雇用破壊－現場から “退職金上乗せ” だまされた－富士重工に19年勤務の正社員

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  本日30日付「しんぶん赤旗」社会・総合面10面に掲載された記事ですが、党中央委員会のホームページにはＵＰされていないので、このブログで紹介します。

（以下：記事）

富士重工に19年勤務の正社員
派遣→車中生活
ようやく脱出


（写真＝岩城さんの入党を歓迎する私（右から2人目）と党支部の人たち）

  「布団の上で足を伸ばしてゆっくりと眠ることが出来ました」。 年の瀬を迎えた富士重工の城下町、群馬県太田市。２年間の車中生活から脱出した元派遣社員の岩城美津夫さん（54）＝仮名＝は、入居したばかりのアパートで布団に入って眠ることが出来ました。

  「おかげ様で屋根の下で新年を迎えることができそうです」。
  岩城さんがホームレス状態の車中生活から抜け出すきっかけは、「おおた派遣村」（実行委員会主催。５、６日実施）のビラをハローワークで見たことからでした。
  「派遣村」の開催はすでに終わっていたものの「わらにもすがる思い」で、ビラに書いてあった電話に連絡してみました。

  そして岩城さんは、「おおた派遣村」実行委員に付き添われ、ほかの相談者とともに集団で市の生活保護窓口に。実行委員の一人、水野正己・日本共産党太田市議の援助を受けて生活保護を申請し、翌日にはアパートに入居しました。現在、保護の決定を待っています。


  岩城さんは青森県内の高校を卒業。１９７９年３月、「最後の集団就職列車となった青森発上野行き寝台特急『ゆうづる』で上京した」といいます。

  千葉県市川市の海運会社に就職。４年間正社員として働きました。「事務職として働いたのですが、津軽弁が直らず電話の受け答えがうまくいかず、怒られることしばしば」と岩城さん。「故郷が懐かしくなったり、辛いことがあったりしたときは上野駅に行って入ってくる列車を見ました。すると心が安らぐ」。

  「この仕事に向いてない」と思い退社した岩城さん。以後、トヨタ自動車の下請け会社や倉庫会社など数社の「契約社員」として働きました。31歳のとき富士重工に正社員として入社。50歳まで19年間同社で働きました。

“退職金上乗せ”だまされた

  ２００５年11月、富士重工は１０００人のリストラ計画を発表。「45歳以上の希望退職を募集」。「あなたには退職金を上乗せする。今回だけで次回プラスアルファはない」と、51歳を目前にひかえて「肩たたき」されました。

  「長年富士重工の工場と家の往復だけの生活で、外の空気が読めなかった」と岩城さん。退職後にハローワークに行くと、「募集は派遣だらけで正社員の仕事など皆無といっていい状況でした。甘かったというか、だまされた思いでした」。

  富士重工は正社員の大量リストラをする一方で、「期間工の募集」をして、正社員から非正規労働者に置き換えるためのリストラをしたのです。

  岩城さんは、正社員としての再就職探しを諦め大手派遣会社の登録型派遣社員として登録。「日雇いの仕事を紹介されて働く、その日暮らしになって、２年前には家も失ってしまった」と、悔やみます。
  ８年前に離婚していた岩城さんは、ホームレス状態まで追い詰められていったのです。

  足を伸ばせない車中生活は「足が腫れ上がってエコノミー症候群になった。熟睡は出来ず、神経は疲れる。ガソリンがなくなるのでヒーターはつけない。車の中は冷蔵庫の中に入っているように冷えます」と苦難の２年間を振り返ります。

  「なんでこんな世の中になってしまったのか。富士重工の横暴に物言えるのは共産党しかないと思うし、貧富の差が広がる一方の社会を変えたい」。
  日本共産党と共に歩むことを決意したのです。

（以上；記事）


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2009年12月30日(水)「しんぶん赤旗」