フランス語習慣

仏検1級合格者によるフランスとフランス語のおいしい話。語学とフレンチに舌鼓。(Opera 推薦)

Bistro de la cité

2007-10-29 22:10:05 | 風水
台風一過の日曜日。東京は快晴。絶好の自転車日よりということで、明治神宮まで自転車で出かけました。いつもなら敬遠するお嫁さんも運動のために同行。

境内では舞が奉納されていました。そもそも、舞は神様に見せるもの。

明治神宮は外国人観光客にとって人気のスポットですが、ある日本人がお賽銭の前で次のように説明していました。

You have to pay...

「ここでお金を出さないといけない」と言っていたのでしょうが、ぼくは違和感を覚えました。というのは、お参りをする相手は神様であって、サービスではありません。サービスなら料金ですから、「払う」という動詞でもいいのでしょう。しかし、神社はあくまで神の社であって、ぼくたちは神様にお参りをするのです。お賽銭は感謝を示すものとして考えたい。別の表現をしたいとぼくが思いますが、プロの観光案内通訳の方はどのように訳しているんでしょうね?

明治神宮参拝の後は、西麻布の老舗フレンチであるビストロ・ドゥ・ラ・シテでお世話になりました。もう30年以上も営んでいる店内は年季が入っていて良い感じ。モダンな内装が好みの人には古いと感じるでしょうが、オーソドックスなフレンチを良しとし、それにふさわしい内装を好むぼくたちにとっては心地よい内装です。

お嫁さんはブーダンとポトフ。ぼくは自家製ハムと仔羊。仔羊はものすごいボリュームでした。

Leopard

2007-10-27 17:03:14 | マルチリンガルとPC
アップルが最新オペレーティング・システムを発表しましたね。Leopard という名前で、300以上の新しい機能を搭載していると言いますが、批判的に考えてみると

(1) 本当にそれだけの数の新機能が必要なのか?
(2) そんなに多くの機能を実際にマスターすることは可能なのか?
(3) 以前のバージョンと比べるとずいぶん機能が多いように感じるが、つまりは、以前のバージョンは機能の足らない欠陥品だったのか?

新しい OS の発売には必ずつきものですが、銀座のアップルストアでは雨にもかかわらず行列ができたとか。パソコンは夢中になる対照ではなくて道具にしか思っていないぼくは、並ばなくてもいいなじゃいかと思いますが、好きな人には待てないのでしょうね。

このブログの性格から話題を探してみると、

# Russian Localisation
Mac OS X Leopard is fully localised in the Russian language.

# Polish Localisation
Mac OS X Leopard is fully localised in Polish.

# Portuguese (Portugal) Localisation
Mac OS X Leopard is fully localised in Iberian (Portugal) Portuguese.

ロシア語、ポーランド語、そしてポルトガルのポルトガル語に完全ローカライズされたというのはすばらしいニューズです。マルチリンガルな人にとっては、デスクトップでもさらにマルチリンガルを追求する世界が広がりました。

また、フォントに Windows でも使われているマルチリンガルフォントである Arial Unicode が加わったことも、マルチリンガルという観点からはいいニュースです。

ただ、12,800 円という価格を考えると、ぼくとしては、しばらく待ちです。

なおフランス語の情報はこちら。「新しい機能」は「nouvelles fonctions」ではなくて、「nouvelles fonctionnalités」となっているんですね。

仏検1級2008 (8)

2007-10-25 22:36:20 | 仏検1級
久しぶりに仏検対策。ル・モンドの記事から。

収まりを見せたかと思われたサブプライムローンですが、ここに来てそのインパクトが激しく出てきているようです。

Les premières pertes de Merrill Lynch depuis six ans illustrent l'ampleur de la crise financière

「金融危機のインパクト」と言うと、「l'impact de la crise financière」と書いてしまいそうです。「l'ampleur」という単語が出てくれば洗練された印象を受けますが、自分で書いたら、きっとこの単語は出てこないでしょうね。

ちなみに、「サブプライムローン」はフランスでは「crédits immobiliers américains」と表現されることが多いようです。メリル・リンチが23億ドルという損失を計上しましたが、この知らせに

Cette annonce a attisé la crainte d'un choc financier violent et durable outre-Atlantique.

