フランス語習慣

仏検1級合格者によるフランスとフランス語のおいしい話。語学とフレンチに舌鼓。(Opera 推薦)

新年の挨拶

2010-01-01 09:05:22 | 仏検1級


あけましておめでとうございます。今年もすばらしい晴天でスタートしました。家からは富士山が美しくそびえています。本当に富士山はきれいですね!

昨年お世話になった方、および、更新の頻度が落ち込んだにもかかわらず、定期的にブログに来ていただいたビジターの方々に、厚くお礼申し上げます。果たして続けていいものか悩む日もありますが、できるところまでがんばっていきたいと思います。今年もよろしくお願いします。

重ねて、みなさんのご多幸を祈念して、乾杯!

世界で一番高い都市

2009-12-24 07:18:42 | 仏検1級

今日はクリスマス・イブ。本来、仏教と神道の国にとっては、クリスマス・イブは宗教的な意味はもちませんが、今日を世界中の人々が幸せな気持ちでおくれますように。

さて、世界で一番高い都市はどこか? これは毎年話題になる質問です。2007年には東京はトップ10から滑り落ちましたが昨年は2位に復帰。金融危機に始まった米ドルの弱体化や世界の資金の流れはこのランキングに影響を与えたはず。最新の結果が明らかになりました。

Résultats de l’étude ECA International sur le coût de la vie pour les expatriés

アフリカのアンゴラのルアンダがインフラの高さからもっとも高い都市となりましたが、その次にランクインしたのは東京。事実上、世界でもっとも高くつく都市となりました。

一方、ヨーロッパではオスロが No. 1 の座に輝きました。世界ランキングでも東京に次いで第3位。昨年ヨーロッパ1位に輝いたモスクワは大幅に順位を落とし、世界ランキングも6位から24位に後退です。

来年はどうなるでしょう。

仏検1級2010 (4)

2009-10-11 09:50:42 | 仏検1級
Le Monde というと、政治や経済の話しかしない印象があるのですが、ウェブサイトを見ると、スポーツに特化したページがあるんですね。そこで、こんな記事を発見。

Le traitement de faveur d'Astana sur le Tour 2009

今年の Tour de France を制したのは、コンタド-ル。チームメイトの Lance Armstrong とともにチーム・アスタナに所属しています。国際自転車連盟がそのアスタナに好意をはかったというのが記事の内容。読んでみると、これが本当なら歓迎されない内容がいっぱい。

今年は確かにアスタナの強さが目立ちましたが、その裏にはこんなことがあったのかと納得したりして。クリーンなイメージを作ろうと躍起になっている Tour de France ですが、なかなかうまく行きませんね。個人的には、もはや自転車のロードレースの最高峰はイタリアの方かなと思ってます。

最後にもう一つ。

L'interdiction des oreillettes est "une hérésie totale"

イヤホン (des oreillettes) の使用を禁止しようという決定がされたとか。現在、選手のほとんどはイヤホンを受けて走っています。監督からの指示、レースの状況が、イヤホンを通じて伝わるようになっているのですが、これを世界自転車連盟は使用禁止とすることを決めたと記事は述べています。それに対する反論が上の記事です。個人的には禁止しなくてもいいじゃないかと思うんだけど。

仏検1級2010 (3)

2009-09-20 15:58:04 | 仏検1級
鳩山さんが第93代首相に任命されました。このことはフランスのニュースでも取り上げられています。民主党がマニフェストに掲げた内容も書かれているので、以下のリンクをぜひ音読ください。

Yukio Hatoyama investi nouveau Premier ministre

「investir」という動詞は「投資する」という使い方しか知らなかったのですが、別の使い方もあるのですね。

余裕がある方は次のリンクもどうぞ。

Des changements en perspective


Restaurant Kinoshita

2009-09-13 17:42:53 | 仏検1級
お嫁さんの誕生日をかねて、今年の五月にランチで訪れたフレンチに出かけました。場所は、代々木。午後の七時に到着すると、店内はほぼ満員。よく予約が取れたねと驚く彼女。

シェフお任せを頼んで、まずは白ワインを一杯。



オーストラリアではなく、欧州オーストリアで作れられた白ワイン。ブドウの品種は Sauvignon Blanc とのこと。若い作り手によるものとの説明がありました。微発泡。後味の甘さが、ポルトガルの Vinho verde に似ていると思いました。



