マセラティへの懺悔をした舌の根も乾かぬうちから、こんなことを書くのも心苦しいが、これから挙げるのは、購入の候補として考えている車である。
フェラーリが欲しいとかいった大それた気持ちは、胸の奥にしまい込んでおくことにする。人生に、ひとつケリをつけるのだ。ありていに言えば、自分を見限り、夢をあきらめたことになる。
だから、候補に挙げている車は現実的な選択をしている。まあ、それでもかなり頑張らないといけないのだけど、なんとか手の届く車を選んでいるのだ。
それから、一台をのぞき、中古車は対象から外した。
新車なんて贅沢、と思われるかもしれないが、それにはいくつかの理由がある。まず、中古車を買うのは、たいへんな労力を要するのだ。一台ごとに状態が違っているから、価格と照らし合わせながら、あちこちのディーラーを巡って必ず実車を見て比較検討しなければならない。しかも、すぐに決めないと売れてしまうから、じっくり考えている暇がない。数多く出回っている車種だと、その作業はさらに面倒になる。フェラーリやマセラティなどのような特殊な車なら個体数が少ないから、かえって中古車としては探すのが楽だ。それに、探す作業も楽しい。
中古車は信頼できる店を選ぶのがとても重要になってくるのだけど、それを見極めるのはとても難しい。
ヘタな店から買ってしまうと、とんでもない不良車をつかまされることになりかねない。その点、新車ならほとんど問題がないのだ。
それに、先日書いたように「余裕もないのだから、趣味性の高い、手のかかる車はもうあきらめて、(僕なりの最低限のこだわりは残しつつも)お金がかからず快適な、道具として便利な車を選ぶ」としたら、そのような一般的な大衆車は趣味性の高い車と違って、どんな人が所有していたか分からないという不安もある。オーナーから愛情を注いでもらっていたかどうかも怪しいものだ。マセラティなんかだと、少なからず同好の士という意識が働くけれど、大衆車にはそれがない。変なやつだったら嫌だな、と思う。僕は潔癖性気味だからなおさらだ。
それから、大衆車はコストをかけていないので、長く乗るには耐久性にも問題があるかもしれない。僕も必然的にこれから何年ものローンを組んで乗ることになるのだから、もってくれないと困るのだ。手のかかるのを嫌って好きな車をあきらめたのに、妥協して選んだ車が壊れたりしたら意味がないのである。
また、新車なら車検まで3年の猶予がある。中古車だと登録からすぐに手放したのものでもない限り、たいてい2年以内に車検をとらなくてはいけない。そうすると、初期費用がかさむことになってしまう。
新車にはそんな利点がある。
以前欲しいと言っていたローバーミニはやめることにした。
いい車なんだけど、ハンドルがとても重いこと、中古車として不安が拭いきれないということ、何度か見に通っていたショップの店長が気に入らなかったこと(担当の販売員は良かったのだが…。同じようなことを先日書いたが、またべつのショップである。店長というのはどうしようもないな)、それに、やはり残念ながら僕のキャラクターにそぐわないんじゃないかと思ったのが理由だ。粗雑な僕にはちょっとオシャレすぎるかも。
プジョー206

最有力候補だったが、試乗してみると、アクセルが軽すぎる。ふわふわだ。それに反応が鈍い。踏み込んでもそれが動力に伝わるのがワンテンポ遅れる。僕の使い方だと状況によっては、それが危険に繋がるようなこともあるかもしれない。
また、206はプジョーの下位モデルなので、全体に造りが安っぽい。内装も質感が良くない。それでも輸入車のなかでは割安だし、デザインとかブランドイメージは悪くないから、完全に候補から外すことはふんぎりがつかない。
この車はもうすぐ生産終了となり、後継車はひとまわり大きくなってしまうので3ナンバー仕様となる。デザインも僕は好きじゃない。
チャンスは残りわずかだ。
プジョ-206CC