「attiser」とは「ranimer」だそうです。つまり、この知らせで危機感が再び募ったとのこと。今年いっぱいはこの影響は続きそうですね。

Le Tour de France 2008 veut innover

世界最大のロードレースの一つと言えばジロ・デ・イタリア以外にツール・ド・フランスが挙げられます。個人的にはジロ・デ・イタリアの方が好きですが、やはりネームバリューとしてはツール・ド・フランスの方が有名ですよね。

2007年はロンドンから始まったこと、そして、マイヨ・ジョンヌを着ていた選手が失格したことで話題を集めましたが、2008年はさらなる改革が行われるようです。ドーピングに対する対策はもちろんですが、ブレストを出発と、スタート地点から変更ですが、通常、アルプスからピレネーに入るところが、先にピレネーに入ってからアルプスに行ったり、フランス以外では今度はイタリアを少し通過するとか。

ううん、どうなんだろう……

たつみ寿司

2007-10-22 22:42:43 | グルメ
結婚してからというもの、ますます福岡に愛着を覚えていますが、先月、久しぶりに福岡に戻りました。以前は福岡に戻ったら必ずラロシェル福岡に行っていたのですが、最近は、それに加えて「たつみ寿司」にお世話になっています。といっても、常連さんと比べると本当に少ない回数で、それなのにいつもよくしていただいて本当に感謝しています。

前回に引き続き、今回もカウンターに座って食べるものはおまかせをして、お酒を交えての楽しいお話となりました。



マグロの脂を使った小皿。意外とすっきりしていて、脂身が苦手な人にも楽しめます。そして、脂なのにマグロの味がするところが不思議。



福岡に来たら絶対食べたい胡麻鯖鯖。東京で鮮度の高い鯖にお目にかかることは本当に限られているので、「鯖でも出しましょうか?」の言葉に家内も大喜び。



ポン酢でいただく定番のふぐ料理。進め、進め、お酒くん。



あぶり物をいただきました。ポン酢の後のあぶりものって、タイミングがいいですね。航田さん、ありがとう。



なんだったか忘れてしまいましたが、右のお魚のかりかりっとした食感がおいしかった。



確か、ナマコの内臓。聞いただけで気絶しそうな人もいるでしょうが、食べてみるとなかなか美味。イカの塩辛に似た磯の香り。でも、それよりはマイルド。やはり、お酒のお供。



この日で一番うれしかった料理。「土瓶蒸し」とは秋の香り。おいしい食べ物をいただく醍醐味に季節を味わうというのがあります。ジビエもしかり、この土瓶蒸ししかり。柚子を搾っていただきましょう。



らっきょうをあぶってお味噌でいただくという趣向。



げそのあぶり焼き。美味、美味、美味! 辛口の日本酒と一緒に。



卵焼き。通の振りをするために、まずは卵焼きから入るという人もいるようですが、職人さんを前に無駄な抵抗はやめましょう。見栄を張るなんてやめて、出されるお皿にまっすぐ向き合いたい。



何だったかな? 右の青い物はガリです。



海ぶどうと一緒に。お洒落ですね。

寿司が世界的に有名になったのは、そのユニークさだけでなく、芸術的な要素もあると思うのはぼくだけではないでしょう。シャリとネタというという単純だけれども無限の可能性を示す組み合わせ。二つの要素が一体となったとき、まるでデザイン作品のように色彩とフォルムを使って創造性が試される。それがお皿という器の上でどう鎮座するのか。



