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Lunatic シアター

最近興味を持った、科学技術関連のテーマなど。

夜光塗料とラジウム

2005年09月03日 22時03分18秒 | 原子力工学
蛍光塗料には、今でも放射性物質が使われているものがあるというお話。

1995年になり、非放射性の夜光塗料であるフルオレセイン等が開発されてからは、放射性物質を利用した夜光時計などはほとんど衰退してしまいました。

逆に考えれば、1995年以前に生産された蛍光塗料を含む製品には、放射性物質を必ず含んでいるということで、おそらくは今でもたくさんの放射性物質を含む夜光時計やコンパスなどが使われているものと思われます。日本ではプロメチウムがよく使われていたようです。

以前、防衛大学校で、放射性物質が検出されたというので、海上保安庁の命令で調査したところ、夜光塗料を含む時計やガラス瓶などが見つかった、ということがあったそうです。ガラス瓶には、夜光塗料で「ガラス注意」と書かれていたそうで。

蛍光塗料に使われるのは、ラジウム、ウラン、プロメチウム、トリチウムなどで、これを微量に亜鉛の硫化物に混ぜて、りん光体として使うわけです。アルファ線やベータ線のエネルギーによって、硫化物が発光する仕組みを使うわけですね。

夜光塗料が開発された当初は、半減期1000年以上のラジウムを使っていたそうで。もちろん危険なので、現代ではあらゆる国で使用が禁止されています。アメリカで、蛍光塗料を使う会社で働いていた女工が、次々とガンなどで亡くなったりしたそうです。蛍光塗料を筆で塗る際に、筆を口で整えていたそうで、ラジウムを直接体内に取り込んだことによる内部被曝ですね。

身近に蛍光塗料を含む製品がある方は、一度製造年月日などを調べた方がいいかもしれませんよ。

放射能を含む食べ物とは

2005年09月03日 22時01分17秒 | 原子力工学
原子力を勉強してて思ったんだけど…

わりと、放射能って身近にありふれているものだったんですね。

空から降ってくる宇宙線。
地中の岩盤からでる放射線。
食べ物に含まれる放射能。

食べ物によって放射能を取り込んでいる人間もまた、放射線を出しているんだそうです。

>米、ホウレンソウ、ワカメ、魚、牛肉

これらは人間に必要な栄養素であるカリウム39を含むものですが、放射性核種であるカリウム40もわずかですが含んでいます。放射能を含んでいそうなものを食べない、というのも、なかなか難しいようです。

>ラジウム温泉って・・・
ラジウム温泉とかラドン温泉ってあるけど、ラジウムもラドンも放射性核種なわけで、要するにあれは、放射能を含んだお湯ってことですよね…。お湯が暖められる仕組みも、ラジウムなどの放射線のエネルギーによるものであるそうです。

人体に影響がないとされる極微量しか含まれていないそうですが、なまじ放射能の勉強をしてるだけに、ちょっと怖いと思ったのも事実です。

三朝温泉ではそういう風評(人体によくないのではないか、という)がたったため、研究者を呼んで調査を行った結果、人体にほぼ影響がないという結果がでたようです。どちらかというと効能のほうが大きいのでしょうね。

ちなみにラジウムは水に溶けやすく、ラドンは気化しやすいです。そして、ラドンはラジウムがアルファ崩壊という現象を起こして生まれた物質です。ラジウムは最終的にはすべての量がアルファ崩壊により、ラドンに変化します。

放射線ホルミシス効果といって、ごく微量の放射線であればむしろ免疫を刺激して体に良いという説もありますが、人間を使った実験でそれが立証されたことがありません。

常温核融合がついに実現!?

2005年09月03日 21時59分36秒 | 原子力工学
米国の大学研究チームが、いままで「SFの中でしかできない絵空事」と思われていた「常温核融合」を実現させたという話を聞きました。なぜそれが凄い話かといいますと…。いままで、核融合は1億度もの温度がなければできないと言われていたんですよ。それを室温でやってのけたわけですから。

ちなみに核融合とは、太陽をはじめとする、恒星を燃やしているあの無尽蔵にも見えるエネルギーです。水素の原子核同士がくっついてヘリウムの原子核に変化し、減少したわずかな質量と引き換えに莫大なエネルギーを発生させます。

重水素という、ウラン235に比べればはるかに手にはいりやすい物質を燃料として使うので、コストも下がるだろうし、実現すれば、現在の軽水炉などにとってかわる、将来の主力エネルギー源となりうる可能性を秘めています。

