夕張から岩見沢方向へ抜ける峠道。国道とは違い、行き交う車もまばら。北海道とはいえ、真夏の内陸は暑いなー、と思いながら登って行く。峠の頂上まで来たとき、目の前を横切るものが。何かと思ったら、キタキツネだった。ちらりとこちらを一瞥し、とことこと去って行った。このあと、さらに2頭とすれ違った。1頭はこの春生まれた仔狐。
峠を降りて行く途中までは、人の気配・生活のにおいがない。大分降りてきて、人家が見えてきたところに、こんなものがあった。旧国鉄万字線・万字炭山駅跡。夕張もそうだが、空知管内はかつて北海道の基幹産業であった炭鉱が集中している。万字線・幌内線・上砂川線・夕張鉄道・三菱大夕張線・歌志内線…炭鉱から掘り出された石炭を運ぶ路線は悉く消えた。この旧万字線は、北海道中央バスの代替輸送があったが、それもなくなってしまったらしい。バスの待合所がそのまま残されていた。
旧幌内線の駅舎がそのままライダーハウスになっている萱野を過ぎ、道の駅三笠へ。
道の駅へ来たら、ソフトクリーム。ここは、山向こうの夕張メロンのソフトクリームを売っていた。これは賞味しなくては(笑)。マイクロバスに、近隣の高齢者デイサービスの名前が書いてあった。お出かけでもされていたのだろうか。この土地ならではの楽しみとご苦労があることとお察しします。お仕事お疲れ様です。
ここからR12を北上。途中見つけた郵便局で、友人宅へロイズのお菓子を小包にして送る。(工場から直送で送ることもできたのだが…ちょっと段取りが悪くて、こういうことになった)このあたり、「日本一の直線道路」なのだが、交通量は多いし信号も多いので、あまり実感が湧かない。石狩川に沿って両岸に道の駅が点在しているので、スタンプラリー再開。ハウスヤルビ奈井江、つるぬま、たきかわ、田園の里うりゅう、サンフラワー北竜とたたみかける。
気がつけば夕方5時。今宵の宿は…と思い、いくつかあたるが、どこも「満室」。本当はこのあたりで1泊しようと思ったのだが…以前宿を取ったことがある深川まで行ってみたが、その時泊まったビジネスホテルがあった場所は、なんと更地になっていた。うーむ、致し方ない。旭川まで行ってみよう。道北随一の大都市だから、どうにかなるだろう。
6時。旭川に着き、片っ端から問い合わせてみる。が、やはりここも満室。「仙台の悪夢」再現か?と少し焦り出した時、古めかしいビジホが目についた。エレベーターもないようなところだが、贅沢は言ってられない。一晩夜露をしのげる部屋とゆっくり身を横たえられる寝床があれば御の字。「バイクの一人旅なんですが、お部屋空いてますか…?」宿のおっさんが、ちょっと考えてから「3人部屋ならひとつ空いてるけど…まあいいか、どうぞ。今日はあなたで打ち止め、満室にしましょう」Lucky!ありがとう、おじさん(言い方まで変わる)。大荷物を3階まで階段で担ぎ上げ、今宵の宿とする。
旭川まで来たら、とりあえずラーメンを食べておきたいと思った。北海道に上陸してから、まだラーメンは食べていないのだった。ぶらっと繰り出したら、いきなり旭川ラーメンの名店『山頭火』。あれ、こんなところに前は店はなかったよな、新店を出したのかと思っていたら、本店が引っ越してきたのだった。んじゃあ、ここにしよう。
最近ラーメン屋さんで「餃子とビール」というのが私のお気に入りになっている(思いっきり「おやじ世界」です)。で、ラーメン食べてご飯もつけて…メタボ定食一丁!…はい、全部食べました。おなかいっぱいです。
明日はどっちへ行こうか…朝の天気予報次第で決めよう!
「さて、どちらへ行かう 風が吹く」(種田山頭火)