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犬の眼

『日記』卑しさから清浄なることまで

欲しいもの9『メルセデス』

2005-05-28 20:21:57 | CAR

昔、知り合いだった女性が、ベンツが好きだと言った。
それを聞いて「なんでやねん!」と思った。
いかつくてガラが悪くて、品のない車だと思っていたからだ。
事実、僕が生まれ育った地方都市では当時、ベンツオーナーといえばズバリ”ヤクザ”を意味した。
しかし、上京して、いたってノーマルな人たちがベンツに乗っているのを目の当たりにして、また、その歴史や品質を知るにつれて徐々にそのイメージが変わっていき、いまでは僕も好きな車のひとつである。

でも、東京だろうがどこだろうが、依然としてその筋の人たちが選ぶのがベンツであることも変わりがない。しかし、80~90年代の、ばかでかくて威嚇的で、”いかにも”な風体のSシリーズから比べれば、現在のSシリーズはかなりマイルドになっている。ほかのシリーズもボディラインが丸みを帯びて、柔らかい印象だ。
メルセデス・ベンツ・ジャパンも、かつての悪いイメージを払拭したいらしい。その一環として、一般的な『ベンツ』ではなく、『メルセデス』という呼称を用いており、ユーザーにもそれを浸透させたい意向のようだ。
それに呼応したわけではないが、僕も『ベンツ』という呼び方はどうも嫌いで、なるべく『メルセデス』を使うようにしている。イメージの変革はまず呼び方から…。些細なことに思えるかもしれないが、個人的には大切なことだと思う。
ただ、『メルセデス』というのは、ちょっと気どって聞こえる。評論家の徳大寺有恒のように『メルツェデス』などというのは例外としても、いまのところまだちょっと口はばったい感じは拭えない。

メルセデスが好き、と言ってもそのすべてを受け入れているわけではない。
現行のラインナップの大半には、あまり触手が動かない。
最高の品質を追い求める孤高のメーカーだったメルセデス・ベンツも、今ではTOYOTAのようにコストに気を遣い、無数の車種、グレードを送り出すようになっている。
そのなかで、いいと思えるのはSLクラスと、Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)くらいだ。
Cクラスには肩の力が抜けた上質感があると思うが、僕には合いそうにない。
スマートという車は好きで、買い替えるなら最有力の候補なのだが、純粋なメルセデスではないということで、今回は番外だ(スマートには、僕は密かに『タキシードで乗れるスモールカー』というキャッチコピーをつけた。かわいいだけでなく洗練されていて、あらゆるシーンに違和感なくなじむ車だと思う)。

SL、ゲレンデヴァーゲンともに、1000万円以上する車なので、芸能人やらお金持ちの御用達である。
でも、彼らは単純に『ベンツだから』という理由で乗っている場合が多いのではないか。ステイタスの誇示のために選んでいる。
これでは車がかわいそうだ。愛着を持って乗ってもらいたいものだ。モデルチェンジしたからといって、すぐに新しいのに飛びつくのではなく、車を愛おしんでもらいたい。
とくにゲレンデは、オフローダーとして、ずっと頑丈で無骨であり続けてきたモデルだ。しかし、乗り心地とか流行を偏重する現在、そろそろフルモデルチェンジしそうな気配を感じる。今でも十分に贅沢な車なのだから、あのごつごつしたイメージは残しておいて欲しいな。


左から/現行のSL500/G500long(ゲレンデヴァーゲン)/280SL/500SL(107型) ※上の写真は300SLガルウィング

現行のSLとゲレンデも大好きだが、もっと魅力的なメルセデスは、過去に存在する。
その代表的な車種が300SL(一番上の写真)だろう。
先日とりあげたジャガーE-Typeとならぶエレガントな車である。ジャガーを女性とするなら300SLは男性的だ。市場価格はおそらく3000万円を下らない、まさに憧れの車である。
後継のSLもそれぞれ魅力を放っている。タテ目の280SLはリアのデザインも素晴らしい。
107型SLは長い間販売され続けた人気車だった。映画にもよく登場する。実はこの車、4年ほどわが家に居た(昔の彼女が忘れられずにベンツを選んだ、ということは決してない)。所有者は僕ではなかったが、よく運転した。ちょうど今、ヴィンテージとまでいかないけれど適度に枯れて、しかも優雅さをたたえており、旬な車種だと思う。余裕さえあれば(こればっかりだが)、グレー、濃紺、ホワイトの三色揃えたいくらいだ。
ジャガーのところでも触れたが、この素敵な車(107型)をも極悪仕様にしてしまう輩がいる。エレガントな車をわざわざ威嚇的に変えるのはなぜだろう? 買ってきた絵画に自分で描きたすやつはいない。デザイナーがせっかく素晴らしい仕事をしたものをおかしな方向へねじ曲げる理由が分からない。自分仕様にカスタマイズしたい気持ちは分からなくもないが、その余地はないと思う。

