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Lunatic シアター

最近興味を持った、科学技術関連のテーマなど。

アスベスト問題

2005年09月23日 23時04分23秒 | 生物学
アスベスト問題が連日テレビでも取り上げられているわけですが。
我が家でもこの件については神経質になっていて…

「蚊取り線香のマットはアスベストなのでは?」
「我が家の断熱材にアスベストが使われてないか?」

などという感じで、アスベスト製品を遠ざけるべく、躍起になっています。ちなみにネットで調べたら、蚊取り線香のマットはアスベストが使用されているとのことでした。

科学雑誌でもアスベスト特集がなされていたので読んだのですが、アスベストは別名、石綿とも呼ばれ、それは単一の鉱物名ではなく、6種類の鉱石の総称のようです。最も工業製品に使われているのが「クリソタイル」という名の鉱物で、耐熱性、耐腐食性、耐摩耗性があり、1本の強度はピアノ線を越えるということで、便利に使われてきたようです。

アスベスト繊維は髪の毛より何千倍も小さいので、顕微鏡でも見ることができないのですが、「アスベスト小体」という形で、体内に突き刺さっているアスベスト繊維を見ることができます。

アスベスト小体とは何かというと…。アスベスト繊維は人体にとって異物ですから、当然マクロファージ(※1)が攻撃して排斥を試みるのですが、マクロファージはアスベストを排斥することはできず、アスベスト繊維の周囲にどんどんマクロファージの死骸が溜まっていくのです。アスベスト繊維に大量のマクロファージの死骸がくっついた状態、それがアスベスト小体です。その状態になってはじめて、顕微鏡で見ることができるのです。

某公営住宅みたいに壁に直接アスベストが吹き付けてない限りはあまり心配はしなくていいとは思いますが、体を蝕む、目に見えない針の存在はとても怖いです。とりあえず、家屋の解体現場には近寄らないようにしとこう…。

※1)マクロファージは大食細胞とも言われる体内のお掃除屋さんです。体の至るところに存在し、異物を細胞内に取り入れ、消化酵素で溶かしてしまいます。無機物だけでなく有機物も処理でき、病原菌に汚染された細胞や死細胞などを処理したりします。

睡眠不足も肥満の原因?

2005年09月18日 23時37分41秒 | 生物学
肥満の原因はいろいろあると思うんですが、生物学の本を読んでいたら、睡眠不足も肥満の原因となりうる、とのことでした。

メカニズムとしては、睡眠時は成長ホルモンの分泌が多くなるらしいんですが、実は成長ホルモンは脂肪分解に深く係っているようなんですね。なので、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が抑えられると、脂肪が分解されにくくなるので、肥満になりやすくなる、と。

今度は脂肪蓄積のプロセスの方に目を向けて見ますと、先週、科学誌の「米国科学アカデミー紀要」電子版に投稿された論文によれば、脂肪酸やコレステロールの合成にかかわるタンパク質として「BMAL1」というものがあり、このBMAL1が脂肪蓄積に係っているのだそうです。

このBMAL1の働きは、午後10時~午前2時ごろが最も盛んなのだそうで、最もBMAL1が少ない時間帯である午後3時の約20倍にもなるんだそうです。

これらの話を総合すると…

午後10時過ぎに夜食を取って、なおかつ徹夜したりすると、最高に太りそうですね…。とりあえずは、徹夜と夜食は肥満の敵ということでひとつ。

ゾウの時間・ネズミの時間

2005年09月10日 23時12分01秒 | 生物学
地球上には、ひとくちに哺乳類といっても、様々な種類が存在しています。

もちろん、寿命もそれぞれ違ってくるわけですが、実は生体サイクルから計算すると、どの動物も一生に行う呼吸の回数と、心臓の拍動の回数がほぼ同じらしいということが分かってきました。

哺乳類が一生に行う心拍数は約15億回。
また、一生に行う呼吸数は約5億回だということです。

さらには、体重との関係で見ると、寿命は体重の4分の1乗に比例するようです。体重が2倍になると時間が1.2倍長くゆっくりになる計算です。

ハツカネズミは体重が30gで心周期(心臓が1回拍動するのにかかる時間)が0.2秒ということですから、体重60kgで心周期1秒の人間からすると、恐らくは人間と比べて何倍も早い時間を過ごしているのでしょう。同じ哺乳類でも、世界や時間の捉え方(生物学的時間)そのものが違っているのではないか、と「ゾウの時間・ネズミの時間」の著者の本川氏は言っておられます。