白身の後は光り物。リズムがありますね。



そして、あぶり物。



締めはカクテルで。イクラが美しい。

今回も気づけば最後のお客さんになってしまい、やはり、みなさんで乾杯をして楽しく過ごしました。店長さんを中心にまとまった職人さんのプロ意識が心地よく、まるで仲間のようにくつろぎ、はしゃげるお店というのは本当にありがたい。また来ます。

【たつみ寿司】
〒810-0072 福岡県福岡市中央区長浜2-4-134
092-715-8139

バゲット

2007-10-20 10:08:33 | Francais
最近食べ物のことばかり書いてしまって、フランス語習慣から遠ざかっていますが、フランス料理はフランス語文化の一部と言うことでご勘弁ください。とはいうものの、少しはフランス語に触れてみようと言うことで、今日は Le Monde の記事から。

ご存じのように、フランス人に取って欠かせない物といえばバゲット。これを切らしたら一家の主婦にとってはピンチです。

今でも覚えていますが、あるホストファミリーのお母さんが、小さな悲鳴を上げたので何事かと聞いたら、

Il n'y a plus de pain !
もうパンがない!

五人家族だとあの長いバゲットは一日で日本くらいはなくなります。バカンス好きのフランス人の中にあってパン屋さん (boulangerie) は働き者で、いつも朝早くから営業しています。そこで、毎日新鮮なバゲットを仕入れるのは主婦の大切な仕事なのです。

パン屋に行くと分かりますが様々な種類のパンが売られています。中でも、バゲット (une baguette) は代表選手で、日本ではちょうど白米にあたります。切ってみると確かに断面は白い。しかし、白いパンには栄養素はあまり含まれていません。これは白米と玄米の対照に似ています。白米=バゲットという方程式は限りなく等しいのです。

Baguette grise contre baguette blanche

そこで登場するのが上の記事ですが、玄米に近いパンも売られていますが、話題になっているのは栄養価を高めた灰色のバゲット。腹持ちもよく、原料の栽培では殺虫剤も使われていない。栄養価に関しては繊維、マグネシウム、ビタミンCが多い。それを白いバゲットと同じ価格で売れ!

もちろん、反対運動はあるようです。腹持ちが良いのを同じ値段で売れば、消費量さらには消費金額が減るのでパン屋のビジネスにとっては打撃。そういうのは高い値段で売るべきでしょう。

もう一つは味。いくら健康に良いとファンファーレを鳴らしてみたところで、白米と玄米のようにおいしさを考えると多くの人が白米にとどまるのと同じで、多くの人は白いバゲットにとどまると思います。ぼくもフランスに行ったら間違いなく白いバゲットを買うでしょう。

右の写真はパリのパン屋「Bechu

118 av Victor Hugo 75016 Paris
Métro: Victor Hugo (Ligne2)

X02HT

2007-10-19 21:50:03 | 男の道具
かねてから注目していた携帯電話の販売が始まっていました。日本ではあまりポピュラーではありませんが、Windows Mobile 6 を搭載したスマートフォンです。

HTC製のストレート型Windows Mobile 6スマートフォン「X02HT」、9月22日発売

「マスターガイド」やノベルティプレゼントも──「X02HT」のタッチ&トライキャンペーン

Windows Mobile対応の「X02HT」、新規の新スパボ加入で実質負担は2万円弱

店頭で自慢の BlackBerry 型キーボードをさわってきましたが、思ったよりオモチャっぽいつくりになっていてがっかり。いいマシンなら乗り換えも検討する必要があるかもと思っていたのですが、その可能性は吹っ飛んでしまいました。残念……

その一方で北米で販売になった iPhone をめぐってノイズがあがっています。

「Appleに未来はない」、iPhoneロック解除問題への対応に痛烈批判

世界のビジネスでは、ロックフリーという形が通常の販売です。これは、DoCoMo や Softbank といった通信会社との契約は個人が自由に行い、購入した携帯にどの通信会社を乗せるかというのは個人が自由に決められるというものです。

一方、日本では、通信会社が力を持ち、たとえばDoCoMo 系の携帯を買っても他社の通信会社ではその携帯は使えないようにロックがかかっています。

アップルは通信会社ではなく、携帯というハードウェアを売る会社ですから、本当にアップルが携帯ビジネスで成功を収めたいのならロックフリーにして、iPhone がどの通信会社でも使えるようにするべき。これはぼくの考えでもありますが、世間の一般的な反応も同じようです。

でも、アップルにはそれが分からないようです。また、かつての失敗へのロードに向かっているのでしょうか?

