goo blog サービス終了のお知らせ 

やるぞ!30代で貯金1000万円!30歳からの「お金の」哲学

2009年1月現在貯金額100万円である自分が、さらに貯金をふやそうと日々孤立奮闘するさまを記録する(予定の)日記です。

今、再びマルクス人気か

2009-06-26 23:18:31 | 世界経済
少し前まで小林多喜二の『蟹工船』がブームになっていたと思ったら、今度はマルクス関連の本が売れているそうです。米国が主導してきた自由放任型資本主義が金融危機を生んだことで、資本主義そのものの見直しが迫られ、ここにきてマルクスが再び見直されるようになっているようです。

マルクスは資本主義を分析し、その結果を『資本論』で著すことで、資本主義が矛盾を内包していることを明らかにしました。この本は第3部にわたる膨大な著作であり、ふつうの人が全部を読破するには半年くらい、もしくはそれ以上かかるようなので、この本にまじめに取り組むには、時間がある人でないとむずかしいでしょう。というわけで、ここで資本論において述べられた彼の論理のさわりの部分をものすごく簡単に要約してみますね。

資本家(企業経営者)は労働者を雇い働いてもらって賃金を与えるわけですが、労働者が受け取る賃金は、彼が働くことによって作り出されたモノの価値よりも少なくします。そうすると労働者が働くことによって資本家が得られる富は、労働者自身が手に入れる賃金よりも多くなります。これを「剰余価値」と言います。(労働力が生み出した価値-不当に低く抑えられた労賃=剰余価値)そしてこの剰余価値を資本家が手に入れます。この剰余価値が蓄積されていくことで、資本家は労働者への賃金として投資した資金を回収し、しだいに剰余価値が時間とともに蓄積されることによって、資本そのものを増殖させていこうとします。労働者に対してお金を払うこと(資本の労働者への投下)で、最終的には払った額よりも多くのリターンを得ることができるようになります。このことを、マルクスは「資本家は労働者を搾取している」と表現しました。 資本家が剰余価値の追求、つまりお金儲けを追求していくことによって、労働者が働けば働くほど資本が自己増殖し、資本家の懐が豊かになっていきます。逆に労働者自身は働けば働くほど搾取されていき、生活が苦しくなっていきます。これがすなわち資本主義の矛盾です。この矛盾により、資本家階級と労働者階級との間で階級闘争が起こり、最終的に労働者階級による革命(プロレタリア大革命などと言ったりします)によって資本主義は崩壊する、とマルクスは述べました。

一見、労働者階級への応援歌のように見えたマルクス主義が、こと悪しざまに言われるようになったのは、どうやらマルクス自身が原因ではなく、のちにマルクス-レーニン主義を標榜し「社会主義国家設立のために」などと唱えて悪逆非道の限りを尽くしたソビエト共産党のヨシフ・スターリンであったようです。彼はロシアの広大な大地を共産党一党独裁体制で支配すべく、自らに対立する大量の政敵を「粛清」していきました。スターリンが処刑してきた人間は50万人とも700万人ともいわれ、今だにはっきりしないまま、論争が続いているようです・・・。

私の記憶が確かならば、マルクス自身が「私はマルクス主義者ではない」と言ったとされています。真偽のほどはわかりませんが、これがもし本当に彼の言葉なら、彼自身の、終わりのない学問研究に対する大いなる情熱をうかがい知ることができる、とてもいい言葉だと思います。マルクス本人は日々ロンドンにある大英図書館に通いづめ、哲学や経済学などの諸学問を地道に研究していた一人の優秀な学者でありました。そのような生真面目な学者であったマルクスにとって、自分の学問上の業績が独裁者によっていいように利用され、数百万人の死者を出すことなど、想定の範囲外だったのでは、と察します。ともあれ、死後120年余りたった今の日本で、再び注目されることになろうとは。。。アメリカ発の熾烈な資本主義体制が、今まさに崩壊しようとしているこの時を、マルクスはどう思っているのでしょうか。。。今頃墓の下で、立派にたくわえたあごひげを触りながら、「ほれ、見たことか」などと、ご満悦の表情を浮かべているかもしれません。。。

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年金マネーとヘッジファンド

2009-06-14 23:26:28 | 世界経済
終戦直後、モノが何もなかった日本が、欧米に追い付け追い越せとばかり、日本中が必死に豊かさを求めてがんばっていた高度成長期時代。車、洗濯機、カラーテレビなどの便利な道具を我も我もと競って購入しようとがんばっていた高度成長時代。このような上昇一辺倒の時代が終わり、今の日本は、物質的な豊かさをほとんどの人が享受できて、もはや絶対に欲しいものがなくなってきた低成長時代の真っただ中です。高度成長時代ならば、お金など銀行に入れて放っぱなしにしておけば、とくに何もしなくても勝手に結構な額の利息収入が入ってきた時代。あるいは適当な会社の株を買っておけば、放っておいても株価が値上がりしていき、資産を増やすことがそれほど難しいことではなく、資産運用について深く考える必要もなかった時代。あるいは適当な会社に入社しておけば、あとは放っておいても年齢とともに給料が右肩上がりで増えていくことができた時代。そんな過去のよき時代はもはや過ぎ去り、低成長時代の現代日本社会においては、多くの国民が、自らの将来を考え、資産運用について深く考えなくてはならない時代に入ってきたような感じがいたしております。

今夜9時からのNHKスペシャル「マネー資本主義」第3回の内容は、日本とアメリカの年金運用担当者が、労働者から預かった潤沢な年金マネーを、多くのリターンを望むあまりに投機的な運用をするヘッジファンドに委託していたという現実のレポートです。たとえば日本の経済成長率は1950年代から70年代前半までは平均9%~10%程度であり、70年代半ばから90年代初頭は約4%、そして90年代半ばから2000年代の平均成長率は約1.2%となっております。経済成長率が10%に達していたような高度成長時代なら、日本の年金運用担当者はアメリカなどのヘッジファンドに頼るなどの特別な運用をしなくても、信託銀行などに預け、信託銀行が日本の株式などを購入することで運用していれば、年金原資を増やすことはさほど困難なことではなかったようです。けれども、経済成長率の鈍化と並行して少子高齢化問題が深刻となるに伴い、年金を納める労働者よりも年金を受け取る退職者の人数が多くなると、年金基金に入ってくるお金よりも、出て行くお金の方が多くなります。減り続ける年金原資の中から、退職者にあてるべき給付を減らさないためには、蓄積されている年金原資を何らかの方法で増やさなくてはなりません。しかし、低成長時代に入り、経済成長率も2%~4%程度になると、信託銀行に預けっぱなしでほっておいても原資が増えるというわけにはいかなくなってきます。もし年金を何らかの方法で運用しなければ、増え続ける退職者に給付する年金がしだいに減少してしまい、退職者からの不満が多くなることは目に見えています。退職者の年金をあずかる企業年金の運用担当者は、退職者の年金給付を減少させないためにも、少しでもリターンの高いヘッジファンドに年金資金を委託するようになりました。