基本的に、オープンカーが大好きだ。輸入車のオープンカーで、しかも電動のハードトップ付き…これはたのしい! おまけに4人乗りでこの価格というのは破格である(メルセデスのSLKの半額以下)。さらに、確か5ナンバーに収まってる。こんなお買い得な車も、今を逃すと、そろそろ生産中止になるから、本当は迷ってる暇はない。
しかし、これも試乗してみたけれど、やっぱりアクセルに違和感がある。206よりはましだが、全体的にチープな感じは否めない。低価格だから眼をつむるべきか…。もっとも、それでも僕には少し予算オーバーなのだが(汗)。
ボディカラーは、カタログで見た限りでは「プジョーに黒なんて…」と思っていたが、実物を見たらそれがすごく良かった。
日産ティーダ

以前の僕なら考えられない選択である。
保守的な、国産車。完全に道具としてとらえての候補だ。まあ、僕はTOYOTAは絶対に選ばないだろうから、ティーダという車のどこかに、僕のスタイルに合う部分を見つけたのだろう。
そして、乗ってみたら非常に良かった。快適。運転しやすい。初めての車なのに、まるでずっと自分のものであったかのようにリラックスできる。アクセルも適度な重みがあり、走りもスムーズ。「モダンリビング」というコンセプトにたがわず、室内のデザイン性と質感は高い。とくにシートは最高である。いい車だ。
でも、道具としては素晴らしいが、愉しさを与えてはくれなさそうだ。コストパフォーマンスに優れていて、プジョーとくらべたら段違いにお買い得だと思うのだが、所有することに喜びが感じられない。
でも、捨てがたい車である。
アルファロメオ147

唯一の中古車、しかも趣味性の高い、以前の僕がセレクトしそうな車だ。でも僕は、アルファロメオはあまり趣味ではなかった。だからこのコンパクトな147は、ある意味妥協を含んだ選択である。
とは言っても、そのデザインはかなり気に入っているし、試乗してみたら愉しい車だった。
ただし、いくら近年改善されているといっても、イタリア車、そして中古車はやはり不安だ。予算も少しオーバーだし、選ぶコンセプトからも外れてる。
これまでイタリア車、ドイツ車、日本車と乗ってきたから、おかしな理由だけど、つぎはイギリス車かフランス車が順当な線だという気持ちもあって(アメ車には適当な候補がない)、よほど有力な理由がなければ、この車を選ぶ可能性は低い。でも、このなかでは一番僕の性格に合ってるかもしれない。
マツダ・ロードスター

覚えている限り、おそらく10数年ぶりにマニュアル車を運転した。それがこのロードスターだ。
もともと運転が得意ではないこともあって、操縦はぎこちなかったけれど、プジョー206のオートマ車なんかと比べものにならない、スポーツカーらしい走りが愉しかった。反応が良くて、グイグイ走ることができる。
僕は乗ったことを後悔した。なぜなら、欲しいという気持が湧いてきてしまったから…!
値段が安いから、内装はプラモデルみたいな部分もあるが、ボディはすごくしっかりしている。遊ぶのに最高の車だ。外観は、前のロードスターはあまり好きではなかったが、今度のはデザインも気に入ってる。
しかし、ソフトトップで2シーターというのは、あまりにも実用的でない。それにATもあるけれど、これはやはりマニュアルで乗りたい。そうするとなおのこと実用には向かない。本当に走るためのオモチャである。
これに乗ったせいで、またも気持がぐらついている。(運転はヘタくそだけど)やはりオープンカーやスポーツカーに乗りたい…!
スマート

