みじんこのつの

雪の降る町に生まれ、
雷の多い町で育ち、
花の名前の町に住み、
山の上の小さな病院の、
小さな存在の日記です。

NICU最後の4日間

2011-03-31 23:54:48 | Weblog
月曜日は私の担当の赤ちゃんのope。
朝から早起きして、ope出しの準備したりいろいろ。
opeして、opeが終わって、
具合の悪い赤ちゃんを何とか立ち上げようせっせと管理。

当直して、火曜日は夜に家に帰りましたが、
当直のホワイト君にお願いしていた23時の採血フォローで、
冷や汗が出るようなdetaだったため病院に戻り、
検査したり治療を更に強めたりしてもう一泊。

水曜、くたくた。
赤ちゃんは復活。
鎮静剤もoff。
チュパチュパと可愛いサッキングを見て、涙する。
夜申し送りに来てくれたおちびまるちゃんに、
熱い申し送りをする。


木曜は、最終日。
ナースの方々から、素敵なお花をもらったり、
Dr.同士でお手紙やプレゼントの交換をしたり、
必死で申し送りやサマリーを製作。

素敵な優しいお手紙を皆様から頂き、
感激でした

opeした赤ちゃんのママからもお手紙をもらい、
有難い言葉を頂いて、本当に嬉しかったです

「また、戻ってきてね。」
「本当に行っちゃうんですか?」
と嬉しく切ない言葉を頂き、暖かい日でした。

opeした赤ちゃんに、
元気でね、絶対良くなってね、ママのおっぱい飲もうね、
と話しかけて別れを惜しんでいたら、
赤ちゃんはニヤリと笑ってくれました
そんな顔見せられたら、泣き虫な先生はまだ涙です

ありがとう、素敵な笑顔をありがとう。
嬉しいこといっぱいありがとう。
あなたとの2ヶ月半は、戦いの日々でしたが、
一緒に頑張ってくれてありがとう


NICU生活、終了しました。

この一年、いろんなことがありました。

辛いこともあったけれど、
過ぎてみれば全部自分のためになってる。

そして、一緒に頑張った先生方との素敵な信頼や熱い思いや、
沢山の育っていった赤ちゃんたち、愛する可愛い子たち、
素敵なご家族の優しい言葉、笑顔が、
心に残ってる。

ありがとう、という気持ちでいっぱいです

この世の中に、
たくさん大切な人がいて、
幸せを願う人がたくさんいるということは、
本当に幸せなことです。


最後に、大晦日に亡くなった、
私の大事な赤ちゃんへ。

赤ちゃん、天国で元気でいますか。
雲の温かいベッドで、柔らかい可愛い手足をパタパタさせていますか?
強くて優しいあなたは、
きっと神様のそばでいっぱい愛されていることと思います。

赤ちゃん、雲の下で、
私はずっとあなたのことが大好きだよ。
幸せを祈ってるよ。

ちっちゃな赤ちゃんの退院

2011-03-17 22:07:50 | Weblog
とりあえず、うちの病院は21日までは計画停電されないことになりました。

新生児トップのママ先生は、
早速福島医大などにメールをし、
搬送などの相談をしていました。

福島医大のヘリは、燃料不足でもう飛べないらしいです。
ミルクも足りなくて大変らしい。

ああ、なんとかしてあげたい。



今日は、私の可愛いちっちゃな赤ちゃんの退院日。
生まれたときから、今まで、
可愛くて可愛くて仕方なかった。

ママもパパも、赤ちゃんも大好きで、
さみしくて、でも嬉しかった

昨日、別れを惜しんでいたら、
にこっと満点の笑顔を見せてくれました。

そんな笑顔見せてくれたら、
もう私は涙目です

昨日の夜当直中に、
赤ちゃんのノートにお手紙を書きました。

赤ちゃん、退院おめでとう。
すくすくと育ってくれてありがとう。

赤ちゃん、いっぱい親孝行して下さい。
お話が出来るようになったら、
ママとパパに「ありがとう」と言ってね。

昨日から、何度もぽろぽろ泣いていた可愛いママ。
今日もぽろんぽろん泣きながら、
しっかりと赤ちゃんを抱っこして、
何度も何度も振り返って手を振って帰って行きました

ママはお手紙をくれました。
読んでいるうちに、一緒に乗り越えた日々が思い出されて、
胸がいっぱいになりました

どうかどうか、幸せに
本当におめでとうございます

ありがとう

2011-03-16 23:03:45 | Weblog
400g台で生まれたちっちゃな赤ちゃん。
明日退院することになりました。

地震の影響によるガソリン不足のため、
ママが病院に来られなくなってしまうので、
退院日を少し早めました。

さみしいけれど、嬉しい。
さっき、別れを惜しんで抱っこしていた時、
にこっと笑ってくれました

すごいね、赤ちゃん。
あっという間に大きくなったね。
初めて会ったときは、本当に小さかったのに。
すくすく育ってくれてありがとう。

生まれた瞬間から、今まで、
本当に可愛くて大好き。

どうかどうか、素晴らしい家族と幸せに暮らしてね

明日、私は泣かずにお見送り出来るでしょうか。

明日の計画停電は12時からなので、11時にorder stop。
私にゆっくりお別れする時間はあるのでしょうか。

早起きしてお仕事しなくちゃ!