かつての機関投資家が行っていた株式や債券などを買って長期で保有しておく伝統的な資金運用とは異なり、ヘッジファンドとは、秒単位で動き続ける株式や債券や商品先物などの値段を見ながらタイミングを狙って数億円規模の巨額の資金を動かし、大量の買いやカラ売りを仕掛けたりすることで、短い時間で巨大な利益を得ようとする存在のようです。ヘッジファンドの運用成績が、不況の時でも高いリターンを得られたことを見て、日本の企業年金運用担当者が、減少の一方であった年金原資を少しでも増やそうとし、ヘッジファンドに年金資金の運用を任せるようになりました。

しかし、ヘッジファンドは投機性の高い運用手法ですから、必ず利益を出すことができたわけではなかったようです。年金マネーの運用を任されたヘッジファンドもまた、サブプライム問題による運用の失敗を避けることはできませんでした。これによってヘッジファンドに運用を任せていた日本の年金資金運用担当者は、2008年末から今にかけて、64億円もの年金資金を失ってしまったそうです。これは彼が担当していた資金全体のおよそ5分の1に相当するそうです。原資を少しでも増やそうと優秀なヘッジファンドに運用を任せていたのに、逆に巨額の資金が失われることとなってしまいました・・・。投資というものは、リターンが高いということは同時にリスクも高いということが一般的に言われていることですから、大切な年金資金の運用を、高リスク運用を主とするヘッジファンドに委ねてしまったことは、当の担当者が責められるべきなのでしょうけど、、しかしながら、年金資金の先細りを避けるためにヘッジファンドに運用を任せたことは「強欲」とはちょっと違う気がするので、わらをもつかむような思いでヘッジファンドに運用を委ねたこと、一方的に責めることはできないような気もいたしますが、どうでしょう。。。

一秒先の未来すら正確に予測することが困難なこの世の中において、自らの資産を安全に保とうとする努力は、もしかしたら、穴のあいたバケツに水を入れて満杯にしようと試みているような、ある種の無力な行為なのかもしれません。。。しかし、私が自分の資産の運用をするためのバケツに、たとえたくさんの穴が開いていたとしても、さまざまな知識を学ぶことによって、ひとつずつでも穴を発見し、その穴をふさぐための絶えざる努力をしていかなければ。。。よしんばその穴のすべてが、私の生涯のうちに、全部を埋めることができなかったとしても。。。

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

政府の大きさを考える ~イギリスを例に~

2009-06-04 21:35:49 | 世界経済
去年末までの自由放任型資本主義下のアメリカでは、住宅バブルが発生したのちに、それが崩壊したことで金融危機を迎え、これに伴って世界中に同時不況が勃発しました。自由放任型市場経済のもとでこのような問題が生じることを「市場の失敗」と言います。市場の失敗は他にも「貧困層の増大」や「失業」あるいは「薬害・公害」などといった問題もあります。だからといって、政府が市場経済に常に介入すべきなのかというと、それはそれで「経済成長の鈍化」「勤労意欲の低下」「失業のワナ(働かなくても失業保険で食べていける状態のこと)」などの問題が生じます。市場介入が大きくなりすぎたことで、経済成長率が鈍化し、財政赤字が増大し、国家が疲弊していったという例をあげますと、例えば1970年代までのイギリスが経験した「英国病」です。

アメリカが大恐慌に見舞われていた1930年代、イギリスも御多分にもれず恐慌の最中にありました。失業者が増大することによる社会不安がイギリス中にも訪れていました。アメリカではルーズベルトのニューディール政策が行われていましたが、一方のイギリスでは、「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる手厚い社会保障制度が、社会主義的な思想を持つ労働党政権によって整えられていきます。それと並行して、民間企業の国有化も進められました。私企業を国有化することで、その経営や生産を国家の管理下に置こうとしたものです。石炭産業をはじめとして、鉄鋼、鉄道、電力、水道などの産業を国有化していきました。これらの産業を民間が行うと、投資資金が不足しがちになり、効率が悪くなるから、国有化することで計画的な投資が可能になり、民間がやるよりはるかに効率的になり、公共の福祉に利となると考えられていたためです。この政策は60年代までは、成長率は低いながらも順調な経済成長をもたらしたようです。しかし70年代になると、国有化の計画は労働党の期待通りにはいかなくなったようです。石炭よりも石油が安価なエネルギー源として大量に手に入れることが可能になったことで石炭は競争力を失いました。市場に任せていれば石炭から石油への転換は容易に出来たことでしょう。しかし国有化された企業による計画に乗っかった経営のままでは、そうした市場競争による転換は進むことがなかったようです。効率がよいように見えた計画生産が、逆に効率が悪い結果をもたらしてしまったのですね。

それはそれとして、以降のイギリスは60年代までは保守党、労働党ともに福祉国家の実現をめざして「大きな政府」的な政権運営をしていたようです。社会主義的な企業の国有化政策により、比較的順調な経済成長に助けられ、福祉国家の実現がもたらすコストはそれほどの問題にはなっていませんでした。しかし70年代の第一次オイルショック後、それまではさして問題になっていなかった福祉国家の財政への圧迫という危機が顕在化していきました。70年に保守党のエドワード・ヒースが政権につくと、イギリス経済を再建するために、自由主義経済への復帰と産業不介入主義を掲げ、これまでの政府の財政負担を少しでも解消しようと、国有化していた産業を民間所有に戻す動きを見せましたが、民間経営になっても政府が経営に権限をもって計画的に管理しようとしていました。またあるいは国有から民間所有に戻そうとして、労働組合と激しく対立し、結果として国有のままにせざるを得なかった、というケースもあったようです。しかしながら、福祉国家という社会主義的経済運営方法のもとでは、市場メカニズムによる生産性の向上がやりづらくなります。こうしてイギリスは60年代後半から徐々に生産性の落ち込みによる経済成長が停滞するようになってきました。それに伴って失業率も高まり始め、失業率の上昇を抑えるためのケインズ的財政出動も増大していき、財政赤字が高まっていきます。政府による国民の生活保障、生産性の低下、財政赤字の増大によってイギリス経済は疲弊していきました。これを「英国病」と呼びます。

