11月だったか、コンビニでちょくちょくやっている「○○円以上お買い上げの方はスピードくじがひける」というのをやっていた。
コンビニには2日に1回以上は立ち寄る。月あたりいくらくらい買っているんだか、私のエンゲル係数を上げるのには大きな役割を持っている。
で、くじをひくことになった。缶チューハイでも当たればOK、くらいのつもりでいたら、どうも違うものが当たったらしい。店長だかオーナーだか、おじさんが「これです」と言って持ってきた物を見て、目がテン。
家電でも入っていそうなでかい箱。そして全面にアニメのキャラの絵。『ワンピース』のフィギュアとマグカップのセットだった。
アニメ系は、私の中では中学生の時に完結している(当時の同級生でその後漫画家になったのがいるのだが、彼の卓越した視点に感服し、なんだかそれで満足してしまった。ちなみに彼は、当時大人気だった「宇宙戦艦ヤマト」はまあそこそこと言い、全くの不人気だった「機動戦士ガンダム」を絶賛していた。彼の影響で、私なども「パタリロ!」などは随分読んでいた)。子ども相手の仕事をしていた時分には「ドラゴンボール」とかが物凄かったのは分かっていたが、その仕事を離れてからはアニメそのものを全く観なくなった。普段はマンガも読まない。(最近の唯一の例外が「ヘタリア」。これだけは買って読んでいる)だもんで、『ワンピース』が日曜夜のテレビアニメになっていたくらいは知っていたが、キャラの名前もストーリー展開も全くわからない。コンビニで客寄せに使われるのだから、大人気なのには間違いないだろうが、その魅力が私にはわからない。そんな私に、コレが当たってしまった。“豚に真珠”とは、こういうこと。
「いらない」と言おうかとも思ったが、(大当たりが当たったというツキまで手放してしまうのは、損な気がする)と思い直し、そのでかい箱を受け取って帰宅した。
持ち帰ったはいいけれど、さてどうしよう。甥やら姪やらもあまり興味はもっていなさそうだし、職場の同僚の子どもたちに、というのもいまいちピンとこない。
そんなことを考えながら、しばらく置きっぱなしにしてあった。
休日、ブログつながりの方々のそれぞれのサイトに入りこんで記事を読んでいたら、『ワンピース』ネタがある。フィギュアが欲しかったよ~、とか仰っている。あ、そんならあげちゃおうか、と単純に思った。いらない、と仰るのであれば、どこぞのオークションにでも出そう。
打診したところ「下さいな」とのお返事。欲しがっている人の所へ貰われていくのが、このフィギュアたちにもよろしかろう。数日後、皆さんまとめてお引っ越し。
したところ、先方がお返しを下さる、という。たかだか数百円の買い物のおまけでもらったものなので、そこまでしていただかなくても、とは思ったが、せっかくなのでその土地でしか手に入らないプリンとポテトチップを所望した。ツーリングで立ち寄った際に食べ、なかなかおいしいと思っていたが、通販も「お取り寄せ」もやっておらず、そこに行かなければ手に入らない、レアな味。こんな贅沢なおやつも、そうはない。
そして、サンタクロースが届けにきた(緑色の作業着を着て、ネコの絵のついたトラックで)。
プリンとポテチどころではない。こんなにいっぱい詰め合わせていただいた。
全部で何品目あるんだか。数日は楽しめそうな量。牛たんのスモークはレア中のレア。正月に1日だけ実家に戻るので、ローストビーフと一緒に手土産にしよう。
感謝感激雨あられ。これもまた『ワンピース』の幸運の続きだろうか。気分は「わらしべ長者」。コンビニの当たりくじ1枚では、こんなにもらえない。食べるのももったいないが、美味しいうちに食べちゃわないと。
ヒカルさん、ありがとうございました&ごちそうさまです<(_ _)>
新宿で2日ほど研修があった。帰り道は解放感もあって、つい寄り道。
伊勢丹のすぐそばにあるとんかつ屋『王ろじ』。何でも「とんかつ」という言葉を作ったのはここの初代だとか。創業が大正10年だっていうから、88年前のこと。
ここのとんかつは、最近のことばを使うと「ミルフィーユカツ」。薄切りロース肉を棒状に丸め、揚げてある。
すごいのは、味噌汁。まず、器がお茶碗みたいな小丼。具が、豆腐と炒めタマネギとベーコン(!)。いろんなところでご飯食べてきたけど、ベーコンの入った味噌汁はここ以外ではお目にかからない。私は嫌いじゃない。
『王ろじ』の分家だったのだろうか、私の子どもの頃住んでいた川崎の街にあった。子どもの頃は『王ろじ』のとんかつはごちそうで、口にすることができたのは年に2・3回あっただろうか。来客があったりすると親が出前で取り寄せてくれた。独特の甘辛いとんかつソースとマヨネーズがキャベツにからまった味を記憶している。当時と変わらない佇まいのとんかつは、私にとって他とは違うものであり、懐かしいごちそうなのである。
歌舞伎町の入口にある『やんばる』のゴーヤチャンプル定食。ごはんは「ジューシー」(炊き込みご飯)、汁ものは「すば」(沖縄そば)、ゴーヤジュース付き。
ここのゴーヤチャンプルの肉は、「スパム」(ランチョンミート)を使っている。米軍って沖縄にこんな形で入り込んでいるのね、と改めて「基地問題」を思い起こしたりする。
辛いもの好きな私は、「コーレーグース」(島唐辛子の泡盛漬け)をそばにじゃんじゃかかける。普通に食べるとあっさり優しいだしの味のそばだが、ぴりっと引き締まっていい感じになる。
B級というよりは、準A級にでもしておきたいのが、『中村屋』のチキンカリー。甘くなく、辛すぎず、酸味もあり、上品な食べ物である。
チキンレッグが入っているが、これがしっかりヨーグルト系の下味がしみこんでいて、カリーソースとからむとスパイスのトンガリ感がやわらかくなったように感じさせる。
飲み物はコーヒーでもチャイでも合いそうだったが、この時はチャイを選んだ。
これもまた昭和初期からの名物洋食だったりする。神田神保町の『共栄堂』も私のお気に入りのカレー屋さんだが、どうも私は大正~昭和初期の洋食にハマりやすいようだ。何となくあの時代の文化・風俗に引き寄せられる。生きていれば100歳になっていたはずの私の祖父の青春時代でもある。製鉄会社の職工さんだった祖父は、どんな青春時代を送っていたのだろうか。きっと中村屋のカリーは高すぎて食べられなかったんだろうなあ…