果たして好評かどうか分からないのですが、せっかく始めたのでもう少し続けてみようと思います。
今日の格言は Daudet から。アルフォンス・ドーデと言えば、「最後の授業」(La Dernière Classe)というフランスの愛国心を謳った短編の作者として有名なフランスの作家。以前は教科書にも採用されていましたが、今はもう採用されていないとか。
そのドーデが言ったのが次の言葉。
Voyez-vous, mes enfants, quand le blé est mûr, il faut le couper; quand le vin est tiré, il faut le boire.
「だからね、小麦が実ったら刈り取らないといけないんです。ワインの栓を抜いたら飲まないといけないんです」
「最後の授業」というのは、1871年、フランスが普仏戦争に敗れたことでアルザス地方がドイツ領になったことを題材にした物語で、フランス語を勉強するものからするとフランス人のフランス語に対する愛情を謳ったものと誤解しがち。でも、そのような作品を書いた人が、ワインの栓を抜いたら飲まないといけないとはどういうことなのか? しかし、飲んべえにとってはこんなにありがたい言葉はありません。コルク栓を抜いたら飲まないといけないというのは、酔っぱらわなくても説得力があるように聞こえます。
「最後の授業」の背景が気になったので少し調べてみると、当時、アルザス地方ではアルザス語というのが話されていて、これは、フランス語というよりはドイツ語の方言のようなものだったとか。当時、アルザスの人たちはアルザス語を話しており、フランス語は苦手だった。だから、学校でわざわざ勉強しなければならなかったのだそうです。現在は、ご年配の方をのぞいてそのようなことはないようですが、アルザス訛りはしっかり存在するそうです。
驚いたのは、アルザス語の Wikipediaがあること。文章を見てみると、確かにこれはドイツ語に近いみたいです。