つづき・・・
灯遙)おおお、わかりやすい💡
自然を愛する博士一個人として
クマオやクマコやクマミの生活圏と人間の生活圏を安全なものにするのに
どうするのが望ましいと思うですか?
前にしてくだすったゴム弾の話も踏まえて、おねげぇしやす。
博士)答えになっていないかもしれませんが^^;
これは学生さんが気づかせてくれたアイデアですが、
ヒグマと事故が起きない安全な場所をって考えると
進撃の巨人(漫画)みたいな壁を作らないと難しいんじゃないかなと思います。
ヒューマンフィールドとベアーフィールドの完全断絶ですね(笑)
それくらい絶対安全!を作るのは難しいです。
そしてゴム弾ですが、追い払う時に使います。
今回の東区に出たヒグマは、すぐそばに追い払う先の山がありません。
北34条から北20条に追い払ったぞー!ってなったら北20条の人が嫌がると思います^^;
生捕にして山に放すっていう方法とか罠で捕まえるって方法もありますが、迅速さが必要な市街地では難しいと思います。
駆除よりも手間と時間がかかり、うちの町の山に放すなんて嫌だ!って人もいるでしょうし、
そもそもその町のクマアパートは定員いっぱいの可能性もあります。
そっとしておいて、クマが冷静になって山に帰るのを待つ…のも難しいでしょう。
学校とかお仕事とかで外出しなきゃいけないですもんね。
こうなったら元凶を取り除く駆除という選択 で、一安心は得られますが殺して解決だとは思いません。
人の安全は、子供は大人が守り、大人は各々自分で守りつつ助け合う事だと思うのですが、
クマの安全な生活圏ってなんでしょうね…。
住む場所と食べ物があって、クマを根絶しようとする人間がいない…
やはり壁が必要笑 クマも絶対安全!っていうのは難しいですね。
人もクマも絶対安全な場所は無いのかもしれません。
安全な生活圏は無いのかも・・・
では何が望ましいかというと、
超個人的な意見ですが ヒグマは自分と共生している生き物だという事が全員の共通認識になるのが望ましいです。
自分が住んでる所は人間だけじゃない。
クマも住んでる、キツネも、カラスもいる。
お互いに関係しあってる生きていることに気づいて知って、わかっていく。
我々は切っても切れない関係です。
そしてそれがとんでもなくハッピーな事だとたくさんの人が思える様になったら最高だなあ、
世界は変わるんじゃないかなあと思います。
灯遙)ひゃ~、ありがとうごぜいばす
簡単ではないことは重々承知の上でいま一度質問させてください。
クマオ、クマスケ、クマミ、クマコたちに、こっちに来ちゃいけんよって伝える手段はないものでしょうか?
博士)手段はいくつかあります!
まず、これは私の考え方ですが、クマオたちには「行ってはいけないと思っている場所は無い」ということです。
ヒグマは自由に行動します。
ただし、ヒグマは基本的に単独行動で、本来は警戒心が強い動物です。
なので「こっちに来ないで」を実現するには、クマオの警戒心に働きかけて「そっちに行きたくない」と思ってもらう必要があります。
例えば、山などヒグマが確実に生息している場所に行く時は、音を出して自分の存在を知らせて、こちらを避けてもらう。
これは人がクマの行動圏に行った場合ですが、農地や人里に来ないで、という時は少し話が変わって来ます。
本来警戒心の強いヒグマが、そっちに行きたくなる理由がある。
理由は様々です。
人よりも、山にいるクマスケを避けたいクマミとクマミベビーが人里近くに出てくる事もあります。
オスグマは子グマを襲う事があるからです。
他にはそこに美味しそうな食べ物があるから。
どんぐりなどの自然の食べ物以外にも、農作物や人間にとってのゴミもクマにとってはご馳走です。
クマオ「美味しそうな食べ物がある…お腹も空いたし食べたい…けど身を隠す所が少ないから怖いなあ…今日は様子をみよう」
翌日ー
クマオ「昨日は誰もこなかった。ちょっと取って隠れながら食べたら大丈夫かも」
翌々日ー
クマオ「昨日も大丈夫だった!今日は畑に入ってお腹いっぱい食べよう!」
という様に少しずつ警戒心が薄れて大胆になっていくんですね。
こうなってしまってはもう遅いので、ヒグマの人に対する警戒心を緩ませない事が重要です。
ではどうやって警戒心を緩ませないかというと、
民間や農地周辺の薮など、ヒグマが隠れられそうな場所の草刈を行う。(ヒグマが安心出来る場所を無くす)
畑や果樹などを電気柵で囲う。 (ヒグマを電気による痛みで不快にさせる)
ゴミ、コンポスト、犬猫の餌などなど外に出ている食べ物の管理。 (ヒグマを誘う原因を取り除く)
ハンターや犬がヒグマ追う。 (人間への恐怖心を育てる)
これらは「ヒグマにこっちに来てはいけない」という事に繋がります。
先日、東区に出没してしまったヒグマは5、6歳の若いオスだったという事ですが、若いクマは好奇心が強いです。
このヒグマは警戒心よりも好奇心が上回っていたとします。
先程述べた様な方法で、事前に「そっちに行きたくない」と思わせる事をできれば来なかったかもしれません。
しかし、札幌市周辺のクマの行動を把握し切れていないことや、
都市の生活スタイルはヒグマへの警戒心を育てにくい事などから防ぐ事ができなかったのではと思います。
ここまで読んで下さった方で、「農地も無いし山にも行かない。クマとの接点は何もないけど何かしたい!」と思った方がいたら、
まず知る事から始めて頂きたいと思うのです。
ヒグマの会、日本クマネットワーク、(公財)知床財団、私が参加しているくまのわプロジェクトなど情報発信している所があります。
そして、そこで得た情報を得たり、ご家族や友人と共有していくうちに、きっとご自分で出来ることが見つかると思います。
SNSでクマ情報をシェアする(自らスマホでヒグマを撮影するのは双方危険なのでくれぐれもやめて頂きたい)。
自分の住む自治体にクマ情報を確認する、ヒグマの絵本を子供と読む。
いつものお散歩コースにクマの食べ物になるものがないか気にかけてみる。
などなど、楽しみながらやってもらいたいなと思います。
「くまのわ」ではクマスプレーの使い方など、ヒグマに関する情報提供しているので、ぜひ見てみてください!
くまのわ https://m.facebook.com/%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%81%AE%E3%82%8F-105486321738450/
くまのわ喫茶室 https://youtu.be/2Zhtryl79Yk
灯遙)ひえあ~、丁寧にありがとうございます<(_ _)>💕<(_ _)>💕<(_ _)>💕
誰がどう読むかは知る由もありませんが
不安が落ち着いたり、対処の仕方を工夫するきっかけになればいいなと思っています!
博士)灯遙さんの質問の基準が誰のせいにもせず、とても前向きなので考えてて楽しかったです! 私も勉強になりました!
nami のインスタグラム
正解はなく
解決策も難しいが
答えや結果を出すことよりも
共存する思考に切り替え、出来る努力をしていくこと。
希望と未来へ。
何かのきっかけになれば幸いです。
そいでは、また。
じゃねー(^_-)-☆