マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

NINAGAWAマクベス

2015年09月14日 | 舞台・映画
シアターコクーンにて「NINAGAWAマクベス」を観て参りました。

【主なキャスト】
マクベス   市村正親
マクベス夫人 田中裕子
バンクォー  橋本さとし
マルカム   柳楽優弥
ダンカン王  瑳川哲朗
マクダフ   吉田鋼太郎
門番     沢竜二
魔女     中村京蔵
マクダフ息子 牧純矢(大内天とWキャスト)

今日のお席は、1階M列センター。全体がとても良く見渡せます。でも細かい表情などは、オペラで。

黒い漆と金箔の仏壇を模した舞台装置が豪華でもあり禍々しくもあり。35年前を思い出して懐かしい~

この「マクベス」は、時代設定を安土桃山にして装束や魔女の予言の場面などが歌舞伎調、という以外は台詞も筋書きも原作通りなのだそうです。

唐草模様の風呂敷を背負った二人の老婆が、客席通路を通って下手と上手の端に鎮座し、おもむろに仏壇の扉を開けると、妙なる調べとともに華やかな衣装を纏った三人の女(魔女)が謎掛けのような歌を歌って踊っている。

老婆たちは舞台の上手と下手の端に戻り、風呂敷包みから弁当やら水筒やら取り出し、舞台を見ながら(本当に!)食べたり飲んだり居眠りしたり・・・(いまひとつこの老婆たちの存在の意味がわからなかったのですが・・・)市井の人が為政者達のドロドロした権力争いを傍観してるといったようにも受け取れます。

そこに馬に乗って現れた武将の姿のマクベスとバンクォー、魔女たちの告げる予言めいた言葉によって運命の歯車が回り出す。

マクベス夫人というと残虐非道な悪女というイメージが強いのだが、田中裕子のマクベス夫人は夫のために一生懸命に尽くす妻という感じで、その愛情が間違った方向に行ってしまったがために精神が崩壊していく姿が哀れであった。

マクベスもコーダーの領主になった時点で満足していればよかったものを、己の心の底に隠れていた王になりたいという欲望に負けて凶行に走り身の丈に合わない衣装を着てしまったがために周りの者が信じられなくなり転落していく。

そんなマクベスの激しい感情の起伏を市村さんは、巧みに演じていたが、時々早口でまくし立てるような言葉が聞き取りにくかった。台詞に詰まったところもあり、体調が悪いのかしら?とちょっと心配になった。

田中裕子さんと橋本さとしさんの台詞は、とても聞き取りやすかった。
さとしさん、カッコ良かったです

最後のバーナムの森の場面、満開の桜がハラハラ散る様子がとても美しく印象的。

キャストも実力派揃い、舞台美術も衣装も豪華絢爛。蜷川さんと妹尾河童さんの素晴らしい発想力に拍手

瀬戸カトリーヌさんもご観劇でした。


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