goo blog サービス終了のお知らせ 

Lunatic シアター

最近興味を持った、科学技術関連のテーマなど。

1gの物質を完全に消滅させるには?

2005年09月03日 22時08分03秒 | 物理学
いま読んでいる素粒子の本によれば、1gの物質を完全に消滅させると、震度6に相当するエネルギーを発生させることができるそうです。ネットでもっと調べてみると、1gの物質消滅で10万トンの氷を沸騰させることができる、という記述もありました。

要は、アインシュタインの「質量とエネルギーは等価である。」という「E=MC^2」という公式ですね。質量が消滅すれば、必ずそのときにエネルギーが発生するということです。公式にあてはめれば、エネルギー=1g×光速度×光速度という感じでしょうか。

原子力発電もこの「質量をエネルギーに変換する」という仕組みで莫大なエネルギーを得ています。ウランが核分裂を行って、2つの物質に分かれる際に、ほんのわずかだけ質量が欠損するのですが、その欠損分が、莫大なエネルギーに変換されているというわけです。

核分裂反応における質量欠損率は、0.1%以下と言われています。つまり、1kgのウランを核分裂させれば、1gの物質がこの世から消滅し、その代わりにエネルギーが生まれることになります。

質量欠損率100%という無駄のない反応が、「対消滅」といわれる現象です。物質と反物質が出会うと、消滅してしまうというのが、対消滅という現象です。これを発電に応用できれば、将来のエネルギー不足も一気に解消されることになりそうです。100年単位であとの話でしょうがw

アインシュタインは質量とエネルギーが等価であると言ったのですが、これは逆に考えれば、エネルギーをもって物質を作り出すこともできるということを意味します。これは実際に実験で確認されていることのようです。高エネルギー粒子加速器を使って、加速した荷電粒子のエネルギーによって、電子や陽電子、陽子などが「無」の状態から発生することが確認されています。

もちろん、わずか1gの物質を作るのに、震度6に匹敵するエネルギーが必要になるわけですけれど(笑)。

SF物の映画や小説には、レプリケーター(複製機)という未知のマシンの名前が登場しますが、たとえばこれで100gの食べ物を複製しようと思った場合…天文学的なエネルギーが必要になるのは間違いありません。

仮にホンモノのレプリケータが自宅にあったとしても、一般家庭の電力(30Aくらいか)では、到底出力不足で使い物にならないということですね。