英国病を克服しようと、今までの大きな政府から小さな政府へと政権運営を転換したのが79年に首相の座についたマーガレット・サッチャーです。彼女は自由主義経済を信奉し、福祉国家から自由主義国家に転換することこそがイギリスを救う道である、という信念を持っていました。政府による生活保障に依存するのではなく、勤勉・自助努力・節約を個人個人が旨とすることで、イギリス経済を復活させようとしました。サッチャー以前のイギリスでは労働組合の力が非常に強く、彼らは何か不満があるとすぐにデモやストなどを起こす戦闘的な集団でした。そのため、企業経営者が経営するにあたっていちいち労働組合のお伺いを立てなくてはならなかったという状況でした。このような状況では労働者の勤労意欲が高くなろうはずもありません。サッチャーは自由主義経済を復活させるべく、このような労働組合の力を弱めることに成功しました。労働組合の力が弱まれば、労使間の賃金交渉においても組合の要求をつっぱねることができ、賃金を安く据え置くことによって、逆に多くの労働者を雇うことができるようになり、結果として失業率を低く抑えることができるようになります。このほかにもサッチャーはインフレとの戦いや、赤字を垂れ流す国有企業を民営化すること、そして勤労意欲を殺がないための所得税率の低下などの改革を行っていきます。もちろん道のりは決して平坦ではなく、就任した当初は景気の悪化や、支持率が23%にまで急落するなど前途多難な政権運営を余儀なくされました。しかしサッチャー政権末期の87年以降は失業率が低下し、経済成長も順調になっていったようです。サッチャー改革は彼女の就任からおよそ10年の時を経て、花開いたようです。

・・・今日は疲れたのでこのへんで筆を置きます。。。しかしながら、「大きな政府」にしろ、「小さな政府」にしろ、どちらも良い点と悪い点があるようですね。。。私としては、社会主義や共産主義的な思想は、あまり好きではないんですよね。。。自助努力による、良い暮らしの追求をする人生、という方が自分の性に合っている気がするわけですが。。。しかしそれもまた行き過ぎると、何かしらの弊害をもたらす可能性もあるわけで。。。自由主義経済と、社会主義経済と、一概に、どっちが良いか、という判断は、最近、難しく感じるようになってきてました。。。今後また余裕があったら、このテーマで書こうと思います(^-^)

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

負債額16兆円

2009-06-02 21:32:52 | 世界経済

1908年にデトロイト郊外のフリントでGMは設立されました。馬車工場で成功した実業家だった創業者ウイリアム・デュラントは自動車の将来性に注目し、08年にGMを設立すると、キャデラックやシボレーなどを次々と買収していきました。1931年に「T型フォード」のフォードモーターを抜き、以来2007年まで77年連続販売台数世界一の座に君臨し続けました。全盛期の50~60年代には、新車販売の国内シェアが50%を超え、世界最大の製造業と言われました。53年にGM社長からアイゼンハワー政権の国防長官に就任したチャールズ・ウイルソンは「我が国にとって良いことはGMにとっても良いこと。逆もまた真なり」と言ったそうです。まさに「GM=アメリカ」という時代だったのですね。しかしながら、65年新発売の新型車で横転事故が多発したことによるGMの安全性批判を受けたことや、70年代の2度の石油危機、さらには先進企業として導入していた年金や退職者向け医療給付の負担が経営を圧迫するようになりました。そのような中で経営を安定させようと、90年代に他社に先駆けて電気自動車「EV1」の商用化、そして日本のいすゞやスズキなどとも提携して、あるいはトヨタと共同で合弁会社を作り、小型車の開発を試みたこともありました。しかし電気自動車は採算が合わないと見てすぐに打ち切られ、小型車の開発にしても品質と生産性の悪化はいかんともしがたく、2000年代からの環境保護意識の高まりとともに消費者の嗜好は小型車やハイブリッドカーなどのエコカーなどに移ってきても、GMは時代の流れに逆行してSUV(sport-utility-vehicle スポーツ用多目的車)やピックアップトラックなどの利益率の高い大型車の生産に力を注ぎ続けました。過去の成功体験を今になっても手放すことができず、変革を拒む頑固な企業文化であるがゆえに、2008年に販売台数世界一の座をトヨタ自動車に明け渡すことになったのも、むべなるかな、という感じですね。そこから、たったの1年余り。まるで、下り坂を転げ落ちるように凋落への一途を辿って行き、そしてついに6月1日の民事再生法適用です。。。過去の強烈な成功体験のために、時代が変わっても過去にしがみつき、変化できなかった巨大企業の破綻劇から、何か大きな教訓を学ぶべきなのでは・・・。今私の脳内は、以下の有名な文章が、エンドレスリピートで、流れ続けております。。。

・・・・・・祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれるものも久しからず、ただ春の夜の夢の如し。たけきものもついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ・・・・・・

 にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

債券の迷宮

2009-05-30 22:44:04 | 世界経済
債券市場において長期金利が日米ともに上昇基調にあるようです。昨日の日経新聞の記事でも、28日の東京債券市場は長期金利が上昇し、10年物国債の利回りが一時1.50%と昨年11月以来の水準を付けた、とありました。これは27日の10年物米国債利回りが3.72%に跳ね上がったことにつられた動きである、とのことです。それから26日の外為どっとコムのGスタTVでも、酒匂隆雄氏による、債券が売られることによる長期金利の上昇というのは「悪いドル安」をもたらす、との説明がありました。・・・経済の動向を把握する上で「債券」というものは私にとっては依然として、非常にとっつきにくい、不得意な分野であります。。。債券をとりまく資金の流れを理解すべく、酒匂隆雄氏の講義をもう一度聞きなおしています。氏の説明は、①債券の長期金利は金融当局がコントロールできるものではなく、あくまで市場の需給によって決まる ②アメリカの債券の格付けがトリプルAから引き下げられるのではないか、という市場の懸念により、債券が売られる ③債券が売られ、債券価格が下がると、長期金利が上昇する、とのことでした。②に関しては腑に落ちたのですが、①の「金利が市場の需給で決まる」ということと、③の「債券の価格が下がると、長期金利が上昇する」という理屈は難しいですね・・・へぇ、そういうものなのか、と無理やり丸暗記しても構わないのでしょうけど、この理屈をさらに深く理解したく思い、いろいろ思考を巡らせております。