Bretagne

2007-10-18 07:31:27 | Francais
Bretagne といえばフランス北西部の地方。ケルト系の民族が住み、彼らは Breton と呼ばれ、フランス語とは違った独自の言語を持つことでも知られています。

先日、NHK が放映していたテレビを見ていると、この地域の食べ物や人々を紹介していたのですが、気になったのがアナウンサーの発音。通常、Bretagne は

ブルターニュ

と発音するのが決まりとなっているのですが、この男性は

ブリュターニュ

と発音していました。綴りを見る限り、そんな発音になるわけもありません。もし、この発音にしようと思ったら

Brutagne

となってないといけません。いやいや、聞き間違ったのかもしれないと何度も注意深く聞いてみたのですが、やはり

ブリュターニュ……

なんだか複雑な気持ち。NHK のアナウンサーがこれをやってはいかがなものかと思いますが、音としてまずなんだか変で、なんとも言えない違和感が残りました。

アラジン

2007-10-13 23:58:13 | グルメ
東京でいくつのフレンチがあるのか考えると想像もつきませんが、おいしいフレンチとなるとやはり限られてきます。その中でも、オーソドックスな料理を出してくれるお店となると、さらに数は限られてきます。今夜は、広尾の老舗フレンチレストラン「アラジン」にお邪魔しました。近いから行きたいと思いながら、気づいてみたら二年間も来ていなかったことに驚き。人生は短いんだから、いけませんな~。

お店にはいるときに、調理場で準備をされている川崎シェフやスタッフの方を目にすることができるのがうれしい。お嫁さんはシェフに手を振っていました。

クラシックな店内に案内され、テーブルについてメニューを眺めます。一部にはこの内装を批判する人もいるようですが、ぼくたちはこれだ好き。パリで入った有名なレストランに似ているんです。

食前酒は取らず、料理に直行することになりました。選択は三名とも「Menu A」。前菜が三品、メインディッシュ一品、そして、デザートが二品というコースです。



ホロホロ鳥とフォワグラと石川芋、ゴボウのガランティーヌ
Galantine de pintadeau, foie gras, girolles

ホロホロ鳥が好きなぼくにとっては、諸手で万歳の料理。ホロホロ鳥の味がうれしい。ゴボウと里芋(石川芋)がホロホロ鳥で包まれていますが、丸い円のうち大きい方が里芋、小さいのがゴボウ。もちもちした食感が共通していてとてもいいアイデアだと思いました。

秋はジビエの季節。同時にキノコの季節でもあります。この品でもキノコが使われていますが、すぐには分かりません。実は里芋の周りにある黒い部分がそうで、「トランペット茸」というもの。黒いトランペットのような形をしているキノコだそうです。別名、「死者のトランペット」(仏語では trompette de la mort または trompette des morts)。でも、ぼくたちぴんぴんしています。

添えられている緑の一つはオクラ。オクラが好きなぼくにはたまりません。

料理全体としてはさっぱりとして、さい先の良いスタートです。



ホタテ貝とセップ茸のキャベツ包み蒸し 柚子とオリーヴオイルソース
Chou farci de noix de St-jaques et cepes

写真からはホタテ貝は見えませんが、これは、キャベツで包まれているからです。フォークを使って切ってみると登場したのは立派なホタテ貝と、添えられたセップ茸。このキノコはフランス人にとっては松茸のような存在で、フランス滞在中に市場で見かけると、いつも感嘆の声。でも、当時は高かったので一度も食べませんでした。