ミューズはアンチョビとクリームチーズのカナペ。アボガドとバジルも入っていいアクセント。勢い、「飲んでくれ!
というシェフの気持ちが伝わります。もちろん、冒頭で登場した白ワインとぴったり。



二品目は牡蛎を使った料理。ジャガイモをそのままピュレにしたのではなく、燻製してピュレにしてあるのが味噌。最近、瞬間燻製の料理をちらほら見かけますが、流行なんでしょうね。おいしいです。



「ナスとコンソメのジュレ ガスパッチョ」

茄子がおいしい。秋の色を感じます。



「フォアグラのソテー コーンをひいて」というところでしょうか。フォアグラの下にグリルしたコーンがあるのがいいアクセント。コーンとフォアグラって合うんですね。玉葱のソルベもいい味出しています。



「穴子のソテー マスカルポーネチーズと大麦のリゾット」

穴子がかりっとした焼き上がりとさっぱりした味が新鮮で、あまり穴子派ではないぼくが、お嫁さんよりも穴子を早く食べるとい異例のケース。大げさに言うと、革命的なショックでした。



お口直しをしてからメインへ。

ちなみに、この日はブルゴーニュをお願いしました。

Savigny-les-Beaune
2002
Simon Père & Fils



「蝦夷鹿とフォアグラのパイ包み」

焼き上がりからおいしそうな料理は、お嫁さんの分。シェフお任せなので、別の料理にしてくれなんて頼んでいなかったのですが、シェフによると、変えた方が良さそうだったので別の料理を出したとのこと。この心意気がうれしい。



ぼくに用意していただいたのが、シャラン産鴨。赤い色がおいしそう。というか、本当においしかった。知り合いの鴨好きな友人に食べさせたかったくらい。



「桃のコンポートとそのジュレ」

季節を考えるとポピュラーなデセールですが、隣のテーブルに出されたのを見てしまったところでロックオン。期待を裏切らないおいしさ。



こちらは、お嫁さんの選択。グレープフルーツを使ったデセール。おいしかったのか、ぼくが勝手につままないとシェアしてくれませんでした。いつもなら、ぼくに半分くらい飛んでくるのになあ。

最後は、シェフとお話をしたのですが、ぼくたちがお酒を飲んでいるのを見て、いったいどんなワインを飲んでいるのかと気になさっていたとか。お酒を愛するシェフとしては、料理とワインのマリアージュを実現しなくてはという使命感のようなものがあったのでしょう。おなかいっぱいになりましたか? と気になさっていたのもとても印象的でした。

ワインもリーズナブルで、シェフお任せもお安く、現金払いではありますが、とてもありがたいお店。今度は、気になったボルドーを飲みにやってきます。

仏検1級2010 (2)

2009-08-09 11:55:51 | 仏検1級
夏といえば、花火、怪談などありますが、忘れてならないのが終戦。とりわけ、原爆が投下された歴史的悲劇は繰り返されないようにという願いが高まります。

Hiroshima appelle à un monde dénucléarisé

上の記事によると、オバマ大統領が11月に来日するそうですが、そのときに、歴代アメリカ大統領として広島を訪れるかどうかという疑問が投げかけられています。

個人的な予想としては、オバマ大統領はこの機会を逃しはしないだろう。つまり、広島を訪問するでしょう。広島・長崎の両方を訪問するかどうかは分かりませんが、どちらかは訪れるだろうと思います。

Epidémie de peste pulmonaire

肺ペストが発生したというニュースはグーグルで最初に知ったのですが、やはりフランスのメディアでも取り上げられています。この文章は文法的に大切なことが頻出します。たとえば、次の文章。

Le chien du premier homme mort de la maladie serait à l’origine de l’épidémie

「病気によって最初の犠牲となった男性の犬が伝染病の原因らしい」という文章ですが「est」ではなく、「serait」となっている点が重要。断定できるわけではなく、可能性としてそうらしいという推測の条件法が使われています。