金利というのも、商品や通貨と同様に、市場で売り買いされるもの、ということなのでしょうか・・・。でも、金利というものは通貨や債券のように、形があるものではないので、それが市場で売り買いされる、ということはちょっとイメージができません。けれども、債券そのものの売り買いなら、まだイメージがしやすいです。金利が需給で決まる、ということは、言い換えると、買ったり売ったりする「債券」そのものの売り買い、ということと同意なのでしょうか。。。・・・金利が高い債券を購入して、それを長期保有していれば、一年毎に、より多くの利息(インカムゲイン)が手に入る、という命題は正しい気がします。それと同時に、買った値段より高く売ること(キャピタルゲイン)を狙って債券の購入をする投資家も存在するでしょう。しかしキャピタルゲイン狙いの投資家が、買った値段よりも高い値段でそれを売ろうとしても、金利が少なければ、それを買ってくれる投資家はいないと思います。ということは、キャピタルゲイン狙いで債券を買った投資家は、それを安い値段で投げ売りせざるを得なくなる、と。。。あれ、、私はいったい何を言っているのでしょう? 頭がこんがらがって参りました(>_<)

・・・ちょっと頭を冷やしまして、再びゼロから考え直します。例えば1%という金利がもらえる国債を政府が発行したとしても、それを買う投資家がいなければ、政府には資金が回ってきません。ということは、もしかすると、債券の金利が上昇する、というのは、つまり政府が発行した国債を市場で消化させるために、わざと金利を高くする、ということなのかな・・・あれ、、酒匂氏がおっしゃった「長期金利は金融当局がコントロールできるものではない」という説明と矛盾しますね・・・・・・う~む、、、「債券」の迷宮にて、私はどうやら迷子になってしまったようです。。。

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カード社会アメリカの闇

2009-05-26 21:41:30 | 世界経済
収益を外需に依存している日本の輸出産業にとって、アメリカ経済が不況に突入したことによるダメージというのは、予想できないことだったのでしょうか。。。今となっては結果論にすぎないですけど、永遠に続くような気がしていたアメリカ経済の繁栄をもたらしていたのは、貯蓄という習慣をあまり持たない中産階級のアメリカ人の、クレジットカード使用による旺盛な消費であった、という、きわめて不安定な礎の上に築かれていた、ということに気付くことができず、ひたすらアメリカ人の個人消費の大きさ頼みであった、ということに、日本の輸出企業は危機感を持つべきではなかったのかなと・・・。(なぁんて、私ごときに言われるまでもなく、危機感はあったのかもしれませんが^^;)

アメリカ経済が好調であった時代、なぜ好調であったかといえば、大きな理由の一つが、個人消費の拡大でした。アメリカでは消費生活においてクレジットカードを用いることが非常に多いとされ、ちょっとした日用品を買う時にもカードを使用することが頻繁にあるようです。アメリカにおけるクレジットカード使用の実態を調べていたら、興味深い動画を見つけたので紹介しますね。

大きな利幅を取ろうとカードビジネスを展開していたアメリカのとある銀行の戦略によって、アメリカの一般家庭にカードが普及していきました。そしてその銀行のさらなる広告戦略によって、月々の返済を少額にし、貸した元本の返済を先延ばしにすることで利息を稼ぐ、いわゆるリボルビング払いを顧客に勧めるようになり、一見すると非常に魅力的に思えるリボルビング払いを選択した顧客の、時間の経過とともに膨れ上がっていく返済額。アメリカの中産階級が銀行にカモにされ、彼らの生活がだんだん苦しくなっていく経過を見るのはつらいことです。動画の中で面白かったのは、カードで使った額を毎月きちんと返済している顧客は、利息が発生しないために、銀行に利益をもたらさないことから、銀行はきちんと返済している顧客にはいい顔をしないのである、というエピソードです。なるほどね・・・私もカードはしょっちゅう使うけど、利息も手数料も払わなくて済むように、必ず一括払いにしています。郵送されてくるカード利用明細には分割払いやリボルビング払いの勧めが、魅力的な宣伝文句とともに同封されてきますが、そんなものまともに読んだことはありません。すぐに破って捨てます。分割払いなどするくらいなら最初からカードなど持たないほうがずっとましです。カード会社のカモになるなんて、まっぴらごめんですわい。

・・・話が脱線してしまいましたが、こうしてアメリカの個人消費の拡大の波に乗って大きな利益を得ることが出来た日本の輸出産業は、アメリカ経済が不調になった今になって、アメリカ経済と同様に不調になっています。しかしまあ、世界一の売上の座にあぐらをかいていたGMと異なり、日本の自動車産業は傲慢になることなく、技術革新に日々努力している姿を見ることは救いであります。。。6月1日に迫ったGMの再建問題ですが、どうなるでしょうか。。。やはりクライスラーと同様、連邦破産法第11条(民事再生法)の適用となるでしょうか。。。

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「金余り」が生んだ金融危機

2009-05-17 23:46:35 | 世界経済
今夜9時からのNHKスペシャル「マネー資本主義第二回 超金余りはなぜ起きたのか?」を見ました。4月22日の記事に書いたシリーズ番組の第二回です。元米財務次官のロバート・ルービンによるドル高、そして元FRB議長のアラン・グリーンスパンの金融政策によって世界中からアメリカに資金が集まり、超金余りという現象を生んだことで、アメリカの住宅バブルが起こり、それがはじけたことで今回の金融危機を生んだのである、という内容でした。まだ一度しか見ていないので細かい内容までは消化しきれていないものの、今回のアメリカ初の世界不況の背景にどのような事情があったのか、ということを見ることができたのは、シリーズ第一回目に続き、勉強になりました。

