今年も相変わらず、ヨーロッパではマイクロソフト社に対する攻撃が続いておりますな(苦笑
EUの一機関「欧州委員会」とマイクロソフトの関係といえば、そう。
Internet Explorerのバンドル問題。
インターネットの代表的な利用方法「Webページ閲覧」のソフト、「Webブラウザ」。
その歴史は、なかなかにシンプルでいて複雑なのです。
現在のWeb「World Wide Web」の理論が生まれたのは、私の誕生日、11月12日です。
1990年11月12日にイギリスのティモシー・ジョン・バーナーズ=リー氏(一般にはティム・バーナーズ=リーと言い習わされてます)が、当時ソフトウェア技術のコンサルタントとしてCERN(欧州原子核研究機構)に勤めていた際に「World Wide Web: Proposal for a HyperText Project」という提案書を発表します。
これが出発点で、翌日の11月13日にWebページの第一号をNeXTにアップロードします。
NeXTというのは約20年前のワークステーション(個人が使用するレベルの簡易コンピュータ「パーソナルコンピュータ」とは違い、業務用の専門的・高性能なコンピュータ)で、MacintoshやiPodやiMacの生みの親、現アップルCEOのスティーブ=ジョブズ氏がアップル社を離れていた時に設立した会社の製品です。
スティーブ=ジョブズ氏はその間、3DCGの映画会社のPIXERを設立(ジョージ=ルーカスのルーカス・フィルムのコンピュータ部門を1000万ドルで1986年に買収して組織)して、トイ・ストーリーなどの大ヒット作を作り上げ、その会社をディズニーに売却し、ジョブズ氏はディズニーの個人筆頭株主となってディズニーの役員になっています。
・・・それは余談ですが。
とにかく、そのジョブズ氏の「NeXT」という特殊な環境でWebというものは生まれました。
そして、1992年に現在のブラウザの基礎が誕生します。
まず、NeXTというのはワークステーションの中の一つの環境であって、世間一般の個人(WindowsやMacintosh)のユーザーとは環境が違っています。
そこで、UNIX用(これもワークステーションですが)として、一般用ブラウザ第一号のErwiseが誕生し、その翌月にViolaが登場します。更に、Macintosh用のブラウザ第一号が「Samba」で、Windows用のブラウザ第一号が「Cello」となります。
アメリカのイリノイ大学にある、NCSA(国立スーパーコンピュータ応用研究所)で、そこの大学生だったマーク=アンドリーセン氏らのグループが「Mozaic(モザイク)」というWebブラウザを開発し、無料公開して大流行しました。
ただ、イリノイ大学の学生として開発したソフトであって、その所有権は大学にありましたので、大学は他社にライセンスしたりしましたし、開発した学生達がより良いソフトへ改良しようとしても、簡単には許可されませんでした。
折角活気的なソフトを完成させても、その後のバージョンアップが出来なかったのです。
そこで、学生達は卒業した後、「Netscape Communications(当時はMozaic Communicationsでしたが、大学から異議申し立てを受けたので改名せざるを得ませんでしたとさ)」という会社を設立して、本当の自分たちの為のブラウザを再開発しました。
それが「Netscape Navigator」です。開発コードネームのMozilla(モジラ)は「Mozaicを倒すゴジラ的怪獣」という皮肉ですww
このMozaicこそが現在のWeb用ブラウザの基礎で、Netscape(現在のFirefox)がその本家本元です。
そして、Internet Explorerというのは、マイクロソフト社がイリノイ大学からライセンスを受けて譲り受けた製品です。
現在も、Internet Explorerを起動して「ヘルプ(H)」から「バージョン情報(A)」を選ぶと、最初の行にちゃんと
「Based on NSCA Mozaic」とあります。
問題はここから。
ブラウザという分野のソフトでいえば、Netscape(現在のFirefox)が開発した分野ですが、マイクロソフト社はWindowsOSを搭載するパソコンに必ずInternet ExplorerやOfficeをバンドルするようにパソコン製造会社(富士通やらNECやらのメーカー)に強要して、強制的に圧倒的なシェアを作ります。