味付けとしては薄味。それを完璧な物に仕上げているのが柚子。これも季節感たっぷりです。ほのかな柚子の香りキャベツとホタテ貝をよりおいしくしていました。これには、テーブルの三名は絶賛。かけすぎると和食になってしまうのでしょうが、フレンチにとどめているところが絶妙です。



毛蟹のリゾット
Rizotto de Crabe

メニューの三品目は定番と言えるリゾット。お嫁さんによると、以前は「フォアグラのリゾット」だったとか。川崎シェフのフォアグラを食べたことがありますが、マディラソースが最高で、ぼくは、その一品で川崎シェフの底力に開眼。

毛蟹のリゾットに話題を戻しましょう。まず印象深かったのは豊かなカニの香り。温かいお皿だけに、カニの香りはとても大切。身もしっかり入っていて、甲殻類ファンにも満足できるでしょう。お嫁さんと尾本建ちはリゾット好きなので、ものすごいスピードで食べてしまいました。

なお、写真で鮮やかに写っている緑色の野菜は「金針菜(きんしんさい)」。百合の花です。

メインは本日の肉料理「蝦夷仔鹿の背肉ステーキ (Dos de Chevreuil poêlé)」。写真が小さいのは痛恨のミス。ピントがずれてぶれて大きいサイズでは使い物になりませんでした。おいしかっただけに残念です。それくらい、写真を撮るのはいいから早く食べたかったということでしょうか?

ジビエの季節はまだ始まったばかりで、ようやく手に入ったばかりの素材とウェイターさんの説明。牛肉のような肉らしさと、ジビエらしいコクがぼくは好きなのですが、それが早くも味わえるというのはうれしい限り。ジビエはシェフの仕込みの技も問われるので、それも楽しみではあります。

黄色いのはセロリのピュレ。お肉はフィレと脂身が多めのロースと二つの部位が提供されていました。女性陣はロースをあっという間に平らげご機嫌。この辺りで最初にお願いしたワインを空けてしまい、決断を迫られることに。ジスクールなのでグラスでもよかったのですが、気になっていたワインがあったので、次のボトルに独断で移行です。



今回お供をしてくれたワインは次の通り。

Vieux Château Saint André 2002
Château Chasse Spleen 2002

最初の方はサンテミリオンからポムロールあたりの地域でつくられた赤ワイン。果実味の強い香りとは裏腹にサンテミリオン特有のタンニンの主張が特徴的でした。開きが非常に早く、テイスティングの段階で、空気を取り込むと香りに変化が見られました。

ちなみに、赤ワインを飲むときにくるくると液体をグラスの中で回している人がいますが、やり過ぎには気をつけましょう。本来、テイスティングで回すのは空気とふれあわせることで味や香りがどう変化するかを見るためです。ワインを飲むときは、時間とともに空気とふれあうことで味が変化していきます。それを予見するためにぐるぐる回しているのです。

もし、とても良いワインを飲む場合には、デキャンタージュをして空気に触れあわせますから、グラスでワインをくるくる回す必要はありません。実際、フランスでそんなことしている人は見たことありませんでした。かっこいいと思ってしている人は直ちに改めましょう。

で、二つ目のワインはムーリス (Médoc en Moulis) のもの。場所としてはマルゴー (Margaux) に近いのですが、それもあってか、カベルネ・ソーヴィニョンが73%と高め、メルロが20%と続きます。クリュ・ブルジョワ・エクセプショネルという格付けもあり興味深いワインでした。

香りは非常に蝋のにおいが強く、最初のワインと比べると開くまでに時間がかかりました。しかし、スパイスな味は蝦夷鹿にはぴったりで、特に女性陣にはこのワインは好評でした。確かに開いてからはしっかりとした感覚が頼もしく思えました。



