リートリンの覚書

日本書紀 巻第三十 高天原廣野姫天皇 七 ・負債者の利の免除 ・高僧に天武天皇の御服で作った袈裟を贈る



日本書紀 巻第三十 
高天原廣野姫天皇 七

・負債者の利の免除
・高僧に天武天皇の御服で作った袈裟を贈る



六月二十八日、
罪人を赦しました。

秋七月二日、
詔して、
「凡そ、
負債者は、
乙酉(きのととり)の年より以前の物は、
利を収めてはならぬ。

もし既に、
身を役についやしているなら、
利のために役をしてはならぬ」
といいました。

九日、
隼人の、大隅・阿多の
魁帥(ひとごのかみ)等・三百三十七人に

賞を賜りましたが、
各々差がありました。

八月五日、
殯宮で嘗をしました。
これは御青飯(あおきおもの)といいます。

六日、
京城(みやこ)の耆老(きろう)の、
男女の皆が、
橋の西で慟哭(どうこく)に臨みました。

二十八日、
天皇は、
直大肆の藤原朝臣大嶋
(ふじわらのあそみおおしま)、

直大肆の黄書連大伴
(きふみのむらじおおとも)を使わして、

三百の龍象(りゅうぞう)の
大德(だいとく)等を飛鳥寺に、
請い集め、袈裟を施し奉りました。

人別に一領。

「これは、
天渟中原瀛真人天皇
(あまのぬなはらおきのまひとのすめらみこと)
御服で縫って作ったものです」
といいました。

詔の詞は酸(つら)く、
割(さ)かれていました。

具に陳(の)べることができません。



・魁帥(ひとごのかみ)
上代、一群の人の長。首領
・嘗
秋、新穀を神に供える祭
・耆老(きろう)
60歳を「耆」、70歳を「老」ということから)60歳から70歳位の老人
・慟哭(どうこく)
悲しみのあまり、声をあげて泣くこと
・龍象(りゅうぞう)
高徳のすぐれた人物を龍と象にたとえたことば。多く聖者・高僧の意に用い、また、僧の敬称としても用いる。りょうぞう
・大德(だいとく)
偉大な徳。りっぱな徳。 2 仏のこと。また、高徳の僧。転じて、一般に、僧



(感想)

(持統天皇元年)

6月28日、
罪人を赦しました。

秋7月2日、
詔して、
「およそ、
負債者は、乙酉の年より以前の物は、
利を収めてはいけない。

もし既に、
返済のために
身を労役についやしているなら、

利のために労役をすることはできない」
といいました。

9日、
隼人の、大隅・阿多の首領ら・337人に
褒賞を与えましたが、
各々差がありました。

8月5日、
殯宮で嘗をしました。
これは御青飯といいます。

六日、
京城の年老いた、男女が、
皆、橋の西で慟哭に臨みました。

28日、
天皇は、
直大肆の藤原朝臣大嶋、
直大肆の黄書連大伴を派遣して、

龍と象のような偉大な高徳の僧300人を、
飛鳥寺に請願して集め、
袈裟を贈り奉りました。

人ごとに一領。

「これは天武天皇の御服で
縫って作ったものです」
といいました。

詔の言葉は、
辛さで、痛ましく、
引き裂かれていました。

詳細にのべることができません。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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