ボンボンを買いに・・・

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信介をめぐる女性たち、「青春の門」のファム・ファタル。

2015-06-13 00:31:07 | 日記

おっと、ところでよ。こないだ書いた「青春の門」ではあるけれど、後で気づいた。

信介と源氏にはさらに共通点があって、産みの母の顔を知らないってコト。

どちらも義理の母によって育てられる。

が、父もわりと早くに死んで、義理の母は未亡人になる。

そしてその母も長生きはしない。

病に倒れ、信介は10代のときに、そして源氏は20代のときに義理の母も見送っている・・・

 

  若き日の源氏と藤壺

 

な?どちらもこんなカンジでよ、なんつうかなあ。

実の親にも育ての親にも早くに死に別れるという、肉親に縁が薄いというか。こういう人っているのなぁ、、、

そして源氏も信介も、何にのめりこんでいくかというと、他でもない。女でアルよ、な?

信介はタエを看取ってから大学入学のため上京。

ここから、まるで源氏さながらの華麗なる女性遍歴が始まる・・・・(笑)

 

 

タエ役は松坂慶子さん

 

 

とはいっても、源氏は天下のスーパー美男子、しかも天皇の御子であるからよ。

思い通りにならない女なんてこの世にいない。想像くらいはつくざんしょ。

その女性関係がどんだけ手広く派手だったか・・・

田舎から上京してきただけの、今の世の大学生である信介とは比べ物にはならないが、そこはなんつうか、アレっすよ。

古今東西あの年頃の男の子だけに訪れる世界つんすか?目の前に広がる、まさに開かれたばかりの性の世界。

男の子が男に変わっていくまでには、多くの女たちを通り過ぎなければならない。

実際に肉体関係を結ぶか結ばないかはおいといても。

 

 

大学生になった信介は数多くの女性と出会う。

田舎にいた頃は、せいぜい幼なじみの織江と憧れの女教師・梓先生だけだったが、都会に出ていろんなタイプの女性を知る。

気の強い子、やさしい子、グラマーな子、スリムな子。年上の女、インテリな女、お金持ちのご令嬢。

定食屋の娘、下宿屋のお嬢さん、女郎、そして水商売の女・・・

 

信介と娼婦・カオル役の桃井かおりさん

 

全員と寝たわけではないけれど、思いを寄せたり寄せられたり。時により場合により、信介の気になる女性は変わる。

あの子もいいしこの女もいいで、結構見境無し・・・。

そしてどの子を見ても服の下の身体の線が気になる。抱いた時の感触を想像してしまう・・・

 

 

しかしそんな節操のない女性遍歴の中でも、信介はときおり思い返す。それは義理の母の記憶。

とくに亡くなるまでの病床の、透き通るように美しくなった母の姿。信介にとって、母の思い出はいつも特別である。

もともとグラマーで気性の激しい姉御肌だったタエは、病に倒れて以降、別人のようになった。

 

 

タエ役は鈴木京香さん

 

 

肉感的だった身体はほっそりとたおやかになり、穏やかにいつも優しく微笑んでいるようになった。

肉をまとい血の通ったリアルな女というよりは、むしろ菩薩か女神・・・。生きながらそんな存在になってしまっていた。

亡くなってからも信介の記憶の中で、その透明な美しさは増していくばかり。

 

 

源氏にとっての藤壺もそうであった。彼女たちは、彼らにとって唯一無二の女なんやね。

どんな女たちの中にあっても特別である。「あの子もいい、この子もいい」の中には、彼女たちは入らない。

性欲の対象となるゴマンといる女たちとは対照的に、どこまでもかけがえのない、神聖な、侵しがたい存在・・・

 

 

 かっわいー。織江役大竹しのぶさん

 

 

初恋の人にして、母。しかも早死に。これが男にとってどんだけ「運命の女」か・・・・まぁ、そういうことっすな。

汚されたくない、聖なるモノなんスよ。初恋も、母性も、そして死者もね。

 

 

ところで信介はん、生きてたらもう80歳なんスよね。

私は第8部は読んでないけど、彼の「青春」はきっとまだ終わってないはずでっせ。

どないしてケリつけるのか、まぁ今となってはどうでもエエ気もしますけどなぁ。。。(笑)

 

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源氏もあの人も、萌えた。禁断の果実は若く美しい○○。

2015-06-06 02:02:02 | 日記

こないだは女三の宮のコトを書いたんやけどさ、結局源氏にとって彼女との結婚は、

一生の不覚つうかなぁ・・・・

輝かしい彼の人生における痛恨の汚点つうか、とにかく悔やんでも悔やみきれない

失敗となってしもうた。

 