腹立ちついでに、自動車税のことにも触れよう。東京都は数年前から「自動車税のグリーン化」と銘打って、「新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする」ことになった。当時はまだメルセデスを所有していて、もちろん中古で購入してすでに15年選手だったので、かなり値上がりしたように記憶している。年に一度の支払いだから、けっこう家計を圧迫するのだ。
この税制は環境のためということだが、不必要な買い替えを促進することになり、結局環境に負荷をかけるはめになるような気がする。しかも、車に愛着を持って大事に乗り続けているような人に負担を強いる。
これはおかしい。どこかが歪んでいるとしか思えない。

SLの他にももちろん、古いメルセデスにはいい車がたくさんある。質実剛健と言われたメルセデスだが、今乗るととてもおしゃれだし、現行メルセデスに比べても存在感は勝っている。しかも丈夫。「20万キロは乗れる」といわれるのがメルセデスなのだ。
(日本車のようにメンテナンスフリーというわけにはいかないが)

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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いつか乗りたい車 (歌恋)
2005-05-29 02:51:41
あ、本当だ。ゲレンデヴァーゲン登場。



わたしが手に入れるまで絶対モデルチェンジしないでっ!!!



どのくらい惚れているかというと

車乗ってて見かける度に運転席の夫に

「あれ――、絶対将来はあれっ!!!」と

強請るくらい好きです。



色は黒がいいかなぁ。

でもメタリックブルーのも好き。

でもでも手に入れる頃にはブルーは似合わないかも。





それと、先日近くのスーパー(!)で

BMWのオープンカーを見かけたのですが

スーパーで見かけたくなかったのと

日本の気候を考えるとオープンカーは如何なものか?

そう思ってしまいました。



なんだか、海沿いを走っても潮でベタベタ…とか。
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モデルチェンジ反対! (犬の眼)
2005-05-29 11:43:47
ゲレンデはいいですよね!

ぜひ手に入れる夢を叶えてください。

僕は、まずショートボディかロングボティか迷っていたのですが、これはロングのほうがいいかなと思います。

色はシルバーか濃紺か黒で迷います。今のところ黒に仮決定。



確かに日本では、雨とか暑さとか空気の汚さとか人目とか、オープンカーは乗りにくいかもしれないけれど、でも、オープンカー最高ですよ~!

ゲレンデのセカンドカーとしておすすめします。

ウチにあったメルセデス、ふだんは屋根が載っかってますが、外すとオープンカーになりました。

2月9日の記事に書いてますので、よかったら読んでみてください。



http://blog.goo.ne.jp/m222e/e/bca03031affc1d76bd42300654569c35
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やはり… (歌恋)
2005-05-30 18:40:07
上記の記事、読ませていただきました。



でもでもやはり

この湿気ている日本ではオープンカーは考えにくいです・・・。

あと、高速とか都心の道路だと排気ガスが木になります。



お肌が汚れて荒れないか?

喉がやられてしまわないか?

鼻・耳のメンテナンスが大変…。

お洋服が汚れる…。



やはり夫に頑張ってもらって

わたしは貯蓄が出来るようになって

ゲレンデを目指したいです!



そして色なんですけれど

「ガンメタ」ってどんな意味かご存知でした?

わたしは「ガンガン、メタリック?」なんて

おバカに考えていたんですけれど

妹に「ガンは銃のガンだからっ!」と怒られました。

いや、黒で思い出しただけなんですけれど。
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オープンカー普及委員会会長 (犬の眼)
2005-05-30 19:29:53
そうですか、残念…!

お肌のことまでは思い至りませんでした。

夏は直射日光なので厳しいかもしれませんが、冬にはがっちり防寒対策をして、ヒーターをかけながら乗る、なんていうやせ我慢の世界が男の美学だったりするんですよ(最近流行りませんが)。

それに、最近のオープンカーはスイッチひとつで開け閉めできますから空気の良いところへ来たらスイッチポン、なんてことも可能です。

一度、お試しを(ってしつこいですね)。



ガンメタ、僕もつい最近まで意味は知りませんでした。

日本ではめったに銃なんて目にしませんものね。
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