ずっと前から気になっている車である。色もこの配色がいい。小さいながら、国産車のようにかわいいだけでなく、洗練されている。
でも、座席は広いものの、ふたり乗りで、トランクも狭い。これも用途が限られる車だ。小回りが利いて便利な部分もあるけれど、ファーストカーとしては厳しいだろう。それから、ミッションがちょっと特殊で、クラッチペダルはないが、坂道発進はマニュアルと同様、ハンドブレーキを引いての操作が必要となる。それがかなりの減点である。
こうやって候補車を挙げてはみたが、車を買える身分ではないことも自覚している。だから、買わないという選択もあり得るのだ。念のため、その点も書き加えておく。
フェラーリが欲しいとかいった大それた気持ちは、胸の奥にしまい込んでおくことにする。人生に、ひとつケリをつけるのだ。ありていに言えば、自分を見限り、夢をあきらめたことになる。
だから、候補に挙げている車は現実的な選択をしている。まあ、それでもかなり頑張らないといけないのだけど、なんとか手の届く車を選んでいるのだ。
それから、一台をのぞき、中古車は対象から外した。
新車なんて贅沢、と思われるかもしれないが、それにはいくつかの理由がある。まず、中古車を買うのは、たいへんな労力を要するのだ。一台ごとに状態が違っているから、価格と照らし合わせながら、あちこちのディーラーを巡って必ず実車を見て比較検討しなければならない。しかも、すぐに決めないと売れてしまうから、じっくり考えている暇がない。数多く出回っている車種だと、その作業はさらに面倒になる。フェラーリやマセラティなどのような特殊な車なら個体数が少ないから、かえって中古車としては探すのが楽だ。それに、探す作業も楽しい。
中古車は信頼できる店を選ぶのがとても重要になってくるのだけど、それを見極めるのはとても難しい。
ヘタな店から買ってしまうと、とんでもない不良車をつかまされることになりかねない。その点、新車ならほとんど問題がないのだ。
それに、先日書いたように「余裕もないのだから、趣味性の高い、手のかかる車はもうあきらめて、(僕なりの最低限のこだわりは残しつつも)お金がかからず快適な、道具として便利な車を選ぶ」としたら、そのような一般的な大衆車は趣味性の高い車と違って、どんな人が所有していたか分からないという不安もある。オーナーから愛情を注いでもらっていたかどうかも怪しいものだ。マセラティなんかだと、少なからず同好の士という意識が働くけれど、大衆車にはそれがない。変なやつだったら嫌だな、と思う。僕は潔癖性気味だからなおさらだ。
それから、大衆車はコストをかけていないので、長く乗るには耐久性にも問題があるかもしれない。僕も必然的にこれから何年ものローンを組んで乗ることになるのだから、もってくれないと困るのだ。手のかかるのを嫌って好きな車をあきらめたのに、妥協して選んだ車が壊れたりしたら意味がないのである。
また、新車なら車検まで3年の猶予がある。中古車だと登録からすぐに手放したのものでもない限り、たいてい2年以内に車検をとらなくてはいけない。そうすると、初期費用がかさむことになってしまう。
新車にはそんな利点がある。
以前欲しいと言っていたローバーミニはやめることにした。
いい車なんだけど、ハンドルがとても重いこと、中古車として不安が拭いきれないということ、何度か見に通っていたショップの店長が気に入らなかったこと(担当の販売員は良かったのだが…。同じようなことを先日書いたが、またべつのショップである。店長というのはどうしようもないな)、それに、やはり残念ながら僕のキャラクターにそぐわないんじゃないかと思ったのが理由だ。粗雑な僕にはちょっとオシャレすぎるかも。
プジョー206

最有力候補だったが、試乗してみると、アクセルが軽すぎる。ふわふわだ。それに反応が鈍い。踏み込んでもそれが動力に伝わるのがワンテンポ遅れる。僕の使い方だと状況によっては、それが危険に繋がるようなこともあるかもしれない。
また、206はプジョーの下位モデルなので、全体に造りが安っぽい。内装も質感が良くない。それでも輸入車のなかでは割安だし、デザインとかブランドイメージは悪くないから、完全に候補から外すことはふんぎりがつかない。
この車はもうすぐ生産終了となり、後継車はひとまわり大きくなってしまうので3ナンバー仕様となる。デザインも僕は好きじゃない。
チャンスは残りわずかだ。
プジョ-206CC