 

源氏は誰を責めるわけにもいかぬ。彼にはわかっていたからや。

これも自分の好きゴコロから出たサビ。しかし計算外もいいとこであった。

女三の宮があんな姫だったとは・・・結婚するまで源氏は知らなかった。

藤壺のめいにあたる女三の宮に興味を抑えきれず、つい結婚の承諾をしてしまった。

のちに、それがどんな恐ろしいことを巻き起こすかも知らずに。

 

←臨終の藤壺と源氏。

 

 

そう。老境に差し掛かってもなお、源氏は初恋の人を追い求めていた。

藤壺・・・9歳のときに出会った父の後妻。若き義理の母である。

それにしても、アレやねぇ。平安時代の昔から、これは永遠のテーマなんやろうか。

男のロマン?憧れってやつ?鉄板やぁないですか。

若く美しい義理の母に、思いを寄せる少年(青年)・・・・

そそるとゆうか、萌えるとゆうか。なんとなくわかる気はするけどね、

私は男になったこと無いから想像だけやけどさ。

 

 

 

 

男が女性に求めるものは二つあって、一つはセックス、もう一つは母性。

そして両者はほとんどの場合、共存せずに相反する(みたい)。

ヤリたい女に母性は求めないし、オッカサンに性欲は感じない。

感じてたら世の中は近親相姦だらけになってしまう。言うまでも無いよなぁ?これはよ。

 

 

しかし、相反して交わらないこの二つが一つになるシチュエーションがあって、

それが他でもない。「義理の母」なんでアルよ。んなぁ??私はそう思うんやで。

 

 

 

そうそう、若く美しい義理の母に思いを寄せる少年の話といって私がもう一つ

思い出すのは、コレなんやけどさ。

 

 

 

「青春の門」。そう、私は遅ればせながらこれを最近読んだ。

主人公の信介の幼年時代から青年時代を描いた長編小説だけど、

私は信介が筑豊にいた頃の子ども時代が一番好きやったなあ。

あの頃はガールフレンドの織江も可愛かったし・・・まぁそれはいいとして。

 

 

信介は、子どもの頃から義理の母:タエをはっきり異性として意識していて、

タエが父と交わっていた場面を思い出しては興奮している。その父は既に無い。

女ざかりのタエを残して早くに死んだのである。そして産みの母の顔を信介は知らない。

目の前にいる「母」タエのふくよかな胸に顔をうずめながら、通常の子どもが母に抱く感情と、

抱くはずもない感情の両方を抱く。

 

 

タエ役は吉永小百合さん♪

 

 

血がつながって無いから肉欲の対象にはなり得るが、しかし父の妻である。

そして自分の母である。手を出してはいけない、侵しがたい存在・・・・

思いは募るが禁断の果実。それが義理の母なのでアルよ。

禁じられれば禁じられるほど、それを破ってみたくなるのが人情。

しかもその対象が若く、そして美しい、メスとして魅惑的な存在であればあるほど・・・

 

 

 

実際は、なぁ。たとえ義理の母であっても美しいかどうかは・・・・(笑)

まぁ運次第だわね。そして仮に美しかったとしても、トシをとってくれば・・・

あえてハッキリとは言わないけれど、小説のテーマになるのは必ずそのパターンやね。

禁断の果実は、MAX魅惑的でないとイカン。

そうそう、「青春の門」については、次でももちょいと語ろうかね・・・

 

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無邪気、無自覚、思慮の無さ。三の宮の3つの大罪。

2015-06-04 16:42:04 | 日記

ところで「あさきゆめみし」を最初に読んだときから思ってた。

どうして女三の宮の目には☆が無いのか・・・

そのせいで、この人の顔は他の登場人物の中でも奇異なカンジを受ける。

ちょっと変わってる。

 

 

どこかを見てるんだろうに、どこを見てるのかよくわからない。

表情に乏しく、何を考えてるのかよくわからない・・・。

「目は心の窓」?だっけ。そう言うじゃん。目って人の感情が一番よく表れる部分。

表情の豊かな人は、目がくるくる動いてむっちゃわかりやすい。

隠しだてができない、感情がすぐ表に出るタイプ。

こういう人はまちがいなく目の表情が豊かなのでアールよ。

 

