政権の政権不安へと繋がる。経済がろくに機能しなく、まともな統治能力と外交能力を持たないキム政権にとって唯一の強みは、米国のような大国を相手にうまく渡りあい日本や韓国からも譲歩を引き出すことにある。しかし、日本国民の生命と国家の主権が侵されてる以上、これ以上日本としては見過ごすわけにはいかない。

〔期待できない国連〕
日本はできれば米国主導による国連での安保理決議による制裁を期待しているが、中国とロシアが難色を示した場合、これらは否決される可能性がある。過去に2006年の北朝鮮による
ミサイル発射実験を受けて、安保理で国連安保理決議1695が全会一致で採択されたが、国連憲章7章を盛り込むことにはロシアと中国が難色を示し、結局、米国も中国に譲歩する形で折れた。既に今回のミサイル発射による制裁も、中国とロシアは「衛星ロケット発射」として難色を示してるとの知らせもある。また、昨年のイラク戦争による米国の威信失墜も大きい。

〔迎撃できるのか?〕
日本は
ミサイル防衛(MD)によって日本に着弾しそうな場合は迎撃するとはっきり公言してるものの、本来、日本のMD構想は中距離弾道ミサイル(ノドンクラス)を標的にしている為、今回北の撃つ長距離弾道ミサイルを迎撃できるかどうかは疑問がある(ただし、現在開発中)。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090310-OYT1T00130.htm?from=navr(読売新聞)

日米が開発している
SM-3(スタンダードミサイル3)は高度200kmまでが限度であり、今回発射されるテポドン2改は最高高度が1000kmにも達するともいわれ、迎撃するには高度200km以内のときに迎撃する必要がある。この場合、大気圏に達する前のブースト段階(発射直後)か、再突入している着弾直前に迎撃しなければならない。前者の場合は当然北朝鮮付近での迎撃になる可能性があり、後者だと日本の領内で最高速度に達してる段階での迎撃になる。特に後者の場合は迎撃が非常に困難ともいわれ、撃ち漏らした場合地対空ミサイルであるPAC-3(パトリオット)で対応するしかない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090307-00000566-san-int(産経新聞)

しかし、北朝鮮が迎撃を歓迎するわけもなく、上記の事情も含め報復として多数のノドンを撃ちこんでくる可能性もある。現在、このノドンミサイルを北朝鮮は日本に向けて200基ほど配備しており(ちなみに中国は24基)、こちらは搭載する核弾頭は小さくする必要がなく、今までの核実験で搭載用の核弾頭は既に完成済みといわれている。現在、この多数のノドンに対抗する方法は今のMDだけでは限界があるともいわれている(ただし、現在多弾頭迎撃ミサイルを開発中)。

〔結論〕
ようするに各国(日本)を脅してるわけですな。そこまでいうならむしろ発射して頂きたい。
実際にMDが機能するのかいい実戦になる。もういい加減、我慢の限界です。

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