今までに「新型イストの誕生」を3回にわたって書いてきましたが、あれはウェブサイトやカタログなどを見ての考察で、実車は見ないで書いたものです。
お盆前にNetz店で実車を見る機会があったので、各部をじっくりと見て、シートに座り、いろいろと触ってきました。他にお客さんがいなかったようなので、試乗もできたかもしれませんが、時間的な余裕ながなかったもので試乗はしていません。
初見では、タイヤ径が大きくなっているのと厳ついフロントマスクのため大きそうな車に見えましたが、近づいてみるとやはり全長が4m以下であるのと、幅も3ナンバーサイズとは言え左右で15mmずつ拡がっただけなので、さほど大きいとは感ぜず普通のコンパクトカーとそう変わらない様な気がしました。
エクステリアについては、写真では分かりづらかったヘッドランプが以外と立体的であったことと、フロントフードからヘッドランプへ流れるラインがそのままボディサイド・リヤハッチへとへつながるラインがシャープで上手くまとまっていたとの印象を持ちました。
ただ、どうしてもフロントの造形の厳つさの割にリヤがあっさりしすぎている感は否めません。個人的には、テールランプの造形をもっと凝ったものにしても良かったのでは、と思いました。或いは、フロントをもっとあっさりしたものにするかです。
ルーフはほとんど平らで真ん中の部分が一段窪んでいるため、以外と低く感じられました。私が普段乗っている WiLL サイファはルーフの中央が盛り上がっていてイストより1cm高いために、実際2cmくらい低く感じられたこともあります。
バンパーのアンダーガード状の部分は無塗装ですが、シボ加工が為されており、単なるつや消しでは無い質感を感じました。
インテリアに関してですが、シートに座った時には外形の30mmの拡幅は全く実感がありませんでした。現行ヴィッツに比べると室内幅は10mm広くなっていますが、 WiLL サイファに比べると逆に15mm狭くなっています。室内高もイストは1240mm、ヴィッツは1270mm、 WiLLサイファは1290mm。 WiLLサイファは旧ヴィッツベースなので室内長が1810mmと短いので室内高がこれぐらいあって圧迫感を感じない広さです。一方、現行ヴィッツの室内長は1865mm、イストは1870mmであり、室内高が多少低くても室内長が広いからか窮屈な感じはしませんでした。
イストの場合、今回からセンターメーターでなくなったことでダッシュボード回りがすっきりとして、より室内が広く感じられるようになったのではないかと思います。
メーターがセンターメーターでなくなったことは先に述べましたが、イストのコンセントリック(同心円状)メーターはエンジンをかけた時に面白い動きをします。真っ暗な中に赤い針だけがメータートップまで跳ね上がり、ゼロに戻るという動作です。残像現象のためか、針が扇型に開いているかのように見えるところが面白いですね。戦闘機のコックピットをイメージしたものらしいですが、エンジン始動時のメーターアクションは、人によっては、時が経てば飽きてくるかもしれません。
メーターが戦闘機のコックピットをイメージした車は他にもありました。WiLL シリーズ第2弾のWiLLVSで、メーターが全て赤のイルミネーション、オーディオ・空調も赤色、AT車はシフトノブが戦闘機のスロットル風のデザインでした。その後、メーター・オーディオ・空調が赤のイルミネーションを採用したマツダのアクセラが出ましたが、WiLL VSのパクリだったんでしょうか。
ラゲッジスペースですが、ここは以外に狭かったですね。ヴィッツの上位車種と同様に、後席を倒してフリップを返すことで完全にフラットなスペースが確保できるところぐらいしか特徴はありません。新型イストは、あくまでもSUV風のシルエットを持つコンパクトカーなので、初めからSUVのラゲッジスペースを求めるのは無理がありますね。
見た目大きそうな、SUVとのクロスオーバー風コンパクトカー、それが新型イストです。