計画停電

2011-03-16 22:50:24 | Weblog
月曜日から始まった計画停電。
本当にぐったりしています。

計画停電への対応で、
仕事がとても忙しいです。

今はなんとかぎりぎりでやっていっているけれど、
NICUや地域の大きなICUを抱えたうちの病院で、
こんなことされたら人が死んでしまう。

検査ができなかったり、
それなのにたくさん入院が来たり、
貴重な自家発電(生命維持装置と非常灯)の燃料がなくなっていったり、
心配が多いです。

福島のNICUの子たちとか、難を逃れてきた人たちを、
受け入れたいのに電気を切られてしまう。

病院というライフラインは、
なんとか保ちたいです。

今日の夜は、自家発電の切り替え作業時に、
予告なしに一瞬、非常灯まで全て消え、
真っ暗な中みんなでNICUへ走るという事件がありました。

幸い呼吸器に問題は起こりませんでしたが。

明日病院長が、なんとか病院は外してくれと、東京電力に訴えてきてくれるらしいです。

助けられる赤ちゃんが危険にさらされるのは、本当に我慢がなりません。


今日は当直。
地震が起きるたびに、NICUへ走ります。
もうこれ以上地震起きないで。

双子祭中

2011-03-13 18:55:36 | Weblog
当直しています

もう病院も通常通り。
いつも通りの生活です。

この週末から、赤ちゃんが手をつないでやってきました。

金曜日、双子+バックトランスファー+母体搬送からの入院。
土曜日、双子。

何故か外科疾患が続き、
opeが多いです。

そして、月曜日も、火曜日も双子が来るでしょう。(予報)

祈って、明日へ

2011-03-12 23:18:58 | Weblog
昨日と今日で、もう何回揺れたんだろう。

今日はお休みだったので、
家を掃除したり、食料を確保したり、ガソリンを入れたりしていました。
そして、確定申告と、専門医のレポートを作成しています

今日当直の旦那さんによると、
院内のコンビニが何にもなくなってしまい、
出前もやっておらず、近くの牛丼屋も品薄で開店休業状態。
病院は食料難だそうです。

明日は当直なので、
食料をいろいろ持っていきます!

私が住んでいる地域は、今日はもう、揺れはするけれど、街の様子は通常通りです。
スーパーで売れるものが、いつもと違うくらいです。


妹の病院は病院が壊れてしまい、患者さんの搬送で大変だったそうです。
実家の一番近くの総合病院も、あちこち壊れてしまい、救急が出来ないらしいです。
仙台にいるおばちゃんは、家は無事でしたが、勤め先の病院は被害にあったようです。

本日の私に出来ることは、節電!!
電気は自分のいる部屋だけにして、厚着して暖房は使わない!
電気を消すために、もう寝る!

そして、明日も職場で頑張ることが、今の私に出来ること。


地震の後

2011-03-12 14:45:19 | Weblog
地震の中でも、
ふたごちゃんの切迫早産のお母さん来院。

夕方c/s。


そして、同じく夕方、赤ちゃんが重症さんの母体搬送の依頼。

交通がちゃんと機能していないらしく、
母体搬送はえらく時間がかかりました。

みんなで夜遅くまで残って、
外科の先生も病院に泊まり、
その子もc/s。

家に帰れなくなったお母さん達もいて、
病院の待合室は、病院に泊まるご家族に毛布を配り、
避難所のようになりました。


大変な一日でした。
その赤ちゃんが落ち着いた0時過ぎ、
旦那さんと一緒に家に帰りました。

幸い水・電気は大丈夫でした。
ガスは地震を感知して止まっていましたが、
復旧ボタンを押したら治りました。

家の中はいろいろ落ちていたり、倒れていたり、タンスが開いていたり、
デスクトップのパソコンが机から落ちていたり(一部破損しましたが、使えます。)、
棚が10cmくらい前に進んでいたりしました。

食器棚は、地震対策のもの買っていたので、
食器は無事でした。

調味料は、みんな仲良くひっくり返って下に落ちていました。

このくらいで済んでよかった。

夜も何度も余震が来ました。

午前4時頃に、家族・親戚みな無事ということがわかり、
ほっとしました。

早く完全に地震が止まりますように。
これ以上被害が出ませんように。

地震の時

2011-03-12 13:51:41 | Weblog
地震の時は仕事中でした。

昨日はうちの子がオペだったので、
外勤を代わってもらって病院にいました。

オペが終わって、オペ後のこといろいろ済ませて、
一段落ついたときに、地震がきました。

いつものように、スタッフみんなで赤ちゃんのベッドと呼吸器を押さえ、
モニターが倒れないようにしました。

でも揺れがいつもの小さい地震とは違った。

どんどん強くなって長くて、
包交車とか、処置用カートとかが流れました。

カメキチ先生が、「お母さんたちはテーブルの下に潜って下さい。」とか、
周囲をみて的確に指示を出してくれた。

私が抑えていたオープンクベースの、お風呂上りのはだかんぼうの赤ちゃんは、
目をぱちくりしてた。

私の後ろのカラス窓(内開き)が開いてしまい、
カメキチ先生が、「砂糖ちゃん、後ろの窓開いてる!気をつけて!」と言ってくれた。

でも、呼吸器やベッドを押さえている私には、
窓を押さえる余裕がなくて、
はだかんぼうの赤ちゃんのお母さんがテーブルから出てきてさっと窓を押さえてくれた。

すごく、長く感じた。

揺れがおさまって、医療機器の点検をして、
ラウンジにテレビを見に行ったら、
大変なことになっていた。

父母は、妹は、弟は、
宮城のおばちゃんは大丈夫か。

不安でいっぱいでした。

双子祭再来

2011-03-07 22:27:06 | Weblog
今週末から双子祭再来

今週末から来週まで双子の予定c/sがぎっちり…

双子は半分以上の確率で入院が必要です。

それなのに、何故か双子たちはみんなそろって同じ時期に産まれたがる

小児科医泣かせです