お嫁さんの誕生日をかねて、今年の五月にランチで訪れたフレンチに出かけました。場所は、代々木。午後の七時に到着すると、店内はほぼ満員。よく予約が取れたねと驚く彼女。
シェフお任せを頼んで、まずは白ワインを一杯。
オーストラリアではなく、欧州オーストリアで作れられた白ワイン。ブドウの品種は Sauvignon Blanc とのこと。若い作り手によるものとの説明がありました。微発泡。後味の甘さが、ポルトガルの Vinho verde に似ていると思いました。
ミューズはアンチョビとクリームチーズのカナペ。アボガドとバジルも入っていいアクセント。勢い、「飲んでくれ!
というシェフの気持ちが伝わります。もちろん、冒頭で登場した白ワインとぴったり。
二品目は牡蛎を使った料理。ジャガイモをそのままピュレにしたのではなく、燻製してピュレにしてあるのが味噌。最近、瞬間燻製の料理をちらほら見かけますが、流行なんでしょうね。おいしいです。
「ナスとコンソメのジュレ ガスパッチョ」
茄子がおいしい。秋の色を感じます。
「フォアグラのソテー コーンをひいて」というところでしょうか。フォアグラの下にグリルしたコーンがあるのがいいアクセント。コーンとフォアグラって合うんですね。玉葱のソルベもいい味出しています。
「穴子のソテー マスカルポーネチーズと大麦のリゾット」
穴子がかりっとした焼き上がりとさっぱりした味が新鮮で、あまり穴子派ではないぼくが、お嫁さんよりも穴子を早く食べるとい異例のケース。大げさに言うと、革命的なショックでした。
お口直しをしてからメインへ。
ちなみに、この日はブルゴーニュをお願いしました。
Savigny-les-Beaune
2002
Simon Père & Fils
「蝦夷鹿とフォアグラのパイ包み」
焼き上がりからおいしそうな料理は、お嫁さんの分。シェフお任せなので、別の料理にしてくれなんて頼んでいなかったのですが、シェフによると、変えた方が良さそうだったので別の料理を出したとのこと。この心意気がうれしい。
ぼくに用意していただいたのが、シャラン産鴨。赤い色がおいしそう。というか、本当においしかった。知り合いの鴨好きな友人に食べさせたかったくらい。
「桃のコンポートとそのジュレ」
季節を考えるとポピュラーなデセールですが、隣のテーブルに出されたのを見てしまったところでロックオン。期待を裏切らないおいしさ。
こちらは、お嫁さんの選択。グレープフルーツを使ったデセール。おいしかったのか、ぼくが勝手につままないとシェアしてくれませんでした。いつもなら、ぼくに半分くらい飛んでくるのになあ。
最後は、シェフとお話をしたのですが、ぼくたちがお酒を飲んでいるのを見て、いったいどんなワインを飲んでいるのかと気になさっていたとか。お酒を愛するシェフとしては、料理とワインのマリアージュを実現しなくてはという使命感のようなものがあったのでしょう。おなかいっぱいになりましたか? と気になさっていたのもとても印象的でした。
ワインもリーズナブルで、シェフお任せもお安く、現金払いではありますが、とてもありがたいお店。今度は、気になったボルドーを飲みにやってきます。