Netscape社は1990年代は圧倒的なシェアを誇っていましたが、Internet Explorerに代わってしまいます。
そりゃ、そーですよね。
世界のパソコン(IBM社のPC-AT互換機)の殆ど全てといっていいシェアがWindowsで、それに必ずInternet Explorerが入っているのですから。
最初からシェアはあります。
パソコンのユーザーに選択権も何もありません。
それ故に、Webブラウザ=Internet Explorerという世界が強制的に自動的に作られました。
MozaicやNetscapeには、戦う土俵すら与えられていないのです。
両手両足を縛られて目隠しをされて睡眠薬を飲まされて筋弛緩剤を打たれた上で、ボクシングの試合をする、って感じでしょうか(笑
私がパソコンを使いだした時は、MacintoshにはInternet Explorer3.0とNetscape Navigator3.0が両方初期状態でインストールされていて、好きな方を使えました。
それで、表示の綺麗さとか、特定のHTMLタグのエラーとか、色々と使ってみた上で、そういう好みできちんと判断出来たので、Netscapeを愛用する様になったのですが。
それを言えば、今のMacintoshも初期ではSafariしかないので、OSを入れた時はまずはSafariを嫌々起動して、Firefoxの最新版をダウンロードしてインストールしてからFirefoxを使わざるを得ないので、アップルも同罪ですけどねww
Windowsに対してMacintoshが世間的なシェア(デザインやら制作やらの特定の分野ではMacintoshが主流ですけど)を持ってないので話題にならないだけです。
・・・まあ、そんなこんなで、ず~~っと欧州委員会はマイクロソフト社に対して、ブラウザのシェアを獲得する機会を他社にもちゃんと与えろ、と勧告して、制裁金を払わせたり、OSの販売の仕方(強制バンドルをするな)の是正命令を出したりし続けてます。
マイクロソフト社は、Windows Media Playerについても2007年までに約6億ドル(600億円)以上の罰金を払ってますし、その後も追加制裁金で2008年2月に8億9900万ユーロの支払いも命じられていました。
更に今年は、その一番の被害者といえるMozillaについて、Internet Explorerについての「欧州委員会 vs マイクロソフト」の戦いに、「利害関係のある第三者」として欧州委員会から権利が与えられました。
これまでは弱小メーカーとして傍観しているしかなかったのですが、意見書を提出したり、公聴会に出席したり、資料を閲覧したりといった事を認められたのです。
今後どうなるかは分かりません。
こればっかりは個人個人の趣味の問題なので、どのブラウザが良いとは押し付けられません。が。
でも世間一般の、特に企業の提供する動画サービスなどで「Internet Explorer以外未対応」ってのは、吐き気がするほど大嫌いです。
IE以外のブラウザを最初からシャットアウトしてますし、問題だらけの欠陥ブラウザを「専用」にしてるのは、どうにも我慢が出来ないのですな(苦笑
正しく、普通の良識有るサービス提供をするなら「W3Cの勧告する世界標準のWeb技術に対応」すべきであって、IEなんぞを勝手に標準としてもらっては、世界中が困ります。
だから、今更欧州委員会が(数年間争い続けて今に至るのですが)IEに更に圧力をかけたって、世界のWeb技術者が「IEを標準に」の意識を捨ててくれないと、いつまで経ってもまともなWebは出来ません。
IE7だって、そのリリース当時「Webの世界標準技術を満たすことは出来ず、欠陥がある」と上層部が認めた上でそのままリリースされた失敗作なのです。
FirefoxやOperaやSafariと同等の製品でもって出直してこい、って感じですが、それで更に今はIE8をリリースしようとしています。
「標準」にちゃんと準拠したものを、サービス提供者は推奨ブラウザとすべきですな。
IEは標準なんぞぢゃないのですから、「IEが圧倒的シェアだから仕方ない」はいい加減やめろ!!!!