お嫁さんは遠慮したのですが、彼女の友達とぼくとは大好きなロックフォールにシフト。ご親切にも、二つのロックフォールを用意してくれました。

(1) ガブリエル(右)
(2) パピヨン(左)

おいしかったのは左のパピヨン。舌に載せた時点で既に溶けています。柔らかさ、そして、塩味のうまみ。ウェイターさんと一緒にしばしロックフォール談義で盛り上がり。こういうの楽しいです。



「ひとつめのデザートです」と言う言葉で、二つもあるの? と驚いた一行ですが、最初に登場したのは「パッションフルーツと梨のスープ&ポワールウイリアムシャーベット (Soupe de fruit de la passion et Nashi & Sorbet au poire Williams)」。フランス語の方を見ると忠実に内容が表現されていますが、パッションフルーツのスープに和梨を使ったデザート。上に洋なしのウィリアムがシャーベットとして添えられています。

口直しのような爽快感がテーブルでは好評。ぺろりと食べてしまいました。



無花果のアーモンド風味ガレット&バニラアイス
Galette de figue et a l’amande & glace aux vanilles

無花果(イチジク)は今の季節を表していていいですね。料理のいい点は、料理を通して季節を味わえること。そういう点では、四季がはっきりしているフランスや日本は料理大国として地理的条件が整っているといっても良いでしょう。

アーモンド風味のガレットが濃厚でご機嫌。しかし、重くなりそうなガレットを冷たいバニラアイスが打ち消すという関係。料理でバランスというのはとても大切ですが、デザートも同じです。

6時半からお邪魔して、気がつけば10時過ぎ。ひょんなことから隣のテーブルの方と少し会話、その上、川崎シェフのフランス語がしっかりした発音だったという発見もありの楽しい時間。温故知新という言葉がありますが、本当に川崎シェフの料理は外せないと深く自覚した次第です。

今度はもっと頻繁に通って覚えてもらいたいです。

ラロシェル福岡

2007-10-12 13:13:20 | グルメ
先日、お久しぶりにラロシェル福岡にお邪魔しました。実に9ヶ月ぶりとなった今回の訪問。支配人やシェフを始め、お店を支えるスタッフのみなさんにまたお会いできて本当にうれしかったです。いつも変わらないホスピタリティ。家族のような温かさでもてなしてくれる心意気にただただ感謝。



今日はワインの紹介から始めます。いつも、ここでお世話になるときは白と赤の両方をお願いしています。白はぼくたちの好みを考慮して、Chardonnay でもさっぱりした風味を用意してくれる支配人。今回も、不思議な白でした。

注目の赤は Château Grand Pontet 1997 という一本。サンテミリオン特別級と言えば立派なワイン。ラベルを見たところから喜んでしまいました。

色は土色に近づき、土の香りが確認できました。テイスティングをして最初に思ったのは「丸い」。サンテミリオンの特徴はタンニンの苦みです。これが若いワインやあまりよろしくないワインだとタンニンが暴れて、苦みの刺激が強すぎるのですが、このワインでは、タンニンは成熟につれて丸みを帯びており、大人の正統派のサンテミリオンという感じでした。



料理の方は、冷たいお皿から始まることを予想していたのですが、登場したのは温かいお皿。「キノコのポタージュ」はキノコの風味をできるだけ生かそうと一手間かかった会心の作。真ん中に浮いたトリュフがきれいですね。



最初が温かい皿なら、次こそは冷たいお皿だと予想を立てていたのですが、登場したのはホタテを使った料理。この日、福岡はまだ残暑厳しく、九月末なのに最高気温は30度に届くかという始末。涼しげな料理はうれしい。

立派なホタテを使った料理は酸味がきいて、さきほどのクリーミーなポタージュとの対照がいい。メリハリをつけるところは菅原シェフの得意とするところです。下手な結婚式に行くと、これが一本調子になるのでがっかりしますが、菅原シェフならそういう心配は不要。信頼できるというのはありがたいことです。



