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ボンボンを買いに・・・

好きなこと、好きなもの、思ったこと、イロイロ。

芸術家、ここに誕生の物語。「千住家の教育白書」。

2018-09-17 17:24:18 | 日記

最近、名曲喫茶の居心地のよさを発見して、

時々出掛けています。

クラシック音楽は、

「アマデウス」を見てから聴くようになり、

もう15年くらいです。

今回は、それがらみで、この本を紹介します。😃

 

 

 

 

千住博(日本画家)、千住明(作曲家)、

千住真理子(バイオリニスト)。

このきょうだいを育てたお母さん。

千住文子さんの書いた本です。

 

🌟🌟🌟



千住家は、もともと芸術家一家ではなく、

お父さんは工学系の学者。

お母さんは専業主婦で、

結婚する前は理系の研究所で働いていました。

 

🌟🌟🌟



このお二人がどうして世界的な芸術家を

3人も育て上げられたのか。

興味深いと思います。

 

🌟🌟🌟



この本には、その秘密がいくつか

かいま見えますが、

私が思うに、なによりもこれということがあります。

 

🌟🌟🌟


芸術家を育てるためには、

育てる側にもその素養が必要です。

それがない限り、できることではありません。

実は、子供達三人よりも、お母さん本人が、

一番の芸術家だったような気がします。

 

🌟🌟🌟



その証拠に、この本を開いたときから

感受性豊かな文章に魅了されてしまったのでした。

これを読むと、理系畑の人とは信じられないほどです。😃



🌟🌟🌟


この本のなかで、私が大好きな部分。

 

 

猛暑である。

そのころまだわが家には冷房もなかった。

暑さを避けて北の部屋へ、北の廊下へと移る。

ヴァイオリンを弾くことは大変な運動量となる。

絞るほどの汗が出る。

私は扇風機に、水で濡らしたタオルをかけ、

マリコの好むところに置いた。

それでも追い付かず、タライに水を入れて、

時々足を冷やしては弾く。

 



・・・・マリコ(千住真理子さん)が、

コンクール前の夏休み、

自宅で練習に励むところです。

小4のこの夏休み、マリコは急激に上達し、

コンクール2位入賞を果たします。

 

🌟🌟🌟



実は、マリコの出場が決まったときは、

入賞などまったく期待されていませんでした。

最年少だし、笑顔で楽しく弾いて欲しいと、

先生から言われており、

まわりの天才少年・少女たちとの実力差は、

誰が見ても明らかでした。

 

🌟🌟🌟


しかし、やるからにはみんなと同じレベルでやりたいと、

マリコは猛練習を始めるのです。

ひたむきに、そして、痛々しいほど、がむしゃらに。

 

🌟🌟🌟



そして、コンクール当日。

バイオリンケースを開くと、

なんと、バイオリンが割れてしまっていた!

そんなアクシデントにも負けず、

見事に弾ききり、感動を巻き起こしたところ。

 

🌟🌟🌟



涙が出てしまいます。

そして、何度も読んでしまう部分なのです。

この体験が、

のちにプロとしてバイオリニストの道を歩む、

千住真理子の第一歩になったことは確かです。

 

🌟🌟🌟



これを機に、千住文子さん、真理子さんなど、

千住ファミリーの本を続けて読みました。

とても仲のいい家族で、きょうだいでいらっしゃるのです!

これについては、また書きます。


ブロンテ姉妹の影に、知られざる兄弟がいた。その名は。

2018-09-09 15:53:43 | 日記

昨日は何年ぶりかに図書館に行って、

こういった本を借りてきたよ。

 

 

 

 

ブロンテ姉妹といえば、お馴染みですよね。

なんといってもこの肖像画。

右からシャーロット、エミリー、アン。

前から不思議に思っていた。

きら星のように、世界の文学史上に燦然と輝くブロンテ姉妹。

それなのに、この肖像画はいくらなんでもショボすぎませんか?