だからこそ、日々、Internet Explorerのシェア減少の一途をニュースとして報道され続けているのです。
麻生内閣の支持率と全く同じ感覚の追跡調査ですな。
アップル社についても、OSのデフォルトをSafariにすんな。
ユーザーにちゃんとFirefoxやOperaを選ばせなさい。
EUの一機関「欧州委員会」とマイクロソフトの関係といえば、そう。
Internet Explorerのバンドル問題。
インターネットの代表的な利用方法「Webページ閲覧」のソフト、「Webブラウザ」。
その歴史は、なかなかにシンプルでいて複雑なのです。
現在のWeb「World Wide Web」の理論が生まれたのは、私の誕生日、11月12日です。
1990年11月12日にイギリスのティモシー・ジョン・バーナーズ=リー氏(一般にはティム・バーナーズ=リーと言い習わされてます)が、当時ソフトウェア技術のコンサルタントとしてCERN(欧州原子核研究機構)に勤めていた際に「World Wide Web: Proposal for a HyperText Project」という提案書を発表します。
これが出発点で、翌日の11月13日にWebページの第一号をNeXTにアップロードします。
NeXTというのは約20年前のワークステーション(個人が使用するレベルの簡易コンピュータ「パーソナルコンピュータ」とは違い、業務用の専門的・高性能なコンピュータ)で、MacintoshやiPodやiMacの生みの親、現アップルCEOのスティーブ=ジョブズ氏がアップル社を離れていた時に設立した会社の製品です。
スティーブ=ジョブズ氏はその間、3DCGの映画会社のPIXERを設立(ジョージ=ルーカスのルーカス・フィルムのコンピュータ部門を1000万ドルで1986年に買収して組織)して、トイ・ストーリーなどの大ヒット作を作り上げ、その会社をディズニーに売却し、ジョブズ氏はディズニーの個人筆頭株主となってディズニーの役員になっています。
・・・それは余談ですが。
とにかく、そのジョブズ氏の「NeXT」という特殊な環境でWebというものは生まれました。
そして、1992年に現在のブラウザの基礎が誕生します。
まず、NeXTというのはワークステーションの中の一つの環境であって、世間一般の個人(WindowsやMacintosh)のユーザーとは環境が違っています。
そこで、UNIX用(これもワークステーションですが)として、一般用ブラウザ第一号のErwiseが誕生し、その翌月にViolaが登場します。更に、Macintosh用のブラウザ第一号が「Samba」で、Windows用のブラウザ第一号が「Cello」となります。
アメリカのイリノイ大学にある、NCSA(国立スーパーコンピュータ応用研究所)で、そこの大学生だったマーク=アンドリーセン氏らのグループが「Mozaic(モザイク)」というWebブラウザを開発し、無料公開して大流行しました。
ただ、イリノイ大学の学生として開発したソフトであって、その所有権は大学にありましたので、大学は他社にライセンスしたりしましたし、開発した学生達がより良いソフトへ改良しようとしても、簡単には許可されませんでした。
折角活気的なソフトを完成させても、その後のバージョンアップが出来なかったのです。
そこで、学生達は卒業した後、「Netscape Communications(当時はMozaic Communicationsでしたが、大学から異議申し立てを受けたので改名せざるを得ませんでしたとさ)」という会社を設立して、本当の自分たちの為のブラウザを再開発しました。
それが「Netscape Navigator」です。開発コードネームのMozilla(モジラ)は「Mozaicを倒すゴジラ的怪獣」という皮肉ですww
このMozaicこそが現在のWeb用ブラウザの基礎で、Netscape(現在のFirefox)がその本家本元です。
そして、Internet Explorerというのは、マイクロソフト社がイリノイ大学からライセンスを受けて譲り受けた製品です。
現在も、Internet Explorerを起動して「ヘルプ(H)」から「バージョン情報(A)」を選ぶと、最初の行にちゃんと
「Based on NSCA Mozaic」とあります。
問題はここから。
ブラウザという分野のソフトでいえば、Netscape(現在のFirefox)が開発した分野ですが、マイクロソフト社はWindowsOSを搭載するパソコンに必ずInternet ExplorerやOfficeをバンドルするようにパソコン製造会社(富士通やらNECやらのメーカー)に強要して、強制的に圧倒的なシェアを作ります。