マンガにおける目の☆って、実はそういう効果を生み出していたのね。

キラキラしてキレイって、だたそんだけじゃないんやで。目に生気を与える。

よく「目が輝いてる」って言うけれど、そういうときの人の表情は間違いなくイキイキしている。

逆に、「目が死んでる」イコール生気のない顔。

生きてるのか死んでるのかわからないような、感情が表に現れない顔・・・・・

 

 

女三の宮は、実はこういうタイプの人であった。

いつもぼんやりしていて何を考えているのかわからない。

いくつになってもまるで赤ん坊のように頼りない。

いつもおっとりと構え、まわりのなすがままになっている。

意志も無く感情にも乏しい、まるで人形のような人である。

 

 

女三の宮について描かれている部分を読むにつけ、なんと不思議な人やと私は思う。

これを読む人は、きっと誰もがうすうす気づいてる。ちょっと普通じゃない、この人はって。

人間らしい知性のきらめきや、感情のうねり。そういうものとはまるで無縁なんやからね。

これを、甘やかされて育った姫宮の幼さ・世間知らずと、果たして片づけられるものか・・・

 

 

 そう、女三の宮は単純に知恵遅れだった。私はそう思うのなぁ。

皇女ならみんなそうかというと決してそんなことはなくて、例えば同じ皇女でも、

源氏の初恋の人:藤壺は、またとないほど才気にあふれた人物であった。

少なくとも紫式部はそう書いている。

そして三の宮のことは、「おつむが足りない」とは決して書かず、

ただ「幼稚な」「おっとりとした」「頼りない」と控えめに表現しているだけだが、

読む人が読めばハッキリとわかる。そういうふうに書かれておるらしいで。

(実は受け売り(笑))

 

「あさきゆめみし」の中では、三の宮は柏木によって真実の愛に目覚め、

女として成長を遂げる。これがMAXドラマチックに描かれておるのやけど、

私はこの姫宮がここまで自覚的であったかちょっとギモンを持っている。

出産直後の出家も、偽りの愛しか与えてくれなかった源氏を恨んだ面当て・・・

みたいなカンジに描かれているけれど、そこまで意図してたものやろうか・・・。

とにかく私には、「恨み」だの「面当て」だの、そういうドロドロした強烈な感情や

仕打ちは女三の宮には似合わない。そんな気がする。

 

 

三の宮はもっと違う気持で出家したんやないかなぁ。

柏木との密通がバレて以来目に見えて冷たくなった源氏からは遠ざかりたい一心

だったろうし、産みたくないのに産んだわが子に対する執着もさらさら無かったと思う。

こうなれば、自ら望んだわけでもない婚姻や親子関係などきれいさっぱり清算して、

愛する父院と同じ仏の道に入るのがもっとも自然な欲求だったのでは・・・

 

要は、女三の宮は自分にとってより楽な道を無自覚に、本能的に選んだだけであって、

源氏を苦しめてやろうなどとはつゆほども考えてなかったと思う。

おつむの足りない人というのは、往々にして悪気の無い人であるからにして。

しかし、源氏にとってこの最後に迎えた妻:女三の宮が巻き起こした一連の事件は、

途方もない痛手となって残った。

 

 

しばしば人は、悪人からの意図的な裏切りよりも、

善人からの無自覚な裏切りの方に、より深く傷つく。

浅はかで幼稚な人柄として軽んじていた妻から受けた、この上もない恥。

天下の光源氏のプライドはズタズタである。

そして、父と同じく不義の子を胸に抱かざるをえなかった因果応報の苦い思い・・・・

 

んなぁ??

源氏物語は、光源氏というスーパー美男子の華麗なる女性遍歴だけの

物語じゃぁないのだ。

人妻や熟女、ありとあらゆる女をものにして調子こいていた若き皇子が、

老境に入って、まるで自分の娘ほどの年の女から手痛いしっぺ返しを食らう。

ありがちなぁ、ありがちなぁ。今の世にも。(笑)

そしてかの時代のスーパー美男子も、忍び寄る老いには勝てんやった。

 

 

そして身分も容貌も才能も、ありとあらゆる最高の徳を備えて生まれてきた源氏であるけれど、

人生よいことばかりではない。よきことがあれば同じくらいに悪しきことも起こって、

それが人生さ♪ みたいな、、、やぁ言葉はむちゃくちゃ軽いけど、この深みがあるからこそ

源氏物語は名作たりえてるんでざんすねぇ。(*´ェ`*)

 

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