かつてのアメリカの金融政策が原因で今回の不況を生みだしたというのは事実のようですが、しかし、原因はそれだけではなく、私たちのようなFXを行っている個人個人にも、不況の原因は少なからずあったのだ、ということを今回の番組で気づかされました。俗に「ミセス・ワタナベ」と称される、FXにのめりこむようになった多数の主婦達も番組内で紹介されており、彼女たちのギラギラした欲望もまた、アメリカに資金が流入したことの一因となっているようです。確かに家計を守る主婦達が将来に対して不安を感じるあまりにFXに夢中になっていったことはとてもよくわかります。でも自分たちのFXトレードがまさか世界経済に影響を与えているだなんて思わないですよね・・・FXトレーダーの一人一人は自分たちがお金を稼ぐことを考えてトレードをしているけれども、それが何十万人、何百万人ともなると、世界の経済を動かすほどの影響力を持つのですね・・・私自身の日々のトレードにしたって、ほんのわずかな金額ですが、私と似たようなトレードをする方が大勢集まることによって、世界経済に影響を与えるほどの力があるのだ、ということも、頭の片隅に置きながらFXをやっていくようにしよう、と思いました。。。

グリーンスパンは在任当時は「金融政策のマエストロ(名指揮者)」などと喝采を浴びていたのが、今になって「あいつの政策は間違っていた」なんて言われるとは、彼自身も想像できなかったのでは・・・ともあれ、いくらエリートである政府の要人といえども、誰か一人の言動を盲目的に信じすぎるというのも、とても危険なことなのかもしれない、と感じました。。。

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウヨサヨ問題

2009-05-14 18:01:16 | 世界経済
昨日コメントをくださった方が、その中で「右寄りの方」「左寄りの方」という言葉を使っておられました。なんのこと?と思われる方もおそらくいらっしゃるかと思いますので、政治思想における「右」「左」というのはどういうことなのか、ということを、微力ながら説明を試みて参りたいと思います。

もともとは、右翼とは単に保守的な価値観を持つ人のことを示し、左翼とは革新的な価値観を持つ人のことを意味する言葉でした。これは語源をたどっていくと、1789年のフランス革命以降の議会において、保守派のジロンド党が(議長席から見て)右側の席を、革新派のジャコバン党が左側の席を、それぞれ占めていたことに由来します。

1700年代後半からイギリスに始まった産業革命により、それまで、個々の職人による手作業に拠っていた小規模なものづくりが、科学技術の進歩による機械の発達により、工場を稼働させることで大量生産が可能となったことで、いわゆる資本家(お金持ち)が更なる利益の追求のため、大規模な設備投資をし、多くの労働者を雇って働かせるようになります。当時は労働者を守る法律などありませんでしたから、労働者達は毎日のように数十時間もの厳しい労働を強いられ、労働者の福利厚生がないがしろにされる状況でした。そのような悲惨な労働状況を鑑み、いったい資本主義とは何なのかということを生涯にわたって研究したのが、かのカール・マルクスであります。彼は1848年に盟友であったエンゲルスと共に「共産党宣言」を発表し「万国の労働者よ、団結せよ」と訴えました。労働組合の始まりです。これ以降は、左翼という言葉が、資本主義経済で成り立つ社会は受け入れられない人(マルクス主義者)という意味も加わって来たように思います。このようにして、左翼とは資本主義経済に反発する考えを持った人、つまり社会主義者(これがさらに先鋭化したものが共産主義者)であり、右翼とは、マルクス以前からの、自由な経済活動である資本主義を信奉する人、という意味も加わってきたように思います。

日本におきましては、右翼とは一般に、古代からの日本独自の歴史の流れを重要視し、日本の歴史の中での良いところは伝えていくべきた、と考える、いわゆる国粋主義者という意味と考えてよいのかな、と思います。さらには現代に入ってから発生した日清戦争・日露戦争・第一次、第二次両大戦と続いた戦争における日本の行動にも、理解を示した人、という理解をしてもよいと思えます。一方で左翼は、これとはまったく反対に、戦争を起こした日本は完全に悪の存在であり、日本によって戦禍を被った中国や韓国に対して、これからも賠償をしていかなければならないのだ、といった主張を展開するような人という意味と理解できるかと思います。

第二次世界大戦後、自由主義陣営の親玉であるアメリカと共産主義陣営の親玉であるソビエト連邦が長年に渡って「冷戦」を繰り広げて来ました。しかし1991年にソ連が崩壊したことで、マルクス主義の壮大なる実験は失敗に終わった、という声がささやかれ始めます。これにより、左翼言論人と呼ばれていた、マルクス主義に共鳴していたインテリたちは、急に旗色が悪くなっていったようです。このことは現在の衆院参院における社会民主党・日本共産党など、左翼系政党の占める議席の割合が、非常に小さくなっていることからもわかりますね。

・・・長々と述べてまいりましたが、しかしながら言葉の意味というのは、時代によって、また社会によって、さらには使用する個人個人によっても微妙に異なるものですから、ここに私が述べた意味は、唯一のものではないということだけは、あらかじめ申しておきたいと思います。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欧州中銀の量的緩和策

2009-05-09 22:21:07 | 世界経済
ECB(欧州中央銀行)は7日、政策金利をこれまでの1.25%から0.25%引き下げ、1.00%とすることを決定いたしました。これ以外にも、金融機関への資金の貸し付け期間を延長すること、それから民間の金融機関が発行する債券の一部を買い取ることなどの金融緩和策を取ることが決定されました。金利の引き下げということに関して言えば、まるで経済の教科書に書かれてあるようなことが実際に行われているような印象を個人的には受けます。不景気の時には政策金利を引き下げることによって、企業が銀行からお金を借りやすくし、その資金によって企業が設備投資を積極的に行うことで経済が活性化するという効果があり、また個人にとっては銀行にあずけていても微々たる金利しかもらえないから、貯蓄よりも消費に動くことによる経済活性化をもたらす、というような。逆に好景気の時には、加熱した経済活動を抑えるために政策金利を上げ、企業の銀行からの借り入れをむずかしくすることによって設備投資を抑えるようにし、また個人が過剰な消費を抑え、消費するよりも銀行に預けて高い利息をもらうよう誘導する効果がある、という内容が学生時代に読んだ経済の入門書に書かれていた記憶があります。(そういえば私が学生のころは政策金利のことを「公定歩合」と言っていたと思うのですが、最近めっきり聞かなくなりましたね・・・今となっては死語なのでしょうかね^^;)

