黒猫洞

黒音呼夜の爪とぎブログです。
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パブリック・エネミーズ

2009-12-21 21:01:53 | MOVIE
マイケル・マン監督、ジョニー・デップ主演。
実在した銀行強盗ジョン・デリンジャーを描いた作品。
当時(1930年代)の情景を、よく再現したな、と。
実際の場所で撮影したりと、こだわって作っている。
その甲斐あってか、画面に現実感がある。
 
もちろん、ジョニデの演技もイイ。
ごく自然体で、デリンジャーに成り切っている。
アップになった時の”目力”は、ゾクっとするほど。
キザでオシャレで、カッコイイ。
銀行のカウンターを、颯爽と飛び越えるシーンは必見。
マリオン・コティヤールも、デリンジャーの恋人役を熱演。
セリフのないシーンでの表現力はさすが。
個人的に良かったのは、クリスチャン・ベイル。
デリンジャーを追う捜査官パーヴィス役。
冷徹なまでの無表情っぷりがスゴイ。
無表情ながら、目や細かい仕草で感情を表現。
やっぱり、ストイックな役が似合う。
 
挿入歌も含め、音楽も上々。
曲と映像の合わせのタイミング、なんだか覚えがある。
そう思って、エンドクレジットを凝視。
ミュージック・スーパーバイザーがボブ・バダミ。
ハンス・ジマーの一派で、色んな映画に関わっている。
納得々々。
実にマニアックなトコだけど。

その上、何より全体を通してオシャレな映画。
デリンジャーを筆頭に、皆さんスーツがお似合いで。
ラペルが広めだったりと、当時の流行もしっかり反映。
デリンジャーが恋人に贈った、ファー付きコートもステキ。
 
不満があるとすれば、銃撃シーンがちょっと単調。
映像は上手いから、問題は音楽・効果音・音響。
銃撃音が前面に出過ぎて、のっぺらした印象に。
もう少し音楽を強めて、盛り上げても良かったんじゃないかと。
ただ、これは好みの問題。
監督の理想(好み)と、僕の好みが合わなかっただけ。
『マイアミ・バイス』なんかでも、銃撃音は前面に出てた気がするし。
 
デリンジャーに共感できる部分も多く、非常に満足な1本。
正直、大ヒットする類の映画ではないと思うけれど。

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