ボンボンを買いに・・・

好きなこと、好きなもの、思ったこと、イロイロ。

ピッコマで出会ったすごい漫画家さん。目にモノ見せてくれました。

2019-03-24 17:20:56 | 日記
実は、今ピッコマという漫画アプリにはまっていて、

そのおかげで面白い漫画にいろいろと出会えた。

最近の漫画には疎かった私にとって、

これは嬉しい発見・・・!!





今、このアプリで見ているのは、

「ジョージィ!」いがらしゆみこ

「ぼくは麻理のなか」押見修造

「鬼畜島」外薗昌也

「光とともに」戸部けいこ

「恨み屋本舗」栗原正尚

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」押見修造



  


どれも面白いです。

24時間待てば次の一話が無料で読めるという独特のシステム。

平日は忙しくてあまり読む時間がとれない私にとって、

1日1話のシステムはちょうどいいペースで嬉しい。


  


そもそも、最近の漫画に疎かった理由は、

読む機会自体が無かったというのも大きかった。

表紙や概要を見て、面白そうかな?と思っても、

電子書籍のサンプルって最初の数ページが見れるだけでしょ。

それっぽっちで、続きを買いたいという気持ちには

なかなかなれず・・・・


  


でも、ピッコマはそれを解決した画期的なシステムです。

最初の数話が無料で、それ以降は24時間待てば無料っていう・・・・

今読み続けている作品は、どれもおためし感覚で読み始めて、

気がつけばはまっていたという作品ばかりです。

もちろんこのほかには、読み始めたものの途中でやめてしまった作品もあります。 


  


すごく面白いから、この中のほとんどの作品は、

最後のあたりは課金してでも読みたいと思っています。

(向こうも商売なので、最終巻だけはお金を払わないと読めない作品が多いです


  



ことに、私が気に入ったのは、押見修造さん。

「ぼくは麻理のなか」があまりにも面白くて、

他の作品も読みたいと思うようになりました。






そして、「血の轍」を読み始めたけれど、あまりに先が待ちきれなくて、

この作品だけは他サイトで購入して、一気読みしてしまいました。

1~5巻を30分くらいで読んでしまったと思います。






これはすごいホラーだ!!!! 

とにかく引き込まれました。

完結はまだしておらず、続巻は8月発売予定だって・・・・

はるか先の話だなぁ。


  


この押見修造さんっていったい何者なんだろう。って思うくらい。

すごい人ですね。漫画を超越している。

「ぼくは麻理のなか」もそうだけど、深い話です。

これまで誰も触れてこなかった部分をえぐりだすような。


  



そもそも漫画自体それほどたくさん読んでるわけじゃないけど、

こんなの、とにかく初めて見ました。

最近の漫画家さんもすごいですね。出会えたことに、感謝です。


昔のポートレート好きについて。懐古趣味は逃避にあらず

2019-03-23 17:19:27 | 日記
過去のものは僕を安心させました。

過去のものは、決して自分を裏切らない。

現在進行中のものは、それに想いを託したとしても、

進化し、何れは自分を裏切っていく。


(『カフェー小品集)』 ~諦念とタンゴの調べより~)


何故にアンティークに惹かれるのか。

それはアンティークが過ぎ去りし日の残滓だからです。

時間軸に於いて、現在と未来は変容する浮気もの。

しかし過去はもう風化する以外、その存在を裏切ることがないのです。

現代と未来は常に予期を赦さず、僕達を攻撃してきます。

だけれども過去だけは、それがいくら邪なものであろうと

記憶のペンキを重ね塗れば、いとも易く美しいオブジェとして

静かに微笑みかけてくれるのです。


(『それいぬ』 ~アンティーク趣味と未来への不安に就いてより~)


  


嶽本野ばらさんの作品に繰り返し出てくるこういった考え。

すごくわかると思います。

現在と未来には不安がつきまとうから、

過去に浸っていると安らぐ。

私にもそういうところがあります。


  


これは嶽本さんの思想に通じるかどうかわからないけど、

私が以前から惹かれるものに、昔の肖像写真があります。

ポートレートってやつですな。




有名人のポートレートでなくてもいい。

目の覚めるような美男美女の写真でなくてもいい。

知った人の写真でなくてもいいんです。

むしろ、名もなき人々、誰?この人。って人。容姿も普通。

そういった写真に、強く、強く惹かれるのです。


  



老若男女、国籍。これはこだわりありません。

ただ、被写体の人が、すでに死んでしまっていること。

もしくは生きていても、はるか昔に撮った写真。

これが条件なのですね。






変でしょう。なんでかなと自分でもわからなかった。

だけど、それらの写真を見るとき、

「生きていたら何歳だろう」

「どんな人生を歩んだ人なんだろう」とか。

その人の背景、人となり、人生のドラマなど想像せずにはいられない。

それが楽しいんだと思う、安らぐんだと思う。






自分も、はるか昔から続いているこの世に生まれ生きていた人々。

この中の一人にすぎないと。そう思えるのがいいのかな。

未来は不安だし今はいろいろ悩みややることもあって大変。

だけど、こんなのははるか昔からみんなが経験してきたたことなんだよと。

そう思えるのがいいんです。





過去とつながることで、前を向けるっていうのかな。

いつの時代も、その時代に生きる人にとっては、未来は不安なものだった。

その不安な未来は、やがて過ぎ去り、どれも過去になってきた。

これまでこの世に生きた人たちが、みんな乗り越えてきたことだよって・・・

そう思えるのがいいんです。


  


ちょっと難しい話になったでしょうか。

昔はよかった、とか、過去を懐かしむ「懐古趣味」というと、

どうも逃避のイメージがつきまといますが、

こんなふうに過去に癒されるのは、悪いものではないでしょう。

野ばらさんの懐古趣味は、ちょっと後ろ向き?かな?