ペストには三種類あるそうですが、最初の腺ペストの説明で「un ganglion」という単語が登場します。おそらく、この単語を知っている人はあまりいないでしょう。ぼくも辞書を調べて分かりました。「リンパ節」のことだそうです。

上の記事では、住民の脱出までは触れていませんが、肺ペストは頻度としては低いけれども、致死率は極めて高いため、現地では住民が脱出をしているとか。死者3名という数値が本当に正しいのか疑問は残ります。

仏検1級2010 (1)

2009-07-27 22:16:26 | 仏検1級
例年ですと、仏語検定の試験日程、勉強の段取りの話をするのですが、すでに何度もそういった話をしているので、今年は、そういった話は抜きにして、とにかくたくさん読むことを目標に記事を書きたいと思います。

ということで、まずは、サルコジ大統領が入院したというニュースから。

Victime d'un malaise, le président Sarkozy est hospitalisé

ジョギングをしている最中に気分が悪くなって入院したという知らせは世界中を駆けめぐりました。記事によると、サルコジ大統領は走ったり自転車に乗ったりというのを「欠かさず」(avec beaucoup d'assiduité) こなしているそうです。

Et, on le sait, le chef de l'Etat pratique avec beaucoup d'assiduité la course à pied et le vélo.

Versailles で週末は過ごしているというのもすごいですが、現場に奥さんがバイクで駆けつけ、その後、大統領はヘリで病院に輸送と大事件の様相だったみたいですが、幸い、迷走神経による体調の悪化で、運動をしすぎるとなるのだとか。つまり、あまり心配する状態ではなかったようです。

Nicolas Sarkozy se voit prescrire quelques jours de repos

要は、激務もあった中、暑いのにジョギングなんかするからくらっと来たというようですが、上のリンクを読むと医学用語がたくさん出てきて舌をかみそうになります。興味深いのは「MRI」をフランス語では「IRM」ということと、それが女性名詞であること。通常使う単語ではないので、使用語彙どころか、理解語彙にも入らない単語ですね。

ところで、そもそも「MRI」は何の略でしたっけ?

MRI = Magnetic Resonance Imaging
IRM = imagerie par résonance magnétique nucléaire

こう書いてしまうと、なんだか、時事用語の問題に使えそうな気もしますが、大切なのは読むこと。記事を音読してください。挨拶代わりに三回読むことをお勧めします。自信のない方は五回音読を! 記事の終わりの方にある

égratigner

という単語がとても気になりました。気になった方はご自身で辞書を引いてみてください。しっかり記事を読んだ人なら、引かなくても意味は分かると思います。。自信のない方は誤解音読を!

仏検1級2009(27)

2009-07-16 22:25:16 | 仏検1級
今週末は三連休ですが、仏語検定1級受験生の方にとっては二次試験日。一次試験を突破したことを喜ぶべきとは思うのですが、本当に喜べるのか微妙なラインですね。

でも、受験するのならやるしかありません。三連休の中ご苦労様です。というわけで、応援がてら二次試験問題を予想してみます。

(1) 環境問題
昨年モデルのではないかと予想に加えたのですが、やはり、つい最近サミットで環境問題が議論されたことを考えると、やはり、ねらわれるのではないかと考えるのが普通でしょう。こういうのはたとえ出なくても答えられるようにしておかなければいけません。競馬で言うところの本命馬。外せません。考えられる問題としては次のようなものでしょうか。

「イギリスで風力発電がスタートしているが、日本も自然エネルギーを使った発電を推進するべきだと思うか?」
「オバマ大統領は米国は戦略的に環境技術に投資していくと発言しているが、それに対してあなたはどのように考えるか?」
「一市民として環境問題に取り組むとしたら、あなたはどのようなことをするべきだと考えるか?」

(2) 豚インフルエンザ
しばらくこれだけで大騒ぎになりました。出題者の記憶に残っている可能性はきわめて大きいと見ています。二次試験の問題にはたしてできるかどうかは出題者の力量によるのではないかと思いますが、無理ではないはず。ぼくなら、「豚インフルエンザの国内の流入を入国で止めようという対策が取られたが、今後、このような伝染病が流行する場合に、どのような対策をとるべきだと思うか?」という質問をしてみるかな。

