忘年会をかねて近くのフレンチ「ラシェリール」でランチをしてきました。どういうわけか、貸し切り状態になった中、Menu B を選んでのスタートとなりました。

Amuse bouche
小さなお楽しみ
カニとアボガドを使ったムース。以前、お邪魔したときにも Amuse bouche はこの器を使った料理でした。そのときには、キュウリとミント、エビとコンソメゼリーというものでしたが、今回はシンプルにカニとアボガドのムース。アボガドの緑が鮮やかです。
濃厚なアボガドとカニというのは興味深い組み合わせですが、カニのおいしさを引き立てるというよりは、カニとアボガドが互いを消し合っている印象を若干受けました。この料理については残念。

Poireaux grillés à la vinaigrette, calmar cuit au romarin
柔らかく茹でたポロ葱のグリエ 小ヤリイカのソテー
サラダ風に仕立てられたイカがおいしいのですが、主役はポロ葱。葱ってこんなに甘いんだと感動しました。聞いてみると、シェフがポロ葱が好きなんだとか。愛情が味に変わるんでしょうかね。
ところで「イカ」といえばフランス語では「une seiche」だと思ってきたので、「un calmar」という単語は新鮮。スペイン語ではイカのことを「calamares」と言うみたいですが、果たして「seiche」と「calmar」に違いはあるのか? とても気になったので調べてみました。
結論から言うと、ぼくたちが日頃イメージしている「イカ」はフランス語では「une seiche」よりは「un calmar」の方が正しいということです。ともに、「un mollusque」つまり「軟体動物」であり、「」ventouse」=「吸盤」があることに変わりはないのですが、「seiche」は「コウイカ目」に属するイカを指します。一方で、ぼくたちが日常口にするイカはアオリイカ、スルメイカ、ホタルイカ、ヤリイカなどで、これらは「ツツイカ目」に属するのです。詳しくはイカ学のススメを見ていただくとして、コウイカは楕円形の輪郭をしており、ひらひらとした「ヒレ」が胴全体につきます。
Les seiches ont un corps ovale, entièrement bordé par une nageoire.
一方、ツツイカはとがった輪郭をしています。ヤリイカはその典型例。

写真の方が、通常、ぼくたちが想像するイカ。イカの絵を描いてくださいと言われたら、ほとんどの方は、このツツイカ目のイカを描くでしょう。コウイカ目のイカを描く人はなかなかいないと思います。

Soupe de poisson
海の恵みのスープ 帆立貝添え
すっかり話に夢中になっていたテーブルの話題をさらった一皿。満場一致で「おいしい」ということになりました。オマール海老のエキスを入れてるのではないかという香りと味、さらには、ホタテの食感がすばらしい料理。ちょうど寒い時期でしたので、暖かくておいしいスープは心が温まります。

Chevreuil poêlé pomme grand-mère sauce poivrade
蝦夷鹿のポワレ グランメール風 ボワブラードソース
比較的手に入りやすい食材ではありますが、そろそろジビエの季節ということで、ぜひ食べておきたいのが「蝦夷鹿」。肉肉しているところがぼくは好きなのですが、今回はそれをポワレし、赤ワインソースで味付けしたもの。
ところで、poivrade というのは何でしょう? フランス語を勉強した人ならぴんとくると思いますが、「le poivre」=「胡椒」からきている単語です。Le Petit Robert では、
la poivrade : sauce brune fortement poivrée
とありますから、ブラウン色のソースで、かなり胡椒をかけてあることが分かります。確かに、スパイスが非常に強く、蝦夷鹿の赤い肉といい相性をしていました。
また、グランメールというのはお祖母ちゃんのこと。おそらく、ポテトの調理がお祖母ちゃん風ということなのだと思いますが、肉に気を取られたのと、そろそろお酒の酔いが回ってきたのとで、ポテトから注意をそらしてしまいました。
この日のワインはサン=テステーフ (St Estèphe) の赤ワイン。1級から5級まである格付けのすぐ下になるクリュ・ブルジョワ・シュペリュール (Cru bourgeois supérieur) のワイン。最初は酸味を感じましたが、時間とともに酸味が丸みを帯びることが予想されましたので、マダムのアドバイス通り、デキャンタージュしていただきました。

Château Meyney 2002
Cabernet Sauvignon 67%, Merlot 25%, Cabernet Franc 5%, Petit Verdo 3%
David Peppercorn は「じつに肌目が細かく」と言っていますが、確かに、最初に飲んだ感じは、クリーンで醸造の技術を感じました。早めに飲めるワインだそうですから、2002年はちょうどよかったのかもしれません。

Crème caramel au coco et glace caramel
クレームキャラメル アイスクリーム添え
気づけば1時から始めたのにもう4時。ずいぶんとお邪魔してしまいましたが、幸せな気分でお店を後にしました。