鍵を握ったのは、タンタル酸リチウムという常温で強力な電場を発生させる結晶なのですが、これを重水素ガスを閉じ込めた容器に入れることで、重水素イオンを光速の1%にまで加速させ、それが他の重水素原子と衝突することで核融合が起こったのだそうです。(正確には、核融合が起こった証拠として1秒間に1000個もの中性子の発生が確認されたそうです。)

投入したエネルギーよりも取り出せるエネルギーが少ないということで(笑)、発電用途としては不向きではあるのですが、常温核融合が決して絵空事ではないことを示すことができた点が、革新的であるといえるでしょう。タンタル酸リチウムからX線と中性子線が出るということで、医療用や中性子発生装置として使えるのではないかということです。

劣化ウラン弾の作り方

2005年09月03日 21時54分47秒 | 原子力工学
劣化ウラン弾ってなんなのかなあ…という疑問が
今日氷解しました。いや、今日は本を返しにいく日だったんで、
大慌てで本を読み漁ってたんですよ(笑)。
核兵器の本もその1つ。

ご存知のように、原子炉の燃料は主にウランが使われますが、天然のウランはそのままでは使い物になりません。ウラン238が99%、ウラン235は1%未満しか含まれていないのですが、原子炉の燃料となるのはむしろその1%未満しか含まれないウラン235の方なのです。

そこで、遠心分離法などの手段を用いてウラン238を除去してウラン235だけを取り出すのです。もっとも、ほとんど同じ物質であるから分離は容易ではなく、ウラン235含有比率を5%くらいまで上げたものが、核燃料として使われます。(原爆用は含有比率100%が求められる)

そこで、除去されたウラン238はどうなるのか?

米軍は、他の金属と比較して、かなり比重の高いそれを、砲弾として使うことを思いつきました。それが劣化ウラン弾です。砲弾は比重の重い方が都合がいいですからね。

ただ、ウラン238は何もしなくてもアルファ崩壊を起こしますので、放射線を発するので、着弾地点付近を放射能で汚染することになります。アルファ崩壊を詳しく知りたい方は、「アニメで科学知識を深めよう」コミュに書いてますので、興味のあるかたはどうぞw

核融合とは

2005年09月03日 21時48分54秒 | 原子力工学
原子番号って、原子核の陽子数と一致するんですね…。いまごろ知ったよ。高校生の頃の俺はいったい何をやっていたんだ(笑)。

いま、核融合について勉強中です。コミュで話題に上っていたんで。核融合反応で、現在実用化されているものは、水素爆弾です。

核融合反応とは、原子同士が融合し、より重い原子が生成される現象のことです。例えば、水爆ならば、重水素と三重水素(ともに原子番号1)が融合し、より重いヘリウム(原子番号2)が生成されます。

このとき、わずかに質量が失われるのですが、その代わりに莫大なエネルギーが発生します。このエネルギーを利用した発電システムが、核融合炉です。核分裂より多くのエネルギーを得られ、また副生成物が無害なヘリウム(と中性子)ということで、わりとクリーンなエネルギーと言えますw(わりと、というのは、中性子線に曝された物質が、放射能を帯びるからです。)

仮に、「純粋に核融合反応のみ」で爆発を起こす水素爆弾があるならば、放射線汚染の問題を起こさないため、それはクリーンな核兵器ということになります。もちろん、中性子をはじめとする各種放射線はもちろん発生しますけども。実際の水爆は、核融合に必要な莫大なエネルギーを得るために核分裂反応を利用しますので、放射能汚染をおこします。(ちなみに、このように超高温を利用した核融合反応を、熱核融合反応と言います。)

原子力事故とヒューマンエラー

2005年09月01日 21時55分17秒 | 原子力工学
原子力事故の勉強してて思ったんですが…

ほとんどヒューマンエラーじゃないか!

チェルノブイリもスリーマイルも、いずれも緊急炉心冷却装置(ECCS)が作業員によって切られていたとのこと。なんのための安全装置だ。チェルノブイリでは、冷却材の循環を止めてもどれだけタービンがまわせるかの実験中だったそうで。

JCOのはまあ、論外としてw


自分も人のこと言えなかったりもするんですけどね…。

例えば、高速回転体のメンテ時などに、すべての作業が終わってから、ブレーカーを切っていなかったことに気付いたりとか…(笑)。スイッチは制御室から遠隔操作できるので、誰かがスイッチ入れてたら死んでました…。