 

🌟🌟🌟


こんなのしか残ってないのかなあ。

まだ写真がなかったというのはわかるけど、

もう少しなんとか・・・・ねえ?

いかにも素人っぽい、あまり上手とはいえない絵なのだ。

 

 

折り目もヒドイ……しょうがないんです。現物がそうだから

 

 

しかし、今回の本を読んではじめて知った。

まだとてもとても全部は読んでいないけど~~

これって姉妹の兄弟(ん?いいのか?この言い方)である

ブランウェルの手によるものだったのだ。

 

🌟🌟🌟


しかも、シャーロットとエミリーの間に

ぼぉっと白い影が出てきているでしょう。

この影の部分にはブランウェルの姿が描き込まれており、
どういう理由だか知らないが、本人が自分で消してしまったんですって!

 

🌟🌟🌟



ブランウェルは絵が好きで、絵の勉強をするべく都会に出ていったが、

怖じ気づいて、すごすごと故郷に帰っている。

絵で身を立ててくれるものと、家族から期待されていたが、

これらの絵を見ると、正直、




「???」



・・・・って(笑)

そう思うのは私だけ?😅


🌟🌟🌟



失恋が引きがねとなって、酒と麻薬に溺れ、

それがもとでこの3人より先に死んでしまった。

 

🌟🌟🌟


家族が大好き、生まれ故郷が大好きで

がっちりした絆で結び付いていた、ブロンテ家の子どもたち。

 

 

 



晩年は家族のお荷物でしかなかったとはいえ、

ブランウェルが死んで、姉妹の悲しみはどれほどだったことか。

そのあとを追うように、その年、翌年と続けてエミリーもアンも死んでしまった。

妹たちよりも少しだけ長らえたが、シャーロットも38歳で一生を終えた。

 

🌟🌟🌟



シャーロット、エミリー、アン。

彼女たちだって、自らの才能を生かして人生を切り開こうと、

涙ぐましい努力のすえ、はかなく死んでしまったのであるが、

子どもたちの中では唯一の男の子。

自分が率先して家族を守り、引っ張っていかなければいけないのに・・・・

というような思いもあったのか、どうか。




姉妹たちの影に隠れ、失意のうちに一生を終えた、

パトリック・ブランウェル・ブロンテ。


🌟🌟🌟



だけど、自分の作品である肖像画が、これほど後世にまで残るとは、

夢にも思わなかったろうね。

それも、自分の姿はない、姉妹の姿を描いた絵。

自分の姿は抹消された、その絵だけが今も生き続けているなんて。




皮肉かな???





いや、それでもブランウェルは喜んでいるかもしれないと思う。

 

🌟🌟🌟



確かに素人臭い、あまり上手とはいえない絵だけど。

彼女たちの表情とか特徴とか、たぶんこれ以上はなく、

よく表されているんだろう。

固い絆で結ばれた兄弟だからこそ、描けた絵。


🌟🌟🌟


それ以外に彼女たちが肖像画を残さなかったのは、偶然か、故意か。

どちらにしろ、今となってはこの絵しか、

姉妹の様を推し量るものはないのだから。

そのことを、もしかしたら彼は喜んでいるかもしれないと思う。



「おじさま」は辛いよ。パトロンの苦悩を、この映画に見る。

2018-09-03 22:59:21 | 日記

実は、昨日見ていた映画がある。

 



高倉健演じる主人公が、自分の殺した男の娘を育てる。

いや、育てると言っても、その殺人を犯してから

15年間刑務所暮らし。

親父殺しの償いに、養育費を送り続けたのだ。

 

🌟🌟🌟



事件当時幼子だった娘は、主人公が出所してみたら高校生。

娘は主人公に手紙を書き続けており、

彼は刑務所に届けてもらって読んでいた。

 

🌟🌟🌟

 