しかしながら、教科書に書かれてあるような内容はあくまで理論の一つですから、理論が現実の諸問題に対して対応できるのかと言われれば、それはまた別問題ですよね。。。例えば日本の「失われた10年」の頃なんて、政府がどれだけ長くゼロ金利政策をとっていたことでしょうか。。。現在でもなお日本の政策金利0.1%という超低金利政策が続いていることを見ても、金利を下げることが景気回復の手段であるとは言いにくい情勢です。そこで、政府の金利操作(これを伝統的手段と呼ぶらしいです)だけではなく、政府自らが金融機関の保有する国債や社債を購入するということで(対してこれは非伝統的手段と呼ばれるそうです)市場に資金を供給し、金融機関の資金量を厚くすることで破綻を防ごうとするということなのですね・・・あっ、そういうことでしたか! 私は今まで金融当局が債券を購入するという動きの意味がわからなかったのですが、今やっとおぼろげながらわかりかけてきた気がします。つまり市場のマネーサプライ(通貨供給量)を増やすということなのですね・・・。

政府が国債を刷って、機関投資家にそれを購入してもらうと、政府の手持ち資金が増えます。ということは反対に、機関投資家が保有している国債を、逆に政府が買うことになれば、政府が持っていた資金が機関投資家にシフトすることで、彼らの資金に余裕ができると。。。それがすなわち、金融緩和という政策の意味であるのかな、というものが私の理解ですが・・・こんな感じでよろしいでしょうか・・・もし私の理解について、何か問題がありましたら、どなた様もお気軽にコメントを残していただけると幸いでございます(^-^)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

政府による市場介入の歴史

2009-05-03 17:21:12 | 世界経済
麻生首相は総額20兆円以上にも上ると言われる景気刺激策を公的資金によって市場に注入し、オバマ大統領も8000億ドルに達すると言われる巨額の景気刺激策を準備しています。日米両政府の政策は、ここにきて、俗にいう「小さな政府」から「大きな政府」へと運営のかじ取りを転換したようです。これらの政策が不景気打開への道筋となるかどうか、歴史を振り返りながら占ってみることにしましょう。

もともと政府というものは、市場に介入しないというのが1900年代前半までの原則でした。「夜警国家」という言葉があります。これは国家の役割は国民の生命と財産を守ることだけで充分であり、最低限の警察組織と軍隊を整えておけばよく、経済に国家は干渉してはいけない、という考え方です。そのことを理論的に裏付けたのがアダム・スミスです。のちに古典派経済学の祖と称されるようになったアダム・スミスがその著書「国富論」の中で述べている言葉なのですが、経済活動においては、国家が干渉せず、個人や企業の利益追求を放任しておけばよく、たとえ不況になったとしても「神の見えざる手」に導かれ、やがては不況から好況へと回復するのだ、というものです。今でいうところの「小さな政府」の考え方ですね。

ところが、自由放任による市場経済活動が立ち行かなくなった大事件が有名な1929年の大恐慌です。これにより自由放任主義の古典派経済学はしだいに旗色が悪くなって行きました。彼らの理論では、失業者というものは存在しないという考えであったから、当時失業率が25%を超えてしまったという現実に対しても、まったく対策が打てませんでした。古典派にとって、労働者そのものも経済活動における商品と同様に、会社に解雇された失業者同士の雇用確保のための競争により、各々の失業者がかつてより低い賃金の会社に雇われることで、最終的には失業者というものは存在しなくなるということなのです。つまりマーケットメカニズムによって完全雇用(失業者が存在しないこと)が達成されるという説を唱えておりました。しかし労働組合などの賃下げに反対する勢力もあり、賃金を下げるという動きにも限界があります。このようにして1929年からの世界大恐慌を目の前にして、古典派経済学は問題を解決する手段を持ち得ませんでした。

そこでケインズの登場です。政府による経済活動への介入をすることで、恐慌から立ち直る方法を唱えたのが彼です。簡単にいえば消費と投資を増やすことで恐慌からの脱出を図ろうとしたわけです。具体的にはルーズベルトがケインズの説を政策に取り入れ、TVA(テネシー川流域開発公社)の設立による公共事業をはじめとするさまざまな景気刺激策を取り入れるようになって行きます。実際はケインズ政策を充分には実行できなかったのですが、それでも一定の効果によりある程度失業者を減らすことには中途半端ながら成功したようです。1933年に25.2%であったアメリカの失業率は、1937年には14.3%にまで下がったものの、翌年には再び19.1%まで上昇しました。結局アメリカ経済が本格的に回復するためには、1939年からの第二次世界大戦の勃発を待たなければならなかったようですが。

当時のアメリカが25%の失業率、つまりアメリカ人の4人に1人が仕事にありつけなかった、という状況に対して、現在のアメリカの失業率は8.5%です(4月3日発表の米3月失業率より)。単純に数値だけで比較しますと、今のアメリカは1929年の大恐慌の時代よりはまだマシなのかな、という気がします。とはいえ今後のビッグ3の相次ぐ破産申請などの悪材料によっては、失業率が2ケタ台まで悪化するという可能性もありえなくはないですよね。こうした状況に対して、オバマ大統領はいわゆる「グリーンニューディール」(省エネ・環境保全産業育成)に力を入れることで、雇用を確保するという政策を実行しようとしています。これがうまくいくかどうか、ということですが。。。

オバマ氏の「グリーンニューディール」が再びアメリカに活力をもたらし、失業率も1ケタ台前半に抑えることができるかどうか・・・。個人的な考えですが、アメリカが省エネ政策を成功させるためには、日本の省エネ技術をいまこそ取り入れるべきなのではないかと。日本の誇る省エネ技術を、今こそアメリカに伝授するべきときなのではないでしょうか。かつて京都議定書を脱退したブッシュ政権の時には省エネ産業をアメリカ人が取り入れることは無理だったでしょうけど、省エネ産業・エコ産業に対して理解のあるオバマ氏ならば、日本の省エネ技術を伝え、日本とアメリカが共同してアメリカ経済を立て直すことに成功できるのではないか、と思います。日米共同で現在の世界不況を立て直す努力をすることによって、日米の連携がより緊密となり、この両政府の活動がきっかけとなって世界不況が回復をもたらすということになれば、一人の日本人としてとてもうれしく思います(^-^)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リーマン破綻の背景