Netscape社は1990年代は圧倒的なシェアを誇っていましたが、Internet Explorerに代わってしまいます。
そりゃ、そーですよね。
世界のパソコン(IBM社のPC-AT互換機)の殆ど全てといっていいシェアがWindowsで、それに必ずInternet Explorerが入っているのですから。
最初からシェアはあります。
パソコンのユーザーに選択権も何もありません。
それ故に、Webブラウザ=Internet Explorerという世界が強制的に自動的に作られました。
MozaicやNetscapeには、戦う土俵すら与えられていないのです。
両手両足を縛られて目隠しをされて睡眠薬を飲まされて筋弛緩剤を打たれた上で、ボクシングの試合をする、って感じでしょうか(笑
私がパソコンを使いだした時は、MacintoshにはInternet Explorer3.0とNetscape Navigator3.0が両方初期状態でインストールされていて、好きな方を使えました。
それで、表示の綺麗さとか、特定のHTMLタグのエラーとか、色々と使ってみた上で、そういう好みできちんと判断出来たので、Netscapeを愛用する様になったのですが。
それを言えば、今のMacintoshも初期ではSafariしかないので、OSを入れた時はまずはSafariを嫌々起動して、Firefoxの最新版をダウンロードしてインストールしてからFirefoxを使わざるを得ないので、アップルも同罪ですけどねww
Windowsに対してMacintoshが世間的なシェア(デザインやら制作やらの特定の分野ではMacintoshが主流ですけど)を持ってないので話題にならないだけです。
・・・まあ、そんなこんなで、ず~~っと欧州委員会はマイクロソフト社に対して、ブラウザのシェアを獲得する機会を他社にもちゃんと与えろ、と勧告して、制裁金を払わせたり、OSの販売の仕方(強制バンドルをするな)の是正命令を出したりし続けてます。
マイクロソフト社は、Windows Media Playerについても2007年までに約6億ドル(600億円)以上の罰金を払ってますし、その後も追加制裁金で2008年2月に8億9900万ユーロの支払いも命じられていました。
更に今年は、その一番の被害者といえるMozillaについて、Internet Explorerについての「欧州委員会 vs マイクロソフト」の戦いに、「利害関係のある第三者」として欧州委員会から権利が与えられました。
これまでは弱小メーカーとして傍観しているしかなかったのですが、意見書を提出したり、公聴会に出席したり、資料を閲覧したりといった事を認められたのです。
今後どうなるかは分かりません。
こればっかりは個人個人の趣味の問題なので、どのブラウザが良いとは押し付けられません。が。
でも世間一般の、特に企業の提供する動画サービスなどで「Internet Explorer以外未対応」ってのは、吐き気がするほど大嫌いです。
IE以外のブラウザを最初からシャットアウトしてますし、問題だらけの欠陥ブラウザを「専用」にしてるのは、どうにも我慢が出来ないのですな(苦笑
正しく、普通の良識有るサービス提供をするなら「W3Cの勧告する世界標準のWeb技術に対応」すべきであって、IEなんぞを勝手に標準としてもらっては、世界中が困ります。
だから、今更欧州委員会が(数年間争い続けて今に至るのですが)IEに更に圧力をかけたって、世界のWeb技術者が「IEを標準に」の意識を捨ててくれないと、いつまで経ってもまともなWebは出来ません。
IE7だって、そのリリース当時「Webの世界標準技術を満たすことは出来ず、欠陥がある」と上層部が認めた上でそのままリリースされた失敗作なのです。
FirefoxやOperaやSafariと同等の製品でもって出直してこい、って感じですが、それで更に今はIE8をリリースしようとしています。
「標準」にちゃんと準拠したものを、サービス提供者は推奨ブラウザとすべきですな。
IEは標準なんぞぢゃないのですから、「IEが圧倒的シェアだから仕方ない」はいい加減やめろ!!!!
だからこそ、日々、Internet Explorerのシェア減少の一途をニュースとして報道され続けているのです。
麻生内閣の支持率と全く同じ感覚の追跡調査ですな。
アップル社についても、OSのデフォルトをSafariにすんな。
ユーザーにちゃんとFirefoxやOperaを選ばせなさい。
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