あなたが観ている世界は日常のすべてですか?
≪ある日、突然に
となり町との戦争がはじまった。
だが、銃声もきこえず、
目に見える流血もなく、
人々は平穏な日常を送っていた。
それでも、
町の広報紙に発表される、
戦死者の数は静かに
増え続ける。
そんな戦争に現実感を抱けずにいた
「僕」に、町役場から
一通の任命書が届いた・・・。
見えない戦争を描き、
第17回小説すばる新人賞を
受賞した傑作≫
三崎亜紀「となり町戦争」(集英社文庫)
この小説の主人公北原は平凡な会社員、
舞阪町のアパートで一人暮らしをしています
ある日、北原は
戦時特別偵察業務従事者に任命されるのです
そこここで戦闘がおこっているわけでもなく、
戦争を実感できるものはないのですが
対森見町戦争推進室の香西と
森見町に新婚夫婦を偽装して
アパートを借りるのです
広報紙に戦死者の数が発表されますが
実感することは出来ません
ある夜、緊急の連絡が入り、
北原は森見町から舞坂町への
逃亡をはかるのです。
支援者の助けをかりて、
なんだかスリルをすら
感じて・・・
後日、あれは本当に危険な瞬間だったのだろうかと
疑問に思うのですが
自分を助けてくれた支援者というひとが
命を落としていることを知ります
そして、香西の弟も。
彼の遺体はその前日に隣町で可決された
法案によって、
ごみ焼却場で処分されていました・・・
この小説は決してリアルな怖さというもので
終始しておらず、むしろ小説の外側の世界を
揺らす役割を果たしているように思います
あなたが見ているのは世界のすべてですか
あなたが理解しているそのままに
世界は動いているのですか、と
教え込まれたとおりに
従順に生きてはいませんか、と
イラク戦争がおこったとき
ピンポイントで破壊された町々
殺されたひとびと
それらはあなたの知っている日常だったでしょうか
あなたはすべてを把握しているのでしょうか
カードはすべて見せてもらいましたか
日常を揺らす小説、
そんなことを思いました
≪ある日、突然に
となり町との戦争がはじまった。
だが、銃声もきこえず、
目に見える流血もなく、
人々は平穏な日常を送っていた。
それでも、
町の広報紙に発表される、
戦死者の数は静かに
増え続ける。
そんな戦争に現実感を抱けずにいた
「僕」に、町役場から
一通の任命書が届いた・・・。
見えない戦争を描き、
第17回小説すばる新人賞を
受賞した傑作≫
三崎亜紀「となり町戦争」(集英社文庫)
この小説の主人公北原は平凡な会社員、
舞阪町のアパートで一人暮らしをしています
ある日、北原は
戦時特別偵察業務従事者に任命されるのです
そこここで戦闘がおこっているわけでもなく、
戦争を実感できるものはないのですが
対森見町戦争推進室の香西と
森見町に新婚夫婦を偽装して
アパートを借りるのです
広報紙に戦死者の数が発表されますが
実感することは出来ません
ある夜、緊急の連絡が入り、
北原は森見町から舞坂町への
逃亡をはかるのです。
支援者の助けをかりて、
なんだかスリルをすら
感じて・・・
後日、あれは本当に危険な瞬間だったのだろうかと
疑問に思うのですが
自分を助けてくれた支援者というひとが
命を落としていることを知ります
そして、香西の弟も。
彼の遺体はその前日に隣町で可決された
法案によって、
ごみ焼却場で処分されていました・・・
この小説は決してリアルな怖さというもので
終始しておらず、むしろ小説の外側の世界を
揺らす役割を果たしているように思います
あなたが見ているのは世界のすべてですか
あなたが理解しているそのままに
世界は動いているのですか、と
教え込まれたとおりに
従順に生きてはいませんか、と
イラク戦争がおこったとき
ピンポイントで破壊された町々
殺されたひとびと
それらはあなたの知っている日常だったでしょうか
あなたはすべてを把握しているのでしょうか
カードはすべて見せてもらいましたか
日常を揺らす小説、
そんなことを思いました
読みたくなりました、樹さんの感想を読んで。
私がここの所ずっと疑問に思ってる事が、まさに
樹さんがおっしゃってる事なので…。
リストにどんどん増えていきます~、もっと
有効に時間を使っていかなければ…全て
読んだり見る事ができないまま1年を過ごすのは
避けたいです。
東條さん、この小説に反応してくださってありがとうございます。自分が感覚的に察知できること、触れられること。その外側で、あるいは地下深くで起こってるかもしれないことに、どれほど先鋭的に感覚を磨いていられるか。想像の刃を研いでいられるか。ここに世界を解く鍵があるのではないかと思います。
奈良にいた頃、里山を守る運動に少しかかわって、オオタカの営巣を探しに出かけました。巣は発見できなかったけど、
レッドページに指定されている、オオタカを空中に発見しました。あの感激!
見ようとすれば、探しさえすれば、逢いたいものに逢えるんだということを実感しました。それは知らない単語のひとつであっても、松ケンの興味であっても、
おいしいチョコレイトでもいいんですよ、きっと。全ては等価です。あなたを揺らすもの。同じ、すべて。いろんなもの、探しましょう。気付いたこと、みつけたもの、またお話してくださいね!