(3) 汚染牛乳
中国で汚染牛乳が発覚したという事件がありました。食料の安全性については考えさせられますが、これにからめて、食料の安全性に対して質問をするかもしれません。

(4) 金融危機
金融危機の結果、深刻な不況が広がっていますが、これに対して受験生はどう考え、どのようにアプローチするのか。出題者としては、興味深い問題になると思います。考えられる質問としては

「金融危機の結果、破格の賞与を与えるインセンティブのあり方に対して疑問が投げかけられるようになったが、あなたはそれに対してどのように考えるか?」
「金融危機から始まった深刻な不況は日本に打撃を与えている。とりわけ、輸出に頼ってきた産業は円高の影響を受けて業績が悪化している。内需拡大を日本は推し進めるべきなのか、それとも、従来の依存を継続するべきか?」
「金融危機のあおりを受けて、経営状況の悪化した企業が新卒採用の内定の取り消しを行って社会問題となったが、それに対してあなたはどう考えるか?」

(5) ハイブリッド車
最初のトピックとややかぶるのですが、ハイブリッド車の販売が国内で増えてきたことを考慮して、ハイブリッド車だけで問題が作れるのではないかとにらみました。予想される問題としては

「ハイブリッド車は本当にエコだと思うか?
「ハイブリッド車は静かだが、音がしないために危険な側面もあると言われている。ハイブリッド車が増えることに対してあなたは賛成か、反対か?

(6) 高速道路の値下げ
どれだけ走っても高速料金を1000円とするという措置が取られていますが、この功罪を問いただすというのは、ただタイムリーなだけでなく、フランス人が好む論理を組み立てられるかどうかを見るには格好の話題です。予想される質問としては

「高速道路料金の値下げにより自動車が増えて渋滞が生まれている。エコロジーに反しているという声も聞かれるが、この措置は価値があると思うかどうか?」

(7) 外国人労働者
中国に対して観光ビザの制限が緩和されました。一方で、出産率の低下から日本の人口が今後減ることが予想されています。労働力をどのように確保するのかというのは、エネルギーや食糧の確保と並んで国家として重要な課題ですが、ひとつの方法として安価な外国人の労働者を受け入れるという方法があります。移民の受け入れに対してどのように考えるのか、長い歴史を誇るフランス人なら、このあたりの問題は取り組みやすいでしょうから、ひょっとしたらねらわれるかもしれません。

みなさんの健闘を祈ります。

仏検1級2009(26)

2009-06-27 22:25:23 | 仏検1級
Michael Jackson の突然の死は世界中で大きなニュースとして取り上げられていますね。おかげで、大女優の死はかすんでしまった感がありますが、フランス語のサイトとしては、どう報道されているか興味深いところ。

Michael Jackson : les causes de la mort sont encore incertaines

上の記事はあちこちで語られている内容なので驚くことはないのですが、次の記事はびっくり。

Michael Jackson : ses fans japonais en deuil

日本のファンが喪に服しているという内容ですが、それがわざわざフランスのラジオ Radio France Internationale の記事に出るのが驚き。日本のことがフランス語の記事に載る内容というのは時々予想外なことがありますね。

仏検1級2009(25)

2009-06-23 22:14:56 | 仏検1級
仏語検定1級の一次試験は終わりましたが、二次試験までまだもう少しありますから、最後の追い込みをすることにしましょう。今日は、アメリカで起こった惨事に関する記事です。

Collision mortelle dans le métro de Washington

日本のテレビでは死者7名と言っていましたが、こちらの記事の方が情報が新しいのでしょう。死者は9名となっています。衝撃的な映像は1991年に起こった信楽高原鉄道の事故の映像に似ているような気もします。このときには死者42名を出した大惨事となりました。

ワシントンでの地下鉄事故は、幸い、ワシントン市中心へと向かう列車だったため、ラッシュアワー (heure de pointe) であったにもかかわらず、車内は混雑とはほど遠い状況だったようです。それが、比較的死者が少ない結果になっているのでしょうね。

ちなみに、列車という意味で使われている rame という単語ですが、Le Petit Robert によると

une rame; file de wagons attelés (surtout du métro)

とありますから、地下鉄の場合は un train ではなく une rame という言い方をするんですね。

詳しくは上のリンクをどうぞ。