基本的に、オープンカーが大好きだ。輸入車のオープンカーで、しかも電動のハードトップ付き…これはたのしい! おまけに4人乗りでこの価格というのは破格である(メルセデスのSLKの半額以下)。さらに、確か5ナンバーに収まってる。こんなお買い得な車も、今を逃すと、そろそろ生産中止になるから、本当は迷ってる暇はない。
しかし、これも試乗してみたけれど、やっぱりアクセルに違和感がある。206よりはましだが、全体的にチープな感じは否めない。低価格だから眼をつむるべきか…。もっとも、それでも僕には少し予算オーバーなのだが(汗)。
ボディカラーは、カタログで見た限りでは「プジョーに黒なんて…」と思っていたが、実物を見たらそれがすごく良かった。
日産ティーダ

以前の僕なら考えられない選択である。
保守的な、国産車。完全に道具としてとらえての候補だ。まあ、僕はTOYOTAは絶対に選ばないだろうから、ティーダという車のどこかに、僕のスタイルに合う部分を見つけたのだろう。
そして、乗ってみたら非常に良かった。快適。運転しやすい。初めての車なのに、まるでずっと自分のものであったかのようにリラックスできる。アクセルも適度な重みがあり、走りもスムーズ。「モダンリビング」というコンセプトにたがわず、室内のデザイン性と質感は高い。とくにシートは最高である。いい車だ。
でも、道具としては素晴らしいが、愉しさを与えてはくれなさそうだ。コストパフォーマンスに優れていて、プジョーとくらべたら段違いにお買い得だと思うのだが、所有することに喜びが感じられない。
でも、捨てがたい車である。
アルファロメオ147

唯一の中古車、しかも趣味性の高い、以前の僕がセレクトしそうな車だ。でも僕は、アルファロメオはあまり趣味ではなかった。だからこのコンパクトな147は、ある意味妥協を含んだ選択である。
とは言っても、そのデザインはかなり気に入っているし、試乗してみたら愉しい車だった。
ただし、いくら近年改善されているといっても、イタリア車、そして中古車はやはり不安だ。予算も少しオーバーだし、選ぶコンセプトからも外れてる。
これまでイタリア車、ドイツ車、日本車と乗ってきたから、おかしな理由だけど、つぎはイギリス車かフランス車が順当な線だという気持ちもあって(アメ車には適当な候補がない)、よほど有力な理由がなければ、この車を選ぶ可能性は低い。でも、このなかでは一番僕の性格に合ってるかもしれない。
マツダ・ロードスター

覚えている限り、おそらく10数年ぶりにマニュアル車を運転した。それがこのロードスターだ。
もともと運転が得意ではないこともあって、操縦はぎこちなかったけれど、プジョー206のオートマ車なんかと比べものにならない、スポーツカーらしい走りが愉しかった。反応が良くて、グイグイ走ることができる。
僕は乗ったことを後悔した。なぜなら、欲しいという気持が湧いてきてしまったから…!
値段が安いから、内装はプラモデルみたいな部分もあるが、ボディはすごくしっかりしている。遊ぶのに最高の車だ。外観は、前のロードスターはあまり好きではなかったが、今度のはデザインも気に入ってる。
しかし、ソフトトップで2シーターというのは、あまりにも実用的でない。それにATもあるけれど、これはやはりマニュアルで乗りたい。そうするとなおのこと実用には向かない。本当に走るためのオモチャである。
これに乗ったせいで、またも気持がぐらついている。(運転はヘタくそだけど)やはりオープンカーやスポーツカーに乗りたい…!
スマート

ずっと前から気になっている車である。色もこの配色がいい。小さいながら、国産車のようにかわいいだけでなく、洗練されている。
でも、座席は広いものの、ふたり乗りで、トランクも狭い。これも用途が限られる車だ。小回りが利いて便利な部分もあるけれど、ファーストカーとしては厳しいだろう。それから、ミッションがちょっと特殊で、クラッチペダルはないが、坂道発進はマニュアルと同様、ハンドブレーキを引いての操作が必要となる。それがかなりの減点である。
こうやって候補車を挙げてはみたが、車を買える身分ではないことも自覚している。だから、買わないという選択もあり得るのだ。念のため、その点も書き加えておく。