Amuse bouche
小さなお楽しみ
カニとアボガドを使ったムース。以前、お邪魔したときにも Amuse bouche はこの器を使った料理でした。そのときには、キュウリとミント、エビとコンソメゼリーというものでしたが、今回はシンプルにカニとアボガドのムース。アボガドの緑が鮮やかです。
濃厚なアボガドとカニというのは興味深い組み合わせですが、カニのおいしさを引き立てるというよりは、カニとアボガドが互いを消し合っている印象を若干受けました。この料理については残念。

Poireaux grillés à la vinaigrette, calmar cuit au romarin
柔らかく茹でたポロ葱のグリエ 小ヤリイカのソテー
サラダ風に仕立てられたイカがおいしいのですが、主役はポロ葱。葱ってこんなに甘いんだと感動しました。聞いてみると、シェフがポロ葱が好きなんだとか。愛情が味に変わるんでしょうかね。
ところで「イカ」といえばフランス語では「une seiche」だと思ってきたので、「un calmar」という単語は新鮮。スペイン語ではイカのことを「calamares」と言うみたいですが、果たして「seiche」と「calmar」に違いはあるのか? とても気になったので調べてみました。
結論から言うと、ぼくたちが日頃イメージしている「イカ」はフランス語では「une seiche」よりは「un calmar」の方が正しいということです。ともに、「un mollusque」つまり「軟体動物」であり、「」ventouse」=「吸盤」があることに変わりはないのですが、「seiche」は「コウイカ目」に属するイカを指します。一方で、ぼくたちが日常口にするイカはアオリイカ、スルメイカ、ホタルイカ、ヤリイカなどで、これらは「ツツイカ目」に属するのです。詳しくはイカ学のススメを見ていただくとして、コウイカは楕円形の輪郭をしており、ひらひらとした「ヒレ」が胴全体につきます。
Les seiches ont un corps ovale, entièrement bordé par une nageoire.
一方、ツツイカはとがった輪郭をしています。ヤリイカはその典型例。

写真の方が、通常、ぼくたちが想像するイカ。イカの絵を描いてくださいと言われたら、ほとんどの方は、このツツイカ目のイカを描くでしょう。コウイカ目のイカを描く人はなかなかいないと思います。

Soupe de poisson
海の恵みのスープ 帆立貝添え
すっかり話に夢中になっていたテーブルの話題をさらった一皿。満場一致で「おいしい」ということになりました。オマール海老のエキスを入れてるのではないかという香りと味、さらには、ホタテの食感がすばらしい料理。ちょうど寒い時期でしたので、暖かくておいしいスープは心が温まります。

Chevreuil poêlé pomme grand-mère sauce poivrade
蝦夷鹿のポワレ グランメール風 ボワブラードソース
比較的手に入りやすい食材ではありますが、そろそろジビエの季節ということで、ぜひ食べておきたいのが「蝦夷鹿」。肉肉しているところがぼくは好きなのですが、今回はそれをポワレし、赤ワインソースで味付けしたもの。
ところで、poivrade というのは何でしょう? フランス語を勉強した人ならぴんとくると思いますが、「le poivre」=「胡椒」からきている単語です。Le Petit Robert では、
la poivrade : sauce brune fortement poivrée
とありますから、ブラウン色のソースで、かなり胡椒をかけてあることが分かります。確かに、スパイスが非常に強く、蝦夷鹿の赤い肉といい相性をしていました。
また、グランメールというのはお祖母ちゃんのこと。おそらく、ポテトの調理がお祖母ちゃん風ということなのだと思いますが、肉に気を取られたのと、そろそろお酒の酔いが回ってきたのとで、ポテトから注意をそらしてしまいました。
この日のワインはサン=テステーフ (St Estèphe) の赤ワイン。1級から5級まである格付けのすぐ下になるクリュ・ブルジョワ・シュペリュール (Cru bourgeois supérieur) のワイン。最初は酸味を感じましたが、時間とともに酸味が丸みを帯びることが予想されましたので、マダムのアドバイス通り、デキャンタージュしていただきました。

Château Meyney 2002
Cabernet Sauvignon 67%, Merlot 25%, Cabernet Franc 5%, Petit Verdo 3%
David Peppercorn は「じつに肌目が細かく」と言っていますが、確かに、最初に飲んだ感じは、クリーンで醸造の技術を感じました。早めに飲めるワインだそうですから、2002年はちょうどよかったのかもしれません。

Crème caramel au coco et glace caramel
クレームキャラメル アイスクリーム添え
気づけば1時から始めたのにもう4時。ずいぶんとお邪魔してしまいましたが、幸せな気分でお店を後にしました。