2009-04-22 21:20:34 | 世界経済

昨夜0時45分からNHKで放送されていた「NHKスペシャル マネー資本主義」を見ました。この番組は、4月19日(日)夜9時に放送されたものの再放送です。ブログを通して知り合った方がご自身のブログで言及されていたので、私も興味を持って見てみました。サブプライム問題が勃発してアメリカから世界にリセッションが広まったことは周知の通りですが、その裏にはどのような事情があったのか、という背景がこの番組を通してわかるようになりました。見終わって思うのは、特定の誰かがサブプライム問題を引き起こしたわけではなく、投資銀行同士の利益獲得を巡る熾烈な競争の中で、知らず知らずのうちに金融機関が複雑なリスク商品を作り続け、それがバブルを引き起こし、そのバブルが結局はじけてしまったことで、金融危機が世界中に広まっていった、ということです。番組の内容をフローチャートにしてみると、以下の通りです。

 

投資銀行はもともと債券などの金融商品の顧客同士の売り買いの仲介をすることで、手数料を得るだけの存在であった

 手数料稼ぎだけでは飽き足らず、さらなる利益を獲得するために、投資銀行自身が債券を購入し、それを独自に改良し、付加価値を付けて売り出すようになった(ソロモン・ブラザーズによるモーゲージ債の開発)

 モーゲージ債という新たな商品を開発し販売したことで、ソロモン・ブラザーズはかつてない大きな利益を手にするようになった

 モーゲージ債を開発し、会社に大きな利益をもたらすことになった若き社員は、給与の少なさに不満を感じ、会長に給与の増額を訴えたが聞き入れられず、結局他の多額の報酬を与えてくれる会社に移ることになった(mortgage:抵当・住宅ローンという意味)

 ↓

 こうしてゴールドマン・サックスやリーマン・ブラザーズやモルガン・スタンレーなどの投資銀行もソロモン・ブラザーズと同じような金融商品の開発を始め、それぞれの投資銀行同士による競争に勝つべく、レバレッジを何倍にも増やしてさらに多くの利益を求めるようになる(レバレッジ=借入による自己資本以上の取引)

 自らの商品の利回りを上げるべく、一つのパッケージ債の中に国債や社債や信用力の低いモーゲージ債などが複雑に含まれるようになり、中身が見えにくくなった。それらを売りさばくことによってさらに巨額の利益が各投資銀行にもたらされることになる

 ↓

 しかし、アメリカの住宅バブルが崩壊し、不動産価格の低下および住宅ローン利用者の返済が滞るようになったことで、今まではレバレッジ効果による巨額の利益を得ていた投資銀行は、今度は逆に大きな損失を被るようになった(その結果としてのリーマン破綻)

 ↓

 家を失った民衆によるデモなど、金融危機によるアメリカ社会の不安。。。

 

 ・・・番組の冒頭から、リーマンCEOリチャード・ファルド氏が民衆に囲まれて「強欲!金の亡者!」などと罵られる場面が出てくるのです。。。リーマンの内部文書では、サブプライムローンというものの危険性が指摘されていたにもかかわらず、彼らがサブプライム債に手を染めてしまったことは、まさに「強欲」によって道を誤った、というべきなのだと思います。。。番組内での唯一の救いは、金融機関がレバレッジを多用することを強く戒めた、元ソロモンブラザーズ副会長ヘンリー・カウフマン氏の、以下の言葉に尽きます。。。

 

「金融は経済の補佐役であることを忘れるべきではない」

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キリスト教徒が近代資本主義を作った??

2009-04-11 23:21:38 | 世界経済
昨日に引き続き、今日もキリスト教徒ネタでいきましょうか。。。まず、キリスト教徒に対して私たち日本人は、どういうイメージを持つでしょうか。

・神を信じている人びと
・まじめ、誠実、隣人愛
・自己犠牲(右の頬を打たれたら、左の頬を向けなさい、など)
・アダムとイブの「楽園追放」により、全人類に「罪」と「死」が与えられた。
・イエス・キリストの処刑による全人類の罪の赦し。
・質素、倹約、勤勉を旨とする清い生き方
・大多数のアメリカ人の精神的バックボーン

という感じで、清く正しいイメージで語られることが多いと思います。キリスト教徒は、遊び好きで、貪欲で、お金が大好き、楽してのほほんと暮らしたい人たちだ、なんて思う人は、たぶんいないですよね。。。

しかし、近代資本主義が現代に広まるためには、なんと、金銭欲を否定するキリスト教の思想が必要不可欠であった、ということを明らかにした学者がいます。ドイツのマックス・ヴェーバーという社会学者です。利潤を否定するキリスト教が、利潤を果てしなく追い求める近代資本主義の礎となった、なんて、にわかには信じられない話ですよね。彼の論理は以下の通りです。

時代は1500年代のヨーロッパ。キリスト教神学者のカルヴァンという天才は、当時堕落を極めていたローマ教会(いわゆるカトリック教会)の世俗にまみれたキリスト教に対抗するような形で、聖書そのものを長い年月をかけてつぶさに研究し、ついに一つの結論を得ました。それは「予定説」というもので、どの人間が救われ、どの人間が救われないか、ということは、当人が生まれるずっと前から神によって予め(あらかじめ)定められている、というものです。この「予定説」は、カトリック信者にとっては驚天動地の考えでした。なぜなら彼らは「免罪符を買うことによって救われる」とか「信仰が強く、善行を行ったものだけが天国に入れる」などといった、要するに「救われるか救われないかは、自分自身の行いによる」という信念を持っていたからです。

ところが、「予定説」によれば、救われるか救われないかは、神があらかじめ決めていることなのだから、人間の行動などでいちいち左右されることはない、としているのです。「予定説」に接した旧教徒たちは、それこそ信仰に対してコペルニクス的な大転換をしました。

