クリスマスイブとは元来、イエス・キリストが生まれる前夜のことですね。日本語だと「聖夜」と訳されることが多いようです。もっともイマドキの若者たちにとってはむしろ「性夜」という漢字をあてるほうがしっくりくるような気もいたしますが、まあそれはさておき。。。クリスマスなんていう行事が、キリスト教徒人口の少ない日本という国でこんなにももてはやされるのは、そのくらいキリスト教という宗教が世界中に広まっていったことと関係が深いことでしょう。そこで今日は、キリスト教はいかにして世界に広まることになったか、ということを考えてみましょう。
キリスト教がユダヤ教から派生したことはご存じの方も多いと思います。ユダヤ教の経典は旧約聖書であり、キリスト教の経典は旧約聖書と新約聖書。ここまでは本当に基礎の基礎ですね。ところでこの旧約とか新約とかの「約」とはどういう意味でしょうか。。。正解は、契約という意味です。誰と誰の間のどのような契約か? ・・・神と人との契約です。ユダヤ教における神と人との契約は一言で表現すると「律法主義」であり、それに対してキリスト教の契約は「福音主義」。律法主義とは神の人間に対するきわめて厳しい戒律であります。有名なモーセの十戒には、人間が神との契約として守らなければならない、以下のような取り決めが書かれております。
・あなたは、私のほかに、ほかの神があってはならない。
・神の名をみだりに唱えてはならない。
・神の像をつくってはならない。
・安息日を覚えて、これを聖とせよ。
・あなたの父母を敬え。
・殺してはならない。
・姦淫してはならない。などなど。
ちょっとうろ覚えですが、だいたいこのような戒律です。ちなみにこれを破ると、ユダヤ教の神から民族ごと滅ぼされることになっています。ユダヤ教における神様のことをヤーウェ(ヤハウェ・エホバ)というのですが、この神様は非常に嫉妬深く、神経質なお方でして、自分以外の神様を拝もうものなら、嫉妬のあまり民を殺してしまうという、たいへんに厳しいお方なのでした。そのかわり、ヤーウェの神の言うことにちゃんと従うと、実り豊かな約束の地がユダヤの神に与えられ、安心して暮らしていくことができるのでした。
旧約聖書とは、その名の通り「古い契約」のことですが、ユダヤ教における厳しすぎる律法主義に「こりゃたまらん」となり、そこから派生して現れたのが「新しい契約」をひっさげて登場したキリスト教です。キリスト教は福音主義なので、「神は愛である」とか、「すべての人の罪は許されました」などといった、旧約聖書のころには考えられなかった、とても優しい契約が、神との間で結ばれることになったのでした。。。以上、キリスト教の誕生秘話でした。。。続きはまた、気が向いたときにでも書かせていただきます^^
