ルールーのお気に入り

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お気に入りをツラツラと…

映画『トゥルーへの手紙』

2005-11-04 14:29:45 | 恋する映画
先月ブルース・ウェバー写真展“The True Store and Gallery”を観に行ってからずいぶん経ってしまったけど、ようやく映画『トゥルーへの手紙』を観て来ました~♪

「感動した」という意見はあまりないみたい、と聞いていたけど、わたしはじんわり感動しましたよ。
上映直前まで読んでいた小説がちょうど佳境でうるうるしていたのもあって、すでに感情の扉は全開状態♪
いやいや(^^;)、もちろんそれを差し引いても、じんわり、じんわり目尻に涙がたまりました。


まず最初の「犬たちとの生活の追体験を映画にしたいと思った」という導入部、犬の目線の高さから撮った海辺を飛び回る犬たちの映像と、それに続く波がサーッと引いていく少し傾いたアングルの「絵」を見ながら、わたしもサーッとブルース・ウェバーの世界観に引き込まれて行った感じです。

映画は、9.11のあの日、旅先にいたブルースがNYの世界貿易センタービル近くの自宅に残した4匹の犬たちが心配でたまらなかったという出来事を発端に、あれ以来変わってしまった世界、いつどうなるかわからない未来を思って、自分の愛情を犬たちへ世界中の友人たちへ伝えておきたい。。
そんな思いを、犬たちの末っ子“トゥルー”に向けて手紙を綴るかたちで表現した、映像のコラージュです。

なので、繋がったテーマはあるけれど、ストーリーとして起承転結しているわけじゃない。
ただ、そうしたかけがえのない瞬間を伝えることで、「世界平和を願うなら、身近な幸せを実感することだ」というメッセージを発しているんですね。

たぶんこの映画は普通の映画の概念と同じ土俵で語られるべきものじゃないのかも。
映画が“何かを与えてくれる”のではなく、観る側がそれぞれに映画から“何を感じるか”…
そんな映画なのだと思います。





映画の中には、映像美そのものが思想である、というものも確かにあると思うんですよね。
これもそういう映画の1つであると同時に、“言葉”もけっこう琴線に触れて来ました。
言葉というより相手に対する“想い”なのかな。
(以下、ネタバレ?あり注意^^;

特に気に入ったのは、南仏で暮らしているダーク・ボガートを訪ねていって写真を撮ったシーン。

「室内の黄色の壁に太陽を感じた。外は雨だったのにね」

黄色の壁の前で物憂げにポーズするダークに対して、なにげないんだけど(このときダークは病気だったのかな?)思いやりに満ちている感じがして、あの中の親密な空気がとても羨ましかった。

あと、一見派手のようで実はエイズ撲滅運動をしているエリザベス・テーラーへのシーンの中で、彼女にとても似ているというモデルのジョンとの、雑誌『ヴォーグ』での撮影風景…
あんな贅沢な撮影、本当に羨ましい。。

それからリトルベアという名の犬の最期、砂浜に毛布を敷いて皆で見守っていたときに、他の犬は無邪気に砂浜で戯れている中で、ポーラベアは人間のようにリトルベアの亡骸を45分間抱き締めてじっとしていたというエピソードには、もう涙がポロポロ…

戦争に遭遇した犬もまた、人間と同じようにトラウマに襲われるという話もけっこうジーンときちゃったし…etc.


映像はとにかく、写真同様ブルースの感性が行き渡っている感じ♪
でもそれ以上にそれらを紡いでいるブルースの感性の方が際立っています。
そういう意味で、この映画は、ブルース・ウェバーという人間を知ることのできる映画とも言えるかもしれませんね。



・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★☆(65点/100点満点)
※単なる「犬の映画」と思って観に行くと、ちょっと「?」かもです
もう1度映画館で観たいというより、DVDを買ってこっそり1人で観てじんわりしたいかも


っつことで、思い入れた映画はどうしても感想が長くなってしまうわたし…(^^;;;;;
すびばせん、でも読んでくれてありがとーございます♪
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おまけの一言

お能がある程度あらすじを知ってから観劇した方が理解しやすいのと同じように、この映画もある程度映画の意図を知ってから観た方がいいのかも?
その方がすんなり心に入る気がします。

あと、シネマライズでは11/19~12/9まで、『Gentle Giants』というショートムービー?を併映するそうです。
これはブルースのビジュアル世界の感性を形成した幼少時のモノの捉え方などが描かれているみたい?
リバー・フェニックスに捧げるムービーだそうですよ


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ミニバネ)
2005-11-04 19:51:01
初めまして、こんばんは。

トラックバックありがとうございます。



古い映像と音楽が流れ、その心地よさに映画を見ているという感覚を一瞬忘れてしまいました。

しかし、現実の映像ほど怖いものはないような気がします。

「世界平和を願うなら、身近な幸せを実感することだ」

本当にそう思います。
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ミニバネさん♪ (ルールー)
2005-11-04 23:30:59
いらっしゃいませ&コメントありがとうございます



>古い映像と音楽が流れ、その心地よさに映画を見ているという感覚を一瞬忘れてしまいました。



本当にそうですねー

音楽の選曲もすごくセンスがよくて、本当に「心地よい」という感じでした。

ただただヒステリックに戦争反対と叫ぶより、じんわりと平和を願うスタイルは共感できました。

今後ともよろしくです~

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Unknown (masa)
2005-11-05 01:23:10
いや~「ひどい映画」という評が多いなか、ルールーさんの評を読んで安心しましたよ。

ところで、ショートムービー併映の情報をありがとうございます。その頃、もう一度観に行ってきます。
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masaさん♪ (ルールー)
2005-11-05 17:57:53
>「ひどい映画」という評が多いなか



やっぱり普通の映画の概念で見ちゃうとそう感じてしまうんですかね~

でも、わたしが見た時会場にいた人たちは、

「よかったわねー」

なんて言っていましたよ。



そもそもこういうアート系の映画は、見る前から受けつけないという人もいるだろうし、特に「愛犬家が撮ったかわいい犬の映画」みたいに思っていた人は、目が「?(テン)」だったかも。

小さなお子さんと観に来ていた親子がいたんですけど、果たしてあの子は面白いと思えたのか心配です。

ショートムービー、面白かったら教えてくださいね~
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