届く手紙はエアメール。

娘は、相手が刑務所にいるなどつゆ知らず、

ブラジルにいると思っている。

そして、恩人である「おじさま」に向け、

信頼と熱い感謝の思い、

会いたい気持ちを手紙に綴っている。

父親を殺めた当人とは、夢にも思わずに……

 

🌟🌟🌟


そう、最初は償いのつもりだった。

しかし、娘から親愛の情のこもった手紙を受けとるうち、

(彼からは決して返事は書かない)

紛れもない、娘に対する愛情が芽生えていた。

そして気がつくと、主人公は娘に会う日を夢見るようになっていた。

 

🌟🌟🌟

 

堅気になって、彼女と暮らせたらどんなにか……

しかし、自らの正体を明かすことは、彼女に憎まれることを意味する。

出所してからというもの、成長した娘の姿をこっそり垣間見、

今にも飛び出していって名乗りをあげたい衝動をこらえる・・・・

 

🌟🌟🌟



これだってほかでもない。

「あしながおじさん」ベースの物語ではないですか。

「あしながおじさん」と違うのは、それが庇護される少女の側ではなく

パトロン側の物語ということ。

 

🌟🌟🌟


そして、これを見てわかるのは、このシチュエーションに

甘美な夢を抱くのは、少女だけではない。

まぎれもなくパトロンである男性もということ。

 

🌟🌟🌟



「キャンディ・キャンディ」には、

ウィリアム大おじさまの気持ちは描かれなかった。

でも、「ガラスの仮面」にはあったよね。

紫のバラの人こと、速水真澄の心のうちのモヤモヤ。

これでもか!というほどてんこ盛りであった。

 

 




庇護されるマヤには、パトロンである紫のバラの人に対しては、

ただただほとばしる熱い思いだけしかない。

しかし、その思いを寄せられる真澄には、

どれほどの葛藤があったか。

 

🌟🌟🌟



マヤほど正直に思いのたけをぶつけることはできない。

しかし、彼女に負けず劣らずの熱い思いを、彼女に対して抱いている。

禁じられれば禁じられるほど、身分を明かし、

気持ちを打ち明けたい欲求は膨らむ。



しかしそれができない!!(。≧Д≦。)

 

 身をよじるようなもどかしさなのだ。

 

ね?「おじさま」は辛いのである。

 

🌟🌟🌟



「冬の華」の娘は、結局主人公の子分とできてしまう。

それを知ってショックを受ける主人公。

所詮は、男性として彼女の前に立ち、

堂々と気持ちを打ち明けられる身ではない。

自らの立場を思い知らされ、そして苦しむ。






あしながおじさんは、最後はジュディと結ばれるんでしょ?

そして、「ガラスの仮面」もたぶん。。。。

「キャンディ・キャンディ」も、あのままいくと、ひょっとして。

「冬の華」は、悲劇的結末に終わってしまったけど、

主人公の願いは明らかだったよね。

 

🌟🌟🌟

 

陰ながら成長を見守る、遠くから幸せを願う……はずだったんじゃ?


パトロンと、庇護される者の関係は、おのずとそっちに向かうのか?


うーーん、わかんないけど!!


「あしながおじさん」は、女の子の夢のみならず、男の夢でもあったのね。

 


憧れのあなたにいつか会う日を、あしながおじさん。

2018-09-02 18:09:53 | 日記

 

あしながおじさん。

今、6話に入ったところです。

なかなか面白いです。


🌟🌟🌟


ジュディは、のびのびと高校生活を楽しんでいて、

孤児院出をちっとも引け目に感じていないのがすごい。

どんな時も明るく、好奇心旺盛で活発。

彼女にとって新生活は、すべてが初体験の連続で、

素直な感動ぶりが可愛い。


🌟🌟🌟


学生食堂で、どうってことない普通のメニューに飛び上がり、

おいしいおいしいの連発。

アイスクリームをいくつもトレーに取ってしまって……

そんなジュディを見ていると、

こっちまで嬉しくなるのです。


🌟🌟🌟


当然、まわりから怪訝な目で見られる。

でも、どこ吹く風。

そんなジュディに新鮮な魅力を感じ(?)