「わたしが死後天国に入れるかどうかは、わたしが生まれる遥か以前から、あらかじめ決められているだって?・・・もしそうなら、私がいくら努力をしても、わたしが天国に入れるかどうかはわからない・・・じゃあ、神様は、どのような人間をお救いになることを予定しているのだろうか?・・・それは少なくとも、予定説というものを信じている人間にちがいない・・・わたし自身が救われるかどうかはわたしにはわかりようがない・・・でも、わたしがもし予定説の信奉者ではなかったなら、少なくとも神様はわたしをお救いにはなるまい・・・そうであるなら、わからないなりに、日々、神様の教えにかなうように、与えられた自分の仕事を勤勉に、日々の生活を禁欲的に生活していこうじゃないか!!」

・・・このようにして、カルヴァンの予定説を信じた、いわゆるプロテスタント(新教徒)たちが増えるにつれて、自分の仕事を勤勉に行い、日々の生活を質素に、飲酒や賭博行為などの快楽を避ける人々がヨーロッパ中に増えて行きました。それこそが、神の御心にかなう行為だと考えられていたのです。とはいえ、いくら働いても、自分は神に救われるかどうかはわからない。少しでもさぼったら、救われないんじゃないか。そのような不安から、人々は気が狂ったように働くようになりました。その上、働いて他人に喜んでもらえるようなサービスをすることは、まさに隣人愛の実践にもなります。やがてプロテスタント達は、自分がどれくらい隣人愛を実践したか、ということの指標が、利益であると考えられるようになりました。というのは、利益を自分の快楽のために使うことを、カルヴァンは厳しく禁止していたため、労働(=隣人愛)による利益は積み上がっていく一方だからです。利益を否定していたカルヴァン主義が、逆に利益の追求を人々にさせていったという、歴史の大きな皮肉がここにありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

課税90%!!

2009-03-21 22:25:35 | 世界経済
アメリカの議会で、公的資金を注入されたAIGなどの金融機関の幹部へ支給される賞与に対し、90%もの税金をかけるという法案が議会で賛成多数で可決されましたね!さすがオバマさんは行動が早い、と思っていたら、今度はなんとAIGが政府を相手取り、過去の課税ミスを理由にニューヨーク連邦地裁に提訴していたことが明らかになったそうです!なんと3億ドルの返還を求めて訴えたとか・・・なんと言いますか、アメリカの金融業界はまさに泥沼の様相を呈しておりますね。。。AIGが政府から受けている公的支援は1700億ドルに達するとの報道ですが、果たしてAIGなんて救済する価値があったんでしょうか。リーマンブラザーズと同じように破綻させてもよかったのじゃないかしら? 確かにオバマ大統領は、破綻させることでアメリカ社会に大混乱を起こすことを避けて救済したのでしょうけど。。。それにしてもAIGの態度は気に入りませんなぁ。恩を仇で返すとはまさにこのことなのでは?

全然関係ないですが、オバマ大統領って、俳優のデンゼル・ワシントンに似てると思いませんか?なんちゃって(^-^)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自動車業界の救済策

2009-03-09 22:31:42 | 世界経済
ヨーロッパでは最近、古い車から新しい車に買い換える時、政府が一定額の補助金を出してくれる制度が広がっているそうです。ドイツでは1月の末から、9年以上使用した車を廃車にして新車を購入した場合、政府が2500ユーロを支払う制度を導入しました。その直後から車が売れ始め、2月の新車販売台数は去年の同月比で22%増であったということです。フランスではドイツに先駆けて昨年12月から補助制度を導入しており(10年以上使用した車を廃車にした時に適用)、さらにドイツにはない、補助金の支給条件として、新車が排出する二酸化炭素排出量の制限があり、環境対策も兼ねているとのことです。イタリア、ポルトガル、ルーマニアが既に同様の補助制度が実施されており、オーストリアはこれから議会での承認を経て正式に導入されるとのことです。

日本においては、2004年4月よりグリーン税制が施行されたことで、低排出ガス車(星4つ)で、なおかつ燃費基準が+10%~+20%達成した新車を購入した場合には7500円~15000円自動車取得税が安くなるようにはなっています。まぁ5年ほど前にできた制度ですし、環境対策という目的のみであることから、このままでは今の自動車業界の救済というわけにはいかないようですね・・・というわけで、ヨーロッパ諸国が相次いで補助制度を導入しているのに合わせて、日本でも上記のように、例えば10年以上乗った車から新車に買い換えるときには、政府が30万円くらいの補助を出してくれる、という制度を導入すれば、日本の自動車メーカーも売り上げを伸ばせてリストラの必要がなくなり、景気浮揚と雇用確保の両面においてメリットが大きいのではないかと私は思うのですが、どうでしょう・・・。。。

ちなみに、私は新車を買ったことがありません^^; お金がないから、というのも原因ですが、それよりも、発売してから数年の時間が経ち、時間の評価に耐えてなお魅力を放つような名車を買いたいと思っているのです! 新車が出ました、買ってみました、すぐ飽きました、1年しないうちにまた買い換えました、なんてことをやってしまうと、お金がいくらあっても足りないし、なにより車がかわいそうです(>_<) (・・・でも経済活動ってこういう大量消費をすることでよく回っていくようにできているんですよね・・・なんか大きなジレンマを感じます)一度買ったからにはなるべく長く乗りつづけていきたいし、そのほうが人も車も幸せだと思います。自分が今乗っているシルビアのメーターは現在102500㌔ですが、乗れるなら20万㌔でも30万㌔でも乗り続けていきたいです。。。それが私の環境対策なのです(^-^)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先進7か国財務相・中央銀行総裁会議

2009-02-14 21:40:07 | 世界経済
体調不良のために、今週はなかなかチャートもまともに見ることができませんでした。今改めて見てみますと、今週の動きは127.60~137.70をを行ったり来たりしているようです。NYの終値は131.83-88となっていて持合いだったようですね。まぁエントリーできなくてよかったといえるかもしれません。。。

さて、ローマで二日間にわたって開かれていたG7が本日深夜閉幕する予定です。声明では、経済の悪化は09年度中続くこと、そして、アメリカの「バイアメリカン条項」に象徴されるような保護主義には自由貿易を損なうため反対の姿勢が表明されることなどが発表される、とのことです。

まぁ、そんな簡単に経済はよくならないですよね・・・これからの自分の運用方針としても、あまり株は買わないようにするってとこですか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする