日本のライブ映像ではないが、こんな雰囲気だったということで。
日本では、この曲は渋谷でのみ披露されていた。
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YouTube: Dream Theater - Wait for Sleep , Live Manchester Apollo England, Feb 9 2012
◆話を少し戻すが、演奏のしかたも今回は変わっていた。<o:p></o:p>
というか、昔に戻った。<o:p></o:p>
前回の来日はフェスティバルで、1時間と少ししか持ち時間がなかったので別として、それ以前のツアーでは2部構成・3時間の長い演奏時間、曲の一部をつないだメドレー形式などのやり方もみせていたが、今回は一切そういうことをしていない。<o:p></o:p>
曲の最後と次の曲の頭を切れ目なく演奏することはあったが、そのくらい。<o:p></o:p>
キーボードやギターのフリータイムソロも控えめ。<o:p></o:p>
曲本来のアレンジに比較的忠実に、1曲1曲をしっかり演奏することに意識を向けている、という姿勢を感じた。<o:p></o:p>
22年くらい前になるか、初来日の時がそうだった。<o:p></o:p>
これもポートノイが抜け、ペトルーシがイニシアチブを取るようになってからの変化。<o:p></o:p>
ドラムスがマンジーニに替わったこと以上に、バンドの方向性が変わったようだ。<o:p></o:p>
マンジーニのドラムは、ポートノイと比べると地味。<o:p></o:p>
本人が「ギターやヴォーカルをしっかり引き立てたい」と何かのインタビューで言っていたから、もともとあまり目立とうという意識がない。<o:p></o:p>
その分、リズムの安定感はぐっと増した。<o:p></o:p>
きっちり演奏するドラムが入ったから、ここはひとつ原点に戻って、オーソドックスにやってみようじゃないか…とメンバーが思ったとしても不思議ではない。<o:p></o:p>
ペトルーシやラブリエが、実はメドレーやカヴァーをやるのは好きじゃない、とこれまたどこかのインタビューで言っていたらしい。<o:p></o:p>
ラブリエが「私は『ドリーム・シアターのヴォーカル』なんだ」という言い方をしていたようだ。<o:p></o:p>
これらの言葉が本音なら、マンジーニが加入して現在のショウ構成になったことで、彼らが「やりたかったこと」が実現できているわけである。<o:p></o:p>
実際2回のライブを観ていて、練り上げられたショウということ以上にバンド内の「気の流れ」がとても穏やかになっていることが感じられた。<o:p></o:p>
ポートノイは、コーラスを取る時の「ボエ~」声と仕切りたがりのキャラから、2ちゃんねるやニコニコ動画の中では『ジャイアン』と綽名されていた。<o:p></o:p>
やっぱりバンドの中でも「ジャイアン」だったのかな。<o:p></o:p>
ペトルーシやラブリエが「メドレーはちょっとねえ…」とか「カヴァーはもういいよ」と言っているのを読むと、あまり表面には出さなかったけど(メンバーの皆さん「大人」だから)、ポートノイの「ジャイアン」っぷりに辟易してたんかなあ、と勘繰りたくなる。<o:p></o:p>
脱退のすったもんだがあった挙句、ポートノイが「戻りたい」と言いだして、「何を今更!もう遅いよ」と(さすがに「大人」でも)感情的になった、とペトルーシ本人が言っている。<o:p></o:p>
そしてバンドは、原点回帰の方向へ動き出した。<o:p></o:p>
楽曲の面でも、ライブパフォーマンスでも。<o:p></o:p>
ラウド&ヘヴィネスに傾倒してきていたポートノイとは、道を分けた格好になる。<o:p></o:p>
こうなるとおそらくポートノイは、もう戻る場所がないだろう。<o:p></o:p>
少なくとも、今後数年間は。<o:p></o:p>
そんなことも感じたライブだった。<o:p></o:p>
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なるほど、“A dramatic turn of events”(最新作のアルバムタイトル)だ。<o:p></o:p>
ペトルーシ本人は、「メンバーチェンジのことではない」とは言っているが、やっぱり「転機」だったことには違いない。<o:p></o:p>
ギターのペトルーシとベースのマイアング、この「ニュージャージーの幼馴染」コンビがオリジナルメンバー。<o:p></o:p>
この二人が学生の頃に「Rushかっけーじゃん!Metallicaクールじゃん!俺たちもちょっとやってみようぜ」で始まったこのバンド。<o:p></o:p>
うまくなりたいから「遊ぶのは6時間練習してからにしよう」と決め、毎日ひたすら弾き倒していたという。<o:p></o:p>
学生の頃のピュアな初期衝動がいまだにほのかに感じられるのも、私がこのバンドの音楽に惹かれる理由なのかもしれない。<o:p></o:p>
後から加わったメンバーはよく見りゃみんな年上で、すでに平均年齢50歳になろうとしているけれど、まだまだ新しいことができると思う。<o:p></o:p>
願わくば20年先にもまだ観ていたい(私も生きていれば、だが)。<o:p></o:p>