S.

たいせつなことを忘れないために。

2024-5-11

2024-05-12 16:59:00 | singer songwriter
三女の入学式。
一般的な大人が一般的な“若者”に向けて
語る言葉ではなく
「あなた達は、“音楽”を生きる術として選んだ人たちです。
学生時代に、どのような方法でそれが実現できるかを試してみて、人間関係を作れるようになりなさい。
そして、あなたにしか歌えない歌を歌いなさい。」
はっきりとそう言った学長の挨拶。

なんて興味深い世界なんだと思いました。

入学式のプログラムにも
「学内コンクール優勝者の演奏」があり
黒いデニムと
黒いTシャツ
前髪が長くてあまり表情が見えない
ヒョロっとしたお兄さんが
ふらっと登場して

するっと弾き出したのが
パガニーニの曲でした。
その瞬間
講堂の中は入学式ではなく
そう。
驚愕と
欲望も
嫉妬さえ
様々な目に見えないものが蠢き
ステージの上に
保護者の心も
いつも寝ている三女の心も
奪っていったのです。


一曲を挟んで(こんな言い方は失礼だけど)
三曲目の
パガニーニのカンタービレを聴いた時
彼の中に在ると言われた(らしい)
“悪魔性”を感じることができました。

おそらく
その穏やかな
カンタービレと
一曲目のあまりの違いに
当時のオーディエンスはそう表現せざるを得なかったのだと思います。

「悪魔性」と対極にあるのが「家庭的な心の平穏」であり
それを担保する規範意識を育てるのが
教会の教育だったとすれば
人々が魅了される「悪魔性」がどんな「悪」なのか
現代に生きる私にも
なんとなく
想像することができます。

ミュージカル「CROSS ROAD」
シアタークリエだからこそなのか
この根源的な問いを
爽やかに
いとも
「美しい音楽と、素晴らしいキャストでお届けするオリジナルミュージカル♪」
って
簡単風に
私たちに届けてくるんですね。

こんなお話だって
想像してなかった。。。
でも
母が他界してから
見えるものが変わってきているからこそ
今回
聴けて良かった。

”家庭的な心の平穏“の価値が
本当に感じられるのが
個人的条件で様々に異なる状況だということも含めて

日本的な「家」の理解を
そのまま「カーサ・ノスタルジア」にできないとわかっていても。

家に縛られる人生を放棄して
あたたかな
人生の最期を迎えられるのか。

偉業を
誰が
伝えていくのか。

まだまだ残る問いを
中川晃教さんの歌声は
遥か高い上空で
凌駕していきました。


あの歌声を聴くために
そして
母の愛を
確かめるために
「CROSS ROAD」
大阪まで行ってしまいそうです。



 

 
  








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