ルームメートのサリーはさっそく友達になってくれました。


🌟🌟🌟


ジュディの野生児ぶりに、振り回されっぱなしのサリー。

彼女の世間知らずなところを、

お嬢様育ちと勘違いしてるのもおかしい。

自分のお金で買い物したことないとか。

そりゃそうよねえ(笑)


🌟🌟🌟


ところで、顔も知らないパトロンに

思いを馳せ、

いつか会う日を夢見る少女。



あれー?どこかで見たぞと思いきや、

あれですよ、あれ。



「キャンディ・キャンディ」

「ガラスの仮面」……ね?



キャンディも北島マヤも親のない子でした。

似たような設定の話は、たぶん古今東西、

たくさん作られてるんでしょう。

 

その元祖が、この、「あしながおじさん」なのですね



自分を陰ながら支えてくれる人。

その人が、いつも見守ってくれているって………



そう考えるだけで頑張れて、

甘美な気持ちに満たされる。




どんな人なのだろうという期待。

いつか会えるという希望………




わくわくと次回へつなげる展開なのです。

そして、意中の人は、

意外に身近にいるという結末?


🌟🌟🌟

 

女の子の見る夢は、今も変わらないのかな


まったりと、若草物語(1949版)。あの世界観に酔いしれる

2018-08-26 17:46:20 | 日記

実はね、あれから急に見たくなって、「若草物語」を見た。

(ちなみに、Amazonプライムビデオでレンタル)

エリザベス・テーラーがエイミー役・・・・

だけど、3女なの。かなーり違和感(笑)

 

 

 

ちなみに、ベスが末っ子になってる。

ジョー役のジューン・アリソンは、イキイキしてて、

イメージにあってるな。


🌟🌟🌟


そして、この映画って、「若草物語」は前半で終わっちゃう。

そして、後半は、「続・若草物語」なのよ。原作でいうと。



へぇ~~そうなんだ・・・・😵



・・・・・・とはいえ、結構楽しめた。

クラシカルなドレスやインテリアの調度品等々。

マーチ家は、決して裕福ではないという設定だけど、

こうやって見る限り、全然貧乏じゃないと思うんだよねえ。

服も、家具も、美しい四姉妹も、なかなか華やかだよ、うん。


🌟🌟🌟


それにしても、この時代のクラシカルな雰囲気。

いいよね。憧れる。

昔、本で読んだ、名場面がよみがえってきた。


🌟🌟🌟



若草物語で好きだった場面。といえば。(注:時系列順は無茶苦茶(笑))



貧しい母子のもとに、姉妹が朝ごはんを届けに行く場面

ローリーのお見舞いに、ジョーが、ブラマンジェや子猫やらを届ける場面

ライムの砂糖漬けを学校にこっそり持ってきたエイミー。(ちなみに、後で先生に鞭でぶたれる。)

エ イミーとジョーが喧嘩して、その腹いせに、エイミーがジョーの原稿を焼いてしまう。(そのあと川に落ちたエイミーをジョーが必死に助けるんだったかな)

姉妹が食事会に出したお料理。見事に大失敗。😅

メグの髪の毛を、ジョーが巻こうとして髪の毛を焦がしてしまった場面。

ドレスの後ろの焼け焦げを、必死で隠すジョー。

子馬のように走るジョーとローリーの追っかけっこ。

ジョーが髪の毛を切って売り、お金を作るところ。

 




・・・・云々、云々。

映画には出てこなかった場面もある。

どれも大好きな場面。

記憶を頼りに色々あげてきたけど、次々出てくるなぁ。

久々に読み返したくなって、Amazonで本を買ってしまった。

 



矢川澄子さんの訳がついている本があるの?

はじめて知ってビックリである。

おまけに、挿し絵がターシャ・テューダー💫

迷わず、この本を買ってしまった。

今日来るんだよ。楽しみだな。