円山動物園のごみ拾いがあると知り合いのコから聞いた。
そらいい機会だと思い行く事にした。
しかし、動物園内に拾うほどのゴミがあるのか甚だ疑問であったが今日の午前中、行ってきた。
持って行くのは軍手のみ。
教授の娘である子教授も連れて行った。
子教授の真の目的は動物園見学だ。
9時半受付というので間に合うように向かう。
入園口にチャリを止め、集合場所を探すと園をぐるっと廻ってにゃんこの目。ほぼ真裏だった。
・・・・・。
うむ、
なにか、
なにか違う。
30分ほど待ち説明アナウンスが始まる。
「え~本日はー・・・・でして・・・・皆様におかれましてはー・・・・。
ということで、これからたんぽぽ抜き及び除草を・・・・」
(・・)は?
話がちゃうやん。
一応スピーチを最後まで聞こう。
その間、私はずっと思っていた。
生きてる草花をむしりに来たのではない!
たんぽぽは私の目にジャマで無駄なものとは見えなかった。
私はずっと考えていた。
芝を刈る程度ならまだいいのだが、所謂根こそぎ作業である。
はたまたむしった草花が何かしらの餌となるならまだよかろう。
どうしたものか。
せっかく来たんだからこの会のお手伝いをすべきか。
本意ではないのにも関わらず、作業をしていい事をしたつもりで帰るのか。
一年に一度集まって草花をむしるより、
毎日手のひらに収まるほどのものでも街のゴミ拾いをした方が地球に優しいのではないのか?
顔はかなり不満げな顔をしていたようだ。
子教授が「そんなにふてくされなくても」と言った。
スピーチが終わり、400人と発表された人々は散り散りになった。
楽しそうだ。
楽しそうだが、このスッキリしない感は何なのだ!
だから、話をしていた中心人物に話を聞いた。
「初めてなのでひとつお聞きしたいのですが、
ゴミ拾いと聞いて張り切って来たのですが主旨はたんぽぽ取りなのですか?」
「私は除草と聞いております」
「はぁ、そうですか。。。何故、たんぽぽをとるんですか?」
(隣に居た若い人が)
「ここにあるのは外来種で、そのせいで日本たんぽぽが行き場をなくしているんです」
「なるほど、外来種ですか!
この会は毎年されてると言ってましたが、どれほどの効果が出ているのですか?」
(やや返答に困り話をそらされる)
「では、外来種と日本たんぽぽの見分けはできるのですか?」
「ガクがこうなっているのが外来種で、花に対してこうなっているのが日本たんぽぽです」
「わかりました、ありがとうございました」
納得がいかん。
子教授に相談してみる。
「作業をしている皆はそれを解っていると思う?」
子「なわけないじゃんwww」
「・・・・。とりあえず、外来種と日本たんぽぽを探してみようか」
子「あるわけなくね?」
「わしもそう思うが、ゴミを探しながらその辺を一周してみよう。
しかしどう思う。外来種とはいえ、けしてジャマに見えない草花の命をむしり取るというのは」
子「ん~、いいことじゃないよね。自然のままの方がいいよね」
「わしも同感じゃ。 しかしまぁ園内はキレイなもんでゴミひとつ落ちておらんな」
そんな会話と自問自答を繰り返し出した結論は「なにもしないで帰る」に至った。
私ら二人がしなくても誰かがもぎ取ってしまうのであろうが、
どうしても自分の手でそれをする気にはなれなかった。
かといって、異を唱える気も起きなかった。
ゴミ拾いを終えた方々はその後、園内を自由に見学して楽しむようだ。
それすらも違和感を感じる私は、どこかおかしいのでしょうか?
動物が好きな子教授はすこし残念そうにしていた。
あらためて来ようぞ、子教授。
追伸。
後悔はまったくないが晴れやかさもない。
ニュートラルな状態が不思議なくらいだ。
では、また。