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リートリンの覚書

日本書紀 巻第五 御間城入彦五十瓊殖天皇 四


日本書紀 巻第五 
御間城入彦五十瓊殖天皇 四


天下に布告して、
大田田根子を探させると、

すぐに
茅渟県(ちぬのあがた)の陶邑(すえむら)にて、
大田田根子を見つけ出し、
朝廷に奉りました。

天皇は、ただちに、
自身で神浅茅原に臨幸され、

諸王、卿、及び八十諸部たちとお会いになり、
大田田根子に、
「汝は誰の子だ」
と問いました。

(その問いに対して大田田根子は、)
「父は大物主大神といいます。
母は活玉依姫(いくたまより)といいます。
陶津耳(すえつみみ)の娘です。」
と答えました。

・異伝では、
奇日方天日方武渟祇
(くしひかたあまひかたたけつぬつみ)
の娘であると伝えています。

天皇は
「朕は、栄えていくことになるだろう」
といいました。

さっそく
物部連の祖の伊香色雄(いかがしこお)を、
神の班物者(ものわかつひと)
することについて占うと、
吉であるとでました。

また他の神を祭ることを占うと、
不吉であるとでました。

十一月一三日、
伊香色雄に命じて、
物部は八十平瓮(やそひらか)
神に奉る物を作りました。 

そして、
大田田根子を大物主大神の祭主としました。

また、長尾市を倭大国魂神の祭主としました。

その後に、
他の神を祭ることを占うと、
吉とでました。

そこで八十万の神々を祭りました。

天社(あまつやしろ)
国社(くにつやしろ)

および、
神地(かみところ)神戸(かんべ)
を定めました。

ここで疫病が治まり、
国内は平安になり始めました。

五穀も実り、
百姓も豊かになりました。

八年、夏四月一六日、
高橋邑の活日(いくひ)

(大物主)大神の
挙酒(さかひと)としました。

冬十二月二十日、
天皇は、大田田根子に大神を祭らせました。

この日、活日は自ら神酒をささげて、
天皇に献上しました。
そこで歌い、

この神酒は 私の神酒ならず
倭を成す 大物主の
醸造した神酒 幾久しく 幾久しく

(この神酒は、
私の作った神酒ではありません。
倭をつくった 大物主神の
醸造した神酒。
末長く 末長く )

このように歌い、
神の宮で宴会をしました。

すぐに宴会はおわり、
諸大夫が歌を詠いました。

味酒(うまさけ) 三輪の殿(との)
朝門(あさと)にも 
出でていけ 三輪の殿の戸を

(うまい酒 三輪神社の社殿で
戸が開く朝まで酒を飲み朝がきたら
出ていこう、三輪の社殿の戸を)

そこで天皇も歌いました。

味酒(うまさけ) 三輪の社殿の
朝門(あさと)にも 
押し開かね
三輪の社殿の戸を

(うまい酒 三輪神社の社殿で、
戸が開く朝まで酒を飲んでいきなさい、
押し開いて
三輪の社殿の戸を)

そしてすぐに神社の門を開き、
出て行きました。

大田田根子とは、
今の三輪君等の始祖です。

九年、春三月十五日、
天皇の夢に神人があらわれ、
「赤い盾八枚、赤い矛八本で、
墨坂の神を祭りなさい。

また、黒い盾八枚、黒い矛八本で、
大坂の神を祭りなさい」
と教えました。

四月一六日、
夢の教えのとおり、
墨坂の神、大坂の神を祭りました。



・茅渟県(ちぬのあがた)
和泉国の古名、大阪府南の

・陶邑(すえむら)
大阪南部に分布する、古墳時代から平安時代初頭まで、須恵器を作る窯を持つ村。

陶津耳(すえつみみ)
陶器村の首長

臨幸(りんこう)
天子が行幸しその場に臨むこと

班物者(ものわかつひと)
物を分配するひと

八十平瓮(やそひらか)
神事で使われる多数の平皿

神地(かみところ)
神社の費用をまかなう地

神戸(かんべ)
神社に属する民

高橋邑
奈良市杏町高橋

挙酒(さかひと)
神酒の管掌者

墨坂
宇陀郡榛原町荻原付近

大坂
北葛城郡香芝町逢坂


感想

前回は疫病が流行し、

それは、
大物主神の意思により起きた出来事で、

大物主大神を
子・大田田根子に祀らせたなら
平安になるよと教えられた。
以上のところまででした。

で、今回は。

ついに、
大田田根子を探し出し、
彼女を大物主大神祭主にし、

また、長尾市を倭大国魂神の祭主にして
祀ったら、

疫病がおさまり、
五穀豊穣になり、
百姓(おおみたから)が豊かになったと。

よかったですね☺️

はぁ、
コロナ騒動も、
このように平安にならないかなぁ。

平安になった所で、

高橋邑の活日を
大物主大神の神酒を司る管理者にして
酒造りをし、宴会。

いいですね。

そのお酒どんなお味だったのでしょう。

このことから、
大神神社の大物主大神は
酒造の神ともされています。

今年は、
大神神社に参拝する予定だったのに…

コロナの影響で見送りになりました。
残念😩

でも、いつかは参拝したい。

さて、今日はこの辺で。

明日に続きます。

最後まで読んで頂き
ありがとうございました。


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