『ありがち日記』

三津田信三『幽女の如き怨むもの』

刀城言耶シリーズ第6長編。これまでよりも哀しいお話だった…


ストーリー
十三歳で遊女となるべく売られた少女。"緋桜"と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。戦前、戦中、戦後、三つの時代の謎の身投げの真相は"幽女"の仕業か、何者かの為せる業か。謎と怪異に満ちる地方の遊郭を舞台に、ミステリランキングを席巻した"刀城言耶"シリーズ第六長編、文庫降臨。 

家族のために遊女としてお金を稼がなければならなかった少女・女性の哀しみ。ミステリやホラーの枠を超えたところがあって、より重厚さが増したように思える。3つの時代に渡る、同じ『緋桜』と名付けられた遊女にまつわる謎の身投げ。一見、原因は明らかなのだが、それだけではない何かがある…あえて言うならば、ホラーが強めなのかもしれないな。

結末を読み終えても、犯人を恨むような気持は生まれなかった…

刀城言耶は最後の章まで登場せず、過去の日記やインタビューなどを元に、こうだったのだろうという結論を出す。当時の関係者はほとんど消息は分からず本当かどうかはわからないけれど、一応は筋が通った形。

最終章までもしかしたら退屈と思うかもしれないけど、細かく気付きにくい描写の中にも犯人のヒントとなる部分があったことに気付くと、また最初から読みたくなってしまう。

久しぶりに500p超えの文庫本を読んで疲れちゃった。腕は疲れるし内容も内容だしね。次はもう少し軽めの本を読むことにしよう。

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