外に出ると
お天気はいいのに風が強く肌寒く感じる
日傘をさすと風で飛ばされそうなほど
こんな風の強い日は
遠い昔のあの日を思い出す
人でごった返したお祭りの日
人の波に押し潰されそうになり
手を差し出してくれたのに
私は上着の袖を掴んでいた
帰る頃には冷たい雨と風
ひとつの傘でふたり歩いた
手を握ればよかった
もっと寄り添えば
あんなにも雨に濡れずに済んだのに
今になってそんな事を思う
あの時に
こうしていれば、
こうしなければ、
こう言えば、
あんな事を言わなければ、
こんなことになるのなるば、
私の人生は
そんな後悔だらけのような気がする
足りない何かだとか
失った何かに
少しづつ心が欠けていく
でも
月は満月ばかりじゃない
欠けた月だってある
月が見えない悲しい夜だって、
だから、心が欠ける事だって
丸くなることだってあるのかも知れない
毎日が後悔の連続
それでも
平穏無事と言える今が
幸せなのかもしれない
春がやってくるのに
夜はまだ少し長くて寒くって
まるで冬のような静けさ
こんな夜だからなのか
いまも時間はあの時に止まったまま
深く人を想う。