ぼくが久しぶりに来福ということもあり、シェフが考えてくれたのがぼくの大好物を使った一品。エビが好きなぼくにとってはありがたい限りのラングスト。このお皿の上に伊勢エビが全開していると言っても過言ではありません。

菅原シェフによるとグリルすることも考えたそうですが、できるだけ多角的に味わえることを考えたらこの形になったとか。伊勢エビの脳みそはソースとして使われています。

絶妙だと思ったのは、この料理は白ワインでも赤ワインでも両方で楽しめたこと。最初の二皿は間違いなく白ワインを飲んでくれという料理ですが、このお皿はどちらでも行けるお皿。いわば、白ワインと赤ワインの架け橋になっているようなお皿です。

後で菅原シェフが教えてくれたのですが、ソースはまるでスープのようになっています。実は、このスープは、最初のお皿でプレリュードを入れて、その上でここに持ってきていたのだとか。そういえば、前にも、そういう仕掛けをされていたのを思い出しました。



この後、もう一皿来るのではないかというのがテーブルの三人の予想でした。ぼくはフランス料理を楽しむ上ではサスペンスが大切だと思っています。次は何が来るんだろう? というのがサスペンスの意味するところですが、これがわくわくするわけです。

料理のはじめに支配人が今日は何が来ますかね? と意味ありげにおっしゃっていたので、ひょっとするとメインがどんと来るかもという可能性もあったのですが、果たして登場したのはお口直し。「シャンパーニュのシャーベット」。これで、次の方向性が決まりました。大きいのがどんと来る!



登場したのはピジョン。つまりは、鳩です。今年初物のようで、本当に貴重な機会に恵まれました。一人一羽という贅沢はなかなか味わえません。しかも、全部入り。お肉に内臓はもちろん、足もついてました(笑)。

きわめて美味だったのが、肝臓。これを食べた後に Château Grand Pontet 1997 をいただくと、相性は最高で、ワインは進むばかり。量も手伝ってしっかりお腹いっぱいになりました。



その後、チーズをいただいたのですが、ロックフォールの状態が非常によく、お嫁さんの友達とロックフォール談義で盛り上がり。ロックフォールがあまり得意でないお嫁さんは苦笑い。

しかし、いくらチーズを食べても、デザートを食べなくてはディナーを終わることはできません。 梨を使ったデザートが登場。丸いのが梨ですが、さっぱりとしてたまりません。



もうお腹いっぱいと思ったところ、支配人が特別に腕を振る舞ってくれることに。オレンジを使ったクレープです。オレンジソースに見える細い切れ端はオレンジピール。そう聞いただけでおいしそうと思うファンもいるでしょうが、確かにおいしかったです。

最後はコーヒーまでいただいてお腹いっぱい。おいしい料理とすばらしいおもてなしに長居をしてしまい、気づけば11時半を回っていました。いつも遅くなってすいません。でも、本当にありがとう。感謝、感謝です。



ATOK 2007

2007-10-08 22:51:54 | マルチリンガルとPC
今更という気もしますが、このたび、日本語変換エンジンをアップデートすることにしました。基本的に Windows XP 環境なので、アップデートしたのはATOK 2007 です。

ご存じかどうか分かりませんが、日本語変換エンジンは毎年アップデートされます。そんなに毎年アップデートする必要があるの? と思うのはぼくだけではないでしょうが、ユーザーとしては、どんな進化をとげるのか楽しみではあります。ただ、実際には、購入は二年に一度でいいかなと思っているのですが、現在使っているのは ATOK17 。なんと三世代も前!

これは古いというわけで、購入ボタンをクリックしたわけです。

今回は、Windows XP と MacOS X で使用できるように Windows + Mac のセットをお安く購入しました。最近はできるだけパソコンにお金を使わないようにしているのですが、ユーザー優待で 8,400 円ならいいでしょう。これであと二年はがんばります。