気持ちはとてもよくわかるけど。


  


掲載の写真は、「DISFARMER」より。

アメリカ・アーカンソー州の小さな田舎町、

ヒバー・スプリングスで写真館を営んでいた著者が、

1939年から1946年までに撮りためたポートレート集です。

もちろん名もなき人たちばかり、

しかし確かにこの世に生を刻んだ、ほとんどが亡くなっている人たち。

強く惹かれたあまりに、当時1万円も出して写真集を買いました。(笑)

開けてみたら、全部私の好きなもの。嶽本野ばらにはまる。

2019-03-11 16:40:51 | 日記
出会いは、5年くらい前かな。

下北沢のバブーシュカという喫茶店(だったと思う)。

そこに嶽本野ばらさんの本か何かが売られていて(だったと思う)、

「下妻物語」という映画の存在はなんとなく知っていたので、

その作者か~~とは思ったものの、それ以上の進展はせず。







その後、「下妻物語」も見てナカナカ気に入った。

そんなこともあって、なんとなく気になる作家としては認識していたんだ。


    


去年10月、ブックオフで何の気なしに手に取った、

「鱗姫」「エミリー」(綿谷りささんの解説つき)を買った。

(ちなみにそのとき同時に買ったのは「りかさん」)


・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

だけど、なんとなくそのままうっちゃってしまっていて

先月、やっと鱗姫から読み始めたのだ。


    


こう書いてきてみたらわかるように、

この作家さんに触れるのは、しばらくためらっていた。

今にして思えば、はまりそうで怖かったのかも。

というか、この人にはまる自分を認めたくなかったのかも、と思う。



    



そもそも、バブーシュカに赴いたのは、お人形の写真展があったから。

そう、要は、お人形つながりで出会った人なのです。

お人形の世界は、ロリータと切っても切れなく結びついている。

私は実は、ロリータという世界に一部共感しながらも、

どうも相容れない部分も感じていました。

だから、認めながらも決して深入りしないわけです。



    



野ばらさんに対しても、読まないうちは警戒していたというか、

見下していたというか、

いくらお人形つながりでも飛びつかないぞ!!って。

そうして距離を置こうとしていたのですが・・・・



    


最初に読んだ「鱗姫」

驚きましたねぇ。

エリザベート・バートリ。

ラブクラフト。

「おろち」。

由緒ある京都の名家。

かつて見世物小屋で晒し者にされていた、異形の者たち・・・・・

私が惹かれていたものを、どうしてこんなにもピンポイントで当ててくるのでしょう。

オチの兄妹の近親相姦は、ちょっといただけないけれど

これが引き金となって、次々と野ばらさんの小説を読みました。


    


「世界の終わりという名の雑貨店」では、

中原淳一。

バッハ。

シューベルト。

名曲喫茶。

ジュモー、ブリュのビスクドール。

人魚姫。


「ミシン」では、

吉屋信子。

高畑華宵。

竹久夢二。

弥生美術館・・・・。


    


「レディメイド」「コルセット」「エミリー」では、

グレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲。

いかにもって感じです。

「羊たちの沈黙」のレクター博士が聴いていた曲。

画家はボッシュ、ブリューゲルあたりが来るのも、

またまたいかにも。

ボッシュは澁澤龍彦さんのお気に入りでした。

「鱗姫」の中に出てくるバイロスも、私は澁澤龍彦さんの本で知りました。


    


案の定、野ばらさんは澁澤龍彦のファンだとか・・・

金子國義や四谷シモンの名前が出てくるのも、澁澤龍彦つながりでしょう。

漫画は竹宮惠子の「風と木の詩」。

大島弓子の「綿の国星」・・・・。

いいなぁいいなぁ。

全部、私の好きなもの。

バロック好きというか、ゴシック趣味というか、懐古趣味というか、

貴族趣味というか、少女趣味というか、耽美主義というか。

うまくいえないけど、なんかつながってるのよ、これら。

わかるわかるって、少なくとも私はそういう気持ち。


    


忘れちゃならないのは、これらの作品に出てくる「お洋服」たち。

ここに出てくるデザイナーズブランドが全部が全部好きなわけではないけれど、

服好きな私にはたまらない。

私も、そういえばコルセットに惹かれて、自分でも買ってしまったっけ。

(到底今ではつけられないシロモノ

そして一貫して古風な文体も好き・・・・・。


    


ストーリーがセックスに傾きがちなところは

あまり好きではないけれど。

少なくとも、私とこの人は結構共通するものを持ってるんだろうなと思った。

↓↓↓ほら、こんなところもソックリだと、読んでビックリ(笑)。↓↓↓


    


>友人からはよく、「君は心が狭い」といわれます。

(中略)

>新作、新刊の類に縁遠いのは道理、巡りあうのは古典や同系統の作家ばかし。

(中略)

>いろんなことに対し、無防備に自分の心を開くことが勿体なくて仕方ないのです。

(中略)

>固く閉ざされた高慢な心の扉。

「それいぬ」より「愛はだし惜しみして使う」より抜粋)