去年の秋から、中村文則さんの本を3冊読みました。
手にとってみようと思ったのは、ダビンチで紹介されていたことと、又吉さんが絶賛お薦めしていて、興味をそそられてでした。
「何もかも~」は最初に読んだ中村作品でした。
死刑囚とか死刑制度とか、こういった内容に興味があったので・・・。
重々しかったけれど、想像していたより文体とか読みやすかったです。
他の中村作品も読んでみたくなって、すぐに「土の中の子供」も読みました。
2作品とも、似たオーラというか雰囲気でした。
この2作品を読んで思ったのは、作者の中村さんは、どんな産まれ育ちをしているのかしら・・・と。
ウィキペディアとかで、つい検索してしまいました。
悲惨な暮らしをしていたとか、そういう記事は見つけられませんでしたが、普通に育って来て、これらを書くに至るとしたら、どうしてなんだろうな・・・なんて、小説とか直接関係ない事に思いをはせてしまいました。
色でいうとグレーとかこげ茶って感じのこの2作品の後、数ヶ月経って「惑いの森」を読みました。
図書館での人気が高くで、かなり順番待ちして、ようやく回って来ました。
こちらは、タイトルのせいもあるかもしれませんが、深緑色なイメージの本で、先の2つとは雰囲気が違って、ファンタジックな部分とか、ちょっと優しいあったかい処も感じられる小説でした。
短編が一杯入っていて、中には繋がっているようなお話もありました。
これを短編で出してしまうのは、勿体ない!このお話(アイディア)で一本長編が書けるんじゃないの?!ってお話も幾つも入っていました。
途中に入っている、挿絵も雰囲気に合っていて、とても良い感じでした。
今日こうやって感想をまとめようとしたら、割と最近読んだばかりだというのに、記憶がもう曖昧になっていて・・・。自分の脳の退化ぶり、、非常に心配です・・・。
「何もかも憂鬱な夜に」 中村文則 (2009/3/5)
内容説明
死刑制度を描いた長編小説
なぜ控訴しない?―施設で育った過去を持つ「僕」は、刑務官として、夫婦を刺殺した二十歳の未決死刑囚・山井を担当していた。一週間後に迫った控訴期限を前にしても、山井はまだ語られていない何かを隠している―。芥川賞作家が、重大犯罪と死刑制度に真摯に向き合い、生きる者と死にゆく者をつなぐ最後の希望を描き出す。
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「土の中の子供」 中村文則 (2007/12) 第133回(平成17年度上半期) 芥川賞受賞
内容紹介
私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた。重厚で、新鮮な本格的文学と激賞された27歳、驚異の新人の芥川賞受賞作。
主人公は27歳の青年。タクシーの運転手をして生計を立てている。親から捨てられた子供たちのいる施設で育ち、養子として引き取った遠い親戚は殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、彼の身体に染みついている」。彼の周囲には、いっそう暴力が横溢していく。自ら恐怖を求めてしまうかのような彼は、恐怖を克服して生きてゆけるのか。主人公の恐怖、渇望、逼迫感が今まで以上に丹念に描写された、力作。
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惑いの森 ~50ストーリーズ~ 中村文則、 松倉香子 (2012/9/21)
GWいかがお過ごしでしょうか^^
もしかしたら、子供さんの部活やらなにやらがあって、早朝から起きて、弁当作りとかしてたりして・・・
私は『掏摸』は未読なんだー。
涙した部分、教えてくれて、ありがとうー!!
でもさ・・・やっぱり、恐れていたことが・・・。思い出せない!!
いやぁ・・・ほんとに、私大丈夫だろうか・・。
せっかくお話してくださったのに、ごめんね・・・
後でまた改めてお邪魔するけど「ポエトリーアグネス」をつい数日前見たんだけど、あれを見ながら、恐怖・・・。
本当にやばい気がする・・・。
私は、中村文則さんの作品はまだ『何もかも~』と『掏摸』を読んだだけなんです。
『土の中の子ども』って芥川賞受賞作だよね。
私が涙したのは、施設長が「僕」にアメーバの話するじゃない?
全部、お前だけのためにあったんだ、みたいな。
あそこからもう、号泣だったなぁ。。。
あと、死刑囚の男に「僕」が言うじゃない? 控訴しろ、っていろいろ。
あの辺りも、もう泣きながら読んだわ。。。
すんごい暗い(そうそう、色で言うとグレーとかだよね)話なんだけど、私も救われた気がしたなぁ。。