ちなみに、生体サイクルを考慮して人間の寿命を計算すると、26.3年くらいになるそうです。縄文人が寿命30年ということなので、文化を持たない状態であれば、本来はそのくらいだったのかもしれません。

本を読んでこんなに衝撃を受けたのは久しぶりでしたので、紹介してみました。
(もっとも、本そのものは10年前のものです)

過剰症と欠乏症

2005年09月07日 22時24分50秒 | 生物学
ビタミンCに致死量があることをご存知ですか?いや、自分もさっき知って驚いたんですけれども(笑)。

毒性学では、「すべての物質は有害である。有害でない物質はなく、用量に依って毒であるか薬であるかがきまる」という考え方が基本となっているそうです。

ちなみに、一般に毒ではないと思われるものを、どの程度摂取すれば死ぬのかというと…。

カプサイシン 60-75mg/kg トウガラシ
カフェイン 174-192mg/kg コーヒー、茶
ビタミンC 11,900mg/kg 野菜、果物
食塩 3,000-3,500mg/kg

注)この致死量は、動物の半数を死なせる投与量(mg)をその動物の体重(kg)で割った値である「急性毒性半数致死量(LD50)」の値である。
(引用/みんなの農薬情報館)

体重60kgの人であれば、ビタミンCを714g食べさせた場合、50%の確率で死ぬということですね。ビタミンCの錠剤が何ダース必要になるか分かりませんけど(笑)。

もっとも、致死量を摂取せずともビタミン過剰症にはなると思います。ビタミンやミネラルは、いずれも欠乏症を心配して錠剤などに頼る人が多いと思いますが、ビタミンもミネラルも、共に過剰症が同時に存在していることは知っておいた方がいいと思います。

正露丸の危険性

2005年09月03日 22時08分23秒 | 生物学
正露丸の危険性を警告する論文が、とある学会に発表されたそうで。なんでも、主成分のクレオソートが神経毒そのものであり、その神経毒と粘膜腐食作用によって腸管が弱ることで、病原菌が繁殖してしまったり、細胞が壊死してしまう事例が毎年あとをたたないそうです。

また、主成分の1つであるフェノールは、国際ガン研究機関によって、「発がん性を否定できない」とされるグループに分類されているのだそうです。

正露丸の仕組みは、その毒によって腸の神経を麻痺させ、下痢や腹痛を止めるという仕組みになっているそうです。薬と毒は紙一重ですから、微量の神経毒で腸の痛みを止めるというのは合理的ではあると思うんですが、その毒性が強すぎるという話らしいです。薬害オンブズマンが、発売中止を求めるという事態にもなっているそうですよ。

もともと日露戦争のときの兵隊が使っていたそうで、当時は「征露丸」という名前であった、という話もあります。

ウチにも正露丸は常備されていますが、それらの記事を読んでからは、怖くて口にいれることができなくなりそうです…。

睡眠とサイクル

2005年09月03日 21時44分51秒 | 生物学
次の日に疲れを残さない、必要最低限の睡眠時間は5時間なのだそうです。毎日7時間寝ている人がいきなり5時間睡眠にすると、さすがに体にガタがくるそうですが…。段階を踏んで、順次、睡眠時間を減らしていくようにすれば、5時間睡眠に切り替えても大丈夫なんだそうです。ちなみに私は0時半就寝の5時45 分起きだから、睡眠時間は自然に5時間くらいになってますね。

世界平均の睡眠時間は7時間半ということですが…。自分的にベストな睡眠時間は6時間かなあという感じです。7時間も寝たら頭痛がしますし(笑)、4時間では明らかに寝不足です。

あと、睡眠にはサイクルがあるそうで、24時間周期(概日リズム)、12時間周期、90分周期の3つがそれ。夜に自然と眠くなるのが24時間周期の波で、お昼休み明けに眠くなるのが12時間周期の波、90分というのはレム睡眠とノンレム睡眠が入れ替わる周期ですね。実は、体内には90分周期で行われている生命活動がとてもたくさんあるそうですよ。

これらの周期を司さどるのが、体内時計といわれる、人間なら3つほど備えているという組織です。だから、強い意志があれば、目覚まし時計などなくても、正確な時間に起きることだってできるんですよ。